舟部

0畫

舟  

シウ [尤]

○ふね(船)「孤─」「扁─」「輕─」「虛─」「釣─」「漁─」「歸─」易、繫辭「刳木爲舟、剡木爲楫、舟楫之利、以濟不通」○おぶ(帶)詩、大雅「何以─之、惟玉及瑤」○ 國    フネ 水·湯·酒などを入わる桶。=槽。

【舟遊】 シウイウ 

ふなあそび。

【舟行】 シウカウ 

ふねにて行く。柳宗元、袁家渴記「──若窮、忽又無際」舟にて山溪の重複囘互せる處を行けば、水路窮りて殆んど路なきかを疑ふ處に至り、忽ち一轉して、又廣闊なる處に出ることあるをいふ。

【舟艦】 シウカン 

いくさぶね。宋書、武帝紀「焚賊──、悉力而上」=船艦。

【舟軍】 シウグン 

ふないくさ。吳志、全琮傳「魏以──、大出洞口」=水師·舟師。

【舟載】 シウサイ 

ふねにのせる。黃庭堅詩「安得此身脫拘攣、──諸友長周旋」

【舟子】 シウシ 

せんどう、かこ。詩、邶風「招招──、人涉卬否」=舟人。

【舟師】 シウシ 

ふないくさ。左、襄二四「楚子爲──一以伐濮」=舟軍·水軍。

【舟楫】 シウシフ 

○ふねと、かぢと。易、繫辭「──之利、以濟不通」○轉じて天子の輔佐の臣に比す。書經「若濟巨川、用汝作──」とあるに本づく。汝は傅說。

【舟人】 シウジン 

せんどう。詩、小雅「──之子、熊羆是裘」

【舟車】 シウシヤ 

ふねと車と。中庸「──所至、人力所通」=舟輿。

【舟戰】 シウセン 

ふないくさ。墨子「楚人與越人、──于江」=水戰。

【舟中敵國】 シウチユウテキコク 

味方の中にも敵ある義。史、吳起傳「君不修德、則舟中之人盡敵國」

【舟中之指可掬】 シウチユウノユビキクスベシ 

敗兵舟を爭ひ攀づ、先づ乘れる者其の指をなで切にす、故に指の舟中におつる者兩手にてすくふべし、甚だしき敗軍の形容。左、宣十二「晉中軍下軍爭舟、──────」

【舟底】 シウテイ 

ふなぞこ。駒陰宂記「佯落簪──」=船底。

【舟筏】 シウバツ 

ふねと、いかだと。又、船。唐書、食貨志「私錢犯法日蕃、有以──鑄江中者」=舟栰。

【舟輿】 シウヨ 

ふねと、くるまと。史、司馬相如傳「──不通、人迹罕至」=舟車。

【舟梁】 シウリヤウ 

○ふなばし。詩經「造舟爲梁」○ふねと、はしと。莊、馬蹄「至德之世(中略)山無蹊隧、澤無──」(非望の利を求めず、故に一家に止りて足る義)

【舟艫】 シウロ 

ふねのとも。又、ふね。魏書、崔楷傳「遙途遠運、惟用──」

【爭舟】 フネヲアラソフ 

互に舟に乘ることを爭ふ。舟中之指可掬を見よ。

【同舟濟江】 フネヲオナジクシカウヲワタル 

苦樂を共にする喩。孫子、九地「吳人與越人相惡、當其同舟而濟、遇風、其相救也、如左右手」

【藏舟於壑 】 フネヲガクニザウス 

物を藏することの堅固なる義。壑は大いなる溪谷。莊、大宗師「夫────、藏山於澤、謂之固矣、然而夜半有力者負之而走、昧者不知也」=舟壑。

【操舟】 フネヲサウス 

ふねをこぐ。莊、達生「津人──若神」

【舟膠】 フネカウス 

舟が淺瀨にすわる。元史、張洪範傳「水淺──、非潮來不可進」

【舟覆】 フネクツガヘル 

舟がかやる。淮南子「──乃見善游、馬奔乃見良御」

【刻舟求劍】 フネニコクシケンヲモトム 

舟中より劍を墜し、刀もて其の舷 フナバタ に刻みて、ここに劍が沈めりとて之を求め、舟の移れるを知らず。愚人が頑固にして舊を守りて時勢の移れるを知らざるに喩ふ。呂覽、察今「楚人有渉江者、其劍自舟中墜於水、遂刻其舟曰、是吾劍所從墜也、舟止從其所刻處、入水求之、舟已行矣、而劍不行、求劍若此、不亦惑乎」

