鬥部
0畫
トウ ツ [宥]
○たたかふ。=鬭。○ 國 たたかひがまへ、字畫上の語。
5畫
ダゥ [效]
○かまびすし、さわがし、靜かならず、さわぐ、みだる(擾)「熱─」「喧─」柳宗元、論師道書「以召─取怒乎」○しげく盛んなり(穠盛)宋祁詩「紅杏枝頭春意─」
かまびすしくうたふ。又、其の歌。李頎詩「──聊鼔楫」
唐の末、宮女の低く結びし髻 モトドリ 唐詩「還梳──學官妝」=鬧婦粧。
前條に同じ。三唐紀「唐末宮中髻、名───、蓋盤鴉·墮馬之類」盤鴉·墮馬は竝に髻の名。
妄りに風波を起す義〔國史補〕
俗 目ざまし時計。
にぎやか、繁盛。白居易詩「紅塵──白雲冷」=熱鬧。
6畫
コウ カゥ [送]
○たたかふ(鬭)孟、梁惠王「鄒與魯─」○たたかふこゑ(鬭聲)とき、ときのこゑ「屯─」○あつまりさわぐ(聚鬧)「笑─」「喧─」
8畫
ケキ カク [錫]
○せめぐ、もとる、うったふ、うらむ、互に相忿 イカ り爭ふ「忿─」「鬭─」「─訟」○しづか、ひっそり。?に通ず。
うちわもめがする。兄弟喧嘩。詩、小雅「兄弟鬩于牆、外禦其務」(務は侮 アナドリ )
せめぎたたかふ。隋書「兄弟數相──」=鬭鬩。
10畫
鬭(本頁三段)の俗字。
12畫
①カン [豏]
②カン [感]
①さけぶ、ほゆ「哮─」「虓─」虎の聲。詩、大雅「─如虓虎」
②けものの怒れる聲。
○虎などのほえる聲。○たけく怒る貌。周禮、地官、保氏、注「軍旅之容、──仰仰」=闞闞。
14畫
トウ ツ [宥]
鬪は俗字
○たたかふ(戰)互にたたき合ふ「私─」「挌─」「爭─」「苦─」「奮─」あらそふ(爭)○けんくゎする。○互に勝を爭ふ「─雞」「─酒」「─草」○たたかひ、あらそひ、けんくゎ。
同訓異義
タタカフ 鬭·戰·挌·鬨の別は戰(七一四頁四段)の條を見よ。
船の競漕をいふ。陸游、重午詩「──紅旗滿急流」
きそひひらく。蘇軾詩「雪白鵞黃也──」
屋根のかどが四方より相向かひて集り合ふ義。杜牧、阿房宮賦「鉤心──」
いくさぶね。吳志、周瑜實「乃取蒙衝──數十、實以薪草、膏油灌其中」=戰艦。
牛をたたかはせて勝敗を爭ふ戲。事物紀原「──之戲、今世尙或有之、蓋自秦世之始也」
こほろぎをたたかはす戲。蛩は蟋蟀。負暄雜錄「──之戲、始於天寶閒、長安富人、鏤象牙爲籠而畜之、以萬金之資、付之一喙」=鬭蟋蟀。
戰爭に用ふる具。魏志、注「鎧甲──皆精練」=兵器。
花あはせ、唐天寶の時、長安の士女が春時に行ふ戲、競ひて奇花を戴き插み、多きを以て勝とし、皆千金を以て名花を巿 カ ふ〔天寶遺事〕
にはとりのけあひ。荊楚歲時記「寒食──」
たたかひうつ。神仙傳「夫妻各呪一株、使相──」
兄弟中惡しく相あらそふ。魏志、管寧傳「或另女雜錯、或爭井──、寧患之」隋書、宇文化傳「兄弟數~相──」
あらそひて忿りもとる。孟、離婁「好勇──、以危父母五之不孝也」
あらそふ。あらそひ。韓愈文「四方無──金革之聲」=爭鬭。
草あはせ。花くらべの戲。歲華紀麗「端午、結廬蓄藥、鬭百草」荆楚歲時記「競採百藥、謂百草以蠲除毒氣、故世有百草之戲」
戰はんとする意志。左傳「恃其城莫有──」
詩を作りて其の巧拙をたたかはす。=戰詩。
こほろぎをたたかはす戲。宋の賈似道半閒堂に於てこの戲を爲す〔宋史〕鬭蛩參看。=鬭促織。
弓術の優劣をたたかはす。神仙傳「與人共──」
いくさぶね。南史、陳後主紀「江中無一──」=鬭艦·戰船。
たたかふ。たたかひ。韓愈文「豈當習威暴之事、而樂其──之危也」=戰鬬。
鬬蛩に同じ。帝京景物略「七月始───、壯夫士人亦爲之、鬭有場、場有主者、其養之又有師」
鬭智(八七一頁三段)を見よ。
茶の佳劣を爭ふ。江隣幾、雜志「蘇才翁嘗與蔡君謨──、蔡茶水用惠山泉、蘇茶小劣、改用竹瀝水煎、遂能取勝」
天井をいふ。夢溪筆談「屋上覆橑、古人謂之綺井、亦曰藻井、又謂之覆海、今文中謂之──」
たたかひてたふれる。北史、李渾傳「猛獸因鬬而斃」
泥棒を捕へて繩をなふといふに同じ。時を失ふに喩ふ。素問「病已成而後藥之、猶渴而掘井、鬭而鑄兵、不亦晚乎。
17畫
キウ [尤]
○とる。たたかひて取る。○くじ、紙、又は木の札に記號をつけそれを抽き取りて吉凶可否を卜するもの「拈─」「探─」=籤。