皮部
0畫
ヒ [支]
○かは、獸のけがは。周禮、天官「秋斂─」革は毛を去りしかは。韋は革を柔かにしたるなめしがは。○おほひ(被)○物の外を護るものの稱「包─」「封─」○うはべ(表)すべて物事の表面「地─」「木─」「─膚」○物の薄きものの形容「銅─」「豆腐─」○かはごろも(裘)「─幣」○まと(的)皮をはりし的。論、八佾「射不主─」○こけ(苔)○はなす、かはをはぐ。戰國韓策「─面抉眼」
獸のかはと、つのと。周禮「凡屠者斂其──筋骨、入于王府」
毛がはと、つくりがはと。周禮「以時獻其珍異──」
注射器を用ひて皮膚の下に藥をさしこむ醫療法。
かはごろも。皮日休詩「不知何事有生涯、──親裁學道家」
かはごろも。詩經、疏「絲麻不足以禦寒、故爲──以助之」
皮製の袴。搜神記「著──」
うはべだけを見て直ちに判斷する。史、酈生傳「足下以目──、恐失天下士」
うはべのみを見て內情を察知せざる人。韓詩外傳「延陵子知其爲賢者、請問姓字、牧者曰、子乃────也、何足語姓字哉」
○かはと、肉と。起世經「燒其──」○ 國 いぢわるく、あてこすりをいふ義。
あさはかなるさとり。傳燈錄「達磨欲西返天竺、乃命門人曰時將至矣、汝等盍各言所得乎、時門人道副對曰、如我所見、不執文字、不離文字、而爲道用、師曰、汝得吾皮、尼總持曰我今所解、如慶喜見阿閦佛國、一見更不再見、師曰、汝得吾肉、道育曰、四大本空、五陰非有、而我見處無一法可得、師曰、汝得吾骨、最後彗可禮拜後依位而立、師曰、汝得吾髓」谷響集にも出づ、文稍異る。=皮膚之見。
うはべの言を以てこじつける。後漢書、張衡傳「方言非其事曰──、言皮膚淺近强相傅會也」
はだへ。柳宗元文「一搔──、塵垢滿爪」
色の甚だ黑きをいふ。南史、焦度傳「度、容貌壯醜、────」
しもやけ·にきび·たむし·ひぜんなどのはだへに生ずる病の總稱。
○かはごろもと、きぬとのおくりもの。孟、梁惠王「事之以──、不得免焉」○白鹿の皮の貨幣。史、平準書「以白鹿皮方尺、緣以藻繢、爲──、直四十萬」
鹿のかはのかんむり。朝廷に出仕する時の常服。又、加冠の禮の時、先づ緇布冠を著、次に──を加ふ〔儀禮、士冠禮〕
顏の皮をはぐ。戰國韓策「聶政大呼、所擊殺者數十人、因自──抉眼、屠腸遂以死」
けがは。莊、讓王「冬日衣──、夏日衣葛絺」
皮裏は皮のうち、卽ち心中、心中にて襃貶する義、陽秋は春秋、卽ち孔子が春秋を作りて襃貶の意を寓せしに本づく。晉書、褚裒傳「季野有────」季野は裒の字。
5畫
ハゥ [效]
○にきび(面瘡)「面─」靑年の時、顏面に生ずる小さきできもの。= 俗 粉刺。○もがさ、手足臂肘などに暴起 ニハカニオコル する水泡の如きもの。
7畫
シュン [眞]
○ひび、あかぎれ、寒氣に冒されて皮膚の裂けるもの(皸裂)「凍─」「─裂」○しわ(皺)○畫法の一、山石などのひだを描くにいふ。披麻─·荷葉─·大斧劈─·小斧劈─·雨點─·雲頭─など「─法」
しわ。薛逢詩「老皮──交縱横」
ひびがきれる。梁書、武帝紀「執筆觸寒、手足──」
9畫
クン キン [文]
あかぎれ(手足坼裂)ひび、皮膚が寒氣に冒されて龜裂する。=凍裂。
あかぎれと、しもやけと。漢書、趙充國傳「手足──」=凍瘡。
寒氣の爲めに、ひびがきれる。
鼓(部首十三畫)の俗字。
10畫
①シウ [宥]
②シウ [尤]
通音スウ
①しわ、顏面のしわ「面─」又、すべて物のひだ。○しわむ(蹙)しわをよせる、眉をしわむ。
②くりのいが(栗蓬)貫休詩「新蟬避栗─」
しわ。ひだ。畫史「石亦──不凡」
まゆをひそめる。=蹙頞。
しわづら。陸游詩「──朱鉛太不宜」
11畫
サ [麻]
○はなのにきび(鼻皰)○もがさ。○ざくろばな、鼻端の赤くなる病「酒─鼻」
13畫
テン セン [銑]
肉の上のうすかは、皮膚の薄膜。禮、內則「濯手以摩之去其─」