儿部
0畫
ジン ニン [眞]
ひと(人)
1畫
ゴツ ゴチ [月]
○高くして上平かなり。○秃げにる貌。○無知の貌。○──は動かざる貌。○あしきる(刖)○臬─は安からざる貌。=臲卼。
動かざる貌。韓愈、進學解「焚膏油以繼晷、常──以窮年」一說、心を用ふる貌。=矻矻。
足をきる刑罰。
動かずに坐する。蘇軾詩「──如枯株」
はげやま、又平地に突き出たる山。
兀 アシキル 刑に處せられたるもの。=兀者。
足きりの刑に處せられたる者。莊、德充符「魯有──王駘」
安からざる貌。劉伶、酒德頌「──而醉、怳爾而醒」一解、無知の貌。
突ぎ出てそびえたつ。
2畫
イン エン [軫]
○まこと(信·誠實)書、君奭「吿汝朕─」○まことに、眞に。書、大禹謨「惟精惟一、─執厥中」○うけがふ(肯)ゆるす(許)したがふ(從)應じて許す。○あたる(當)後漢書「案法平─」○おもねる(佞)
ゆるす。=允許。
まことによし。王粲文「度量──、氣齊允淑」
まことにやはらぐ。書經「庶尹──」
ゆるす、ゆるし。元稹文「如蒙聖慈、特賜──」=允可。
まことにつつしむ、誠實にして謹恭。書、堯典「──克讓、光被四表」
まことに和 ヤハラ ぎかなふ。晉書、杜夷傳「故能──時雍」
允は信、若は順、心の底より服從する。書、大禹謨「蘷蘷齊慄、瞽瞍亦──」
ただしくあたる。左、僖、二八「軍志曰、──則歸」
まこととして採用する。晉書「陳軍國之宜、多見──」
まことに文、まことに武、天子の文武の德の備はれるをたたへいふ。詩、魯頌、泮水「────、照格烈祖」
ゲン グヮン [元]
○もと(本)はじめ(始)=原。○一年の第一日。○年號の第一年。○年號。○よし(善良)易、繫辭「─者善之長也」○善き人。左、文、十八「堯擧八─使布五敎于四方」○大いなり。○かうべ(首)孟、滕文公「勇士不忘喪其─」○──はたみ(民衆)賈誼、過秦論「制海內子──」○氣、天地の太德。○をさ、つかさ(首長)
同訓異義
モト 元·本·原·舊·故·素等の别は本(木部一畫)の條を見よ。
わるもののかしら。書、康誥「──大憝、謂大可惡也」=元兇。
元好問を見よ。
もとね。翦燈餘話「開倉以賑之、但取──不求厚利」=原價·元直 ゲンチ
八元八愷を見よ。
國 三十卷、京都東福寺の虎關和尙編す、推古天皇以來七百餘年閒の、佛道に關する事を詳記す。
字は裕之、遺山と號す、金の太原秀容の人、七歲詩を能くす、長ずるに及び、經史百家を淹貫す、金元閒の文學者の最たり、元遺山全集四十卷あり。
易道にて乾(天)の四德、元は萬物の始、春に屬し仁と爲す、亨は萬物の長 ソダツ 夏に屬し、禮と爲す、利は萬物の遂、秋に屬し、義と爲す、貞は萬物の成、冬に屬し、智と爲す〔易、乾卦〕
○萬物の根本の勢、天地の氣。後漢書、明帝紀「升靈臺望──」○人の精氣。唐書「柳公度善攝生、嘗曰、吾初無術、不以──佐喜怒耳」○ 國 威勢·壯健·勇氣。
唐の元稹をいふ、九は其の輩行。白居易詩「倩雁將書與──」
天子の母方のをぢ。詩、大雅「王之──」
大吉に同じ。易經「黃裳──」
下の故事によりて、心よからぬ人の行爲をいふ。晉書「庾亮居外鎭、而執朝廷之權、導內不能平、常遇西風塵起、擧扇自蔽曰、────汚人」元規は亮の字、導な王導。
わるもののかしら。=元惡。
道敎にて女の仙人の美稱。男を眞人といふの對。紫虛──·碧霞──の類。
國家を興すに與りたる大功。又、君主を輔佐せし大功ありし者。梁簡文帝詩「校尉立──」
○造化の大いなるはたらき。陳子昂詩「仲尼探──、幽鴻順陽和」○帝王の德化に喩ふ。元結、補樂歌「──油油兮、孰知其然」
唐の元稹の詩は輕浮、白居易の詩は淺俗なりとの評語。珊瑚鉤詩話「────、郊寒島瘦、皆其病也」孟郊の詩は寒酸、賈島の詩は瘦衰の氣味あるをいふ。
一年のはじめの月、正月の異名。
