老部

0畫

老  

ラゥ ロウ [皓]

○としより、傾きし齡の人。○七十歲の稱。曲禮「七十曰─而傳」○德と年との高き人の敬稱。○おゆ、おいぼれる(耄)○おとろふ(衰)くちる(朽)「─朽」○おい、おゆる。○つかる、(疲)兵の久しく外に在る義。晉語「楚師─矣」つからす。左、僖二八「─師費財」○年をとりて官を辭して隱居する、致仕する。左、隱三「桓公立乃─」○としよりを敬ひいたはる。孟、梁惠王「─我老、及人老」○たける、上手になる「─手」「─練」「─熟」○天子の公卿。又、諸侯の大夫の稱。○羣臣又は家臣の長、家老。論、憲問「爲趙魏─則優」○楚人李耳(老子)の唱へし學說「黃─」「─莊」○人の姓。

【老鶯】 ラウアウ 

春すぎてなほ鳴く鶯 ウグヒス =晚鶯·殘鶯。

【老友】 ラウイウ 

老年のとも。宋史、蔡元定傳「大驚曰、此吾──也、不當在弟子列」

【老嫗】 ラウウ 

としよりたる女。徐照詩「出門──喚雞犬」=老媼·老婆。

【老幼】 ラウエウ 

としよりと、こどもと。庾信賦「提挈──」=老弱。

【老易】 ラウエキ 

老子の書と周易と。

【老葉兒樹】 ラウエフジジユ 

うしころし、薔薇科に屬する木の名、夏時梢に五瓣の白花開き赤き實を結ぶ。

【老翁】 ラウヲウ 

としより。張說詩「誰念三千里、江湖一──」=老叟。

【老媼】 ラウオウ 

年よりたる女。=老婆。

【謝老】 ラウヲシヤスシヤラウ 

年老いたるを告げて官を辭する。北史、尉元傳「詣闕──」=吿老。

【告老】 ラウヲツグ 

年老いたるを告げて致仕 ヤクヲヒク する。左、襄七「韓獻子──」

【老老】 ラウヲラウトス 

としよりをうやまふ。禮記「上──而民興孝」荀子「──而壯者歸焉」

【老艾】 ラウガイ 

としより、艾は五十歲。鹽鐵論「所以輔耆壯、而息──也」=耆艾。

【老革】 ラウカク 

老兵に同じ。隋書「帝罵蘇威曰、──多姦」

【老學庵】 ラウガクアン 

宋の陸游の宅の名。宋史「陸游───筆記十卷」

【老學究】 ラクガクキウ 

世の用に立たぬ俗學者。正字通「俗儒識訓故、不能經世、曰───」

【老黠】 ラウカツ 

老獪に同じ。

【老眼】 ラウガン 

としよりになりて弱りし眼力。=老眊。

【老幹】 ラウカン 

年ふりたる木のみき。張子?詩「此時唯──、峭直不擁折」

【老漢】 ラウカン 

としとりしをとこ、漢は男子〔十國春秋、李如實傳〕

【老妓】 ラウギ 

年よりの藝者。

【老氣】 ラウキ 

○老練の氣。杜甫詩「──橫九州」○俗に人の氣槪の凡ならざるを──橫秋といふは、この杜句と、北山移文の「霜氣橫秋」の語とを合せて成りしなり。

【老朽】 ラウキウ 

おいぼれる。鄭愚、大圓禪師碑銘「以耽沈之利、欲役──之筋骸」

【老牛舐犢】 ラウギウトクヲネブル 

老いたる牛が子牛をなめる。子煩惱 コボンナフ の喩〔後漢書、楊彪傳〕權德輿詩「「老牛還舐犢、凡鳥亦將雛」

【老脚】 ラウキヤク 

としよりのあし。楊萬里詩「──微酸半要扶」

【老窮】 ラウキユウ 

年老いて困窮 クルシム する〔禮、祭義〕

【老驥伏櫪】 ラウキレキニフス 

