襾部
0畫
ア [禡]
おほふ(覆)掩蔽する。
セイ サイ [齊]
覀は俗字
○にし。東の對。にしのかた、四時の秋、五行の金、十二支の酉に配す。○にしす、西の方に向いて行く。漢書、張良傳「鼔行而─耳」○山名、─山は北京の西に在り、太行山の支脈、─山積雪は燕京(卽ち北京)八景の一。又、首陽山の一名。伯夷叔齊、此に隱れ、歌を作りて曰く「登彼─山兮、採其薇矣」○西洋の略「─人」「─曆」○ 俗 東─は物件の義。○─門は複姓、鄭の大夫、─門に居り、因りて氏とす〔氏族略〕○ 國 ─土 セイド は支那を斥す。
府の名、漢に京兆といふ、明、──府と改む、今の長安縣は其の舊治。
中央亞細亞及び印度地方の稱。史記に──傳あり。漢書、段會宗傳「──敬其威信」
○城外又市外の西方にあるのべ。○秋の野邊。五行說にて西を秋に配置する故。春の野を東郊といふの對。禮、月令「以迎秋於──」
華山の異稱。書、舜典「八月西巡守、至于──」=西嶽。
鸚鵡 アウム の異名。楊文公談苑「鸚鵡曰──」
西岳に同じ。爾雅「華山爲──」
○古、荊郢地方に行はれし樂曲〔古今樂錄〕○西洋の音曲。
○西の最もはての國。漢書、禮樂志「天馬徠、從──」○漢の武帝の烏孫國より得たる名馬の名。
西洋の音樂。=洋樂。
○周時代の小學校。漢書、賈誼傳「帝入──」○西洋の學問。
すゐくゎ、地上に蔓延し球狀又橢圓狀の大瓜を結ぶ、靑皮紅肉、味甘し。
○漢唐時代の長安、張衡に──賦あり。○唐の至德二年以後の鳳翔府。○五代の唐の莊宗以後の太原。○遼の大同府。○ 國 サイキヤウ 京都の異稱。
西洋の宗敎、耶蘇敎 ヤソケウ
西洋のことわざ。
浙江省杭縣にある湖水、湖畔なる孤山は林和靖の隱遁せし處。平湖秋月·蘇堤春曉·斷橋殘雪·雷峯落照·南屛晚鐘·麴院風荷·花港觀魚·柳浪聞鶯·三潭印月·兩峯插雲の十景あり〔明一統志〕
○西のくに。 國 サイコク ○極樂淨土をいふ。○西方の國。又特に九州地方をいふ。
宋人が唐の李商隱(義山)溫庭筠の詩の體に傚ひて作る詩體、西崑は周穆王が西の方崑崙山の羣玉の府(古帝王の藏書の處といふ)に遊びし故事による、略して崑體ともいふ。
○西のひさし側の小座敷。○──記 セイサウキ は元の王實甫の著したる人情小說、もと唐の元槇の會眞記に因りて演して傳奇とせしもの。
地名。チべツト、四川省の西に在り、古の三危、漢の羌、唐の吐蕃の地、俗に圖伯特といふ。前藏·後藏の二部に大別す。
西施に同じ。孟、離婁「──蒙不潔、則人皆掩鼻而過之」
西湖に同じ。蘇軾の詩に「若把西湖比西子、淡粧濃·抺兩相宜」とあるに本づく。
西洋史の略。
○古の美人の名。拾遺記「──越女、所謂西子也、有絕世之美、越王勾踐、獻之吳王夫差」莊、天運「──病心而矉其里、其里之醜人見而美之、歸亦捧心而矉其里、其里之富人見之、堅閉門而不出、貧人見之、挈妻子而去之走、彼知美矉、而不知矉之所以美」○魚の名。東坡異物志「魚有名──者、美人魚也、出廣中大海、食之令人善媚」李商隱詩「網得──贈別人」
河豚 フグ の腹中の白きところ、味最も甘肥、吳人甚だ之を珍とす。
朝代の名、周の武王より幽王に至るまでの稱、鎬京に都せしによる。平王東遷して洛邑に都せし以後を東周といふの對。春秋、序「──之美可尋」
○春秋時代、周の都の人をいふ。詩、小雅「──之子、粲粲衣服」○宋時代、西夏の人をいふ。○ 俗 西洋人の略。