字は次山、唐の武昌の人、天寶の進士、道州の刺史と爲り、容管經略使に進む、到る處、惠政あり、民石を立て德を頌す、卒して禮部侍郞を贈らる、其の詩自ら胸次を寫し、古人を規撫するを欲せず、唐人中に在りて别に一派を開けり。
○根本の義。後漢書、班固傳「──本本、殫見洽聞」○たみ、百姓。戰國策「制海內、子──」
○元は大、后は君、おほぎみ、天子をいふ。書、泰誓「──作民父母」○天子の嫡后卽ち第一皇后。明史「孝烈皇后方氏、世宗第三后也、后崩、詔曰、皇后比救朕危、奉天濟難、其以──禮葬」
元勳に同じ。帝業を佐 タス け興す大いなるてがら〔漢書、文景功臣表、注〕
元日に同じ。唐德宗詩「獻歲視──、萬方咸在廷」
大いにすぐれたるはかりごと。後漢書、注「──猶妙策也」
○元は首なり、天子の嫡子。詩、魯頌「建爾──、俾侯于魯」=太子。○唐の元結の自稱、又、其の著書に名づく。
明の宋濂撰す、本紀四十七卷·志五十三卷·表六卷·列傳九十七卷あり、此の書倉卒にして成る、最も疏略となす。
はじめのとし、第一年、祀は年、殷代の語。=元年。
國 一月三日に天子が賢所及皇靈殿に天神地祇と歷代の皇靈とを祭らるる祭。國本を年の首に祭る故にいふ。
元結を見よ。
字は、微之、唐の河南の人、元和六年制科に擧げられ、第一たり、詩を善くし、白居易と倡和し、元白と竝稱せらる、時に元和體と稱す。
○天子。書、益稷「──明哉、股肱良哉、庶事康哉」○はじめ、原始。晉書、律曆志「更以十一月朔旦冬至爲──」
總大將をいふ。左、僖、二七「晉作三軍、謀──、趙衰曰、郤穀可」
總大將の居る本營。蘇軾詩「───前羅萬戟」
大いにすぐれたるひじり。書、湯誥「求──與之戮力」=大聖。
上元卽ち正月十五日の夜。韓偓詩「──淸景亞元正」=元夕。
おほぞら。蔡邕詩「奕奕──」=大空。
上元の夜、正月十五日の夜。事類全書「唐太宗時、三元不禁夜、上元御乾元門、中元下元御東華門、而上元游觀獨盛」吳師道に──詩あり。=元宵·元夜。
物の成分を形づくる原質。
大いなるさいはひ。宋史「永錫──」
大いなる兵車。詩、小雅、六月「──十乘、以先啓行」=大戎。
○本妻。○よつぎ、嗣子。
大いなるとく。書經「玆亦惟天若──、永不忘在王家」
佛耳草 ホトケノザ の一名。
○第一番目のきさき、皇后。史、周本紀「姜源爲帝嚳──」○始めて聚りし妻。=元配。
唐の詩人元稹(微之)と白居易(樂天)と。唐書、白居易傳「居易最工詩、與元稹酬詠、故號──」
○大いなる祥瑞。揚雄、長揚賦「方將俟──、以禪梁父之基、增泰山之高」○宋の哲宗の年號。
男子の二十にして冠を著くる儀式。元は首、冠は首に著く、故にいふ。儀禮、冠禮「令月吉日、始加──、棄爾幼志、順爾成德」
○物事のもと。晉書、天文志「北斗七星、在太微北、七政之樞機、陰陽之──也」通典「宋孝建元年詔曰、尙書、百官之──、庶績之樞機」○もと金(母財)利子金に對していふ。
國家に大功ある臣。詩、小雅、采芑「方叔──、克壯其猶」
國 維新 ヰシン の際の功臣を以て組織せし立法部。
大いによし、又其の者。書、太甲「一人──、萬邦以貞」
貸し又け預けたるもときん。利子の對。
一年の最初の日、正月朔日。字彙「正月一日曰──」=元旦·元朔。
物ごとを始め出したる人、鼻祖 ビソ 又商品を始めて發賣せし家。
元日のあした。梁三朝雅樂歌「四氣新──、萬壽初今朝」
元旦に同じ。僧惠洪詩「──喜見雪」
○帝王卽位の第一年。○年號のあらたまりたる第一年。
もとより、もと。=本來。
元金と利息の金と。
3畫
①ケイ·キヤウ [庚]
②キヤウ [漾]
①あに、いろせ·このかみ。○二人又は二物の中にて優れる方。世說·德行「元方難爲其─季方難爲其弟」○親しき友を呼ぶ敬稱。
②いはんや·まして。樊毅、華嶽廟碑「君善必書、─乃盛德」=況。○おそる。=怳。○くらぶ。○ 國 え、十干の甲 キノエ 丙 ヒノエ 戌 ツチノエ 庚 カノエ 壬 ミツノエ にいふ。えは兄の義。
妻より夫の兄を呼ぶ敬稱〔爾雅、釋親〕
