比部
0畫
①ヒ [紙]
②ヒ [寘]
③ヒ [支]
①くらぶ(方·校)彼と此とをくらべあはせる「─較」○ならぶ(竝)○たぐひ(類)ともがら。○なれる(狎)荀、不苟「交親而不─」○したがふ。○しきり(頻)史、呂后紀「─殺趙三王」○詩の六義の一、他の事物にたとへ比べて述べる。○ためし、のり、かた(典例·先例·故事)○つづる、あつむ(綴緝)書史を綴緝する。漢書、儒林傳「公孫弘─緝其義」○をさむ(治)そなふ(具)=庀。○─丘 ビク は僧をいふ。
②したしむ(親)ちかづく(近)○ちかし(近隣)○周代、五家を一組とする稱。周禮、地官「五家爲─、使之相保」○やはらぐ(和)○したがふ(從)○およぶ(及)漢書、高帝紀「自度─至皆亡之」○いたる(至)○ひとし(齊)○あふ、かなふ(合)禮、射義「其容體─于禮」○くみす、おもねりつく(阿黨)○かんがへる(考)くらべる(校)○さきだつ。○しげし。○やはず(矢括)○かはる(代)○つぐ(次)○ころ、ころほひ。○齒のしげき櫛。○たすける(輔)○しきりに、しばしば。○易の卦の名、坤下坎上。○每に同じ「─年」
③ならぶ(竝)となり(鄰)○皋─ カウヒ は虎の皮。
同訓異義
ナラブ 比·竝·倂·幷·駢·雙·排の別は竝(立部五畫)の條を見よ。
かどなみ、比は列 ツラナル 漢書、王莽傳「堯舜之世、──可封」比屋可封とは人の皆善なる義。
ならび行く。史、蘇秦傳「騎不得──」=竝行。
彼と此とをくらべ合す。齊語「──民之有道者」左傳、序疏「非相──、則善惡不章」=比較。
前條に同じ、俗に較をカクの音に讀むは非。
殷の紂王の諸父、紂を諫めて殺さる。
くらべなぞらへる、比例する。
領地がならびつづく、土地の境を接する。史、諸侯王表「諸侯──」注「地相接次也」
組合を結びてすむ、五人組。周禮、注「──謂伍籍也」
佛 僧。釋氏要覽「梵語云──、秦言乞士、謂上於諸佛乞法、資益慧命、下於施主乞食、資益色身」女僧を──尼といふ。
佛 尼僧の稱。釋氏要覽「尼梵音具云───、亦名除饉女」唐書、藝文志に「釋寶唱撰、───傳四卷」あり。前條參看。
近郡に同じ。漢書、嚴延年傳「及──爲守」注「比、接近也」
○かたをならべる。白居易詩「步步──行」○轉じて同等の地位を保つ義。
肩をならべ、跡につづきて至る、つぎつぎに多く岀る。韓非、難勢「堯舜桀紂千世而一出、是比肩隨踵而生也」=比肩繼踵。
まいねん。何承天文「──考校、至今又四十載」=比年·毎歲。
しきりにころす。史、呂后紀「──三逍王」
次第をたてる、順序をついでる。周禮、注「敍猶──也」
ふねをならべる。柳宗元文「──爲梁」
○周は正しき道を以て普く交る、比は私の心を以てかたより親む。論、爲政「君子周而不比、小人比而不周」○轉じて廣く公私の别なくしたしみあふ義とす。左傳「頑嚚不友、是與──」
つづりあつめる。字解參看。
やはらぎしたがふ。管子「──以敬」
かかとをならぶ、續きて岀る義。皇甫湜文「史臣接躅、文人──」=接踵。
くらべかぞへる。
比余に同じ〔漢書、匈奴傳)
かたよりくみす。中論「講偶時之說、結比周之黨、更相歎揚、迭爲表裏」
ふえ、笙竽の類。莊、齊物「地籟則衆竅是已、人籟則──是已」
物理學にて或容積の物體の重さと、同容積の攝氏四度の蒸溜水の重さとの比。
まいねん。禮、王制「諸侯之於天子也、──一小聘」=頻年·比歲·每年。
くらべる、方も比。
しばしば。しきりに。漢書、成帝紀「郡國──地動」=頻頻。
つきしたがふ〔元史、劉秉忠傳〕ちかづきしたしむ。
詔令律令の校正其の他會計の事をつかさどる役人。
色色の物をくらべて考へる。禮、學記「古之學者、──醜類」
順序よくならぶ。顧況詩「山中多少樹、可憐無──」
くらべる、たぐひ。侔は齊 ヒトシ 韓愈詩「雷霆助光怪氣衆難──」
はかりごとをあはす。國語「孩童──」
鰈 カレヒ 鮃 ヒラメ などの類。爾雅「東方有───焉、不比不行、其名謂之鰈」
くらべたとへる。又、たとへ。=譬喩。
匈奴單于 ゼンウ の用ふる櫛。史、匈奴傳「──一、黃金飾具帶一」漢書には比疎に作る。
○比翼連理を見よ。○ 國 衣服の仕立方の名。
二っあはせるうちは。楊方詩「暑搖───」
比翼は一鳥一翼の鳥にて二鳥相竝びて始めて飛ぶ。連理は兩木の枝が木理を連ねる義。夫婦の睦じきに喩ふ。白居易、長恨歌「在」天願作比翼鳥、在」地願爲連理枝」
このごろ、ちかごろ。=近來。
たぐひ、同じなかま。宋仁宗皇帝、勸學文「無物堪──」=比類。
となり、のきならび。王勃詩「海內存知己、天涯若──」=四鄰·近鄰·鄰里。
比は五家、閭は二十五家の組合、村里の義。周禮、地官「令五家爲比、使之相保、五比爲閭、使之相授」
たぐひ。本行經「無──者」=比倫·匹儔。
○ためし、他の例。○なぞらへる、先例によろ。○二數の割合が他の二數の割合と同じき關係。又、其の計算法。
5畫
ヒ [支]
○あつし(厚)○たすく(輔)助力する。詩、小雅「天子是─」○あはす(幷)○犀─は胡人の革帶の鉤 オビガネ
たよる。晉書、王祥傳「武帝詔曰、太保元老高行、朕所──以隆政道者也」
たすけて益する。後漢書、劉聖公傳「望其──萬分、興化致理」=輔益·毗補。
たすける、贊は助。晉書、荀勗傳「──朝政」=翊贊·翼贊。
たすけおぎなふ。後漢書、馬后傳「言及政事、多」所──」=毗益。
助ける、翼は助。晉書、文帝紀「──前人、仍斷大政」=輔佐。
毗(前條)に同じ。
○ 佛 多聞 タモン と譯す、四天王の一、北方を護り、財寶を掌る。法華經科註「此云多闻、居須彌北面、卽護世四天王之一也」=多聞天。○ 國 七福神の一。
佛 天竺の工匠、善く佛像を刻む、今、佛として祭る。正理論「音云、毘濕縛羯磨、此云種種工業、西土工巧者、多祭此天」
ヒ [寘]
○つつしむ(愼)「懲─」詩、周頌「予其懲而─後患」○つかる、いたはる(勞)○泉の流れる貌。詩、邶風「─彼泉水」
13畫
サン [感]
ずるきうさぎ(狡兔)詩、小雅「躍躍─兔」