弓部
0畫
キュウ [東]
○ゆみ「勁─」「彤─」荀、解蔽「倕作─、浮游作矢」○土地を測量するに六尺を─と爲す。=步。時代によりて四尺又は五尺·八尺を─と爲す。○天─は虹の異名。
俗 支那婦人纏足用の靴。
ゆぶくろ、ゆみぶくろ。詩小雅、疏「櫜者──也」
ゆみの如くにまがれる腰。酉陽雜俎「舞袖──渾忘卻」
おやゆづりのわざ。高適、上陳左相詩「相門連戶牖、卿族嗣──」=箕裘。
ゆみづる、ゆづる。弓にはる絲。越絕書「種麻以爲──」=弓絃。
ゆみぶくろ。詩經「象弭魚服」疏「其皮以爲──矢服」=弓衣。
ゆみや。詩、大雅「──斯張、干戈戚揚」
ゆみし。大法句經「──調角、水人調船」=弓人。
ゆみをつくる人。孟、公孫丑「──而恥爲弓「=弓師·弓工。
いぐるみ。孟、吿子「思援──而射之」=弋矰。
○弓を射り、盜賊を防ぐ者。元史、兵志「郡邑設──以防盜也」○弓射る人。○ 國 ユンテ 弓を持つ方の手、卽ち左手 ヒダリ 手綱を持つ右手を馬手 メテ といふの對。
ゆみのひきかた。=射法。
○弓の形。白居易詩「──月初三」○ ユンゼイ 國 弓が矢をとばす力。=弓力。
高官に採用せらるる義。李元成文「臣素微經藝之術、謬忝弓旌之召」
弰一音サゥ弓末 ユハズ なり。庾信詩「明月動──」
弓矢に同じ。杜甫詩「車轔轔馬蕭蕭、行人──各在腰」
ゆみと、かたなと。唐書、吐蕃傳「喜浮屠法、習咒詛、多佩──」=弓劍。
ゆみと、いしゆみと。周禮、夏官、弓矢「中春獻──、中秋獻矢箙」
○弓術と馬術と。後漢書、陳龜傳「便習──、雄於北州」晉書、王濟傳「好──、勇力絕人」=射騎·弓騎。○轉じて武藝又、武術の義とす。
國 武士の家、武家。
弓を射るちから。宋書、ト天與傳「善射──兼倍」
力盡きて奈何ともする能はざるをいふ。傳燈錄「今日擬打羅山寨、────」=矢竭弦絕。
國 さむらひ。=武士·武家。
國 弓のつるを張りし如き形の月、上弦又、下弦の月。=弦月·彎月。
國 昔の武士が約束などをする時に神にちかふことば。
1畫
①イン [軫]
②イン [震]
①ひく、はる(張)弓を開く、ひっぱる。○のぶ(演)ひきのばす、ひろげる「─伸」○ながびく「延─」○みちびく(導)「─導」さそひだす「誘─」○しりぞく(卻)○すすめる(薦)「徵─」「辟─」○ひきうける、負ふ「─責」○長十丈のものさし。○衡 ハカリ の名、小─は二百斤、大─は六百斤。○ひさし(久)○音樂のふし(詞曲)○はしがき、唐以後に始まりたる一種の文體。文體明辨「唐以後始有此體、大略如序而稍爲短簡」○導─はあんま。○てがた(手形)「茶─」「鹽─」「錢─」「鈔─」
②ひつぎなは(柩車索)檀弓「弔於葬者必執─」
同訓異義
ヒク 引·牽·挽·援·曳·延等の別は牽(牛部七畫)の條を見よ。
ひっぱる、ひきあげる。
とがめをわが身にひきうける。吳志、孫權傳「權──責躬」
强弓を引く。史、絳侯周勃世家「勃以織薄曲爲生、常爲人吹簫給喪事、材官──」
經書の文を證據として引くこと。高適詩「匡衡多──」
責を引きて自殺する。司馬遷、報任安書「臧獲婢妾、由能──」
天子がひきよせて面會する。又、ひろく人に面見する義。陳書、虞寄傳「及至卽日──」
ひく。韓愈詩「日暮不能散、起坐相──」
引咎に同じ、愆は責。蜀志「──深自貶抑」
佛 前世に爲したる善惡の所業の報が現世にめぐり來りて苦樂を受ける義、宿世の因緣〔俱舍論〕
ひきのばす、ひろく應用する、本義をうつして他義に及ぶ。易、繫辭「引而伸之、觸類而長之、天下之能事畢矣」より出づ。
鹽を商する者、其の稅を引稅といふ、淸朝の制、鹽若干斤を以て一引とするに由る。
いぐるみをひく。潘岳賦「收罟課獲、──擧效」
他より證據を引く。聞見後錄「學者于文用──、禉訟事之用──也」=引例。
○引き入れて面會する。晉書、陶侃傳「──疏遠、門無停客」=引見。○ インゼフ 佛 彌陀如來が來迎して極樂へ引き導く。彌陀經私記「人恐如來──之語」
人をひきゐる。=引帥。
身を引きしりぞく。致仕する。北周書「諸將皆──」
○みちびく。案內する。南史「有羣魚躍水飛空、──」 俗 ○衆生を引き導きて善道に入らしむ。法華經「無數方便、、以──衆生」又死者を淨土に導くため葬式に僧侶の行ふ式。智度論「大愛道比丘尼涅槃、佛自在前、擎香爐──」