兄として敬ひつかふ。曲禮「十年以長、則──之」
優劣をわかちがたき義。世說「陳元方子長文有英才、與季方子孝先、各論其父功德、爭之不能決·諮于大邱、大邱曰、元方難爲其兄、季方難爲其弟」大邱は元方及び季方の父、大邱の長陳寔。
あにと、おとうとと。書、君陳「惟孝·友于──」詩、小雅「──旣翕、和樂且耽」=昆弟。
兄弟が牆の內にて互に爭ふも、外より侮りて來る人あらば、一致して之を禦ぐ。詩、小雅「兄弟鬩于牆、外禦其務」務は侮。
親しみ深き國、又互に嫁娶の關係ある國。周禮「以脤膰之禮、親────」史、張儀傳「秦楚娶婦嫁女、長爲────」
兄弟は手足の如く、一度失へば再び得る能はざるをいふ。莊子「─────夫婦如衣服、衣服破時更得新·手足斷時難再繼」
シユウ ジユ [東]
通音ジユウ
○みつ(滿·實)孟、梁惠王「君之倉廩實、府庫─」○ふさぐ、ふさがる(塞)詩、邶風「褎如─耳」註「如塞耳無聞也」○あつ(當)漢書、揚雄傳「─庖廚而已」○おこなふ(行)○ながし(長)○たかし(高)○わづらはし(煩)左、哀十一「事─政重」○よし、うつくし(美)○こゆ、こやす(肥)○あく(飽)○──は心に憂ある貌。
同訓異義
ミツ 充·滿·盈·實·塞·塡の别は滿(水部十二畫)の條を見よ。
くらゐにあてる、徒に員に備はるのみにて其の責を盡さざる義。史、酷吏傳「丞相取──、天下事皆決于湯」=伴食。
みちあふれる。史記「──而露積於外」
みちみつる。禮記「四體旣正、膚革──、人之肥也」=充滿·充實·充牣。
みつると、むなしきと。楚辭「攀北極而一息兮、吸沆瀣以──」
喜びて節を失ふ貌。禮、儒行「不──於富貴」
血が身體の一所に集り滯る。又其の病「腦──」
かけたるをおぎなふ。漢書「今當選於羣卿、以充其缺」
○みみにあてるかざり。詩、衞風「──琇瑩、會弁如星」○耳聾 ツンボ の狀にいふ。詩、邶風「褎如──」注「如塞耳無聞也」
十分にみち足る。後漢書「財富──、鋒銳未可當也」=充牣。
みちて一ぱいになる、牣は滿。後漢書、淸河王慶傳「珍寶玩好──其邸」=充實·充盈·充滿。
みちひろがる、充は滿、斥は大なり。左、襄、三一「寇盜──」
みちつもる。陳書、袁樞傳「貲產──」
みちて餘る。唐書「儲倉──」
十分にみちたる。
ふさぐ、ふさがる。孟、滕文公「邪說誣民、──仁義」
充塡に同じ。
庭にみつる。晉書、樂志「嘉會置酒、嘉賓──」
あてはめる。宋史、兵志「取人分類──」=充當。
積みてむなぎにとどく。藏書の多きにいふ。柳宗元、陸文通墓表「其爲書、處則──宇、出則汗牛馬」
たりととのひて美なり。
みちそなはる。後漢書「贈送什物、無不──」
俗に十分と同じく用ふ。
充牣に同じ。莊子「──天地」
あてもちふる。
賓客が門閭にみつる、男子を生むを賀するの詞。晉書、賈充傳「充字公閭、父逵晚始生充、言後當有────、故以爲名字焉」
4畫
キヨウ [冬]
○あし(惡)凶に通ず。○あらし(暴)○おそる(恐)恟に通ず。○おそるるこゑ(懼聲)
わるもの。=兇徒。
人を殺傷するに用ふる器。
おそる。左、僖、二八「曹人──」
わるくよこしま。兇惡にして陰險。
直接に手を下して人を殺傷せし者、下手人。=兇犯。
わるもの。=惡人·兇漢。
わるくしてあらし。又其の者。
人ごろしなどの變事。
①クヮウ [陽]
②クヮウ [漾]
①ひかる、ひかり、あきらか(明)てり、かがやく(燿)つや、(滑澤)いろ(色澤)てらす(照)○大いなり、ひろし(廣)○美くしき文物、文化。易、觀卦「觀國之─」○ほまれ、榮譽。淮南、俶眞「與之同─」
②いろどる(彩)
光は大いに保有する義。左傳「──天下」
としつき、歲時、光は畫日、陰は夜。李白、春夜宴桃李園序「──者百代之過客」
歲月の速やかに過ぎゆくに喩ふ。顏氏家訓「光陰可惜、譬諸逝水」
月日の速かに過ぎて再び復らざるに喩ふ。李益、遊子吟「君看白日過、何異弦上箭」
てりうつる。南史、陳後主張貴傳「──後庭」
