玉部
0畫
①ギョク [沃]
②キウ [宥]
②の正字は玊
①たま、石の美なるもの「寶─」「珠─」「金─」○ぎょく、鑛石の一、瑪瑙 メナウ に似て半透明のもの、輝石·角閃石の類。○物事の美をほめ、又は寶愛するにいふ「─食」「─顏」「─樓」「─趾」「─手」○天皇に關する物事の上に添へる美稱「─座」「─體」「─璽」○美くしく琢磨 ミガク する。張載、西銘「貧賤憂戚、庸─女于成也」○寒─·綠─は竹の異名。
②玉のさいくにん琢玉の工人。本、玊に作る「玊人」今は─と混用す。 國 ○たま。丸き形。又其の物。=球。○しろもの。又其の性質「善─」「惡─」○ぎょく。藝娼妓のあげだい。又、雞卵。
たまにて造りたるかめ。歸田錄「余家有一──、形製甚古而極精巧」
たまの飾ある立派なるつくゑ。漢楚春秋「漢王賜臣──之食」
たまにて飾れる服。漢書、霍光傳「璧珠璣─衣」
○天子のおことば。元史、成宗紀「──奘諭」○德のすぐれたることば。中說「敬佩──、服之無斁」○琴の音の淸かなるにいふ。韋莊、趙秀才彈琴詩「──閒澹入神淸」○人の音信をいふ〔司馬相如、長門賦〕
立派なる詩。又人の作りし詩をいふ敬稱。張道符詩「金樽傳時──成」
玉にてかざりたるのき。月宮などを稱していふ。拾遺記「瓊樓──爛然」李華、含元殿賦「──?階、雲門露闕」
たま。淮南子「銅英靑、金英黃、──白」
人の作りし詩歌の敬稱。
水晶。符瑞圖「漢文帝時、渭陽──見」
筍 タケノコ の異名。蘇軾詩「騈頭──兒」
○うつくしきしる、道家にて飲めば長生すといふもの。隋書「金丹──、長生之事、歷代糜費、不可勝紀」○美酒に喩ふ。白居易詩「開甁、瀉尊中、──黃金脂」
天皇の御一族。古今注「常有五色雲氣、金枝──、止於帝上、有花葩之象」
貝にて作りし馬具、其の色玉に似たり。張華詩「文軒樹羽蓋、乘馬鳴──」
人品のけだかきをいふ。南史、朱昇傳「器宇宏深、神表峯峻、金山萬丈、緣陟未登、玉海千尋、窺映不測」
たまてばこ。劉勰、新論「必藏之以──」
玉にて作れる藏書のはこ。拾遺記「寫以玉牒、編以金繩、貯以──」
うつくしきかほ。孫楚文「──豐下、曜於懷抱」=玉面。
玉にてつくれるてすり。山海經「崑崙墟、高萬仞、中有九井、以玉爲檻」蘇味道詩「玲龍映──、澄澈瀉銀牀」
玉にてかざれるつくゑ。書經「皇后憑──」
うるはしきはだへ。韋莊詩「──香膩透紅紗」
たまの如くかがやく。晉書、隱逸傳序「──冰潔、川渟嶽峙」=珠輝。
月の異名。許謙詩「崦嵫稅駕紅塵息、──飛空天地白」
白くみごとなるなます。雲仙雜記「吳都獻松江鱸魚、煬帝曰、所謂金虀──、東南佳味也」
道敎にて天帝をいふ。韋應物詩「逍遙仙家子、日夕朝──」元稹詩「我是──香案吏」=玉帝。
玉杯に同じ、觥は角にて造りし大杯。
○たまにて飾れるかんむり。○ 國 卽位·大嘗會の時、天皇の用ひたまふかんむり。
○たまのわ。史、張釋之傳「有人盜高廟座前──」○月に喩ふ。白居易詩「落月沈──」○楊貴妃の小字〔太眞外傳〕
玉門關に同じ。劉元濟、怨詩「──芳信斷、蘭閨錦字新」
たまのてがた。唐書、車服志「古者召太子、用──」
環の形にて少しく缺けたる所あるおびだま。史、項羽紀「擧所佩──」
たまの如くきよし。孫綽、賀司空像贊「素質──、華藻金章」=玉絜。
玉もて飾れる戶。宋史、樂志「金鋪──」王績詩「──照羅幃、珠軒明綺障」
○たまにて製したる美くしきつぼ。李商隱詩「一片冰心在──」○玉漏に同じ。同人詩「──傳點銅龍咽」
橋の異名、橋は虹 ニジ の如く彎曲せる故。
弓はり月。鮑照詩「始岀西南樓、纖纖如──」=弦月。
たまにて作りたるしゃく。洞冥記「周公以──與之」
梅の異名。竹坡詩話「冰肌──淸無汙、水殿風來暗香滿」
たまのつぼのこほり。心の淸きに喩ふ。鮑照詩「直如朱絲繩、淸如───」
人の兄弟を譽めていふ。昆は兄、友は弟なり。南史、王銓傳「詮字公衡、美風儀、善占吐、雖學業不及弟錫而孝行齊焉、時人以爲銓錫二王、可謂────」今、人の兄弟を稱して玉昆といふは此に本づく。
天子の御座。謝朓、銅爵臺詩「──猶寂寞、況迺妾身輕」
うつくしきひ。李羣玉詩「軋軋揮素手、幾時停──」
たまのかんざし。司馬相如、美人賦「──挂臣頭、羅袖拂臣衣」
玉となりて碎ける、名譽の死をいふ。瓦全の對。北齊書、元景安傳「大丈夫寧可──、不能瓦全」
玉門關の異名。晉書、禿髮烏孤載記「控弦──、躍馬金山」
賢人の死をいふ。袁宏、三國名臣序贊「先賢──於前、來哲攘袂于後」
○他人の書簡の敬稱。皮日休詩「數行──存心久」○藥品の貴きもの。韓愈、進學解「──丹砂」=玉屑。○地楡 ワレモカウ の異名〔神仙服食經〕
容姿の美くしき喩。晉書、裴楷傳「見裴叔則、如近──、昭映人也」
容貌の美なる者の大醉したる狀。世說、容止「晉嵆康字叔夜、山濤曰、叔夜之爲人也、巖巖若孤松之獨立、其醉也、傀俄如玉山之將崩」崩一に頽に作る。
玉のさかづき、琖は盞また?に同じ。禮記「爵用──仍雕」
うつくしきれいし。十洲記「鍾山在北海、生──及神草四十餘種」
たまのさかづき。漢書、高帝紀「奉──爲太上皇壽」=玉杯。
貴重なる玉の巵 サカヅキ にても當 ソコ 無くては用を爲さず。韓非、外儲說「堂谿公見韓昭侯曰、爲人主而漏泄其羣臣之語、譬猶玉巵之無當」
たまの如く美くしきすがた。王無競詩「一吹一落淚、至今想──」
たまの耳飾。韓非子「薛公相齊、爲十──而美、其一獻之王」
人の足の敬稱、おみあし。左、僖二六「聞君親擧──、將辱於敝邑」
うつくしき齒。梁昭明太子文「啓──而安歌」
天子の御印。魏志、甄皇后傳「堀地得──、方一寸九分」=御璽。
うるはしきうまれつき。晉書、元帝紀「──幼彰、金聲夙振」