明の憲宗の朝、宮廷內に設けし裁判所。宦官がほしいままに慘刑を施したるところ〔明史、刑法志〕
西方のえびす。曲禮「東夷北狄──南蠻」=西域。
日が西にかたむく。又、ひぐれ。任昉文「邪叟忘其──」
今の四川省。史、李斯傳「──丹靑不爲采」
次條に同じ。
にしのはて。漢獻帝詔「盪定──、縣旌萬里」=西垂·西邊。
西の方のゐなか、陬は隅。
秋に物の成熟するをいふ。五行說にて秋は西にあたる故。書、堯典「平秩──」白居易詩「見此令人飽、何必待──」
○宮中に在る淸く靜かなる西方の廂、卽ち小座敷〔司馬相如、子虛賦、注〕○淸朝の宮廷內の一室、翰林學士の出勤せし所。=南書房。
四十卷、淸の乾隆帝の勅撰、內府所藏の古器を印刷せしもの、考證頗る精核なり、西淸は淸朝の宮內南書房の別稱。
師の居る席、太公望が西面して武王に黃帝の書を敎へたる故事に本づく〔禮、學記、鄭注〕
次第に西方にすすむ。
西域地方の僧侶〔元史、世祖紀〕
唐の大極殿をいふ。大明殿を東內といふの對。唐書、睿宗紀「徙居于──甘露殿」
西半球の大陸卽ち南北亞米利加をいふ。東大陸の對。=新大陸。
西のはし、西方のはて。
にしの方にあるはたけ。又、秋のはたけ。陶潛、歸去來辭「農人告余以春及、將有事于──」
西洋の賢哲。
支那にて印度を斥す稱。元史、輿服志「書──呪語」
○西洋。○西方の國。○ 國 支那をいふ。
○西京に同じ。周の鎬京の稱。○漢の長安の稱。班固に──賦あり。其の故城は今の陝西長安縣の西北に在り。
西方に居る美德ある人。詩、邶風「山有榛、隰有苓、云誰之思、────、彼美人兮、西方之人」
佛 三毒五濁の業なき世界、西方十萬億土の彼方にありといふ極樂世界。
周の文王をいふ。殷の紂王、文王に命じ、西方諸侯の長たらしめたる故〔史、殷紀〕
師傅をいふ。隋書、禮儀志「君位在東、賓位在西」柳宗元詩「往年何事乞──」=西席。
○にしかぜ。○秋の風、五行說にて秋を西に配するが故。李白詩「八月──起」
西王母の略。傅玄賦「──使三足之靈禽」
西の方の大うみ。=西海。
宋の張載(橫渠)の作りし書齋の西のまどにかかげし銘にて仁道の原理を明かにす。
西門豹は戰國の魏の文侯の臣、性急なるが爲めに、柔かきなめしがはを佩びて自ら戒む。韓非、觀行「西門豹之性急、故佩韋以自緩、董安于之心緩、故帶弦以自急」
歐米各國をいふ。=西土·泰西。
星の名。爾雅「──、昴也」
西方のえびすの國。柳宗元詩「重來越裳雉、再返──獒」
西洋のこよみ、基督の誕生後四年を以て紀元元年と定む。
○古の國名。卽ち西戎。淮南子「───、在流沙之瀕」○仙人の名。列仙傳「漢元封元年、───降武帝殿、進蟠桃七枚於帝」○桃の一種、壽星桃の異名。
地名、佛領安南の首邑。=柴棍。
3畫
①エゥ [蕭]
②エゥ [嘯]
①もとむ(求)「─求」孟、吿子「修其天爵、以─人爵」○とる(取)○あはす、あつめる(會)禮、樂記「─其節奏」○こしおび。=?。○おさふ(勒)○ちぎる、むすぶ(約)○ちぎり(約束)論、憲問「久─不忘平生之言」○まつ(待)○しらべる、あきらかにす(察)書、康誥、傳「─察囚情」○きはむ(劾)○かたくとどむ(堅止)ひきとどむ、さへぎる(遮畱)徼に通ず。○おびやかす(劫)論、憲問「雖曰不─君、吾不信也」○こし、古、腰に通ず。○─服 エウフク は五服の一、王城を距ること千五百里外の地。○─眇は美好なる貌。
②もと、かなめ「主─」「切─」「肝─「「重─」「─道」晉書、宣帝紀「軍事大─有五」○物事のしめくくり。○すべる(總)○─害は地の險隘なる所。
