禸部

0畫

禸  

ジウ [有]

獸のあしあと(獸跡)

4畫

禹  

ウ [麌]

夏の世を建てたる聖王の號。初め堯·舜二帝に事へ、洪水を治めて功あり。孟、滕文公「─三過其門而不入」管子、入國「─立諫鼔于朝、而備訊唉」訊は問。唉は驚問なり。

【禹域】 ウヰキ 

支那の異稱、禹が洪水を治めて九州の界を正したるに本づく。=禹跡。

【禹行舜趨】 ウカウシユンスウ 

夏の禹王や虞舜の如き聖人の動作のみに傚ひて其の實なきにいふ。荀、非十二子「禹行而舜趨、是子張氏之賤儒也」

【探禹穴 】 ウケツヲサグル 

夏の禹王の入りしといふ穴を探檢する、名山大川を探るをいふ。史、太史公自序「南游江淮、上會稽、───、闚九疑」

【禹貢】 ウコウ 

書經の篇名、禹、洪水を治め、九州の貢法を定め、山川道里の遠近、物產の宜しき所を詳かにす、故に名づく。

【禹拜昌言 】 ウシヤウゲンヲハイス 

昌言は道理に當れる言、拜して之を受ける。書、大禹謨「至諴感神、矧玆有苗、禹────曰、兪」

【禹跡】 ウセキ 

禹のあしあと。支那全土の稱、禹は洪水を治め、山河を開疏し國土を平定して九州としたる聖王。左、襄四「茫茫──、畫爲九州」=禹域。

【禹門】 ウモン 

龍門に同じ。淮南子「禹鑿龍門」(進士に登第せしを登龍門といふ)

禺  

①グ [遇]

②グ ギョウ [虞]

③ゴゥ·グ [有]

通音グウ

①をながざるの一種、猴の屬、赤目にして長尾。=果然。

②山の名。○番─は、古の越(今の廣東省地方)の地名。○──は魚の名。○わかち(區)○事の端の初めてあらはれるにいふ。○虞に通ず、─淵は虞淵、日の入る所。○─彊は神の名。

③でく、偶に通ず「─人」

6畫

离  

①チ [支]

②リ [支]

①すだま。=魑。

②あきらか、うるはし。○ちる(散)たがふ(違)=離。

7畫

禼  

セツ [屑]

契に同じ。漢書、百官表「─作司徒」

8畫

禽  

キン [侵]

○とり(鳥)「水─」「山─」「文─」「仙─」「家─」「珍─」「幽─」「珍─奇獸」○鳥獸の總稱。後漢書、華陀傳「吾有一術名五─之戲、一曰虎、二曰鹿、三曰熊、四曰猨、五曰鳥」○とりこ。とりこにす(捕虜)=擒。

 同訓異義 

トリコニス 禽·囚·俘·虜の別は囚(口部二畫)の條を見よ。

【禽獲】 キンクワク 

とりこにする。蘇舜欽文「身罹──」=擒獲。

【禽語】 キンコ 

とりのなきごゑ。趙師春詩「春深──改、溪落岸沙高」=鳥聲·鳥語。

【禽獸】 キンジウ 

とりけだもの。曲禮「猩猩能言、不離──」

【禽獸行】 キンジウノオコナヒ 

人の道にそむける不倫の行をいふ〔司馬法〕

【禽翦】 キンセン 

とらへて、ころす。北史、崔休傳「姦盜莫不──」

【禽獮】 キンセン 

とらへて、ころす。韓愈·送鄭尙書序「草薙而──之」

【禽鳥】 キンテウ 

とり。國語「夏展父曰、婦贄不過棗栗、以告虔也、男則玉帛──、以章物也」宣和畫譜「艾萱金陵人、善畫花竹──」

【禽殄】 キンテン 

とらへほろぼす。隋書、音樂志「一戰──、俘馘萬計也」

【禽困覆車】 キンモクルシメバクルマヲクツガヘス 

鳥獸もくるしめば、車をも覆へす。弱者も死にものぐるひとなれば大力を出すに喩ふ〔史、甘茂傳〕