有爲の才をいだき晚年に至るまで不遇なるに喩ふ。魏武帝、樂歌「────、志在千里、烈士暮年、壯心不已」

【老軀】 ラウク 

老いたるからだ、老身。王安石文「以投老軀、遭難値之運」

【老君】 ラウクン 

○老子の尊稱。後漢書、孔融傳「先君孔子、與君之先人李──相師友」○ 國  臣下が大名の隱居せし者を呼ぶ尊稱。

【老獪】 ラウクワイ 

物事にたけてわるがしこし。=老猾·老黠。

【老患】 ラウクワン 

としよりてやむ。北史、賈彝傳「以母──、輒在家定省」=老病。

【老兄】 ラウケイ 

○年よりたる兄。白居易詩「形影默相顧、如弟對──」○轉じて年長の友の敬稱。

【老健】 ラウケン 

○文章などの老練にして勢つよき義。朱熹文「其晚歲筆力──」○年老いてすこやか。

【老後】 ラウゴ 

年をとりしのち。

【老語】 ラウゴ 

としよりのはなし。蘇軾詩「詩詞若璀璨、──徒周諄」

【老公】 ラウコウ 

年老いたる貴人の尊稱。

【老功】 ラウコウ 

○多年の經驗をつむ。○久しく其の事に從ひて功がある。

【老昏】 ラウコン 

おいて心くらし。釋名「──不復知服味善惡」

【老壯】 ラウサウ 

としよりと、わかものと。

【老傖】 ラウサウ 

年老いたるゐなか者。南史、王玄謨傳「玄謨獨受──之目」

【老蒼】 ラウサウ 

とし老いたる貌、蒼は毛髮の靑白くなる義。杜甫詩「結交皆──」

【老莊學】 ラウサウノガク 

老子と莊子との學派。金史、顯宗孝懿皇后傳「后好詩書、尤喜───」

【老饞】 ラウサン 

老いて食をむさぼる。陸游詩「──自覺筆力短、得一忘十眞堪咍」

【老子】 ラウシ 

老耼を見よ。

【老師】 ラウシ 

○外に在ること久しきにわたりて軍隊をつからす。左、僖二八「──費財」○としよりたる先生、老先生。史記「荀卿最爲──」

【老實】 ラウジツ 

物事になれてまめやか。

【老臣】 ラウシン 

○としよりたるけらい。漢書、趙充國傳「亡踰──者」○身分おもき臣、家老。杜甫詩「丹靑憶──」

【老人】 ラウジン 

としより。=老者·故老。

【老人星】 ラウジンセイ 

南極星の異名。晉書、天文志「老人一星在弧南、一曰南極」

【老身】 ラウシン 

○としよりたるからだ。白居易詩「唯留一部淸商樂、月下風前伴──」○後輩に對する自稱。北史、穆崇傳「──二十年」=老生。

【老親】 ラウシン 

年よりしおや。=老父母。

【老若】 ラウジヤクラウニヤク 

 國  としよりと、わかものと。=老弱。

【老弱】 ラウジヤク 

老人と、わかものと、弱は二十歲〔史、滑稽傳〕國は弱を若に作る。

【老手】 ラウシユ 

ものなれたるうでまへ。又、其の人。蘇軾詩「──王摩詰、窮交孟浩然」

【老壽】 ラウジユ 

ながいき、長壽。後漢書、荀爽傳「陽性純而能施、隂體順而能化、以禮濟樂、節宣其氣、故能豐子孫之祥、致──之福」

【老儒】 ラウジユ 

年老いて學德竝に高き學者。杜甫詩「文物多師古、朝廷半──」

【老樹】 ラウジユ 

老木に同じ。

【老宿】 ラウシユク 

○修行をつみたる僧。翻譯名義集「體毘履、此云──」○年たけて經驗に富める者。蘇軾詩「山中──依然在」=宿老。