同訓異義
モトム 要·求·索·干·需·須·徼·邀·覓等の別は求(一○四六頁一段)の條を見よ。
面會をもとめる。=干謁。
地勢險難にして、敵には害となり、味方にはかなめとなる所。賈誼、過秦論「良將勁弩、守──之處」
軍事上重要なるみなと。軍港に次ぐもの。
かなめなることがら。=要件·要目。
大切なるわけ、肝要なる義理。=要旨。
しひてねがひもとめる。楚辭「下垂釣於谿谷兮、上──於仙者」
顯要貴近の地位。沈約文「頻登──」
たいせつ。水滸傳「打開沒──」沒──は肝要なることなしといふ俗語。=緊要·肝要。
必要の道具、必要品。
重要なる區域。
計算の義、月計を要、歲計を會といふ。周禮「聽出入、比其──」
要服と、荒服と。王城より遠くはなれたる地。五服(八六頁二段)を見よ。典引「卓犖乎方州、羨溢乎──」
肝腎の位地にありていそがはし。唐書、李逢吉傳「皆任──」孫逖文「或累登──、聲謠夙著」
まちぶせしてうつ。漢書、匈奴傳「──漢軍」兵書要訣「正正之旂、前後正治、不可要而擊之也」=邀擊。
かなめなる奧義。又、それを說きし書物。唐書、藝文志「隋高祖──一卷」
約束する。左傳「不腆先君之敝器、使下臣致諸執事、以爲瑞節、──好命」=約結·契約。
○すておきがたき用事。○必要なる事件。
○約束する。左、僖二八「──曰、皆奬王室無相害也」○要を得たることば。世說、言語「平叔含笑曰、可謂──不煩」
次條に同じ。
敵車の侵入を防がんが爲め、要害の地に築きたるとりで、塞は寨に同じ。禮、月令「孟冬備邊境、完──」=要砦。
こしを斬る刑。周禮、注「斬以鈇鉞、若今──」=腰斬。
重要なるむね、指は旨。漢書、司馬遷傳「乃論六家之──」=要旨。
囚人をくはしくしらべて罪をきめる。書、康誥「──服念五六日」
顯要なる地位に居る人。通鑑、陳紀「我少年以來閱──多矣」韓愈、柳子厚墓誌銘「諸公──」
○肝要なる舟のわたしば。○轉じて顯要の地位に喩ふ。古詩「何不策高足、先據要路津」杜甫詩「賓從離遝實──」
損害のつぐのひを求める。
○大切なるところ。○かはや(廁)便所。胡應麟、甲乙剩言「不能不爲鶯鶯──掩鼻耳」
肝要なるところ、衝は要所。杜甫詩「此邦俯──」
肝要なるばしょ。韋應物詩「萬古爲──、往來何時息」=樞要。
しひてもとめ乞ふ。=要求·求請。
必要にして缺くべからざる物事のもと。
大切なるみち。孝經「先王有至德──」
○肝要の場所、要害の地。後漢書、荀彧傳「此實天下之──、而將軍之關河也」○樞要の地位。唐書、房玄齡傳「玄齡身處──、不吝權、善始以終、此其成令名者、諒其然乎」=要路。
要害なるおさへ、要害の地にある兵營。溫子昇文「定襄陵廟之至重、平城守國之──」
五服の一、王畿を距ること四方一千五百里より二千里に至る地の稱。
好き貌、眇は妙に通ず。楚辭、湘君「美──兮宜修」=幼眇·要妙。
肝要なるつとめ。史、叔孫通傳「諸生喜曰、叔孫生誠聖人也、知當世之──」
强力を以ておびやかしてちかふ。史、孔子世家「孔子曰、──也神不聽」
○會計。又、統計をいふ。○大切なる條目、かなめ、眼目。
もんにてまちうける。呂覽「秦師過周、王孫滿──而窺之」
敵をまちぶせしてくひとめる、扼は?·搤に同じ。
約束をむすぶ。史、蘇秦傳「──曰、諸侯有不如約者、以五國之兵共伐之」