仲閒をつくる。國語「──以封己」
○人をひきよせる。周書「欲──左右、圖議政事」。○ひきたてる。拘引する。
○互に重んじ合ひて推薦する。史、魏其武安傳「兩人相爲──」○重きものをひき行く。易經「服牛乘馬、──致遠、以利天下、蓋取諸隨」
引きあげて用ふる。北齊書「張景仁遂被──」
佛 ひきいれる。法華經「──於佛慧」
○ながいきする。韓愈文「訾醫師以昌陽──」=延年。○ 俗 年老いて致仕する。
棺をひくつなをひきゆく。呂覽「──者、右左萬人、以行之」
○一ぱいに弓をひきしぼる。通鑑、宋順帝紀「畫腹爲的、自──將射之」○なみなみと酒を盛る。陶潛詩「提壺接賓侶、──更獻酬」
物理學にて物質の相ひきつける力をいふ。=攝力。
前例を引く。揮麈錄「──爲弊」=引證。
くびをひきのばして望む、切に希望する義。孟、梁惠王「天下之民、皆──而望之矣」
みちあんないする。北夢瑣言「有人──、獲免崎嶇」
國 鎌倉·室町時代の職名、評定衆をたすけ、訴訟及び庶務をとりあつかふ役。
人に敎ふるには、ただ之を學ぶの法を授け、學ぶ者をして之を自得せしむるをいふ。孟、盡心「君子────、躍如也、中道而立、能者從之」
國 祝儀其他の宴會の時、來客におくる品物、ひきもの。
國 ○圓形を切りぬくに用ふる小さきのこぎり。○德川時代に死罪以上の罪人を馬に乘せ、見せしめのため町內を引きまはす處刑。
①テウ [嘯]
②テキ [錫]
吊は①の俗字
①とぶらふ、とぶらひ、生を─ふを唁、死を─ふを─といふ一敬─」「會─」安否をたづねる。○いたむ(傷)○あはれむ(愍)詩、檜風「中心─兮」○鰐魚の屬。○ 俗 つる、つるす、釣と音通。○ 國 トムラヒ 葬式。
②いたる(至)詩、大雅「神之─矣」
悲みとぶらふ心、哀悼の心。
喪中の人をとぶらひ慰める。梁書、文學傳「劉昭祖伯龍、居父憂以孝聞、宋武帝敕皇太子諸王、竝往──」
とぶらひと、いはひと。左傳「諸侯相──」=慶弔。
とぶらひに來る客。吳志、注「生無可與語、死以靑蠅、爲──」=弔者。
弔意を表する爲めに竿の半ばの所にかかぐるはた。=半旗。
楚の屈原をとぶらふ、屈原五月五日汨羅(今の湖南省長沙府湘陰縣)に投じて死す、後人每歲此の日に於て之を弔ふ〔荊楚歲時記〕
舊事に感じてとぶらふ。朱熹詩「──寧忘恨」
とぶらひまつる。後漢書「使者──贈賵甚厚」
くやみのことば。人の死を悼 イタ み悲しむ意をのべることば。
前條に同じ。
くやみに來たる者。=弔客。
あはれむ。又、とぶらふ。=弔愍。
俗 つりあがりし眼。水滸傳、楔子「──白額」
とぶらひをいふ電信、電報の弔詞。
俗 つるべ、釣瓶。
國家に殊功ありし人の葬式の時、とぶらひの意を表して、はなつ禮砲。
あはれみてとぶらふ。詩經、疏「由──其民、故不久畱處」
死者をとぶらひて金品をおくる。=香奠·祭祀料。
死を弔ふ文。文體明辯「大抵──之體、髣髴楚騷」=弔辭·弔詞。
とぶらひなぐさめる。李洞詩「──難知主」
死者を哭する。周禮「凡內人──于外」
國 前役の戰死者のためにかたきをうついくさ。
2畫
コウ ク [蒸]
○ひろし、ひろむ、ひろまる「恢─」○大いなり、大いにす。
同訓異義
ヒロシ 弘·廣·博·闊·汎·寛の別は廣(广部十二畫)の條を見よ。
佛 弘く大いなる願。
佛 佛が弘く衆生を濟度せんとする弘大なるちかひ。法華經「──深如海、歷劫不思議」
佛 佛の衆生を濟はんとする弘大なる誓願を、船の人を乘せて彼岸に渡すに譬ふ。
佛 佛法がひろまる。
○ 佛 佛法の道をひろめる。○ 國 コウボフ ──大師は僧空海の諡號。
ひろく遠し。晉書、鄧騫傳「騫有節操、忠信兼識量──」
心廣くして煩碎ならざる義。宋書、柳元景傳「風度──·體局深沈」
大いなるもとゐ。晉書「斯雍熙之至美、王者之──也」
心ひろく志つよし。論、泰伯「士不可以不──」
國 古の淸涼殿の右、登華殿の左に在りし御殿、后妃、女御などの居。
ひろく德をしく。褚遂良疏「──懿德卽作元良」
ひろきをしへ。梁簡文帝文「明度彼之──」