【乘舟】 フネニノルジヨウセン 

ふねに乘る。史、越世家「──浮海以行、終不反」=駕舟。

【舟非水不行】 フネハミヅニアラザレバユカズ 

舟は水なければ行かず。君は民なければ治らざるに喩ふ。孔子家語「─────、水入舟則沒、君非民不治、民犯上則傾」

2畫

舠  

タゥ [豪]

通じて刀に作る

○こぶね、刀の形したる小舟「輕─」「漁─」文心雕龍「論狹則河不容─」○三百斛積の舟。

【舠子】 タウシ 

小舟なり。原仙記「將小──渡之」

3畫

舡  

カゥ [江]

○ふね(船)○船の形容。○─魚は章魚 タコ の屬。=魟魚。

4畫

航  

カゥ [陽]

○ふね(船)船の別名「輕─」「津─」「野─」左思賦「汎舟─於彭蠡」○もやひぶね(方舟)兩舟竝び行くもの。張衡、思玄賦「譬臨河而無─」○ふなばし(浮橋)「浮─」北史「守朱雀─」○わたる(渡)舟にて水を渡る「─海」北史「一葦而可─」杭に通ず。詩、衞風「一葦杭之」

【航運】 カウウン 

舟にて物を運ぶ。=舟運·漕運。

【航海】 カウカイ 

舟にてうみをわたる。顏延之文「棧山──、踰沙軼漠之貢、府無虛月」

【航海梯山】 カウカイテイサン 

海をわたり、山に梯をかけてのほる、遠き海山の險を越えて外國に使するにいふ。梁簡文帝、大法頒序「航海梯山、奉白環之使」=梯航·棧山航海。

【航海曆】 カウカイレキ 

天文の事を記したる航海用のこよみ。

【航行】 カウカウ 

舟にて行く。

【航程】 カウテイ 

舟にて行く道のり。

【航路】 カウロ 

ふなぢ。=水路·航線。

【航路信號】 カウロシンガウ 

航行中の汽船が衝突をさける爲め互にしらせる合圖。

【航路標識】 カウロヘウシキ 

航路の安全を圖るためのめじるし。燈臺·燈船·浮標など、識正音はシ。

舩  

船(舟部五畫)に同じ。

舫  

①ハゥ [養]

②ハゥ [漾]

①もやひぶね(方舟)兩舟を竝べる「連─」史、張儀傳「一─載五十人」

②ふね(舟)「輕─」「畫─」

【舫屋】 ハウヲク 

ふねのやかた。晉書、戴若思傳「在──上」

【舫人】 ハウジン 

せんどう。正字通「──猶言舟子」=舟人。

【舫船】 ハウセン 

もやひぶね。史、張儀傳「──載卒」

【舫艇】 ハウテイ 

ふね。白居易詩「一隻短──、一張斑鹿皮」

【舫樓】 ハウロウ 

ふねのやぐら。晉書、王廙傳「旦自潯陽迅風飛帆、暮至都、倚──長嘯、神氣甚逸」

般  

①ハン [寒]

②ハン [删]

③ハツ·ハチ [曷]

①めぐる。めぐらす(旋)○物事を數ふるにいふ「千─」「萬─」「百─」○うつす(移)はこぶ(運)俗に搬に作る。○たのしむ(樂)「─樂」「─遊」○ゆく(行)○まかす(任)○おほぶね(大船)○─桓は進まざる貌。=盤桓。○─礴は兩足をなげ出して坐する。=箕坐。