○かなめ、肝要。漢書、藝文志「凡百八十二家、删取──、定著三十五家」○重大なる用事。
○こしと、くびと。呂覽、季秋「──不屬、首足異處」○轉じて事のかなめなるところ。漢書、張騫傳「竟不能得月氏──」
腰斬の刑を免るる義。管子「幸以獲生、以───、臣之祿也」前條參看。
○要を取り、不要を略す。朱熹に「孟子──」あり。○文章·著書などの大要をとりまとめる。
○肝要なる道すぢ。北史、李崇傳「兖舊土多刧盜、崇乃村置一樓、樓懸一鼓、盜發之處、雙槌亂擊、四面諸村聞鼓、皆守──」○顯要なる地位、大臣など。唐書、崔湜傳「丈夫當據──以制人、豈能默默受制于人哉」=要地。
ふちをもとめる。陸雲賦「彼貪夫之死權兮、固遺生以──」
5畫
ホウ [腫]
○とぼし(乏)唐書、宋務光傳「公私─竭、戶口減耗」○くつがへる。くつがへす(覆)「─駕」=泛。
6畫
①タン [覃]
②エン [鹽]
①ひく、のぶ(延)詩、周南「葛之─兮」○およぶ、およぼす(及)「普─」「遠─」「─及」○ふかくひろし(深廣)「─思」
②とし(利)よくきれる(剡)詩、小雅「以我─耜」
同訓異義
オヨブ 覃·及·逮·曁·洎の別は及(二九一頁二段)の條を見よ。
恩を深くする、恩惠をひろく施す。舊唐書、王承宗傳「順陽和而布澤、因雷雨以──」
ひきおよぶ。詩、大雅「──鬼方」(鬼方は地名)
ふかくおもふ。孔安國、尙書序「硏精──、博考經籍、采摭羣言、以立訓傳」
12畫
①フク [屋]
②フウ·フ [宥]
①くつがへる。くつがへす、ひっくりかへす「反─」○たふる。たふす(倒)易、鼎卦「鼎折足、─公餗」○かへる。かへす。=復。○くりかへす、反復する。○ほろぶ(滅)やぶる(敗)敗北さす。李華、弔古戰場文「常─三軍」○しらせ(報知)まうす。(白)「─函」○つまびらかにす(審)詳かに察する「─査」「─試」○かへって。
②おほふ(蓋)孟、離婁「仁─天下」おほひ。○ふせぜい(伏兵)左、隱九「君爲三─以待之」○かくす(隱蔽)○かばふ(庇護)○かぶる。かぶせる(被)
くりかへしてよくしらべる。漢書、元帝紀「今不良之吏、──小罪、徵召證案、興不急之事、以妨百姓」
二度くりかへしてしらべる。後漢書、周嘉傳「黜燕囚家、守闕稱寃、詔遣──」燕は嘉の父の名。=覆校。
くりかへしてしらべる。校は考。荀勗、讓樂事表「臣掌著作、又知祕書、──錯誤、十萬餘卷書、不可倉卒、復兼他職、必有廢頓」=覆考。
くりかへして講ずる。梁書、許懋傳「入太學受毛詩、旦領師說、晚而──」
お返事を申す。=復啓。
かさねて十分にとりしらべる。宋史、食貨志「遣宦──」
くつがへりし巢の下には全き卵はなし。根本が亡ぶれば枝葉は從ひて亡ぶるに喩ふ。世說、言語「孔融被收、時融兒大者九歲、小者八歲、融謂使者曰、冀罪止於身、二兒可得全不、兒徐進曰、大人豈見覆巢之下、復有完卵乎」
再び重ねて試驗する。宋史、太祖紀「──進士于講武殿」
君子は危きに近よらざる喩。韓非、安危「奔車之上無仲尼、───────」
○くりかへして審かにしらべる。=覆檢·覆按。○上訴せし事件を裁判所にて更にしらべる。
てのひらをひるがへす。事の易きに喩ふ。唐書、李翺傳「太平可──而致」=反掌·覆手。
前人の失敗を見て戒となす。潘岳、西征賦「追覆車而不寤」覆轍を見よ。
覆掌に同じ。後漢書、皇甫規傳「詔問得失、規對曰、今興改善政、易于──、而羣臣莫肯正言、伏願陛下容受謇直」=翻手。
くりかへしてそらんじよむ。唐書、蘇頲傳「一覽至千言輒──」