○大いなる義。國語「私欲──、則德義鮮少」弘一に宏に作る。○おごりて大いなることを好む。隋書、宇文愷傳「愷揣帝心在──、于是東京制度、窮極壯麗、帝大悅之」
ひろくふかし。蔡邕文「器量──、姿度廣大」
ひろくほがらかにして高し。晉書、地理志「星象麗天、山河紀地、端掖裁其──、崤函判其都邑」=廣敞。
ひろくうるほふ。沈約文「少而英明、長而──」
ひろくすくふ。唐太宗文「──萬品、典御十方」
ひろくのべ、あきらかにする。晉書、禮志「禮經三百、威儀三千、皆所以──天意、雕刻人理」=廣宣。
ひろく大いなり。蔡邕文「至德元功、器量──」
道德をひろめる。論、衞靈公「人能──、非道弘人」
ひろくあらはれる。晉書「訓傅東宮、徽猷──」
ひろくしく。陸雲詩「惠音──、淸風駿集」
ひろくあまねし。傅休奕、辟雍鄕飮酒賦「知禮敎之──也」
文學をひろめる。
たまの名。書經「赤刀大訓、──琬琰、在西序」
博大なる辯論。戰國策「天下駿雄──之士也」
大いにさかんなり。宋書、江夏王義恭傳「德猷──」=弘茂。
ひろくさかんなり。晉書「佐命翼世、勳業──」
ひろくしてうるはし。漢書「──溫雅」
フツ [物]
○ず、あらず、しからず(不)不は輕く─は重し。いな(否)打消の詞。○はらふ(祓)さる(去)○ただしからず(不正)たがふ(違)○─素は淡綠黃色の氣體の元素。○ 國 ドルドルラル 米國の貨幣單位名のあて字、一─は我が二圓位。
うれへて樂まざる貌。易林「杜口結舌、心中──」
否といふ義。史、孔子世家「子曰、──、──、君子疾ニ沒世而名不稱焉」
衆にはからざるはかりごと。書經「無稽之言勿聽、────勿庸」
○烈しく疾き貌。詩經「南山律律、飄風──」=發發。○否否の義。然りとせず。墨、親士「君必有──之臣」
3畫
①シ [紙]
②チ [紙]
①ゆるぶ、ゆるむ、ゆるくす(緩)とく(釋)弓の絃をはづす。○おく(舍·置)○ぉとろへる(衰)すたれる「廢─」○やぶる(壞)こはれる。史、河渠書「延道─兮」○ほしいまま(放)「跅─」「縱─」○いこふ、いこはす(息)
②おつ、おとす(落)
禁制をゆるやかにする。蜀志、註「緩刑──」
馬を御する手をゆるめる、國家を治むる術の手ぬるきに喩ふ、馭は御。晉書、李特載記贊「晉圖──」
つみをゆるべる。韓詩外傳「──廢法」
ゆるべ、ほしいまま。魏志「行步──、筋不束體」
心ゆるみておこたる。北史、李士謙傳「李氏宗黨豪盛、每春秋二社、必高會極宴、少長肅然無敢──」
警備をゆるくす。張衡賦、「聊城──」
荷物をおろす。春渚紀聞「一日樵歸於山、道遇二道人對碁、──就觀」
ゆるめると、はれると。韓非子「萬物必有盛衰、萬事必有──」=張弛·興廢。
ゆるびおつ。孔叢子「堯舜文武之道、或弛而墜、亦正其統紀而已矣」
ゆるびすたれる。晉書、儒林傳「憲章──、名敎頽毁」
ゆるびみだれる。南史、梁武帝紀「政刑──」
百姓の力を息 ヤス め、餘裕あらしむ、租稅を輕くし、徭役を省くをいふ。周禮「大司徒四曰、──」
4畫
ケツ [屑]
ゆがけ、弓を張る時に手に繫くる具。通じて決に作る。
テイ ダイ [齊]
○おとうと、男子の先に生るるを兄といひ、後に生るるを─といふ「兄─」「愛─」「賢─」「令─」○したがふ、弟が兄に事ふる柔順の道「友─」=悌。○やすし(易)「豈─」○師に就きて業を受くるもの「師─」○おとるもの、劣等。○己を謙していふ「小─」○次第の第と通ず。
おとうとと、あにと。=弟昆。
ぉとうとと、あにと。杜甫詩「永結爲──」=昆弟·兄弟·弟兄。
○年わかきもの、幼年者。論、學而「──入則孝、岀則弟」○でし、をしへご。師を父兄に比していふ。論、雍也「哀公問、──孰爲好學」=門人。
ハ [禡]
ゆづか。弓の中央部の手に執る處。
5畫
ゲン [先]
○つる、弓づる、ゆづる。○ゆみはりづき(半圓形の月)「─月」陰曆の七八日頃の半月を上─といひ、二十二三日頃のを下─といふ。○病人の脈の急なるをいふ。○直角三角形の勾股に對する長き一邊。○いと、樂器のいと。=絃。○琴を鼓する。禮、文王世子「春誦夏─」○古人、琴瑟を以て夫婦に喩ふ、故に妻を喪ふを斷─といひ、續娶するを續─といふ。○ 國 つる(鉉)鍋の把手 トツテ