ほまれ。李白詩「名在烈女籍、竹帛以──」=榮譽。
ひかりかがやく。列子「日月星辰、亦積氣中之有──者」=光輝。
あきらかにひろむ。諸葛亮文「照烈皇帝、體明叡之德、──文武」
もえる火、ほのほ。次條に同じ。
ほのほ。盛んなるいきほひ。韓愈詩「李杜文章在、──萬丈長」=光焰。
よき評判。魏書「吸引後生、爲其──」=聲價。
佛 三十二相の一。佛の眉閒にある白き光明を放つ毛。
物理學の一部にて、光線に關することを硏究する學問。
ひかりかがやく。魏志「德敎──、九服慕義」=光輝。
ひかりかがやく。班固文「淸廟之──」=光耀。
○ひかり、かがやく氣。竹書紀年「日月──、旦復旦兮」=光采·光輝。○光榮の義。鮑照詩「宗黨生──、賓僕遠傾慕」
あやしくかがやくひかり。懷素法帖「夜夜風雷起──」
ひかりかがやく貌、名聲のかがやく形容。漢書、馮奉世敍傳「子明──發迹西疆」
きらきらとひらめく。王逸、九思「奔電兮──」
○日のひかり。韓愈詩「晴日占──」○景色、おもむき。
めでたき事。忠經「先後──、皆君之德」=休慶。
德などの明かにあらはるる義。詩經「明明在下」の疏「──之德、在于下也」
俗 惡黨曲者 クセモノ 無賴の匪徒をいふ。
次條に同じ。
ひかりのあや。うつくしきかざり。北齊書、魏收傳「朝有魏收、便是國之──」
海參 ナマコ の一種、我が近海に產す、水煮曝乾して支那に輸出す。
俗 はだか(裸體)=光身子。
いるつや。南史「──甚麗」=光澤·色澤。
ひかりかがやく。張衡、東京賦「德宇天覆、輝烈──」
○ひかりかがやく、明かに照らす。魏武帝、秋胡行「明明日月光、何所不──」○かがやかしあらはす。左傳「──先君之令德、可不務乎」
光のひらめき。
ひかり、ひかりのすぢ。=光芒。
明かにあらはしひらく。晉書、赫連勃勃載記「哲王繼軌、──徽風」
いろつや。=光色。
光線の波動。
きらきらするひかり。杜甫詩「疊浪日──」
德のひかりが普く世に及ぶ。書、堯典「──四表、格於上下」
心の高明なる形容、霽月は雨後の月。宋史、周惇頤傳「人品甚高、胷懷酒落、如────」
舊業を恢復する義。南齊書「──中華、永敦隣好」
後漢の帝の始祖、姓は劉氏、名は秀、字は文叔、前漢の高祖九世の孫、兵を起して天下を平げ、建武元年洛陽に卽位す。
うつくしき名。管子、中匡「──滿天下」=美名。
○明かにひかる、ひかり。詩、周頌、敬之「學有緝熙于──」○ クワウミヤウ 佛 佛の德のひかり。
心の潔白にして、道理正しく大いなる義。淸、顧棟高、春秋大事表卷首、讀春秋偶筆「如此幾同俗吏之引例比律與鯫生之咬文嚼字、聖人心事、────、決不如此」
人の來ることの敬稱。=光顧·光臨。
人の來ることの敬稱、光は榮なり、降臨を以て榮とする義。晉書、劉驎之傳「枉駕──」=光來·賁臨。
大いなるいさを。易林「──無窮」
漢代の宮殿掖門戶を掌る官。漢書、百官表「郞中令掌宮殿掖門戶、武帝更名───」
祭祀·朝會等の事を掌る官。宋史「────、掌祭祀·朝會·宴饗·酒醴膳羞之事」
①セン [先]
②セン [霰]
③セン [銑]
①さき。○はじめ(始)○まへ(前)後に對していふ。吳志、諸葛恪傳「將軍在─」○今より前「─是」○早し。韓愈、師說「生乎吾前、其聞道也、固─乎吾」○かしら(首)○むかし(古)詩、大雅「─民有言、詢于芻蕘」○とほつおや「祖─」「─世」司馬遷、報任安書「太上不辱─」○已に死せし者「─考」「─帝」「─君」○まづ。大學「欲治其國者、─齊其家」
②さきたつ、さきんづ。禮、月令「─立春三日」○あによめ(姒)
③さきがけ(前驅)洗馬は─馬。
先人のなしたるはかりごと。胡宿禁內降詔「祗服──」
衆人より先に憂へ、衆人より後に樂む、志士仁人の國家に對する心がけ。范仲淹の語。歐陽修、范文正公神道碑銘「先天下之憂而憂、後天下之樂而樂」又抱朴子「先憂爲後樂之本」
さきにたちて道案內する。漢書、蕭望之傳「少史冠法冠、爲妻──」=先導。