②わかつ(分)○種類「多─」「萬─」杜牧詩「年來事百─」○たまふ(賜)○めぐる。めぐらす。かへる、かへす(還·反)「─師」=班。○かへりて、かへって(反)賈誼、弔屈原文「─紛紛其離此鄕兮」○しく(布)○まだら(斑)

 佛  ─若 ハンニヤ は智慧の義。

【般遊】 ハンイウ 

たのしみあそぶ。=盤遊。

【般桓】 ハンクワン 

進まざる貌。=盤桓。

【般載】 ハンサイ 

はこびのせる。後漢書、裴延齡傳「自冬經夏、──不了、百役供應須悉停罷」

【般師】 ハンシシヲカヘス 

いくさをかへす。漢書「明主──罷兵」=班師·還軍。

【般倕】 ハンスヰ 

古の巧匠の公輸般と工倕との二人。揚雄賦「──棄其剞劂兮」

【般還】 バンセン 

めぐる。禮、投壺「主人──曰辟」=盤旋·般旋。

【般若】 ハンニヤ 

 佛  梵語、ちゑの義。一解に妄想を脫離して淸淨に歸する。心經註「──者梵語、此曰智慧」○ 國  おそろしき面相の鬼女。

【般若湯】 ハンニヤタウ 

僧家にて、酒の異名。東坡志林「僧謂酒爲───」

【般礴】 ハンハク 

兩足を箕の如くに張り出してすわる。莊、田子方「解衣──」秦觀詩「羸老厭煩熇、解衣屢──」=箕坐。

【般般】 ハンハン 

文采ある貌。史、司馬相如傳「──之獸、樂我君囿」註「謂騶虞也」

【般樂】 ハンラク 

あそびたのしむ。般は遊樂。孟、公孫丑「──怠敖」

5畫

舸  

カ [哿]

○ふね(舟)○おほぶね(大船)「走─」「輕─」「別─」左思賦「弘─連舳」

【舸艦】 カカン 

大いなるいくさぶね。南史、王僧辯傳「賊退、乃更起長柵繞城、大列──、攻水城西南角」=巨艦。

【舸船】 カセン 

ふね。杜甫詩「依沙宿──、石瀨月娟娟」

舷  

ゲン [先]

ふなばた、ふなべり、船の兩邊「船─」

【叩舷】 ゲンヲタタク 

ふなばたをたたく。郭璞、江賦「詠採菱以──」

【扣舷】 ゲンヲタタク 

前條に同じ。宋史、隱逸傳「──飮酒、酣歌自得」

【舷舷相摩】 ゲンゲンアヒマス 

 國  ふなべりと、ふなべりとすれあふ、船にて接戰するにいふ。

【舷窗】 ゲンサウ 

ふなばたのまど。=船窗。

【舷柵】 ゲンサク 

ふなばたに設けたるてすり。

【舷側】 ゲンソク 

ふなべり、船の側面。

【舷端】 ゲンタン 

ふなばた。=舷頭。

【舷燈】 ゲントウ 

ふなばたにとぼすあかり。

【舷頭】 ゲントウ 

ふなばた。

?  

コウ ク [尤]

おほぶね。

【??】 ユウロク 

ひらたくして大いなるふね。北堂書鈔「豫章城西有──洲、卽呂蒙作──大艑處」

舴  

サク タク [陌]

こぶね(小舟)

【舴艋】 サクマウタクマウ 

こぶね。小蝗を蚱蜢といふに本づく。張志和詩「兩兩三三──舟」=小舟。

船  

セン [先]