ゆみづると、なめしがはと、緩急の義に喩ふ。韓非、觀行「西門豹之性急、故佩韋以緩己、董安于之性緩、故佩弦以自急、故以有餘、補不足、以長續短之謂明主」
ゆみはり月のかげに喩ふ。李嶠詩「望月驚──」
ことをひきてうたふ。論、陽貨「子之武城、聞──之聲」=絃歌。
ことと、ふえと。崔顥詩「翠幌珠簾鬭──、一奏一彈雲欲斷」
ゆみはりづき。釋名「弦、半月之名也、其形一旁曲、一旁直、若張弓施弦也」范成大詩「雨餘──上」=半月。
琴をひくと詩歌を誦すると。禮、文王世子「春誦夏弦」より岀づ。晉書「東序西膠、未聞於──」
弓のつる音につれてたふれる。弓勢强くして且つ巧なるにいふ。史、李將軍傳「度不中不發、發卽────」
絃は弦の樂器、琴瑟の類、匏はひさごの胴の樂器、笙竽の類。
弛(弓部三畫)に同じ。
セウ [蕭]
○ゆみそる(弓反)○ゆみゆるむ(弓弛)
タウ [豪]
○ゆみぶくろ(弓衣·弓韔)=韜。○はたぶくろ(旌囊)○六─は周代の兵書の名。=六韜。
テイ [薺]
○赤く塗りたるゆみ(漆赤弓)=彤弓。○彫刻して飾りたる弓。孟、萬章「琴朕─朕」朕はわれ。
ド [麌]
○いしゆみ、機械にて矢又は石を發射する武器、黃帝の作といふ「彊─」「勁─」○おほゆみ。○いかる(怒)
弩の弦を鉤して、矢を發する機。舊唐書「以佛寺銅鐘、鑄──兵器」=弩機。
よくいしゆみを引く者。宋書、索虜傳「募天下──、不問所從」=弓手。
氣勢の凌厲 ハゲシ なる形容。豐道生賦「────虎跳龍蟠」
機を用ひて石を發射する器。宋史、兵志「別置牀子──手」
フ [麌]
ゆづか(弝)曲禮「左手承─」
彌(弓部十四畫)に同じ。
6畫
ケン [先]
いしゆみ、おほゆみ(連弩)漢書、司馬遷傳「張空─、冒白刃」
コ [麌]
○きゆみ(木弓)「桑─」○はたを張るため竹にて作りしゆみ(張旗弓)○星の名「─星」○圓周又は曲線の一部の稱。○短─はいさごむし。=蜮。
木にて作りし弓矢。易、繫辭「弦木爲弧、刻木爲矢、──之利、以威天下」
電燈の炭素棒が白光を放ちて燃え、其の尖端が弧形をなすもの、卽ちアーク燈。
ビ ミ [紙]
○つのゆみ。象骨にて兩端を飾りし弓(角弓)○ゆはず(弓末)○わすれる(忘)詩、小雅「心之憂矣、不可─忘」○やむ(止·息)左、襄二五「自今以往兵其少─矣」とどむ(按)離騷「吾令羲和─節兮」○やすんず(安)史、田完世家「─人民」○たる(低)
同訓異義
ヤム 弭·已·息·輟·止·歇·罷等の別は已(己部)の條を見よ。
やむ。宋書「民無饑苦、劫盜之患、亦爲──」=止息。
そしりをとどむ。周語「王喜吿召公曰、吾能──矣」=止謗。
戰をやめる。左、襄二七「弭諸侯之兵」=息兵。
7畫
セウ [肴]
ゆはず、弓の端(弓末)
ジャク ニャク [藥]
○よわし(懦)心よわし、力無し「軟─」「懦─」「羸─」「尫─」「貧─」「虛─」よわる、おとる(劣)○やはらか(柔)「柔─」○わかし(年少)「老─」「幼─」○はたち(二十)「─冠」○あしなへ(跛)○おとろへる(衰)「衰─」○やぶる(敗)○うしなふ(喪)○少しく足らざる義「三里─」餘るを强といふの對。
○事を行ふに勇氣なし「薄志──」○ちんば(跛)左、昭七「孟縶之足、不良──」
よわきくき。卞敬宗文「濛濛綠葉、荏苒──」
はりのよわきゆみ。列子「──纖繳、乘風振之」
男子二十歲をいふ。禮、曲禮「人生十年曰幼、學、二十曰──、三十曰壯、有室、四十曰强、而仕」冠は元服。
よわきくに。列子「衞侯曰、吾──也、而攝乎大國之閒」
少年。又、二十歲。晉書「景國──英奇」=弱年·弱齡。
まよひご、父母の家を見失ひし迷兒。莊、齊物「──而不知歸者」
をさなご。管、形勢「──下瓦、慈母操箠」=稚子。
よわき意志。淮南子「虛心而──」
よわきからだ。貢奎詩「──辭官責、歸心數驛程」
力よわき者。
幼くおろかなる君。陳琳文「彊秦──、趙髙執柄」
○川の名。書、禹貢「導──至子合黎」○仙境に在る川。十洲記「鳳麟洲在西海之中央、洲四面有──繞之、鴻毛不浮不可越也」
○よわくして小さき義。史、燕世家「崎嶇彊國之閒、最爲──」○年わか。=弱少。
人に對して己の子を稱す。南史、周盤龍傳「小人──」
弱兵に同じ。
いとけなきまご。王羲之文「抱──」