○玉にて作りし人形〔拾遣記〕○玉の如き美くしき人〔晉書、衞玠傳〕○ キウジン 玉をみがく人。玊を正字とす。孟、梁惠王「使──雕琢之」
玉は磬、振は收、八音を合奏する時、まづ鎛鐘を擊ちて聲をのべ、終りに特磬を擊ち、其の韻を收めて樂を一終す。轉じて金聲玉振は智德の全備せるに喩ふ。孟、萬章「集大成也者、金聲而──之也」
次條に同じ。篸は簪。
たまのかんざし。西京雜記「就取──搔頭」
草花の一種、ぎばぅしゅ(擬寳珠)羣芳譜「漢武帝取玉簪搔頭、───、花名始此」
人の詩文又書翰をいふ敬稱。雲笈七籤「靈文眞訣、大布人閒、金簡──、廣弘天上」=玉簡。
うつくしきたなごころ。晉書、孫惠傳「含奇謨于朱脣、握神策于──」
玉のひしゃく。拾遺記「有靑雀、銜──以授子晉」
たまのさかづき。曲禮「飲──者弗揮」=玉杯。
うるはしき手。曹植、妾薄命「攜──喜同車」
うつくしきほっす。蘇軾詩「舞腰似雪金釵落、談辯如雲──靡」
○すぐれて高潔なる風采の人に喩ふ。晉書、謝玄傳「埋──于土中、使人情何能已」○槐 ヱンジユ の異名〔隋唐嘉話〕
女壻をほめていふ。晉書、衞玠傳「玠風神秀異、妻父樂廣、重名海內、議者以爲婦翁冰淸、女壻──」
神仙の傳へたる書物〔拾遺記〕
みごとなる食物。書、洪範「惟辟──」辟は君。=玉饌。
四時の氣候の調和する義。爾雅、釋天「四時和謂之──」注「道光照也」
たぅきび(唐黍)=包穀·玉米·珍珠米。
石英の一種。
玉の如く立派にみがき上げる。張載、西銘「貧賤憂戚、庸玉汝於成也」庸は以·用に同じ。
たまのいしだたみ。隋書、秦王俊傳「香粉塗壁、──金階」
天子のみことのりの尊稱。曹唐詩「──新除沈侍郞、便分茅土領東方」
善惡の別なきにいふ。抱朴子「眞僞顚倒、────」
次條と同義。
玉も石も同じひつに在り。賢愚一所に入りまじれるに喩ふ。楚辭「玉與石而同匱兮」
玉も石も共にくだく。善惡共に亡ぶるに喩ふ。袁宏、三國名臣序贊「滄海橫流、────」
よき玉も、つまらぬ石も、共にやけほろぶ、善惡の別なく害にかかるに喩ふ。書、胤征「火炎崑岡、────」
○立派なる死にかた。世說「毛元字伯成、負才氣、常稱寧爲蘭摧──、不作蕭敷艾榮」○轉じてすぐれたる人のわかじにする義。
○長生不死の仙藥と稱する玉の粉〔三輔故事〕○詩文のすぐれたる佳句の形容。許有孚詩「字字璣珠飛──」○ちらちらとふる雪の形容。
○雪をたたへていふ。梁昭明太子文「──開六出之花」○物の淸らかなるに喩ふ。韓愈文「髮漆黑、肌肉──」
美くしき指頭。楊維楨詩「──搦管蘸香雲」
たま。袁裒詩「西帝澄金宇、東湖鑄──」
みごとなる飮食物。左思、吳都賦「其宴居、則珠服──」
月の異名。月の中にがまが居るといふ傳說に本づく。方干、中秋月詩「涼霄烟靄外、三五──秋」=玉兔。
玉にてかざりし立派なる帶。演繁露「宋朝親王皆服──」
玉にて飾れる食器。又、古、盟誓の時、血を歃 スス る器。周禮、玉府「若合諸侯則共珠槃──」
天帝の居所。漢書、禮樂志「遊閶闔觀──」
陳の徐陵の玉臺新詠に摸して作れる詩體。滄浪詩話「玉臺集、乃徐陵所序漢魏六朝之詩、皆有之、或者但謂纖艶者、爲───、其實不然」
○王侯のからだの敬稱。漢書、王吉傳「以軟脆之──、犯勤勞之煩毒」○美人のからだ。傅休奕詩「──映羅裳」
たるきの頭のたまのかざり。蜀都賦「金鋪交暎、──相輝」
○美くしき殿堂。揚雄、解嘲「歷金門、上──」○女官のへや〔三輔黃圖〕○漢代の役所の名、學者の居る所。漢書、楊雄傳「久汚──之尊」○宋代より翰林院の異稱とす。宋、太宗詩「翰林承旨貴、淸淨──中」
○うるはしきいけ。江淹詩「夕飲──津」○卷物の首に貼りたる絹。畫品「藏書家卷首貼綾、謂之贉、又謂之──」
玉石を敷けるには。墀は堦上 キダハシノウへ の砌。賈至詩「劍佩聲隨──步」
うつくしきちり。雲の異名。何遜詩「若逐微風起、誰言非──」白居易詩「漠漠復雰雰、東風散──」
○玉にてかざりしとばり。拾遺記「西王母見天子、──高會」○將軍の居るぢんや。杜甫詩「──分弓射虜營」○ 國 藝娼妓などの玉代を記す帳簿。
○美女をいふ、人のむすめをほめていふ。禮、祭統「國君取夫人之辭曰、請君之──與寡人、共有敝邑」○仙女をいふ。神異經「與──投壺」○女蘿の異名。
○たまのはし。杜甫詩「金盤──無消息」○美人の淚に喩ふ。白居易、六帖「魏甄后面白、淚雙垂如──」
玉皇に同じ。道書「──居玉淸三元宮第一中位」
○うつくしきえだ。崔仲芳詩「香林碧──」○緊要なる規則。劇秦美新「懿律嘉量、金科──」
○皇室の系譜、玉にて飾る。唐書、百官志「修──官一人」○天を祭る時の祭文を記せし札。史、封禪書「其下則有──書」
玉にて造りしみみだま。詩經「玉之瑱也」後漢書、輿服志「天子──、琇瑩美石也、諸侯以石」
たまをちりばめたるとの。曹植詩「歡坐──、會諸貴客」
たまにて作りし酒をくむひしゃく。史、項羽紀「──一雙、欲與亞父」
月の異名。月の中に兔が居るといふ傳說に本づく。韓琮詩「金烏長飛──走」
たまのはこ。左傳「賂以瑤罋──?耳」
玉のさかづき。史、宋世家「彼爲象箸、必爲──」漢書、文帝紀「十六年秋九月、得──、刻曰人主延壽」=瓊杯。
たまのおびもの、佩·珮同じ。詩、秦風「何以贈之、瓊瑰──」
○玉にてかざれるへや。祥異記「吳猛與弟子度石梁、見金闕──、地皆五色文石」○うつくしきはなぶさ。沈佺期詩「──九霄露、碧葉四時春」
○貴きすがた。史、魯仲連傳「吾觀先生之──」=尊容。○美くしきかほかたち。鮑照、蕪城賦「東都妙姬、南國佳人、蕙心紈質、──絳脣」
たまと、きぬとの幣物。書、舜典「五玉三帛」左傳「禹合諸侯于塗山、執──者萬國」