【老熟】 ラウジユク 

物事にたけてなれること。=老練。

【老職】 ラウシヨク 

 國  德川時代、大老·老中などの稱。諸藩にて家老をいふ。

【老衰】 ラウスヰ 

としとりておとろへる。=老憊。

【老成】 ラウセイ 

○物事に老練なる義。杜甫詩「毫髮無遺憾、波瀾獨──」○少 ワカ くして成熟する。左思、吳都賦「岐嶷繼體、──奕世」

【老成人】 ラウセイジン 

經驗をつみて事になれたる人。又、舊臣をいふ。詩、大雅「雖無───、尙有典刑」

【老生之常譚】 ラウセイノジヤウダン 

少しも發明する所無き平凡なる老人の話。魏志、管輅傳「此─────」

【老先生】 ラウセンセイ 

○としよりし先生〔漢書、賈誼傳〕=老師。○轉じて年位の高き者を呼ぶ尊稱。明代にば內閣諸大臣にもいひ、又己を推擧せし長官をも稱す。

【老小】 ラウセウ 

○おいたると、ちひさきと。後漢書、周擧傳「冬中一月、莫敢煙爨、──不堪」○晉の制度にて六十六以上と十二以下と〔晉書、食貨志〕

【老蟾】 ラウセン 

月の異名(蟾はひきがへる、月中に居るといふが故)劉基詩「纔圓又缺中天月、猶自寒光媚──」

【老蘚】 ラウセン 

としふりたる苔。孔武仲詩「──牆陰夕照閒、何人折我翠琅玕」

【老鼠】 ラウソ 

○年を經たるねずみ。○蝙蝠 カハホリ の異名。

【老蘇】 ラウソ 

宋の蘇洵(老泉)の異稱。

【老叟】 ラウソウ 

としより、おきな。白居易詩「白頭──泣且言」=老翁。

【老僧】 ラウソウ 

老いたるばラず、老衲。王維詩「──四五人、逍遙蔭松柏」

【老瘦】 ラウソウ 

としよりてやせる。陳師道詩「思君得──、觸熱生積疴」

【老措大】 ラウソダイ 

老いたる書生。仕學大乘「四十餘年───」措大を見よ。

【老大】 ラウダイ 

年をとる。杜甫詩「杜陵有布衣、──意轉拙」

【老大國】 ラウタイコク 

昔盛んにして今は衰へたる大國。

【老大人】 ラウダイジン 

○老人長者の敬稱。○他人の父の敬稱。=尊大人。○ 俗  旦那樣。

【老態】 ラウタイ 

としよりたるすがた。王禹偁詩「──厭春華、病身憂宿酲」

【老臺】 ラウダイ 

年長者を呼ぶ尊稱、書簡文の用語。=尊臺。

【老體】 ラウタイ 

年よりたるからだ。=老身·老軀。

【老耼】 ラウタン 

老子をいふ。史、老莊申韓傳「老子者姓李、名耳、字伯陽、諡曰耼、周守藏室之史也、老子修道德、其學以自隱無名爲務、居周、久之、見周之衰、迺遂去、至關、關令尹喜曰、子將隱矣、彊爲我著書、於是老子乃著書上下篇、言道德之意五千餘言而去、莫知所終」耼、俗に聃に作る。

【老穉】 ラウチ 

おいたると、をさなきと。穉は稚。蘇軾詩「遙知白谿路、──相扶擁」=老幼。

【老娘】 ラウヂヤウ 

 俗  母をいふ。

【老中】 ラウヂユウ 

 國  德川幕府の時、將軍をたすけて天下の政治を執りし役人。

【老女】 ラウヂヨ 

○ばば。○ 國  武家の侍女の長。

【老奴】 ラウド 

○年老いたる下男。五代史、張承業傳「吾王自取之、誤──矣」=老僕。○人を輕んじあなどる詞。世說「桓溫取李勢女爲妾、妻拔刃欲襲之、及見曰、我見猶憐、何況──」此は夫を斥す。