年わかきおとうと。蔡邕文「上奉繼親、下慈──」=幼弟。
國 よわみ。
弱きものは强き者に食はる。强者が弱者を倂呑する義。韓愈、送浮屠文暢序「弱之肉、强之食」
年わかし。又、二十歳。南史、王儉傳「儉──、便畱意三禮、尤善春秋」
としわかきともがら、わかもの、あをにさい。=乳臭兒。
よわき兵卒。孫子「勇將手下無──」=弱卒。
わかきよはひ。少年。魏書、彭城王勰傳「挺德──、誕資至孝」=弱年。
よわくおとる。魏書、崔浩傳「臣稟性──」
幼くして嬉戲することを好まず。左、僖九「夷吾(晉の惠公)────」
8畫
①キャウ·ガウ [陽]
②キャウ·ガウ [養]
③キャウ·ガウ [漾]
一に强に作る又彊に通ず
①つよし(彊)心又身體の力がすぐれてつよし「堅─」「剛─」「精─」「雄─」○つよめる、つよくす、すこやか(健)「健─」「康─」○つよき者「弱肉─食」○あらし(暴)「暴─」史、田延年傳「誅鉏豪─」○こめむし(米中蠧)○よそぢ(四十歲)人の最も强く盛んなる年ごろ。曲禮「四十曰─而仕」○餘ある數「十里─」
②つとむ(勉)勉め行ふ。すすめる(勸)勸めてさせる。周禮、地官「正其行而─之道藝」○しふ、しひて、無理に。孟、滕文公「─而後可」○ためる(矯)
③もとる、すねる、柔服せず「屈─」「木─」○むつき「─葆」=襁。
不法行爲を以て女ををかす「──罪」
國 心がすなほならず。=强情。
無理に氣づよくうつたへる。又、なかまを組みて訴へる。
凶器又は暴力を以て人ををどし、金品を強奪するぬすびと。竊盜の對。
しひてうぱひとる。史、藺相如傳「秦王度之、終不可──」
國 てづよくかけあふ。きびしき談判。
つとめてくさぎる。淮南子「暑以──、秋以收斂」
つよき者を壓へて、よわき者を助ける。後漢書「耿純爲東陽太守、────」
つよきものをくじく。戰國策「不爲人──」
てづよくもとる。梗はふさがる。又、其の者。淮南、原道「鋤其──」=剛梗·强鯁。
つよくいひはる。剛直にして屈せず、鯁は魚骨、喉にささはる義より梗 「サガル と同じく用ふ。又、其の者。唐書、白居易傳「居易執論──」
軍隊が普通の行程(一日六里內外)以上をしひて進軍する義。
公然と危險を冒して敵狀をうかがひ探る義。
つよくいさめる。爭ひて忠告する。左傳【懦而不能──」=固諫·切諫。
あつかまし。つらの皮あつし。成語考「不知羞愧、曰──」劉向新序「此天下之──女子也」=厚顔·鐵面皮。
物おぼえよし「博聞──」=強識。
つよし。周書「莅政──、百姓畏之」
强力の弓。史、蘇秦傳「──勁弩」
○十干の丁の異名〔爾雅〕○力多し。楚辭「澆身被服──兮」
わるづよくして善をふせぐ。又、其の者。漢書、敍傳「曾是──、掊克爲雄」=彊禦。
ゆりの異名。名醫別錄「百合、一名──」
つよくあらあらし。晉書、揚佺期傳「──粗暴」=凶獷。
つよくかたくな。又、其の者。曾鞏詩「明心懾──」
つよくしてかたし。=強固。
すこやか。歐陽修詩「乞身當及──時」
項 ウナジ の骨のつよきもの。容易に頭を下げざる、剛直の士をいふ。後漢書、楊震傳「楊震孫奇、立朝剛直、靈帝曰、卿──、眞楊震之子孫也」
剛直にして屈せざる縣令。後漢書、董宣傳「上(光武帝)令小黃門持之、使叩頭謝主、宣兩手據地終不肯、上敕───出」
しひてなく。莊子「──者雖悲不哀」
つよくさかん、健かにして力つよし、血氣がさかんなり。=強健。
身體をつよくするくすり。=補藥。
おしうり(押賣)=彊巿。
四十歲に至りて始めて仕宦する義。轉じて四十歲の稱。禮、曲禮「四十曰──」
病なくして死する、非命の死、卽ち殺される。左、文十「三君皆將──」
つよく、もとりそこなふ。宋史「王安石性──」
勢つよくしてほしいままなり。晉書「是時桓溫──、權制朝廷」
馬がつよくあらし。
敵の防禦を冒してつよく攻める。=強行襲擊。
權力のさかんなるけらい。
つとめてすすむ。管子「──則銳士挫」
つよきぢしん、地文學にて液體がこぼれ、時計の振子が止まる程度の地震。
強き大將の下には、弱き兵卒なし。蘇軾、題連公壁「俗諺云、──────、眞可信」=勇將手下無弱兵。
つよきと、よわきと。
威力にて、しひてうばひ取る。左、襄二三「可──也」=強奪。