たまのすだれ。北史、隋煬帝后蕭氏傳「珠簾──之奇、金屋瑤臺之美、雖時俗之崇麗、蓋哲人之所鄙」=玉簾。
月の異名。何景明詩「──中天滿、淸輝近水多」=玉輪。
○たまにて作りたる板。史記自序「金匱──、圖籍散亂」○筍 タケノコ の異名〔蔬食譜〕○紙の異名。費著、版紙譜「天下皆以木膚爲紙、而蜀中用蔡倫法牋紙、有──、有貢餘、有表光、──貢餘雜以舊布破履辭麻爲之」
○玉にてかざりたるたらひ。漢武內傳「以──盛仙桃七顆」○月の異名。李羣玉詩「朦朧吐──」李白詩「少時不識月、呼爲白──」=玉輪。
たまのさじ。鮑照詩「金鼎──合神丹」
たまのきだはし。魏志、陳思王植傳「一奉朝覲、排金門、蹈──」=玉階。
たまのくつわ。宋樂章「──息節、金輅懷音」
たまにてかざれるかべ。晉書、石季龍載記「珠簾──、窮極伎巧」
たまのかけら。開元遺事「懸碎──、每夜聞相觸聲、卽知有風、號占風釋」
三十卷、爾雅·說文と竝びて字書の最も古きものとす、梁の顧野王撰し、唐の孫强之に增加す、宋の大中祥符六年、陳彭年等敕を奉じて重修す。
婦人。又、貴人のあゆみ。錢起、豹舄賦「花映香塵、光生──」
未だみがかざる玉、あらたま。
梨の異名。本草「梨一名──」
○うつくしきかほ。李白詩「──耶溪女、靑娥紅粉粧」=玉顏。○人のかほをいふ敬稱。韓詩外傳「使寡君得見君之──」
漢代西域地方と內地との境に設けたる關門、今の甘肅省燉煌縣の西に在り。明一統志「───在故瓜州西北一十八里」=玉關·玉塞。
美好なる容貌。陸機詩「──誰能顧、傾城在一彈」
たまの如き花のつぼみ。黃溍詩「──珠芽未足多」=珠蕾。
もくれんげの異名。羣芳譜「──花、九瓣色白、微碧也、香味似蘭、故名」
月の異名。駱賓王詩「──涵池開、劍匣連星起」=玉盤·玉魄。
正朔をいふ。搜神記「舜耕於歷山、得──於河際之巖」
たまにて飾れる天子の車輿。潘岳賦「天子乃御──、蔭華蓋」
帝王の車、路·輅同じ。周禮、巾車「王之五路、一曰──」
○うつくしきつゆ。齊書、高帝紀「卿烟──、旦夕揚藻」○ 國 最上の煎茶の名。
玉にて飾れる宮中のみづどけい。漏は漏刻。宋史、樂志「良夜永──正遲遲」
玉にて飾れる銜 クツワ 庚信賦「控──而搖星」
○崑崙山の一角にありといふ美くしきたかどの。十洲記「城上安金臺五所──十二所」○道家にて兩肩のほね。蘇軾詩「凍合──寒起粟、光搖銀海眩生花」注「道經以肩項骨、爲──」銀海は眼。
玉にて作りしわん、盌は椀。
たまのわん、椀·盌同じ。李白詩「──盛來琥珀光」
玉は佩玉、行は行步、佩玉は行步を節するもの、尊卑によりて遲速の度を異にす、故に佩玉を易ふれば、步調をも改めざるべからず。以て法を變ふれば事も亦變はるに喩ふ。國語「先民有言、────」
冤罪にかかりて泣く、楚の卞和の故事。劉向文「荊王立、和抱其玉晝夜哭」
貴き物を持つ爲め、卻って禍を招く。左、桓十「初虞叔有玉、虞公求旃、弗獻、旣而悔之曰、周諺有之、匹夫無罪、────、吾焉用此、其以賈害也、乃獻之」
玉をみがき治める。詩、小雅「他山之石、可以──」
堅き玉を切ること泥土を切る如し。刀劍の銳利なるをいふ。列、湯問「周穆王大征西戎、西戎獻錕鋙之劍、其劍長尺有咫、鍊鋼赤刃、─────」
物價の高き形容。戰國楚策「楚國之食貴於玉、薪貴於桂(中略)今令臣────、因鬼見帝」=炊玉焚桂·炊金饌玉。
國 遊戲の一。=撞球戲。
美くしき者の形容。詩、小雅「生芻一束、其人──」
玉の質はもと美なれども、彫琢を加へざれば器となりて用に應ずること能はず。禮、學記「──────、人不學不知道」
①ワゥ [陽]
②ワゥ [漾]
①きみ(君)一國の君主「帝─」「君─」「三─」「先─」「聖─」○德を以て天下を一統する者。霸の對。孟、公孫丑「以力假仁者霸、霸必有大國、以德行仁者─、─不待大」○皇族の敬稱。○をさ、かしら。○人臣の最も高き爵位。○大いなるものの稱。○尊長者の敬稱、祖父を─父といふ類。○諸侯封を襲ぎたる時に天子に參朝する義。
②王たり、きみとなる。詩、大雅「─此大邦」又、君たらしめる。○ゆく(往)○さかんなり(盛)俗に旺に作る。莊、養生主「神雖─不善也」○ 國 皇子から五世以下の皇族の稱。
字は介甫、半山と號す、宋の撫州臨川の人、神宗に仕へて參政となり、新法を行ふ、尋で相となり、荊國公に封ぜらる、政を執ること六年、怨議紛起して皆新法を咎む、安石自ら安んぜずして引き去る、哲宗の元祐元年卒す、年六十八、詩文に長じ、唐宋八家の一人なり。
字は摩詰、唐の太原の人、詩畫を善くし、草隸に工、開元九年進士第一に擢かれ、尙書右丞に遷る、その別墅輞川に在り、詩を賦し、自ら樂む、乾元二年卒す、年六十一。
帝王のみち。女史箴「家道以正、──有倫」
晉の能書家王羲之をいふ。晉書、王羲之傳「爲右軍將軍會稽內史」王羲之を見よ。
帝王のいへ。書經「王季其勤──」
帝王の世を治めるおほづな。袁桷詩「盛化乾坤闢、──日月恒」=國法。
王陽明の唱へたる學說、王陽明を見よ。=姚江學派。
王者を出すきざしある地氣。五代史、吳越世家「望斗牛之閒有──」
王城附近、卽ち畿內の地。周禮「職方氏辨九服之邦國、方千里曰──」
字は石谷、耕煙と號し、晚に淸暉老人と稱す、淸の常熟の人、山水を畫き一代の大家たり、惲南田と名を齊うす、世に惲王と稱す。
字は逸少、司徒王導の從子、書に巧にして、隸書草書は、古今獨步の稱あり、官に仕へて右軍將軍、會稽內史に至る、其の子王獻之、亦書を善くし、父子を倂せて二王と稱せらる。
天子の善き政治によりて、人民が善に化する。詩、周南、序「周南召南、正始之道、──之基」
からすうり。禮、月令「孟夏之月、──生、苦菜秀」=栝樓。