○こぼれたる水。○ フウスヰ 水をおほふ。水經、注「芙蓉──、秋蘭被涯」
こぼれたる水はもとの盆に返らず。離緣せし妻は再び復歸する能はざるに喩ふ。拾遺記「太公初娶馬氏、讀書不事產、馬求去、太公封齊、馬求再合、太公取水一盆、傾于地、令婦收水、惟得其泥、太公曰、若能離更合、覆水定難收」
支那にて二字の姓。歐陽·皇甫·司馬の類。=複姓。
よくしらべて申し上げる。舊唐書太宗紀「初令天下、決死刑必三──、在京諸司、五──」
かなへのもりものをくつがへす。宰相の其の任に堪へずして事を敗るに喩ふ。後漢書、謝弼傳、注「易曰、鼎折足覆公餗、鼎以喩三公、餗鼎實也、折足──、言不勝其任」
くつがへりおちる。莊、德充符「天地──」柳氏家訓「成立之難如升天、──之易如燎毛」
くつがへりおぼれる。貢師泰詩「雖云免──、誰復解倒懸」=覆沒。
車のくつがへりしわだちの跡。前人の爲したる失敗に喩ふ。漢書、賈誼傳「前車覆、後車戒」新論「故能登阪赴險、無──之敗」
戰にまける。=摧敗。
ひるがへる。范成大詩「由來事成毀、只繫手──」
俗にいふ葬りし後の三日目の墓參。釋氏要覽「殯後三日再往墓所、謂之──」
○船がくつがへりしづむ。魏志、杜畿傳「於孟津試船、遂至──」○轉じて戰に大敗する義とす。
くつがへりほろぶ。=覆亡。
國 鞍などの器の緣 フチ を金銀等にて覆ひ飾れるもの。=稜裹。
上よりおほひておしつける。杜牧、阿房宮賦「──三百餘里、隔離天日」
天地が萬物をおほひそだてる、天覆ひて地育す。禮、樂記「煦嘔──萬物」
酒を入れるかめをおほふ。著書などの無用なるに喩ふ。晉書、左思傳「陸機與弟雲書曰、此閒有傖父、欲作三都賦、須其成當以覆酒甕耳、及思賦出、機絕歎伏、以爲不能加」=覆瓿。
胸をおほひかくす。臆は胸。梁簡文帝、鴛鴦賦「紅毛──、翠鬛垂心」
天おほひ地のす。轉じて、天地の義とす。周禮、小宰、疏「──之德、其功尤盛」
心におほひかくす。大集經「從佛懺悔、不敢──」
醬油瓶をおほふ。著書の世に行はれずして反古となるにいふ。漢書、揚雄傳「鉅鹿侯芭常從雄居、受其太玄法言焉、劉歆亦嘗觀之、謂雄曰、空自苦、今學者有祿利、然尙不能明易、又如玄何、吾恐後人用──瓿也、雄笑而不應」瓿は小甖 チサキカメ =覆瓿·覆酒甕。
おほひてらす。揚雄文「高明足以──」
おほふ。中庸「辟如天地之無不持載、無不──」=覆被。
おほふ。宋史、紹興明堂樂章「──萬祀、冠冕百王」
おほふ。詩經、箋「蔽者爲翳、郭公相──也」
かめのふたをする、覆醬を見よ。
○盆をふせる。又ふせたるはち。論衡「天與地無異、若──」○ふせたる盆の中は暗し。冤罪を蒙むるに喩ふ。李白詩「願借羲皇景、爲人照──」○ フクボン はちの水をくつがへす。大雨の形容。祝簡詩「電掣雷轟雨──」=傾盆。
苺 クサイチゴ の異名。
○面をおほひかくす。又、其の爲めに用ふる物。○ 國 フクメン 神佛に物を供へる時、紙又は帛にて口鼻をおほふもの。
13畫
カク [陌]
○しらぶ(驗)實をあきらかにする「綜─」「檢─」「考─」「硏─」「審─」「精─」張衡、西京賦「何以─諸」○はげし、きびし(深刻)「峭─」○さね(實)果中の實。核と通ず。
明らかにしらべて擧げ用ふる。後漢書、盧植傳「使州郡──賢良」
霸(雨部十三畫)の俗字。
17畫
羈(一五一八頁一段)の本字。
覉·覊は俗字
19畫
羈(一五一八頁二段)の俗字。