○つとめて飮食を加へとりて身體を養ふ。漢書、翟方進傳「──愼職」=強飯。○強き者のゑじき「弱肉──」
○勢をたのみて人をおしつける。○法律の力によりて人の意志行爲を束縛する處分。
裁判の結果によりて、執達吏が債務者を強制して、其の義務を行はしむる手續。
つよくさかんなり。北史「漢武士馬──、肆志於遠略」
つよきいきほひ。
○しひてこひねがふ。○むりに貰ふ、ゆする。又ゆすり。
しひてわらふ、つくりわらひ。遼史「──曰、何戲之虐也」
勢力あるいへがら。漢書、郭伋傳「──右族」
つよくしてむさぼる。戰國策「鄭同見趙王曰、今有──之國、臨王之境、索王之地、告以理、則不可、說以義、則不聽、王非戰國守圄之具、其何以當之」
つよきてき。吳子「三軍服威、士卒用命、戰無──、攻無堅陳矣」=勁敵。
つよき大ゆみにて發射せし矢石も其の力の盡きたる末は魯國の薄絹を貫く程の力も無し、英雄も衰へては何事も成し得ざる義、強一に彊に作る〔漢書、韓安國傳〕史、韓長孺傳「彊弩之極矢、不能穿魯縞、衝風之末力、不能漂鴻毛」
むつき。史記「成王少在──之中」=襁褓。
つよくあらし。又、其の者。史、三王世家「內襃有德、外討──」
しひてせまる、人をおどしつける。=脅迫。
なかばすぎ。蘇軾詩「贏得兒童語音好、一年──在城中」=過半。
○しひてくらひて身を大切にする。史記「行矣、──勉之」=強食。○ 國 コハメシ おこは、赤飯。
つよく吹くかぜ。氣象學にて一秒時閒に十米突 メートル 以上の速力の風。
○つよきへいたい「富國──」○兵をつよくする。
しひつとめる。董仲舒文「事在──而已矣」=彊勉·勉強。
しひて言ひはる辯論。北史「諸儒服其──」
しひてちかふ。左傳「迫孔悝於廁──之」
つよくいさまし。
つとめてひろくみる。宋史、劉琦傳「博學──、立志峻潔」=博覽。
多力なり。又、氣力のさかんなるにいふ。梁は棟 ムナギ を負ふもの。又、橋をいふ、支ふる力の強きに取る。老子「──者、不得其死」
○つよきちから。又、其の者。論衡「長巨之物、──之人、乃能擧之」○ 國 ガウリキ 大力ありて登山の案內する者。
①チャウ [陽]
②チャウ [漾]
①はる、弓に弦を施す。○ひらく(開)のべひろげる「開─」○大いなり。○ほどこす(施)史、武帝紀「─ ニ 羽旗、設供具、以祀神君」○まうける(設)つらねまうける(陳設)「─宴」○─り、又、弛ぶべき物を計ふるに用ふ。ちゃう「幕九─」「强弩數千─」○ちりこ、二十八宿の一。○譸─はあざむく(誑)○蹶─は足を以て弩を─る。○乖─は相戾 モト る。
②ほこる(侈大)○ふくれる、脹に通ず。○とばり「供─」=帳。
とばりを引きまはしてさかもりをする。史、高帝紀「復畱止──三日」
ことのいとをはる。韓詩外傳「治國者、譬若乎──然」=張瑟。
字は伯高、唐の蘇州の人、最も草書を善くし、草聖と稱す、酒を嗜み大醉すれば、時に頭に墨を濡して書す、世に張顚と稱す。
張りて大いにする、皇は大。書、康王之誥「──六師」=張大。
張氏の三男李氏の四男、權兵衞、八兵衞といふが如く、平凡なる人をさしていふ。傳燈錄「欲會佛法、但問取────、欲會世法、則參取古佛叢林」
つばさをはる。易林「旋枝──」
唐の忠臣、安祿山の亂に許遠と共に睢陽城を守り、力盡きて賊の爲めに殺さる。
はりて大いにする。韓愈文「太史氏又能──其事、爲傳繼二疏蹤跡否」=張皇。
○まへおき、伏線。豫め後來の地を爲す義。左、隱五、注「晉內攻伐不吿亂、故不書、傳具其事、爲後晉事──」○ 國 首謀者、發頭人。
めをみはる。史、藺相如傳「左右欲刃相如、相如──叱之、左右皆靡」
あみをはりまはす。後漢書「──海內、設罝萬里」
字は子房、五世韓に相たり、韓滅びて主の仇を報ぜんと欲し、鐵椎を以て秦の始皇帝を博浪沙に擊ち誤りて副車に中つ、逃れて下邳に至り、黃石公に遇ひ、其の兵法を授けらる、漢の高祖、兵を擧ぐるに及びて之に從ひ、常に畫策す、高祖卽位するに及び、功を以て畱侯に對ぜらる、蕭何·韓信と竝びて三傑と稱せらる。
ハウ ヒャウ [庚]
○弓强き貌。○みつ、みたす(滿)法言、君子「以其─中而彪外也」道德が心中に滿つれば自ら外にあらはれる。
9畫