せんぞのはか。過庭錄「吾恐愚民致疑害爾──」
亡き父、考は亡父。爾雅「父曰考、母曰妣」=先人·先君。
人にさきだちて道を悟れる人。孟、萬章上「予天民之──者也」=先知。
さきばらひ、又さきがけ。史、孟軻傳「鄒子如燕、昭王擁篲──」
○亡き父。○他人の亡父。北史「穆紹讓元順曰、老身與卿──、亟連職事」○歷代の天皇。書、伊訓、注「──謂禹以下少康以上賢王」○祖父以上の稱。孔叢子「吾──之相魯」
あとげつ、去月。=前月。
一番さきに取りきめる可きことがら。
事に先だちて見込を立てる。後漢書、楊彪傳「愧無日磾──之明、猶懷老牛舐犢之愛」
むかしの賢人。禮記「祀──於西學」=先正。
さきにするとあとにすると。大學「知所──、則近道矣」
國 さきほど、いましがた。
死去又は離緣 リエン せしつま。後妻の對。
先人に同じ。
せんぞのまつり。左傳「苟守──無廢二勳」
おやゆづりの財產。=遺產。
先見の明をいふ。晉書、索靖傳「靖有──遠量、指宮門銅駞曰、會見汝在荊棘中耳」
さきのひ、このあひだ。=過日。
○亡き父。=先子·先考·先君。○せんぞ。聽雨紀談「今人稱先子·先君·──爲父、然不獨父也、如曾西稱曾子曰、吾先子之所畏也、則稱祖爲先子」=先世·祖先。
○死亡せし臣。○君王又は主君に對して、已に死せし父の稱。
秦の始皇帝以前の時代、卽ち戰國時代。禮、河閒獻王傳「獻王所得書、皆古文──舊書」
學問、官位の己より先に進める人。論、先通「──於禮樂野人也」
人よりさきにいひ出す。文子「──者窮之路也」=首唱。
人より先に手を著ける。蘇軾詩「吿歸謝──」
先代の儒者。杜預、左傳序「──所傳、皆不其然」
他の債權者より一番先に辨濟を受け得る特别の權利。
茶の異名〔茶譜〕盧仝、茶歌「──抽出黃金芽」
先人ののこせるしごと。邢劭文「世宗統歷、聿遵──」=遺業。
陰陽家にて、急用、又は公事沙汰などに適すと云ふ日。丨─日の略。
先人のなしたるあと。
前の世の賢人。書、說命「昔──保衡」=先賢·先民·先哲。
○己より先に生れて、道を辨へ知れる人。孟、吿子「──將二何之」○敎師、師匠。管子、弟子職「──施敎、弟子是則」○人を呼ぶ敬稱。史、平原君傳「毛──以三寸之舌、彊於百萬之師」○父兄をいふ。論、爲政「有酒食──饌」○鄕人の官を退きて家に居る者の稱。禮、士冠禮「鄕──」
亡父。又、祖先。唐書、王師範傳「吾恭──、且示子孫不忘本也」=先人。
古の聖人をいふ。班固、幽通賦「謨──之大猷兮、亦隣德而助信」
古、學を立つる、必ず────に釋奠す、虞·夏·商·周四代は舜·禹·湯·文を以て先聖とし、此の四聖を佐けて其の德業を成就せし者を先師と爲す。隋以後は、大抵孔子を先聖とし、顏子を配して先師とす。
國 先月の前の月、去去月。
○初代の祖先〔書、多士〕=始祖。○始祖以下歷代の先人。
○官位、學問の我より先に進みたる人。庾亮、讓中書監表「十餘年閒、位超──」=先輩。○ センダツ 國 修驗者などの勤行をつみて峯入のときに先導となる者の稱。
衆人より早く道を覺り知る、又、其の人。孟、萬章「使──覺後知」=先覺。
先祖より世世傳へ來りし田業 タワザ 後漢書、班固傳「農服──之畎畝」
先鋒に同じ。
人よりさきに到著する。
佛 先代の住持。梵網經「──僧獨受請」
前代の天子。諸葛亮、出師表「──創業未半」
いにしへの賢者〔書、召誥〕=先正·前哲。
國 八卷、原善著す、德川時代の儒者文人の事歷性行を記す。
○人の生れ來る以前をいふ。易、文言「──而天弗違」○生前より我が身に備はる。
國 身のなりゆき、最期 サイゴ
まっさきに敵の城に攻め入る。さきがけ。左、隱十一「潁考叔取鄭伯之籏蝥孤以──」
先に聞きたることを重しとする義。漢書、息夫躬傳「觀覽古戒、反覆參考、無以先入之語爲主」
天子又は太子の出御に供奉するさきがけ(前驅)越語「句踐親爲夫差──」=洗馬。