又、舩に作る

ふね、支那の關東にては舟、關西にては─といふ「樓─」「賈─」「戰─」「酒─」「客─」「釣─」

【船員】 センヰン 

船長をはじめ、すべての船舶乘組員。

【船運】 センウン 

ふねが移る。論衡「座于船中、而不知船之自運」

【船暈】 センウン 

ふなゑひ。

【船隖】 センヲ 

船渠に同じ。

【船歌】 センカ 

ふなうた。=欸乃 アイダイ 櫂歌。

【船號】 センガウ 

船のなまへ。=船名。

【船艦】 センカン 

いくさぶね。吳志、周瑜傳「方連──、首尾相接」南史、王琳傳「──潰亂、兵士皆棄船上岸」

【船旗】 センキ 

ふねに建てるはた。

【船驥】 センキ 

船と千里の馬と。王佐の才に喩ふ。呂覽「絕江者託於船、致遠者託於驥、霸王者託於賢、伊尹·呂尙·管夷吾·百里奚、此霸王之──也」說苑には驥を乘に作る。

【船脚】 センキヤク 

○船の下部。○ 國  ふなあし、船の速力。

【船渠】 センキヨ 

 國  どっく。船を造り又は修繕する處。= 俗  船隖。

【船軍】 セングン 

ふないくさ。越絕書「闔閭見子胥、問──之備」=舟軍·水師。

【船儈】 センクワイ 

ふなどひや。

【船橋】 センケウ 

○ふなばし。遼史、聖宗紀「命造──」○上甲板の前面に一段高くしたる處。

【船舷】 センゲン 

ふなばた。皮日休詩「穩凭──無一事」杜甫詩「──不重扣」

【船戶】 センゴ 

○ふな問屋。賈島詩「囊中無寶貨、──夜扃稀」○せんどう〔元史、食貨志〕=船手·舟人。

【船工】 センコウ 

ふなだいく〔魏志、許褚傳〕=船匠。

【船載】 センサイ 

ふねにのせる。晉書、陶璜傳「夜以數百兵、攻董元、獲其寶物、──而歸」=舶載。

【船食】 センサウ 

ふなぐら。楊萬里詩「──周圍各五尺、且道此中底寬窄」

【船裝】 センサウ 

ふねのかざり。晉書、戴若思傳「陸機赴洛、──甚盛」

【船艙】 センサウ 

船の下部の荷物を入れる所。

【船人】 センジン 

ふなびと。呂覽「──怒」=舟人。

【船車】 センシヤ 

ふねと、くるまと。後漢書、仲長統傳「──賈販、周於四方」

【船匠】 センシヤウ 

船工に同じ。

【船將】 センシヤウ 

○いくさぶねの大將。○普通の商船などのかしら。=船長。

【船檣】 センシヤウ 

船のほばしら。唐書、食貨志「漕路多梗、──阻隘」

【船手】 センシユ 

せんどう、かこ。=舟子·船夫。

【船主】 センシユ 

船舶の持主。

【船首】 センシユ 

船のかしら、船のへさき。=船頭。

【船乘】 センジヨウ 

船驥に同じ。說苑「伊尹·呂尙·管夷吾·百里奚、是霸王之──也」

【船稅】 センゼイ 

船舶に課する稅金。

【船鈔】 センセウ 

稅關に課する船の稅。

【船籍】 センセキ 

船舶を登錄したる原簿。

【船戰】 センセン 

船いくさ。漢書「越欲與漢用──、遂仍修昆明池」

【船體】 センタイ 

ふねのからだ。

【船道】 センダウ 

ふなみち。後漢書、虞詡傳「開漕──」=船路。

【船長】 センチヤウ 

船のかしら。謝宣遠詩「榜人理行艫」李善注「榜人、──也」=船將·榜人。

【船場】 センヂヤウ 

船を繫ぐ所。白獺髓「艮山門外──」

【船中】 センチユウ 

ふねのなか。世說「於──視之」=舟中。

【船僮】 センドウ 

船中に使はれる少年、ボーイ。

【船燈】 セントウ 

ふねのあかり。司空圖詩「──照島幽」

【船頭】 セントウ 