【老杜】 ラウト 

唐の詩人杜甫の異稱。杜牧を小杜といふの對。

【老饕】 ラウトウラウタウ 

老いて食を貪る。蘇軾、老饕賦「葢聚物之天美、以養吾之──」=老饞。

【老禿】 ラウトク 

おいて頭がはげる。韓愈、毛穎傳「中書君老而禿」

【老衲】 ラウナフ 

としよりたる僧。衲は僧衣。戴叔倫詩「──供茶盌、斜陽送客舟」

【老年】 ラウネン 

年の老いたる義。晉書、何曾傳「嘗以──屢乞遜位」

【老農】 ラウノウ 

農事にくはしきもの。老圃を見よ。

【老婆】 ラウバ 

おいたる女、おうな。寒山詩「東家一──」=老媼。

【老婆心切】 ラウバシンセツ 

深切に過ぐる心。傳燈錄「黃檗云、汝廻太速生、師云、祗爲────」=老婆心·?心。

【老悖】 ラウハイ 

年とりて心みだれもとる。

【老廢】 ラウハイ 

○としによりてやくにたたず。○物が古びて用をなさず。

【老輩】 ラウハイ 

老人のやから。

【老憊】 ラウハイ 

としよりてつかれる。唐書、陽城傳「多病──不堪奔奉」=老衰。

【老耄】 ラウバウラウモウ 

おいぼれる、耄は九十歲。書經、疏「王雖──、猶能用賢」=老耋·衰耄·老衰。

【老謀】 ラウバウ 

よくねりたるはかりごと。齊語「旣無──」

【老貌】 ラウバウ 

としよりたるかたち。劉禹錫詩「──鏡前悲」

【老蚌生珠】 ラウバウシユヲシヤウズ 

○老いたる蚌 ドブガヒ が明かなる珠を出す。子が親より優れたるに喩ふ。北齊書、陸卬傳「邢劭謂其父曰、吾以卿老蚌遂出明珠」○父子共に才あるに喩ふ。書言故事「言人父子俱美、曰老蚌生珠」

【老馬之智】 ラウバノチ 

としよりたる馬のちゑ。韓非、說林「管仲隰朋從於桓公而伐孤竹、春往冬反、迷惑失道、管仲曰、────可用也、乃放老馬而隨之、遂得道」

【老婢】 ラウヒ 

としをとりし下女。

【老罷】 ラウヒ 

年たけて衰へる。陳師道詩「──形骸不自持」=老疲·老憊。

【老病】 ラウビヤウ 

老いて病む。南史、薛包傳「奴婢取──者、曰與我共事久也」

【老父】 ラウフ 

○としよりたるちち。○ ラウホ としより。漢書、張良傳「圮上有一──、衣褐至良所」=老翁。

【老夫】 ラウフ 

○としよりの男。○老人の自稱。左、隱四「──耄矣、無能爲也」

【老佛】 ラウブツ 

○老子の學と佛陀の敎と。=佛老。○老僧の尊稱。

【老物】 ラウブツ 

○ふるきもの。周禮、春官「以息──」=舊物。○おいぼれと罵る語。晉書、宣穆張皇后傳「──可憎」

【老兵】 ラウヘイ 

年老いたる兵士。世說「失一──」=老革。

【老躄】 ラウヘキ 

年とりて足がなえる。

【老母】 ラウボ 

○としよりたるはは。耶律楚材詩「故園屈指八千里、──行年六十餘」○ばば。=老女。

【老姥】 ラウボ 

姥は姆に同じ、年老いたるばば。晉書、王羲之傳「有──持六角扇、羲之各書五字、人爭買之」

【老圃】 ラウホ 

はたけつくりになれたる人。論、子路「樊遲請學稼、子曰、吾不如老農、請學圃、吾不如──」

【老鋪】 ラウホ 

しにせ、年古くより續ける店。舖は俗字。

【老僕】 ラウボク 

年よりししもべ。又、老人の謙稱〔史、魏其侯傳〕=老奴。

【老爺】 ラウヤ 

○年老いたる男。=老翁·老叟。○ 俗  先生·旦那樣·御主人などの義にて敬稱とす。

【老雄】 ラウユウ 

年によりたる英雄。

【老來】 ラウライ 

年をとる、來は助字。陸游詩「──舊學要耘鋤」

【老萊之戲】 ラウライノギ 

周の老萊子が老親を慰めんため、小兒のまねを爲したる故事。高士傳「老萊子孝奉二親、行年七十、作嬰兒戲、自著五色斑斕之衣、嘗取水上堂、詐跌仆臥地、爲小兒啼、弄雛於親側、欲親之喜」

【老辣】 ラウラツ 

としよりて志愈堅し。宋史、晏敦復傳「薑桂之性、到老愈辣」

【老懶】 ラウラン 

としよりてものうし。韓愈詩「──無關心、久不事鉛槧」

【老吏】 ラウリ 

○としよりたる役人。後漢書、光武紀「──或垂涕曰、不圖、今日復見漢官威儀」○事務になれたる役人。又、特に裁判官。

【老羸】 ラウルヰ 

としよりてつかれる。漢書「山東吏布詔令、民雖──癃疾、扶杖而往聽之」

【老練】 ラウレン 

經驗を積みて物事になれる。=老熟。

【老當益壯 】 オイテマサニマスマスサカンナルベシ 

人は老いてますます其の志を盛んにすべし。後漢書、馬援傳「丈夫爲志、窮當益堅、────」

考  

カゥ コウ [皓]