學問年齡の我より長じたる人。王維詩「爲學輕──」=先進。
國 むかう、相手かた。此方 コチラ の對。
○先だちて出發す。○先だちていひ出す。史記「汲黯──、弘推其後天子常說」=先唱。
さきほど。=先度。
前になしたる惡事。=前非·昨非。
亡き母、妣は亡母。先考を見よ。
亡父をいふ。=先考。
陰陽家にて、公事などに忌む日、緣起のわるき日、──日の略。
亡父の敬稱、單に府君ともいふ。蘇洵文「憶與羣兒、戲───側」朱子語類「無爵曰府君夫人、漢人碑已有、只是尊神之辭、府君如官府之君」
人に先んじてする。さきがけ。次條を見よ。
人に先だちて功を成す。晉書、劉琨傳「琨少負志氣、有縱橫才、與祖逖爲友、逖被用、與親故書曰、吾枕戈待旦、志梟逆虜、常恐祖生先吾著鞭」
いくさのさきがけ。唐書、薛仁貴傳「問──白衣者誰」
いにしへの賢人。詩、大雅「──有言、詢于芻蕘」
第一になすべきつとめ。宋史「以改刑爲──」
先に約する。北周書、楊孝傳「欲背──」=前約。
先づ之が容を爲す、前以て其の人をとりもつ。鄒陽、獄中上書「蟠木根柢、輪囷離奇、而爲萬乘器者、何則以左右先爲之容也」前以て彫刻して形容をつくる義。蘇軾、上梅直講書「非左右爲之──、非親舊爲之請屬」
以前からのしきたり、これまでありしためし。梁書、袁昂傳「事有──」=前例。
先祖の靈魂。後漢書、光武紀「──無所依歸」
前代よりの餘光。書經「俾克紹──」
古の善き天子。論、季氏「昔者──以爲東蒙主」
國 郵稅又は運送料金を先方の受取人より仕拂ふ規定。
先だちて事を擧ぐるときは、能く人を制し得べし。史、項羽紀「會稽守殷通謂項梁曰、江西皆反、此亦天亡秦之時也、吾聞────、後則爲人所制」
我より先に我心に欲する通りの事をなせるを喜ぶ。詩、邶風、綠衣「絺兮綌兮、凄其以風、我思古人、實獲我心」
兌(儿部五畫)の俗字。
テウ [篠]
○うら、うらなひ、龜の甲を灼 ャ き、われめによりてうらなふ占。周禮、春官、大卜「掌三─之法」○うらかた。漢書、文帝紀「─得大橫」○きざし、しるし。○きざす、はじまる。○億の十倍。○おほし(衆多)○わかつ(分)○はかばのさかひ(塋界)占ひて定むる故。孝經、喪親「卜其宅─而安厝之」○まつりのには(壇域)○京─は京師をいふ。韻會「─者衆數、言大衆所在也」
はかば。周禮、春官、冢人「掌公墓之地、辨其──」=塋域。
衆くの民〔梁武帝、訊獄詔〕=兆民·億兆。
きざし、まへじらせ。
うらかた。漢書、王莽傳「豫知成敗、咸應──」
物のきざし。淮南、俶眞「欲與物接而未成──」佩觹集「吉凶形兆、謂之──、字从目」
おほくのもの。鸚鵡賦「乾坤之──萬品錯而殊形」=萬物。
おほくのたみ。書、呂刑「一人有慶、──賴之」=億兆·衆庶。
5畫
コク [職]
剋に通ず
○たふ(任)あたふ(能)○よく、よくす(能)○う(獲)○しのぐ。○かつ(勝)○かちき(勝心)○心を抑制する。○掊─は稅を多く取る。=誅求。
同訓異義
カツ 克·勝·捷等は勝(力部十畫)の條を見よ。○ヨク克·能·善·喜·好○克はかつと訓む、成し難きところをしおふせる義、能也と註すれども、能よりは重し「克己」書經「克明二峻德一」○能はもと獸の名、熊に似て、强堅なるもの、故に、强壯にして事に勝ふるをいふ、故に能は得に通ず。中庸に「語レ大天下莫二能載一」とあるは、載することを得ることなしに同じ。○善は良也、吉也と註す、十分至極せる義「善事二於父母一爲レ孝」の類、能レ書といへば、其人の力にて書に堪能なるをいひ、善レ書といへば、外より見てその書のみごとなるをいふ、善は一に多の義に用ふ、善笑·蠶麥善收の如し。○喜はこのみてと訓む、うれしがる義。史、東方朔傳「喜爲二庸人、一誦說」の類。○好は思ひてみてよしとする義。左傳「好以レ衆整」
よく親に事へる。書經「恪愼──、肅恭神人」
おのれの慾にうちかつ。論、顏淵「──復禮爲仁」
よく儉約する。書經「克勤于邦、──于家」
