牙部

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牙  

ガ ゲ [麻]

○きば(牡齒)前齒と奧齒との閒にある大形の銳き齒。○轉じて身を護るたのみとなるもの「爪─」○象のきば「象─」○かむ(噬)○はぎしり。○きざし、めばえ、芽に通ず。○きばの狀をなす器物にいふ。○帳の前に立てる旗「─門」○やくしょ(官署)○天子又は將軍の建てる旗、象─にて飾る「大─」「─旗」○さいとり、賣買兩者の閒に立ちて手數料を取るもの、仲買人「─儈」一說に─は互の轉訛。

【牙醫】 ガイ 

齒科醫。

【牙音】 ガオン 

齒にふれて出づる音、カキクケコの類。

【牙營】 ガエイ 

本陣·本營。牙旗をたてたる大將軍の陣屋。

【牙牙】 ガガ 

小兒の語を學ぶ愛らしきこゑ。司空圖文「女則──學語」元好問詩「──嬌女總堪誇」

【牙行】 ガカウ 

さいとり。=牙儈。

【牙旗】 ガキ 

大將軍のはた。張衡、東京賦「戈矛如林、──繽紛」

【牙科】 ガクワ 

 俗  齒科。

【牙儈】 ガクワイ 

さいとり。唐書、張又新傳「嘗買婢遷約、爲──搜索陵突」品字箋「儈、會也、──以齒牙而會合巿中之交易者」=牙保、牙商。

【牙爪】 ガサウ 

きばと、つめと。轉じて、防禦の具にいふ。荀、勸學「蚓無──之利、觔骨之充、下飮黃泉、用心一也」

【牙刷】 ガサツ 

齒みがきやうじ。郭鈺詩「南州──寄來日、去膩滌煩一金直」

【牙人】 ガジン 

なかがひにん(仲買人)=牙郞·牙儈。

【牙城】 ガジヤウ 

城のほんまる、牙旗を立てるに由る。唐書、李愬傳「率左右登──」王惲詩「角聲催日上──」

【牙商】 ガシヤウ 

牙儈に同じ。

【牙檣錦纜】 ガシヤウキンラン 

象牙にて飾りし帆柱と、錦のともづな。杜甫、泛舟詩「春風自信牙檣動、遲日徐看錦纜牽」

【牙稅】 ガゼイ 

仲買人の納める稅。

【牙錢】 ガセン 

手數料、口錢。

【牙籤】 ガセン 

象牙にて作りたるふだ。西京雜記「祕閣圖書、皆表以──」

【牙幢】 ガタウ 

大將のたてるはたほこ。吳志、陸遜傳「遜乃益施──」

【牙纛】 ガタウ 

大將軍の旗。韓愈詩「──前坌拂」=牙旗。

【牙塔】 ガタフ 

象牙細工の塔。齊書、扶南國傳「上表幷獻金鏤龍王坐像一軀、白檀像一軀、──二軀」

【牙籌】 ガチウ 

象牙にて作りたるかずとり。晉書、王戎傳「每日執──、晝夜算計」

【牙帳】 ガチヤウ 

牙營のとばり。趙嘏詩「──連烽擁萬蹄」

【牙帖】 ガテフ 

仲買人の免許狀。

【牙婆】 ガバ 

きもいりばば、物事の世話をして口錢を取る老女。

【牙牌】 ガハイ 

かるた。正字通「──、今戲具、俗傳、宣和二年、高宗時詔頒行天下、謂之骨牌、如博塞格五之類」

【牙粉】 ガフン 

はみがきこ。

【牙保】 ガホ 

牙儈に同じ、保は商家の人。

【牙保罪】 ガホザイ 

不正品と知りつつ、賣買のとりもちして手數料を取りしつみ。

【牙門】 ガモン 

大將の軍門、帳の前に牙旗を立つるに由る。後漢書、公孫瓚傳「拔其──」今、官署を衙門といふは──の訛。

【牙郞】 ガラウ 

仲買人。輟耕錄「今人謂駔儈者、爲──、本謂之互郞、主互易巿物者也」

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牚  

タゥ [庚]

○ささへばしら(支柱·邪柱)=橕。○ささふ。