攷は古字

○かんがふ(稽)「參─」○しらべ觀る(觀察)○こころみる、試驗する。○ながいきする、おゆ(老)○ながいき(長壽)「壽─」○死にたる父の稱(亡母を妣といふの對)「皇─」「祖─」○をはる(終)○たたく、うつ(擊)詩、唐風「弗鼔不─」○きず(瑕)○とふ(問)○ただす(正)○くらべはかる(校)「銓─」罪をしらべる(按)「覆─」○きはめる(究)「研─」○しとげる、成す。左、隱五「─仲子之宮」○拷(手部六畫)に通ず。

【考案】 カウアン 

○かんがへしらべる。○みつもり。

【考院】 カウヰン 

 俗  官吏の登用試驗場。

【考校】 カウカウ 

かんがへしらべる。禮、學記「中年──」

【考覈】 カウカク 

かんがへしらべて明かにする。晉書、鄭默傳「──舊文、删省浮穢、中書令虞松謂曰、而今而後、朱紫別矣」=檢覈。

【考究】 カウキウ 

かんがへきはむ。魏書、高允傳「及更──、果如君語」

【考鞠】 カウキク 

罪人をしらべただす。晉書、曹攄傳「親黨告婦殺姑、官爲──、攄知其寃、更加辨究、具得情實、時稱其明」

【考據】 カウキヨ 

かんがへよる所。=證憑·證據·考据。

【考科】 カウクワ 

しけん。=考試。

【考課】 カウクワ 

官吏役員などの功績操行などをしらべる。事物紀原「漢京房作──之法」=考績。

【考官】 カウクワン 

試驗を司る官。事文類聚「浮溪爲──、坐不擧覺、除集撰奉祠」

【考檢】 カウケン 

かんがへしらべる。漢書、食貨志「──厥實」=檢考。

【考驗】 カウケン 

かんがへしらべる。晉書、天文志「周髀術數具存、──天狀、多所違失」=勘驗。

【考古學】 カウコガク 

遺跡古物などをかんがへしらべて古代住民に關する事をしらべる學問。

【考査】 カウサ 

かんがへしらべる。

【考察】 カウサツ 

かんがへしらべる。杜預文「弘宣六典、以詳──」

【考死】 カウシ 

拷問 ガウモン せられて殺される。資治通鑑、漢紀「乃詣詔獄──」

【考試】 カウシ 

しけん。禮、學記、疏「視學、謂──學者經業」

【考述】 カウジユツ 

かんがへのべる。五代史、四夷錄「國地大小、興滅不常、烏足以──哉」

【考證】 カウシヨウ 

○しょうこを引きて考へる。○──學は淸朝に盛行せし學風、經子等を彼此考證して硏究する學。

【考正】 カウセイ 

誤を考へ正す。南史、蕭子顯傳「──同異、爲一家之書」

【考聲】 カウセイ 

こゑをしらべる。後漢書「截管爲律、吹以──」

【考績】 カウセキ 

官吏のいさををしらべる。書、堯典「三歲──、三考黜陟幽明」(幽明は官吏の幽暗なる者と賢明なる者とをしらべて進退する義)=考課。

【考撰】 カウセン 

是非異同をかんがへ作る。束晳文「含毫散藻、──同異」

【考治】 カウチ 

拷問 ガウモン してしらべる。通鑑、漢紀「請下州郡──」=拷治·掠考。

【考定】 カウテイ 

かんがへさだむ。後漢書、張奮傳「謹條禮樂異議三事、願下有司、以時──」

【考訂】 カウテイ 

書物をしらべただす。=校訂。

【考亭】 カウテイ 

○地名、福建省建陽縣の西南に在り。○宋の朱熹(文公)の異稱。宋史、朱熹傳「徙建陽之──、簞瓢晏如也」に本づく「──學派」

【考槃】 カウハン 

世を避けて己の思ふままに樂む。考は成す、槃は盤桓して樂む意。一說に考は扣 タタク 槃は樂器、それを擊ちて樂む義。詩、衞風「──在澗、碩人之寬」

【考妣】 カウヒ 

考は死にたる父、妣は死にたる母。曲禮「生曰父曰母、死曰考曰妣」

【考問】 カウモン 

罪跡をとりしらべる。漢書、外戚班婕妤傳「許皇后廢──」

【考覽】 カウラン 

かんがへみる。晉書、郭璞傳「──奇書、率多隱語、難可卒解」

【考慮】 カウリヨ 

かんがへおもんばかる。

【考量】 カウリヨウ 

かんがへはかる。

4畫

耆  

①キ·ギ [支]