よくにる。=克肖。
へりくだりてゆづる。書、堯典「允恭──」
よくにる。韓愈文「──其德」
よくうけつぐ。書經「俾──先烈」
敵にうちかつ。晉書「所在──」
よく君に事へる。書經「爲下──」
四っの惡德、克は勝つことを好み、伐は自らほこる、怨は恨む、欲は貪る。論、憲問「────不行焉、可以爲仁矣」
よくさとし。詩經「曾孫不怒、農夫──」
もとのやうに取りかへす。南史「投袂一起、則皇祀──」=剋復。
①タイ [泰]
②エツ [月]
通音ダ
①易の卦の名。○よろこぶ(悅)○あな(穴)老子「塞其─、閉其門」○とほる(通)○なほし(直)○かふ(貤易)丁芝仙詩「十千─得餘杭酒」○さは(澤)○あつまる(鍾·聚)荀、議兵「仁人之兵─則若莫邪之利鋒」
②よろこぶ、說に通ず。
ひきかへる、正金と紙幣とのひきかへ、両換。之を行ふ銀行を──銀行、其の手形を──券、又、──紙幣といふ。=那換。
兔(次畫)の俗字。
①ベン·メン [銑]
②ブン·モン [問]
①まぬかる、のがる(脫)○ぬぐ。韓愈、毛穎傳「因─冠謝」○さける(避)韓愈、送石處士序「請與出遊未嘗以事─」さる(去)○やめる(止)○ゆるす(釋)罪を宥す、束縛を解く。○除く、納稅の義務を除く。北齊書、文宣帝紀「遭蝗之處─租」○しりぞく(黜)漢の時、其の官を黜け去らしむる義。○はなつ(縱)
②子をうむ、娩に通ず。○喪の禮にて冠を去り髮を括る。○あざやか(鮮)
同訓異義
ユルス 免·赦·釋·聽·允·許等の别は赦(赤部四畫)の條を見よ。
○服役の義務をゆるす。○兵に出ることをゆるす。
傳染病にかかることをのがれる。藥液注射其の他の方法によりて、病の感染をのがるる性となることを──性といひ、其の體質を──質といふ。
國 ゆるす、ゆるし。=允許。
或事を行ふ自由を與ふる證として官府·學校、又は師家より附與する證書。=免狀。
官職をゆるさる。事物紀原「梁崧爲太僕、作私書、請託郡縣、發覺──」=免職。
つみをゆるす。
すでに父母の喪を除くをいふ〔禮記〕
懲役の年限を終へて出獄せし者、出獄人。
罪をゆるす。後漢書「──參刑」=赦免·宥免。
免許狀に同じ。
官職を免ずる〔南史、何敬容傳〕=免官。
免租に同じ。
其の座を立つ。家語「冉有──」=離席。
租稅を免除す。北齊書、文宣帝紀「遭蝗之處──」=免稅。
地租を課せられざる地、公立學校敷地、鄕村社地墳墓地、堤塘、井溝、鐵道用地等の類。
檢事の起訴せし公訴被吿人を、證據不十分等にて放免する處分。
つみをのがれる。漢書「盜賊不輒伏辜、──者衆」
かぶとをぬぐ。國語「──而聽令」=免冠。
役をやめしりぞける。後漢書、梁冀傳「故吏賓客、──者三百餘人」
義務をゆるしのぞく。
子を生む。史、趙世家「朔婦──生男」=娩身·分娩 ブンベン
6畫
①ジ·ニ [支]
②ゲイ [齊]
俗にルの音に宛てて用ふ
①こ、ちご、みどりご(孩子)わらは(童)○をさなし、いとけなし(幼少)よわし(弱)○物の名の下に添へる助字。郝經詩「橘奴又梨─」
②こども、倪に通ず。○姓、漢に─寬あり。
小兒の敎育は惡習に染まざる幼時に於てすべきをいふ。顏氏家訓、敎子「孔子云、少成若天性、習慣如自然是也、俗諺曰、敎婦初來、────、誠哉斯語」
こどものたはむれ。取るに足らざる喩。史、絳侯世家「曩者霸上棘門軍、若──耳」
小兒科の略。
兒輩に同じ。
こと、まごと。王勣文「弄──於襁褓」=子孫。
子孫には自ら子孫の計あるべければ、徒に子孫の爲めに遠き憂慮を爲すに及ばず。宋詩紀事「汲汲光陰似水流、隨時得過便須休、───────、莫與兒孫作馬牛」
こども、又、男の子と女の子と。韓愈詩「無爲──態」──態とは情にひかさるる所あるさま。
こどもの敎養婚嫁の諸費をいふ、免る能はざる負債の義。琵琶記「願相公早畢────」
○小兒がなく。援鶉堂筆記「俗患──」○小兒の啼く如くに啼く。史記「子產治鄭二十六年而死、丁壯號哭、老人──」