強(前畫)に同じ。
①セフ [葉]
②ケフ [葉]
ゆがけ(射決)=韘。
ヒツ [質]
○たすく「匡─」「保─」たすけ(輔佐)「良─」「輔─」○もとる(戾)=拂。○ゆみだめ(正弓之器)○ただす(正)○かさぬ(重)○たかし(高)○ 國 古の官制にて彈正臺の次官、大─と少─とに分つ。
道にそむけるを正したすける。抱朴子「匡過──」
たすけ正す。梁昭明太子、文選序「箴興於輔闕、戒岀於──」
助けて成す。書經「──五服」
たすけみちびく。晉書、荀凱傳「實有佐命──之勳」
輔けてやすらかにす。晉書「能──晉室、輔予一人」
弼(前條)に同じ。
10畫
コウ [宥]
○はる(張弓)弓を引きしぼる。○やごろ、矢を射るねらひ。孟、告子「羿之敎人射、必志于─」羿は古の弓の名人。○ 俗 滿足の義。
弓を引きしぼりたる矢ごろのうち。轉じて、人を籠絡する術中の義とす。摭言「文皇帝幸端門、見新進士、綴行而岀、喜曰、天下英雄入吾──矣」文皇帝は唐の太宗。
わが術中に入る、彀は弓を引きしぼる義。前條參看。
矢ごろの程限、弓を引きしぼりて的にあてる標準。孟、盡心「羿不爲拙射、變其──」
11畫
コゥ [尤]
○ゆはず(弓端)○環 タマキ の屬。
たまき。西京雜記「戚夫人以百鍊金、爲──照見指骨」
ヒツ [質]
○いる(射)○ゆみづる(弦)
12畫
①ダン [翰]
②ダン [寒]
①はじき弓。○はじきだま「─丸」
②はじく。○はじき丸 ダマ を發射する。○うつ(擊)たたく「─劍」○ただす、罪をただす(劾)「奏─」「糾─」○ふるふ(掉)○つまはじきする。屈原、漁父辭「新沐者必─冠」○はねかへす、反撥する。○ひく、かきならす「─琴」「快─」
ただしおさへる。唐書、柳中郢傳「輦轂之下、──爲先、郡邑之治、惠愛爲本」=制服。
雨の如く繁く來る鐵鉋だま「砲煙──」
官吏の罪をしらべて、上に吿げる。北史、魏收傳「南臺將加──」
はじきがね、ばね。
惡事をただす。後漢書、史弼傳「州司不敢──」
ことをひく。王維詩「獨坐幽篁裏、──復長嘯」
○冠の塵を彈き淸める。史、屈原傳「新沐者必──、新浴者必振衣」○轉じて出仕の準備をする義とす。漢書、王吉傳「王吉字子陽、與貢禹友、時稱王陽在位、貢公──」貢公は貢禹。
○はじきだま。鳥雀などをうつはじき丸。○轉じて極めて小さきものに喩ふ。史、虞卿傳「──之地」○鐵砲のたま。
はじき玉と、ほくろと、せまき土地に喩ふ、黑子一に黑誌に作る。庾信賦「地惟黑子、城猶彈丸」
はじき玉の如き狹小の地。戰國秦策「此────、猶不予也」
主人を諷して祿位を求むるにいふ。釋常談「諷主人覓食謂之──」孟嘗君の客、馮驩が劍のつかを彈じて「長鋏歸來乎」の歌を歌ひし故事に本づく。
劍を擊ちたたく。史、孟嘗君傳「彈其劍而歌」
ことをひく。蜀都賦「巴姬──、漢女擊節」
ことをひく。史、李斯傳「退──、而取韶虞」
○つまはじきする。維摩經「度百千劫、猶如──」○轉じて極めて小なる時閒に喩ふ。蘇軾詩「三過門前老病死、一──頃去來今」
よこしまなる者をとがめただす。魏志、注「旌善以興化、──而矯俗」
言を以て他人の缺點を指摘する。蜀志「孟光曰、吾好直言、無所囘避、每──利病、爲世人譏嫌」
○惡しき事をただす。後漢書、仲長統傳「惡可得──者哉」○ ダンジャウ 國 ──臺(古の八省の一、今の警察署の類)の官吏。
彈力性を有する物體、卽ち瓦斯·護謨·象牙など。
○事をただして上に奏する。晉書、劉隗傳「隗之──、不畏彊禦、皆此類也」=彈劾。○ 國 琴·ピアノなどをかきならす。
發射せし彈丸の空中を通る路。
はじきうつ、琴などをかき鳴らす。梅堯臣詩「──未終脂駕速」
他人の罪惡をあばきだしたる文章。=彈劾文·彈章。
○たまと、くすりと。○たまぐすり(火藥)
物理學にてはねかへす力、原形に復せんとする力。
13畫
①キャウ·ガウ [陽]
②キャウ·ガウ [養]
強に通ず
①つよゆみ(弓有力)つよし「武─」「雄─」○すこやか(健)易、乾卦「自─不息」かたし(堅)こはし。○あたる(當)○盛んなり(勢盛)○あらし(暴)○しふ。
②つとむ、しひる。
しひてさへぎりもとめる。史記「呂澤──曰、爲我畫計」