②シ·ジ [寘]

③シ [紙]

①おゆ(老)○としより(老人)先賢行狀「養─育孤」○六十歲(一說八十歲)○つよし(强)左、昭二三「不懦不─」

②たしむ「─欲」=嗜。

③いたす、いたる(致底)

【耆英會】 キエイクワイ 

年老いて學德ある人のまどゐ。宋史、文彥博傳「與富弼·司馬光等十三人、用白居易九老會故事、置酒賦詩相樂、序齒不序官、爲堂繪像其中、謂之洛陽───」

【耆艾】 キガイ 

としより、老人、艾は五十歲。周語「──修之」

【耆舊】 キキウ 

としより、老人。後漢書、魯恭傳「至列卿郡守者數十人、而其──大姓、或不蒙薦擧」

【耆耉】 キコウ 

老人をいふ、耆は禮記には六十歲をいひ、周禮には八十歲をいふ、耉は面にしみを生ずる老人をいふ。王襃、四子講德論「龐眉──之老」

【耆儒】 キジユ 

年たけたる儒者。十六國春秋、前秦錄「高平蘇通、長樂劉祥、竝碩學──、尤精二禮」=老儒·宿儒。

【耆宿】 キシユク 

老いて學德ある人。年老いたる宿儒。後漢書樊儵傳「──大賢、多見廢棄」

【耆德】 キトク 

老成にして德高き人。書、伊訓「遠──、比頑童」

【耆婆】 キバ 

○天竺の影堅王の子、善見太子の庶兄、生れながらにして針筒藥囊を持つ、長じて名醫となる〔耆婆經〕○極樂に在りといふ共命鳥 グミヤウテウ の異名〔雜寶藏經〕

【耆耄】 キバウ 

としより、耄は七十歲。鹽鐵論「優──、而明養老」

【耆老】 キラウ 

耆は六十歲、老は七十歲、老人をいふ。瑞應圖「王者養──、尊道德不失舊則至」

者  

者(次畫)の俗字。

耄  

バウ モウ [號]

一音マウ通じて旄に作る

○おゆ、おいぼれる、年をとりてぼける、もうろくする「老─」「衰─」又、其の人、おいぼれ。○七十歲(一說に八十歲又九十歲)

【耄矣】 バウイバウセリ 

おいぼれる。左、隱四「老夫──、無能爲也」

【耄期】 バウキ 

耄は八十又、九十歲、期は一百歲。又、おいぼれる。書、大禹謨「──倦于勤」

【耄耋】 バウテツ 

○おいぼれる。又、其のとしより、耋は八十歲。魏武帝歌「──皆得以壽終」○白髮の貌。釋名「七十曰耄、頭白耄耄然也」

【耄齡】 バウレイ 

七八十歲。宋濂詩「年已近──」

【耄碌】 マウロク 

 國  おいぼれる。

5畫

耇  

コウ ク [有]

○おゆ(老)いのちながし(壽)「壽─」○長壽にして顏面にくろきしみの生ずるをいふ。又、其の人「黃─」

【耇長】 コウチヤウ 

年老いて面にしみの生ぜし長者。書、微子「咈其──舊有位人」

【耉老】 コウラウ 

としより、老人。國語「肅恭明神、而敬事──」

耈  

耇(前條)に同じ。

者  

シャ [馬]

○もの、人を指していふ「使─」「好事─」「肉食─」史、呂不韋傳「行金六百斤予守─」又、事物·場所を指していふ。左、昭三「請更諸爽塏─」○この、これ(此)「─箇」○は。事を別つ詞。中庸「仁─人也」「義─宜也」(也─とも連用す)又、則の字に類するもの。何─ ナントナレバ 然─ シカラバ の如し。○語勢を强める爲めに添へる「王─」「君子─」「昔─」

6畫

耋  

テツ [屑]

耊に同じ

○おゆ(老)○としより、老人。○七十歲(一說、八十歲)

【耋艾】 テツガイ 

老年と少年と(艾は少艾)一說に艾も老。韓愈、南海神廟碑「──歌詠」