瓜部
0畫
クヮ ケ [麻]
○うり、ひさご「黃─」「南─」「西─」○匏─は星の名。史、天官書、註「匏─一名天雞、在河鼓東、匏─明、則歲大熟也」
微物を贈りて多くの返禮を得たる義、鰕 エビ で鯛を釣る。詩、衞風「投我以木瓜、報之以瓊琚」
瓜葛は蔓草にて枝葉相まとふ。よりて緣つづきの義に喩ふ。晉書、王悅傳「王導嘗與悅奕棋爭道、導笑曰、相與有瓜葛、那得爲爾邪」
任期のみつる義。左、莊八「瓜時而往、曰及瓜而代」王世貞詩「歸不待──」
うりと、くだものと。晉書、桑虞傳「有園、在宅北數里──初熟、有人踰垣盜之」
○うりと、ひさごと。禮、月令「──不成」○星の名。星經「──五星、在離珠北」
うりのたね。荊楚歲時記「七月采──以爲面脂」本草「瓜中辨曰犀」=瓜瓣。
任期の滿つる時。瓜期を見よ。
うりづけ。黃庭堅詩「瀕河飯食漿、──已佳茹」
任期が滿ちて他人と易る義。瓜期を見よ。
瓜のつるに多くの小さき實を結ぶ。子孫の連綿たるに喩ふ。詩、大雅「緜緜瓜瓞、民之初生」
うりばたけにて履に足をいれず、瓜を盜む如く見えるが故。人に疑はるべきことを爲さざる義。古樂府「─────、李下不正冠」
任期が滿つる。瓜期を見よ。
瓜を分つが如く、土地をわかつ。戰國趙策「天下將因秦之怒、乘趙之弊、而──之」漢書、賈誼傳「高皇帝──天下、以王功臣」=瓜剖。
うりの種子。謝惠連文「梅李核、──皆浮出、不甚爛壞」
瓜を分つ如く地を分ける。南史、陳武帝紀「八紘九野、──豆分」=瓜分。
財產をしらべかすめて、無辜 ツミナシ の民に及ぶ義。明史、景淸傳「籍其鄕、轉相攀染、謂之───、村里爲墟」
5畫
テツ [屑]
ちひさきうり(小瓜)「瓜─」
ハウ [肴]
ひさご。=匏。
ひさご。廣韻「──可爲飲器」
6畫
①コ [虞]
②クヮク [藥]
①ひさご、ゆふがほ、瓜の一種、形の長きもの、食用に供し、又乾かして容器とす。○やぶれたるかめ(破罌)史、賈生傳「斡棄周鼎兮而寶康─」貴きものをすてて無用のものを大切にするの喩。
②ぼろぼろとかける。莊、逍遙遊「─落無所容」
瓠中のさね。美人の齒の白く美くしくそろへるに喩ふ。詩、衞風「齒如──」
ひさご、尊は樽。蘇軾詩「──酌行潦」
上古の楚の人、善く琴を鼓す。列、湯問「──鼔琴、而鳥舞魚躍」
ひさご。謝承、後漢書「鄭敬隱處精學、同郡鄧敬公爲督郵、過敬、敬以荷薦肉、──盛酒」
11畫
ヘゥ [蕭]
○ふくべ、ひさご、へぅたん。○ひさごの實の中身を去りて空虛にし、酒等を容れる器、─簞 ヘウタ 「酒─」○ひしゃく。莊、逍遙遊「剖之以爲─」
ひさごに容れたるのみもの。論、雍也「一簟食、一──」
ひさご。李白詩「感此勸一觴、願君覆──」
ひさごを半分にしたるひしゃく。齊書、卞彬傳「飮酒以瓠壺──」
ひさご。蘇轍詩「──空挂壁」=瓢尊。
○ひさごと、かたみと、簞は飯を入れる竹器、瓢飮を見よ。陶潛文「冬無縕褐、夏渴──」○ 國 酒を容れるふくべ。
天道蟲 テンタウムシ をいふ、こがねむしの一種、大さ三分許、形圓く、赤色にして黑き小點あり。
ロウ [宥]
からすうり(王瓜)「?─」
14畫
①べン [霰]
②べン [删]
①うりのさね、瓜のなかご、瓜中の實。○數多の片より成れる果實の肉の一片、蜜柑などのふさ。仙傳拾遺「千餘枚皆缺一─」○はなびら(花片)「花─」○機械の兩室の閒に在る片、兩室の交通を開閉する仕掛けのもの「安全─」
ひとつまみの香、もと禪僧が人を祝禮する時に之をたきしもの。轉じて人を欽仰する義とす。陳師道詩「向來一──、敬爲曾南豐」
軟體動物の一、左右二枚の殼と左右二枚づつの瓣狀の鰓 エラ とを有するもの、からすがひ·蛤 ハマグリ の類。
17畫
ジャウ [陽]
○うりわた、瓜の內部、瓜中の實を包みて絮 ワタ の如くにして汁あるもの。○蜜柑類の實の如く多くの房に分れる其の房「橘─」「柑─」