王安石を見よ。
漢の世の仙人。列仙傳「王子喬者、周靈王太子也、好吹笙、作鳳凰鳴(中略)後乘白鶴、至緱氏山頭、擧手謝時人、數日而去」
正月。春秋、隱公「元年春王正月」=王春。
帝王のしごと。諸葛亮、後出師表「漢賊不兩立、──不偏安」
天子のみことのり。禮、緇衣「──如絲、其出如綸」綸は綬、天子の言もと細きこと絲の如きも、出でて下に達すれば其の太きこと綸の如し。=綸言。
きさき。詩、大雅「──烝哉」=皇后。
種はちすぢ、別に王侯將相たる先天的血統あるにあらず、誰にても心がけ次第にて王侯將相ともなり得る義。史、陳涉世家「壯士不死卽已、死卽擧大名耳、────────」
身分貴き人。史、老子傳「自────不能器之」
帝王の治むるくに。詩經「斯皇多士、生此──」
天子のたすけ。漢書、董仲舒傳、贊「劉向稱、董仲舒有──之材、雖伊呂亡以加」
帝王を輔佐するに足るはたらき。前條參看。
ははきぎ。爾雅、注「──也、似藜、其樹可爲掃蔧」
○帝王の子。○ 國 親王の宣下なき皇族の男子。
王喬を見よ。
王室に關する事がら。
王事は堅牢ならざるべからず、故に王事に勤めて力を盡す義。詩、唐風「────、不能蓺黍稷」
天子のいくさ。詩、周頌「於鑠──」於は嗚呼、鑠は美。
帝王のいへ。書經「爾有衆同力──」=帝室·皇室。
天子の臣。易、蹇卦「──蹇蹇、匪躬之故」蹇蹇は甚だしく艱難する義、臣下は一身の利害をすてて君の爲めに心をくるしめ盡す。
天子のくるま。周禮「王巡守則夾──」
天子の建てたる地神のやしろ。禮記「王自爲立社、曰──」
○君たるもの、帝王。史記「──以民人爲天、民人以食爲天」○王道を以て天下を始める君。霸者の對。
蘭の異名。琴操「孔子自衞反魯、過隱谷之中、見薌蘭獨茂、喟然歎曰、夫蘭當爲───、今乃與衆草爲伍、譬猶賢者不逢時、與鄙夫爲倫也、止車援琴鼓之」とあるに本づく。
帝王の師たる者。孟、滕文公「有王者起、必來取法、是爲───也」
王者は天下を視ること一家の如し。後漢書「───────、以兆民爲子」
うはばみ(蟒)爾雅、疏「蟒蛇最大者、故曰──」
○天子のみやこ。東京賦「總風雨之所交、然後以建──」○佛陀の居處〔法苑珠林〕
王陽明を見よ。
天子のまつりごと。詩經、序「雅者成也、言──之所由廢興也」
國 德川幕府が倒れて天皇親ら大政をとりたまふ古の政體に復せし義。
前漢元帝の宮人、勅によりて匈奴單于に嫁す。=明妃。
王業の功績。
王翬 フウキ を見よ。
○王者の子孫。楚辭「──遊兮不歸、春草生兮萋萋」○貴公子の稱。史、淮陰侯傳「吾哀──進食」○つくばねさぅ、深山に產する草、莖頂に四瓣綠色の花を著く。○蟋蟀 コホロギ の異名。
○帝王の行ふべきみち。書經「無偏無黨、──蕩蕩」○道德を以て天下を治める政。霸道の對。
君のめぐみ、天子の德澤、澤は恩。班固賦「──竭而詩不作」=皇澤。
○帝王の女。○ 國 內親王の宣下なき皇族の女子。
王者の德度。左傳「思我──、式如玉、式如金」
王業と霸業と。孟、公孫丑「以力假仁者霸、霸必有大國、以德行仁者王、王不待大」
帝王ののり。史、日者傳「枉──」
王安石を見よ。
○きさき、帝王のつれあひ。○皇族のつれあひ。
○ぢぢ(祖父)の尊稱。爾雅「父之考爲──、父之妣爲王母」○帝王の父。
○ばば(祖母)王父を見よ。○帝王の母。
帝王のおほせ。杜甫詩「使者分──、羣公各典司」
富貴の人にこびへつらふ人。晉書、載逵傳「戴安道不爲────」
名は守仁、字は伯安、陽明山人と號す、明の浙江省、餘姚の人、弘治十二年の進士、諸官に歷任し、嘉靖八年安南に卒す、年五十七、文成と諡す、知行合一說を唱ふ、文を善くし、又、軍事に長じ、屢~戰功有り。
かれひ(鰈)の異名。爾雅、注「比目魚、河東呼爲──」
王良と造父と、共に古の善く馬を御せし人。荀、王霸「────者、善服馭者也」
天子のはかりごと。南史、宋武帝紀「絕域獻琛、遐夷納贐、──所亙、九服率從」=帝王略。
天子の軍隊。詩經「──嘽嘽、如飛如翰」
天子のおきて。書、洪範「無有作惡、遵王之路」=王法。
2畫
テイ [靑]
─玲 テイレイ は玉の聲。李賀、沙路曲「珮馬─玲蹋沙路」元好問詩「石根寒溜玉─玲」
3畫
カン [寒]
琅─ ラウカン は玉に次ぐ美石。
キウ ク [有]
○玉に次ぐ黑色の美石「瓊─」○證書等に數字の九に代用す。
玉の名。藝文類聚「──隱曜、美玉韜光」
テキ [錫]
─瓅 テキレキ は珠のかがやく貌。
4畫
カイ [卦]
古、諸侯を封ずるしるしに用ひし尺二寸の大圭。
カク コク [覺]
又瑴に作る
二っの玉、相合して一と爲るもの、雙玉。
グヮン [翰]
翫に通ず
○もてあそぶ(弄)おもちゃにする「─弄」「把─」たはむる(戲)「戲─」○なる(習)なれしたしむ。易、繫辭「所樂而─者爻之辭也」○おもちゃ、てあそび。○めでる(賞)「賞─」「─味」珍とする「珍─」○古─は古道具、骨董。
同訓異義
モテアソブ 玩·翫·弄○玩はもてあそびなぐさむ、珍玩·奇玩の類。書經「玩レ物喪レ志」○翫は玩に同じ、なれもてあそぶなり。○弄はなぶりものにするなり、弄臣はなぶりものになる臣なり、品字箋に「以レ目曰レ玩、以レ手曰レ弄」とあり。
もてあそびこのむ。沈遼詩「──何可論」=玩賞。
味ひてうたふ。魏志「嵆康所著諸文論六七萬言、皆爲世所──」
よく意味をたづねもてあそぶ。王鏊文「伏讀──、手錄以歸」=尋繹。
おもちゃ。
意義をよく考へもとめる。中庸、章句「──而有得焉」
ことばをもてあそぶ。易經「君子居則觀其象、而玩其辭」
一切の世事をかろんじ視る。漢書「依隱──、詭時不逢」
もてあそびふける。陳琳文「謹韞櫝、──以爲吟誦」