つよくしてあらし。柳貫詩「弱肉飽──」
あつがまし、厚顏にして恥を知らず。漢書、司馬遷傳「言不辱者、所謂──耳」=強顏。
强情にして人を忌みそこなふ。後漢書、何后紀「后、性──、後宮莫不震懾」
記憶力つよし。史記「淳于髠、博聞──」=彊識 キャウシ
しひて求める。呂覽「名號大顯、不可──、必繇其道」
相隨ひて飛ぶ貌。詩、鄘風「鶉之奔奔、鵲之──」
わるづよくして善をふせぐ、彊梁にして善を禦ぐ。又、其の者。詩經「不侮鰥寡、不畏──」=強禦。
強くあらし。崔伯易文「──相師」
かすめおどす。史記「彭越──外黃」
つよきくに。史記「河山以東──六」=强國。
つよく、さかんなり。漢書、蘇武傳「武畱匈奴凡十九歲、始以──出、及還鬚髪盡白」=強壯。
しひてころす。漢書「──秦降王子嬰」
おしうり。唐書「──罪當贖」=強巿。
おぼえがよし、記憶力強し、志は識。史、屈原傳「博聞──」=彊記·彊識。
前條に同じ。禮記「博聞──而讓、敦善行而不怠、謂之君子」
しひてこふ。漢書「漢王病創臥、張良──漢王、起行勞軍」=強請。
勢力あるやから。南史、薛安都傳「世爲──」
つよく大いなり。管子「德不加於弱小、威不信於──」=強大。
つよきあひて。吳志「劉備天下知名、曹操所憚、今在境界、此──也」=強敵·勁敵。
つよくして正し。南史、柳津傳「性甚──」=強直·剛直。
つよきいしゆみ。=強弩。
英雄も勢衰へては成すこと能はざるに喩ふ。史、韓長孺傳「─────────、衝風之末力、不能漂鴻毛、非初不勁、末力衰也」漢書、韓安國傳には極矢を末力に作る。強弩之末力參看。
つよき藩鎭。唐書「──悍將、皆悔過效順」
つよくさとし。五代史、韋震傳「爲人──有口辯」
つよくして富む。吳志、駱統傳「君國者、以據彊土、爲──、制威福、爲尊貴」=富强。
つとめはげむ。漢書、董仲舒傳「──行道、則德日起、而大有功」=強勉。
才力つよし。詩經、疏「荊舒──而難服」=強梁。
14畫
①ビ·ミ [支]
②ビ·ミ [紙]
弥は略字
①あまねし(徧)周禮、大祝「─祀天地社稷」○をふ、をはる(終)○いや、や、いよいよ(愈)論、述而「仰之─高」ますます(益)○やや(稍)○ながし(長)ひさし(久)○とほし(遠)○わたる(竟)はびこる(延)○つくろふ。○みつ(滿)○おほふ。○極む。○とぢる、つづる、繕ひ補ふ。左、僖二六「─縫其闕」○─陀 ミダ ─勒 ミロク はみな佛の名。○沙─ シヤミ は佛門に入り落髮せる者の稱。善覺要覽「僧落髮後稱沙─」
②とどむ(止)やむ(息)古、弭に通ず。
同訓異義
イヨイヨ 彌·愈の別は愈(心部九畫)の條を見よ。
ひさしきにわたる。史、刺客傳「太傅之計、曠日──」
次の月にまたがる。韋應物詩「──曠不接」
ひをわたる、日かずを經る。邊讓、章臺賦「冀──而消憂」
十日閒にわたる。杜甫詩「追隨不覺晚、款曲動──」
いよいよさかんなり。北史「伯陽之後、久而──」
そらに滿ちる。隂符經「卷之藏于心、隱于神、施之彌于天給于地」
見わたすかぎり。潘岳、西征賦「沃野──」
少しづつ。漢書、韋賢傳「──其失」=稍稍。
○ぬひ繕 ツクロ ふ。闕を補ふ。左、僖二六「──其闕、而匡救其災昭舊職也」○ 俗 闕失をおほひて發覺を免るる義に用ふ「一時を──す」
わたりひろがる。宋書、符端志「──林谷、年年轉盛」=徧漫。
病の久しく身に畱りて危篤なる義。書、顧命「嗚呼病大漸惟幾、病日臻旣──」
つくろひをさめる。彌は彌縫、綸は經綸。易、繫辭「易與天地準、故能──天地之道」
佛 阿彌陀如來の略。南史、庾說傳「擧室咸聞空中唱上行先生、已生──淨域矣」
佛 菩薩の一、譯して慈氏といふ。釋迦入減後五十六億七千萬年を經て出現し、衆生を導くといふ佛。=彌勒佛。
國 陰曆三月の異名。
15畫
クヮク [藥]
はる。弩をひきしぼる。=彉。
唐代の宿衞の騎兵〔唐書、兵志〕
19畫
ワン [删]
○ひく(引)はる(張)弓を引きしぼる。○まがる、弓なりにまがる「縈─」
ゆみなりにまがる。
圓き形。李遠詩「惟餘坡上──月」
ゆみはりづき。白玉蟾詩「天際一鉤明月彎」
海水などがゆみなりに陸地に入り込む。
20畫
クヮク [藥]
きびしくひきしぼる(弓急張)