こども。蘇軾詩「──誦君實」君實は宋の司馬光の字。
こどもたち。戴復古詩「──欲知當日事」=小兒輩·兒曹。
○ 俗 むすこ、息子。○夫をいふ。=兒夫。
漢の千乘の人、尙書を治む、家貧くして賃作し、經を帶びて鋤く、漢の武帝の時、對策して掌故となり左內史に遷る、吏民之を信愛す、世務に通じ、文法に明習す、經術を以て吏事を緣飭す、後ち御史大夫となる。
老人の齒落ちて更に生ずる者、長壽の徵とす。詩、魯頌「黃髮──」
ジ [紙]
獸の名、野牛に似て色靑く、重さ千斤、一角あり。長さ三尺餘、性よく抵觸 テイシヨク するを以て其の角にて罰杯を爲りて酒戒と爲す、皮は堅厚にして甲に製す。
兕の皮にて造れるよろひ。周禮、冬官、考工記「──六屬」
兕の角にて製れる觥 サカヅキ にて、古、罰杯に用ふ、又廣くさかづきの義とす。詩、周南、卷耳「我姑酌彼──」=角爵。
賢者が災厄に遇ひて、其の不幸を嘆ずるにいふ。孔子世家「孔子於野不得行、絕糧、從者病莫能興、孔子講誦弦歌不衰(中略)孔子知弟子有慍心、乃召子路而問曰、詩云、────、率彼曠野、吾道非邪、吾何爲於此、云云」詩は詩經、小雅、何草不黃篇。
ト [遇]
うさぎ、山野に穴居する獸の一、長二尺許、色黑褐又白色、耳長く、前肢短く、善く走る、目は赤く、上脣缺く、毛は筆を製するに用ふ。曲禮「─曰明視」韻會「陸佃云、─吐也、明月之精、視月而生、故曰明視」
卑近なる書物、通俗の書物、轉じて自著の謙稱。五代史、劉岳傳「───者、鄕校俚儒敎田夫牧子之所誦也」
兔を得て仕舞へば最早蹄卽ち兔を捕ふるわなは不用となる、學問が成就すれば書物は不用になる喩。筌蹄を見よ〔莊、外物〕
ふで。羅隱詩「幽窗染──」
うさぎに角を生じ、龜に毛を生ず。世に無きことの喩。楞嚴經「無則同於龜毛兔角」
兔が方に起ちて、はやぶさが已に落つ、書家の語、筆勢の健快なるに喩ふ。郝經詩「兔起復鶻落、雲行溪水流」
三っ口。晉書、魏詠之傳「生而──」兔の上脣は缺く、故にいふ。=免脣。
ねなしかづら、春、絲に似たる芽を生じて他の草木に寄生し、晚夏、小白花を著く。淮南子「千年之松、下有茯苓、上有──」
ねなしかづらがつたにからみつく、夫婦の契にいふ。古詩「與君爲新婚、─────」
三っ口、缺脣。=兔缺。
うさぎあみ。詩、周南「肅肅──、椓之丁丁、赳赳武夫、公侯干城」
兔は月、烏は日、日月の速かに過ぐるをいふ。莊南傑、傷歌行「────不相見、人事依稀速如電」
7畫
エン [銑]
○まこと(信)○古の九州の一、今の山東省の西北と、直隸省の西南との地。禹貢「濟河惟─州」
8畫
タウ [養]
俗に黨の略字として用ふ
人の姓、─耐虎は姚秦の將。○─懷英は金人、字は世傑、能く文を屬す、篆籒は當時第一と稱せらる。
9畫
トウ ツ [尤]
○かぶと(胄·首鎧)○まどふ(惑)晉語「在列者獻詩、使毋─」○後よりして之を圍む「─拿」「─捕」○─子は輿の屬、今は山轎の稱とす。○梵語のトの音に宛て用ふ。
かぶと(盔)古は革を用ひ、後世は鐵を用ひて作る。說文「──首鎧也」=兜牟。
佛 欲界六天の第四天、地上三十二萬由旬の上にありて、彌勒菩薩 ミロクボサツ 之に居る。大藏法數「梵語──、華言知足、謂其於五欲境知止足、故此王依空而居」
前條に同じ。
10畫
シン [眞]
○すすむ(進)○──は衆多の貌。
12畫
キヨウ [蒸]
○つつしむ(戒愼)いましむ(戒)おそる(懼)矜に通ず。○──は自ら安んぜざる貌、又、ふるふ、わななく(戰栗)又、かたくつよし(堅强)
おそれいましむ。溫庭筠文「君子之所──」
ふるひおそる。宋書、文帝紀「顧己──何以克堪」=戰悸。
○戒め懼るる貌。詩、小雅、小旻「戰戰──如臨深淵、如履薄冰」○戒めつつしみて自ら安んぜざる貌。書、皋陶謨「──業業、一日二日萬機」○堅彊なる貌。詩、小雅「矜矜──、不騫不崩」
つつしみおそる。柳宗元文「懇廻逾深、──無措」