意義を味ひてよむ。吳志、孫策傳「聞其善左傳、乃自──欲與論講」=玩誦。
玩味してうたふ。唐書「其文章孜孜──、人以爲癖」
○無用の物をもてあそぶ。書、旅獒「玩人喪德、──喪志」○小兒のおもちゃ。=玩具。
○食物の味をよく味ふ。○轉じて詩文などの意味をあぢはひもてあそぶ。蘇軾文「石刻諸詩、反覆──」=尋繹·尋味。
○もてあそぶ。○なぶりものにする、おもちゃにする。=愚弄。
ケツ ケチ [屑]
○おびだま、形は環の如くにして半分缺くる所ある男子の佩玉。○ゆがけ、弓を射る時に、右手の大指にはめて弦を引くもの。禮、內則「右佩─」=決。○烏玉─は、墨の異名。○紫玉─は茶の異名。
半圓形のたまき。蘇軾詩「浩蕩城西南、亂山如──」
バイ [灰]
通音マイ
─瑰 バイクワイマイクワイ は赤き色の美石。又、はまなす、薔薇の類、水邊に生じ、茄子に似て枝に刺多し、花は球形にして香氣あり。
ヒン ヘン [眞]
たま(珠)「─珠」淮水より出づる珠。
ビン ミン [眞]
玉に次ぐ美石。孔融詩「─?隱曜、美玉韜光」
フ ブ [虞]
又、夫·砆に作る
赤地に白文 シロキモヤウ ある美石「武─」
5畫
カ [歌]
○たまに次げる石、白瑪瑙 シロメナウ 「珮─」○珂にて飾りしくつわ(馬勒)梁簡文帝詩「連─往淇上」○駟馬の意あるによりて人の鄉を─鄉·─里·鳴─里といふは富貴にして故鄉に歸る義。
カ [麻]
○婦人の頭飾、髮にさす珠玉の飾。詩、衞風「副笄六─」○ 國 ─琲 コーヒー は熱帶地方に產する木、其の實の核をやきて飮料に製す。
サン [寒]
又、?·?に作る
○媻─ バンサン はよろめく貌。=槃散·蹣跚。○闌─はさかりが過ぎてさびしくなりし貌。李羣玉詩「絲管闌─歸客盡」○──は佩玉 オビダマ のこゑ。○ 國 せんち、又、さんちの音譯。
熱帶の海中に棲む一種の圓筒形小蟲の骨骼、相集りて樹枝狀をなすもの、故に古、──樹と稱す。世說、汰侈「嘗以一──樹高二尺許賜愷」
珊瑚蟲の骨骼の堆積して成りし岩、熱帶地方の海に多く、其の海面に現はれ出づるものを珊瑚島といふ。
腰に帶びたる玉の聲。杜甫詩「時聞雜珮聲──」
璽(玉部十四畫)の俗字。
①セイ·サイ [薺]
②シ [支]
疵と通ず
①玉の色、あざやか。又、顏色衣服の鮮明なる貌。
②きず(玷)玉の疵「瑕─」
色のあざやかなる貌。陳孚詩「急雪忽──」
瑇(玉部八畫)の俗字。
玳瑁を以て飾りたるむしろ。侯鯖錄「──銀燭徹宵明、白玉佳人唱渭城」
龜の一種、熱帶の海洋中に產す、其の甲は俗にいふ鼈甲〔嶺南雜記〕=瑇瑁。
チン [眞]
珎は俗字
○めづらし、くし(奇異)「─禽」「─品」又、其のもの、たから(寶)金玉。○うまし(美味)八─は「牛·羊·麋·鹿·麕·豕·狗·狼」抱朴子「論─則不以細疵棄巨美」○たふとし、おもし(貴重)○うつくし、よし(美·善)禮、儒行「儒有席上之─、以待聘」珍 メヅラシ とする、貴しとする、たふとぶ。○しるしだま(瑞玉)
めづらしくことなりたるもの。楚語「不羞──、不陳庶侈」=珍奇。
めづらしくしてよし。傅咸、玉賦「──在昔、寶用罔極」
めづらしきたくみ。晉書、張駿傳「起謙光殿、畫以五色、飾以金玉、窮盡──」=奇巧。
めづらしきさかな。翰林記「御饌──、撤而賜之」
めづらしきまらうど、たまにたづね來りし客。
めづらしくうまきもの。後漢書、馬武傳「遠方貢──、必先徧賜列侯」=珍旨。
めづらしとして感謝す。蘇軾文「承惠家園之新茗、──之至」
めづらしき草。李翰文「前有芳樹──嬋娟脩竹」
めづらし。後漢書、竇融傳「輒賜錢帛、太官致──」=珍異。
めづらしくたふとし。魏志、荀彧傳、注「不意雙珠近出老蚌、甚──之」
めづらしきうつは。戰國策「珠玉財寶、車甲──、盡收入燕」
めづらしきかはごろも。南史、崔祖思傳「瓊簪玉笏、碎以爲塵、──繡服、焚之如草」
めづらしきとり。書、旅獒「──奇獸、不育于國」
めづらしき馳走。禮記「養老之──」
めづらしきいね。陸雲賦「發──之神穎」
めづらしきくだもの。後漢書、東平王蒼傳「賜貂裘及大官食物──」
めづらしきたから。後漢書、陳禪傳「單于懷服、遺以胡中──而去」
めづらしくうつくし。後漢書、梁后紀「宮幄雕麗、服御──」
○めづらしくあやしきもの。史、范雎傳「寶器──多于王室」○罕 マレ に見る怪むべき事がら。史記「諸父老皆曰、平生所聞劉季諸──、當貴」
めづらしとしてもてあそぶ。又、其の物。後漢書、五行志「圖書術籍、──寶怪、皆所藏者也」
王の使者のもつしるしだま。鄭康成文「──王使之瑞節、執以往、致王命焉、歸又執以反命」
すぐれたる賢人。華陽國志「實西土之──、聖晉之多士也」
めづらしきみつぎもの。玉海「殊方──、府無虛日」
めづらしきくさ。陸游詩「有客餉──、發奩驚絕奇」
大切にたくはへる。後漢書、董卓傳「塢中──有金二三萬斤、銀八九萬斤」=寶藏。
國 ○めづらしき事、まれにある出來事。○意外の事。=椿事。
めづらしくひいでる。陸雲、九愍「懷瑤林之──、握蘭野之芳香」
めづらしくうまき物。後漢書、靈帝紀「詔減太官──」=珍膳。
めづらしきけもの。史、三王世家「重譯來朝、澤及方外、故──至、嘉穀興、天應甚彰」=奇獸。
めづらしき道具。=珍器。
珍藏に同じ。
めづらしきたまもの。劉孝威文「曲降隆慈、俯垂──」
めづらしきさけ。張載文「未聞──出于湘東」
世にめづらしき書物。=奇書。
めづらしきしるし。詩、周頌、箋「謂爲──、天下所休慶也」
大切にしてをしむ。宣和書譜「唐人類多工書、然亦頗自──」
めづらしきはなし。荀子「小家──之所願」=珍談。
めづらしき食膳。後漢書、殤帝紀「服御──」=珍饌。