○ふねのへさき。杜甫詩「風急打──」○囘漕船の監督者。唐書、劉晏傳「州縣取富人督漕輓、謂之──」○ センドウ ふなのり。=舟子。

【船舫】 センハウ 

ふね。宋書、五行志「漂──」

【船舶】 センハク 

ふね、舶は大船。

【船筏】 センバツ 

ふねと、いかだと。宋史、河渠志「上下置牐啓閉、以通黃汴二河──」

【船尾】 センビ 

船のとも。杜甫詩「──跳魚撥刺鳴」

【船扉】 センヒ 

船の窗のとびら。李洞詩「每話南遊偏起念、玉峯波上入──」

【船埠】 センフ 

わたしば(渡船場)はとば。明律「凡城市鄕村諸色牙行、及──頭、竝選有抵業人口充」=船步·埠頭。

【船腹】 センフク 

船の腹部〔宋書、沈攸之傳〕

【船步】 センボ 

○水軍と步兵と。吳志、周瑜傳「劉悰降得其──兵數十萬」○わたしば。靑箱雜錄「嶺南謂水津爲步、故──卽渡船處」=船埠。

【船篷】 センホウ 

ふねのとま。黃庭堅詩「風雨打──」○舟。陳造詩「一溪風月放──」

【船路】 センロ 

ふなぢ。北史、慕容儼傳「于上流鸚鵡洲造荻葓、竟數里以塞──」=船道·航路。

【船樓】 センロウ 

ふねのやぐら。吳主、劉繇傳「宴飮於──上」

【檥船】 フネヲギス 

船の用意をして岸に向け出帆を待つ、檥一に艤に作る。史、項羽紀「烏江亭長──待」

【好船者溺好騎者墮】 フネヲコノムモノハオボレキヲコノムモノハオツ 

船を好む者は水に溺れ、騎を好む者は馬より墮つ。人は其の好む所に就きて警戒すべきをいふ。越絕書「夫────────、君子各以所好爲禍」

【刺船】 フネヲサスシセン 

船にさをさす。漢書、陳平傳「平心恐乃解衣臝、而佐──」

【沈船破釜】 フネヲシツメカマヲヤブル 

死を決して戰ふにいふ。史、項羽紀「沈船破釜甑、燒廬齎三日糧、以示士卒必死無一還心」

【停船】 フネヲトドムテイセン 

舟をとめる。晉書、蔡謨傳「夫以白起·韓信·項籍之勇、猶發梁焚舟背水而陣、今欲──水渚、此兵法之所誡也」

【發船】 フネヲハツス 

船出する。漢書、郊祀志「迺益──」=開帆。

【以船爲家】 フネヲモツテイヘトナス 

船を家とする。漢書、五行志「吳地────、以魚爲食」

舵  

柁(木部五畫)に同じ。

?  

柂(木部五畫)に同じ。

舳  

①チク [屋]

②イウ·チウ [宥]

通音ヂク

①とも(舟尾)舟○後部。○かぢ(柂)

②へさき、みよし(舟首)舟○前部。

【舳艫】 ヂクロ 

ともと、みよしと。漢書、武帝紀「──千里」注「舳、船後持柁處、艫、船前頭刺櫂處」(千里は船の多く連るをいふ)

舶  

ハク [陌]

おほぶね、海中の大船「海─」「蕃─」「蠻─」「大─」「商─」「賈─」

【舶賈】 ハクコ 

外國より航し來れるあきうど。唐書、淮陽王傳「敬宗侈宮室、──獻沈香亭材」

【舶載】 ハクサイ 

大船にのせる。杜荀鶴、贈友人赴交阯辟命詩「──海奴環錘耳、象駞蠻女綵纏身」

【舶船】 ハクセン 

おほぶね。宋史、食貨志「──輻輳、請復置監官」

【舶來】 ハクライ 

 國  外國より船に積みて來る。又、其の品。=舶載。

舲  

レイ リャウ [青]

○やかたぶね。=?。○こぶね(小船)○窗牖 マド のあるもの。「漁─」「孤─」淮南、俶眞訓「越─蜀艇不能無水而浮」

【舲船】 レイセン 

やかたぶね。楚辭、九章「乘──余上沅兮」

6畫

舼  

キョウ コウ [冬]

○こぶね(小船)○ふね(舟)

7畫

艇  

テイ [迴]