めづらしくあざやか。權德輿詩「村盤旣羅列、雞黍皆──」
めづらしき酒食。楊萬里詩「只嫌嶺外無──、一味春蔬不直錢」
めづらしきはなし。=珍說。
○大切にする。張羽詩「──函封寄千里」○たっとびて贊美する辭。朱熹詩「──無極翁」○人に身體を大切にすべきことを勸める尺牘の用語。梁書、王僧孺傳「握手戀戀、難別──」○ 國 めでたし。
めづらしきおくりもの。蘇軾詩「反將木瓜報──」
めづらしき料理。虞集詩「賜羮充腹出──」=珍羞。
めづらしき料理。蘇軾詩「我昔在田閒、寒庖有──」=珍羞。
めづらきたから、珠玉などの總名。列、楊朱「散其庫藏──」
めづらしきもの。西京賦「──羅生、煥若崐崙」=珍品。
國 めづらしきうはさ。
めづらしきたから。唐書、竇抗傳「賜女樂一部、──不貲」
めづらしく、ゆたかなり。唐書、裴冕傳「輿服食飮、皆光麗──」
めづらしき樹。洛陽伽藍記「芳草如積、──連陰」=珍樹。
めづらしきあぢ。禮、王制「八十常食」註「常食皆──也」
めづらしきくすり。論衡「物之變隨氣、非得神草──、食之而變化也」=奇藥。
めづらしくうるはし。後漢書、西域傳贊「土物──」
珍(前條)の俗字。
テン [豔]
○かく(缺)玉が缺ける、玉の病。詩、大雅「白圭之─、尙可磨也」○あやまつ(過)○かけ、おちど、あやまち(過失)「瑕─」「─缺」○はづかしむ、けがす(辱)「─汙」「─辱」
同訓異義
カク 玷·缺·欠·闕·虧の別は缺(缶部四畫)の條を見よ。
かく(缺點)おちど。皮日休詩「王臣方蹇蹇、佐我無──」
前條に同じ。後漢書、胡廣傳「翼翼周愼、行靡──」
ハ [歌]
がらす、びいどろ。硝石にて製せし透明體「─璃」梅堯臣詩「銀瓶索酒傾─璃」=硝子·水玉。
○七寳の一、水晶の類。阿彌陀經「金·銀·瑠璃·──·硨磲」=玻瓈。○がらす。
前條に同じ。
琺(玉部八畫)の俗字。
ハク ヒャク [陌]
琥─ コハク は寶石の一。=虎魄。
ビン ミン [眞]
○たまに次ぐ美石。禮、玉藻「君子貴玉而賤─」似て非なる者を惡む意。=玟。○貞─ テイビン は石碑に用ふる美石。
珉石。明一統志「──坑、在汝寧府息縣西北、舊出──、其色潔白、堪爲器物」
美くしき石だたみ。王勃詩「羅帳五華懸、──百枝然」
①レイ [靑]
②ラゥ [庚]
①金玉の鳴るこゑ。
②すきとほりて明かに見える貌。
玉石の聲。皮日休詩「石響高──」=玎玲·玲玲。
金玉の聲。劉子翬、聽彈琴歌「──一鼓萬象春、鐵面霜髯不枯槁」
○金玉の聲。文心雕龍「聲轉于吻、──如振玉」=玲玎。○光明の貌。張嘉貞、空水共澄鮮賦「──瓏瓏」
○金玉の聲。班固、東都賦「和鑾──」○明かなる貌。李白詩「卻下水精簾、──望秋月」=瓏玲。
6畫
カウ ギャウ [庚]
○おびだま、おびものの上につける玉の飾。○かんむりのひも。
かんむりのひも。張衡、東京賦「──紘綖」
キョウ [腫]
おほいなるたま(大璧)左、襄三一「竊其─璧」=拱。
圭(土部三畫)の古字。硅(石部六畫)に通ず。
石英の異名。=矽石。
非金屬元素の一、無水珪酸及珪酸鹽となりて多く岩石中に存す。
圭玉のひも。晉書、張軌傳論「綰累葉之──」
玉帛に同じ。大祭祀に用ふるところ。史、封禪書「具──各異」
ジ [寘]
○婦人のみみだま、みみかざり(瑱)=耳璫「玉─」「簪─」○劍─はつば(鐔)楚辭「撫長劍兮玉─」○ひがさ、日旁の氣。○さしはさむ(插)
みみかざりの玉と、かんざしと。楊載詩「典賣罄──」=簪珥。
みみだま、今の耳環の類。唐書、南蠻傳「左右──、絛貫花鬘」=耳璫。
筆を冠の側に插みて以て記事に備へる。曹植表「執鞭──」一解、珥は咡に通ず、吮 スフ なり、──は吮毫 フデヲネブル の義〔說文通訓定聲〕
シュ ジュ [虞]
○たま、水中に產する圓き玉「眞─」「明─」「蚌─」說文「─、蚌之陰精」○─の如く圓形の粒になれるもの「算─」「念─」「淚─」○物事の美稱「─蕾」
たまにて作りたる頸飾 クビカザリ 劉禹錫詩「何人不願解──」
たまにて飾れるかんむりのひも。三禮圖「──翠緌」緌音 スヰ 冠のひものかざり。戴叔倫詩「玉佩──金步搖」
うるはしきたかどの。孫綽、天台山賦「──玲瓏於林閒」=珠樓。
たまの如きあせ。傅休奕、苦熱詩「──洽玉體」
たまにてかざれるはた。司馬相如、子虛賦「曳明月之──」
たま。莊子「日月爲連璧、星辰爲──」璣は圓くなき玉。
○たま。爾雅「西方之美者、霍山之──焉」○美くしき容姿に喩ふ。晉書、王衍傳「夷甫處衆中、如──在瓦石閒」○貴重すべきものに喩ふ。李白詩「詩成──在揮毫」
珠玉は足なくして能く至る、是れ君主の好むに由る。韓詩外傳「───────────、士有足而不至者、君不好也」
たまざん、算盤にて計算する、北齊の時より始まる〔甄鸞、周髀、注〕
たまにて飾れるたれぎぬ。拾遺記「越有美女二人、一名夷光、一名脩明、以貢於吳、吳處以椒華之房、貫細珠爲簾幌、朝下以蔽景、夕捲以待月、二人當軒、竝坐、理鏡靚粧於──之內、竊窺者莫不動心驚魂、謂之神人」
しんじゅにて作りし耳だま。漢書、王莽傳「──在耳、首飾猶存」說苑「鄭子產死、鄭人、丈夫舍玦珮婦人舍──、夫婦巷哭三月、不聞竽瑟之聲」=玉珥。
たまのかんざし。張衡賦「──挺兮緇髮亂」
ずず、佛具の一、百八箇の小さきたまを絲に貫きて環にせしもの。=念珠。
名言.佳句などを形容していふ。李白詩「欬唾落九天、隨風生珠玉」楊萬里詩「銀鈎──千萬章」
たまの耳かざり。劉楨、魯都賦「珥明月之──」
たまにて飾れるうるはしきとの。王融詩「璧門涼月擧、──秋風迥」
しんじゅ。江淹詩「──性明潤、蘭玉好芳堅」
たまのすだれ。摭言「──銀屛晝不開」=玉箔.珠簾。
珠玉にて飾りし槃と敦と、古、諸侯會盟の時に設くるもの、諸侯の會盟には必ず牛耳を割き其の血を取りて歃 スス る、珠槃は牛耳を盛り、玉敦は血を盛る〔周禮、天官、玉府、注〕
あこやがひ(眞珠貝)海產の貝の一、殼は暗褐色、內に眞珠を藏す。楊衡詩「潮盡收──」
うつくしきこめ。馬祖常詩「──圓圓白、樓桑箇箇靑」
たまの如く美くしき花のつぼみ。王冕、梅花詩「朔風吹寒──裂、千花萬花開白雪」=玉蕾。
たまにて飾りたるくつ。史、春申君傳「客三千餘人、其上客皆躡──」
たまのすだれ。鮑照詩「──無隔露、羅幌不勝風」
衆美のことごとく集る義。庾信文「開國承家、────」
うるはしきたかどの。李白詩「春風開紫殿、天樂下──」
ハイ [隊]
玉のおびもの「雜─」「─玉」=佩。
おぶるたま。蘇轍詩「少年微服天街闊、何處相逢解──」
ハン [删]
○わかつ、分配する。書、堯典「─瑞於羣后」瑞はしるしの玉。○わかる(別)はなれる「─馬」○ついづ、席次を定める、ついで(次序)○つらなる(列)○しく(布)「─荊」○くらゐ(階位)席次「朝─」「末─」「同─」「文─」「武─」○ならび(行列)同じ級。○まじる、まだら(雜色)「─白」○ひとし(齊)同じ。孟、公孫丑「若是─乎」○かへす(還)ひきもどす「─師」○あまねし(徧)○進まざる貌。○──は車の行く聲。又、明かなる貌。
同訓異義
ワカツ 班.分.別.判·頒·析·訣の別は分(刀部二畫)の條を見よ。
○くらゐ。晉書·李雄載記「諸侯恃恩、各爭──」=列位。○同列に位する。韓非子「韓居中國、地不能滿千里、而所以得與諸侯──於天下、君臣相保者」
荊を地に布きて坐する。左、襄二六「──相與食」=班草。
後漢の人、字は孟堅、彪の子、九歲にして文を能し、長ずるに及び、載籍を博貫す、後漢の明帝の時、校書郞に拜し、祕書を典校し、父彪の漢書を續成す、永元四年卒す、年六十一。
後漢の班固の著したる漢書の異稱。歐陽修文「──自成一家之言」前條參看。
わかちしめす。後漢書「深自引咎、乃以所上、──百官」
位のじゅんじょ。春秋「會之──、以國大小爲序」=班列·位次·席次。
いくさをかへす。書、大禹謨「──振旅」=旋師。
位と俸給と。韓愈、進學解「商財賄之有亡、計──之崇庳」崇庳は高下。
五等の爵位の先後をついでる。
進まざる貌。易、屯卦「乘馬──」
後漢の才女、字は惠姬、彪の女、曹壽の妻なり、兄の班固、漢書を著し、未だ竟へずして卒す、帝昭に詔して東觀に就きて、之を踵ぎ成さしむ、數~召して宮に入れ、后妃諸貴人をして師事せしむ、號して曹大家 サウダイコ といふ、家は姑と同じ、大家は女の尊稱。
字は仲升、彪の次子、固の弟、少くして大志あり、家貧にして傭書して母を養ふ、嘗て筆を投じて歎じて曰く、大丈夫當に功を異域に立て、以て封侯を取るべし、安ぞ能く久しく筆硯を事とせんやと、明章兩朝に仕へ、出でて西域を征し、五十餘國を安集し、定遠侯に封ぜらる。
國家が一般の公民に一定の法によりて田地を附與し、又之を收め還さしめる唐代の制、──收授ともいふ。我國にては孝德帝の時に行はる。
○隊列に別れるうま。左、襄十八「有──之聲、齊師其遁」○班固と司馬遷と、固は漢書、遷は史記を著す。晉書、陳壽傳「丘明旣沒、──迭興」
黑髮と白髮と交はれるもの、五十歲位の老人。禮、王制「──者不提挈」注「雜毛曰班」=頒白。
○明かに著しき貌。後漢書、趙壹傳「不敢──顯言、竊爲窮鳥賦一篇」○車の聲。後漢書、五行志「車──入河閒」
班輸は魯人、公輸般、巧に機械を作る、雲梯は攻城に用ふる具。列子「─────、墨翟之飛鳶、自謂能之極也」
こよみをわかつ。隋書、高祖紀「党項羌內附、庚午──於突厥」=頒曆。
班次に同じ。潘岳文「天子以爲散騎常侍、從──也」
ラク [藥]
瓔─ エウラク は玉をつなぎて作りし首かざり。
7畫
キウ ク [尤]
○うつくしき玉。○玉を以て作りたる磬(樂器)書、益稷「戛擊鳴─」○すべて圓形のものにいふ、毬の義「地─」「星─」「─根」
體操用具の一、木竿の兩頭に木の球をつけたるもの「──體操」
たまつき、西洋遊戲の一。=球戲·撞球戲。
前條に同じ。
莖がたまの如くに圓く肥えてゐるもの。慈姑 クワヰ 水仙などの球の類。
根がたまの如くに圓く肥えてゐるもの、蕪菁 カブヲ の根の類。
圓くして球の如きかたち。=球形。
ほほづきぢゃうちん。
○美玉なり。書、禹貢「厥貢惟──琅玕」○すぐれたる才に喩ふ。李白詩「夫子有盛才、主司得──」球一に璆に作る。
ケン ゲン [霰]
○あらはす、あらはる(顯·露)淨住子「有形則影─、有聲則響應」=見。○玉のひかり。○うつつ、物事が實際に存在すること、實在「─世」○いま、まのあたり「─在」卽時·目下·今生。○ 國 現に起きてゐる時。眠又夢の對。
同訓異義
アラハル 現·見·顯·著·形·暴·露·表·彰·旌の別は見(部首七畫)字を見よ。
國 現在兵役に服する兵。豫備·後備の對。
現に效力ある法律規則など。
現に行ひ又は行ひ終りし際に發覺せし犯罪。
現在のありさま。
現在の境遇。梁武帝文「善惡交謝、生乎──」
○形體をあらはす。黃庭堅、大悲閣記「惟觀世音、應物──、或至於八萬四千手眼」○現在の形狀、ありかたのまま。=現狀。
ただいま、現時。
○まのあたり、そこに在る。○げんに、まのあたり。○ 佛 過去及未來に對してまのあたりの時。法華經「──未來佛、其數无有量」=現世。
寫眞のたねいたにうつりしすがたを眼に見えるやうに現はしだす。
ただいま。=卽今·現今。
實際の事實。又、有樣。理想の對「──主義」
○ 佛 現世のからだ。○佛如來三身の一「──說法」=應身 オウジン ○ 國 うつしみ、今生きて居るこの身。