こぶね、狹く長き小舟「小─」「釣─」「水雷─」「潛航─」

【艇子】 テイシ 

せんどう。古樂府「──打兩槳、催送莫愁來」

艀  

フウ [尤]

通音フ

○はしけぶね。○ふね(舟)たけ短く底の深き小舟。

艅  

ヨ [魚]

─艎 ヨクワウ はふね。抱朴子、博喩「──鷁首、涉川之良器也」=餘皇〔左傳〕

8畫

艋  

バゥ [梗]

通音マゥ

舴─ サクマウ はこぶね(小舟)舴(舟部五畫)を見よ。

9畫

艎  

クヮウ ワゥ [陽]

○わたしぶね(渡船)○おほぶね(大船)艅(舟部七畫)を見よ。

艓  

テフ [葉]

こぶね(小舟)「輕─」

艑  

ヘン [銑]

○ひらたきふね、あさきふね「─艖」唐書、劉崇龜傳「乘─亡去」○おほぶね(大船)

10畫

艖  

サ [麻]

こぶね(小舟)

艙  

サゥ [陽]

船の胴の閒 マ 。貨物を積む所「船─」

艘  

セゥ サゥ·ソウ シウ [蕭]

通音サゥ

○ふね、船舶の總稱「巨─」「客─」「戰─」○船を數へるにいふ。漢書、溝洫志「漕船五百─」

12畫

艟  

トウ ショウ [東]

艨─ モウシヨウモウドウ はいくさぶね(戰船)狹くして長く、敵の船を衝突すべきもの。=軍艦·蒙衝。

13畫

艤  

ギ [紙]

舟を整へて岸に向ふ、ふなよそほひ。=檥。

【艤裝】 ギサウ 

ふなよそほひ。

【艤舟】 ギシウフネヲギス 

ふなよそほひする。王縉詩「──一長嘯、四面來淸風」

【艤舟亭】 ギシウテイ 

今の江蘇武進縣の東南三支那里に在り、宋の蘇軾常に舟を此に繫ぐ、後人よりて亭に名づく、亭前に池あり、相傳ふ軾の硯を洗ひし處なりと。

艥  

楫(木部九畫)に同じ。

艣  

櫓(木部十五畫)に同じ。

舟を行 ャ るの具「柔─」「急─」

14畫

艦  

カン [豏]

いくさぶね。四方に板を施して敵の矢石を禦ぐやうに作りし船「兵─」「軍─」「戰─」「巨─」「─隊」「巡洋─」

【艦橋】 カンケウ 

軍艦內にて將校が指揮號令する時に上る一段高き所。

【艦上】 カンジヤウ 

軍艦の上。吳志、周瑜傳「建旌旗龍幡於──」

【艦首】 カンシユ 

軍艦のへさき。

【艦數】 カンスウ 

軍艦のかず。宋書、謝晦傳「始見──不多、輕之」

【艦籍】 カンセキ 

軍艦の其の鎭守府に所屬する籍。

【艦船】 カンセン 

軍艦と船舶と。

【艦隊】 カンタイ 

軍艦二艘以上を以て編制したる海軍の軍隊。

【艦隊司令官】 カンタイシレイクワン 

艦隊の指揮統率をつかさどる官(二艦隊以上を統轄する者を艦隊司令長官といふ)

【艦長】 カンチヤウ 

軍艦を指揮統督する人。

【艦艇】 カンテイ 

軍艦·水雷艇などの總稱。

【艦尾】 カンビ 

軍艦のとも。

【艦列】 カンレツ 

軍艦のならび。

艨  

ボウ モウ [送]

─艟 モウシヨウモウドウ はいくさぶね。狹長にして敵の船を衝突するもの。南史、蔡道恭傳「作─艟鬭艦」=蒙衝·戰艦。

15畫

艪  

櫓(木部十五畫)に同じ。

16畫

艫  

ロ [魚]

○とも(船尾)船の後部。○へさき、みよし(船頭)船の前部。舳(舟部五畫)を見よ。