現在のありさま。=現況·現形。
○ありさま。○事物の吾人の感覺にふれてさとられたるもの。本體の對。
今現につとめてゐる職務。
佛 三世の一、今の世、うつしよ。法華經「亦於──、得其福報」=現代。
今のこってゐる、現に存在する。
いまの時代、當今の世の中。=現世。
現代に行はれて最も勢力ある人世觀又社會觀の傾向。
佛 現在と未來と、この世とあの世と。當は當來。
其の事の起りし場所、げんば。
○今の住所。○寺の現今の住職。
現在其の職にある。又、其の人。
國 現在の神の義、天皇をいふ。=現人神 アラヒトガミ
國 かりに人となりて現はれし神の義、天皇をいふ。
シウ イウ [宥]
○玉に似たる美くしき石。○かがやく。詩、衞風「充耳─瑩」充耳は耳のかざり。
光りかがやく玉。又、光りかがやく。
セン [先]
美くしき玉「─璣」=璿。
テイ [迥]
○美くしき玉。○玉の笏、周尺にて三尺ほどありて天子の持つ笏。禮、玉藻「天子搢─」
ブ ム [麌]
碔に同じ
─砆 ブフ は玉に似たる石。=碔砆·武夫。
ヤ [麻]
琅─ ラウヤ は地名。琅(次條)を見よ。
ラゥ [陽]
○─玕 ラウカン は玉に似たる美くしき石。書、禹貢「雍州、厥貢惟球琳─玕」又、竹の異名。○玉の聲。○琺─ ハフラウ は器物の面に燒き附ける釉藥 ツヤグスリ ○─琊 ラウヤ は山東省沂州の地名。=瑯琊·琅邪。
○玉に似たる美石。山海經「崑崙山有──樹」○美くしき竹の異名。杜甫詩「畱客夏簟淸──」
○罪人を縛る鐵のくさり〔漢書、西域傳〕=鋃鐺·琅當。○すず、鈴鐸。杜甫詩「風動金──」○おび玉の聲の形容。蘇軾詩「更聞玉佩聲──」
○金玉の相擊つ聲。朱德潤詩「細腰裙動金──」○鳥の聲の淸き貌。蘇舜欽詩「珍禽無數語──」
リ [紙]
○をさむ(治)○ただす(正)ととのふ、ととのへる(整)「─髮」○とほす(通)○みがく(切磨)玉をみがき治める。韓非、和氏「王乃使玊人─其璞」○つくろふ(繕)「修─」○わかつ(別)○かざる。○わかる、をさまる。漢書、循吏傳「政平訟─」○人の守るべきみち(道義)「義─」「倫─」○さが(天性)○宇宙の本體。氣の對。○すぢ「條─」○ことわり「道─」○木のもくめ「木─」○皮膚のきめ「膚─」○たのむ(賴)○みめかたち(容貌)○なかだち(媒介)○裁判官「大─」「─官」史、循吏傳「李離者晉文公之─也」○つかひ(使人)「行─」
同訓異義
ヲサム 理·治·修·收·斂·藏·納·御の別は修(人部八畫)の條を見よ。
事のわけ。
天地の理を推し窮めて人の性を盡す。易、說卦「────、以至於命」
さとりしる。宋史、林光朝傳「光朝通六經、貫百氏、未嘗著書、惟口授學者、使之心通──」=理會。
○物理·化學·天文學等の自然に關する科學の總稱。○宋代理氣の說を唱へたる學。淸の竇克勤、──正宗十五卷の撰あり。=宋學·程朱學。
○呼吸をととのふ。潘岳、笙賦「先嗢噦而──」○本體の理と、現象の氣と。朱子語類「天地之閒、有理有氣、理也者形以上之道也、生物之本也、氣也者形以下之器也、生物之具也」
道理、すぢみち。
○わけ、理の集る處、窟は穴。晉書、張憑傳「勃窣爲──」○ 國 こじつけの理由。
○物理學と化學と。○をさめみちびく、理は治。晉書、刑法志「夫禮以訓世、而法以整俗、──之本、事實由之」=治化。
道理の外。南齊書、顧憲之傳「互生──」
さとる。呂氏童蒙訓「後生初學、且須──氣象、氣象好時、百事是當」=理解·了解。
裁判官。漢書、藝文志「法家者流、蓋出於──」
國を治める。管子「──之道、地德爲首」=治國。
貸金をあつめ整理する。世說補「有沙門道硏求謁、意在──」
たからを整へ治めて利益あるやうに運用する。易、繫辭「──正辭、禁民爲非曰義」
理性にて想像する絕對完全の域。
財產を整理する。後漢書、許荊傳「──、所增三倍于前」=治產。
○事をとりさばき治める。書經、傳「居位──」=治事。○又其の官。
蠶絲ををさめる。晉書、左芬傳「修成蠶簇、分繭──、女工是察、祭服是治」
佛 人の正智をくらまして宇宙の眞理に背く。事障の對〔圓覺經〕
ことのわけ。書經、疏「──終同」
○人人の本來有する智能。○性を治める。後漢書、黨錮傳「是以聖人導人──」=治性。○推理をするはたらき。○ 佛 リシヤウ 萬有の本性。事相の對〔信心銘夜燈水〕
自然のなりゆき、自然の趨勢。
をさまる。をさめる。文子「居家──、然後可移官長」
分別理解のちゑ。
かみをととのへる。傅咸文「大才治世、猶櫛之──也」=櫛髮。
物事のすぢみち。韓詩外傳「莫不──、則公道達而私門塞、公義立而私事息」=條理。
野蠻未開の土地を治める。=理蕃·理番。
道理と非道と。
すぢみちを正してわかつ。唐書、張嘉貞傳「條析──」
○をさまると、みだれると。抱朴子「量──以卷舒、審去就以保身者、知人也」唐人、高宗の諱を避けて、治をかへて理と爲して用ふ。韓愈文「──不知、黜陟不聞」=治亂。○みだれたるを治める。高允文「移風易俗、──解紛」
實驗によらず、推理によりて立てる論議。實驗の對。
リウ ル [尤]
又、璢に作る
○─璃 ルリ は紺色の寶玉、佛說の七寶の一。○─球 リウキウ は國名、今の沖繩縣。=流求·璢求。
8畫
エン [琰]
○美玉。○玉の美色ある貌。○鋒芒 カド ある圭、古、諸侯の不義なる者を征伐する時に執る瑞節。
ヱン ワン [阮]
○─琰は美くしき玉。○鋒芒 カド なき圭。
キ [支]
○めづらし。○珍とすべき一種のたま。○くし、ことなり、奇偉、平凡ならず「瑰─」○すぐれて大いなり。
衆と異りたる行。宋玉、對楚王問「夫聖人瑰意──」
キ [支]
玉の屬。爾雅、釋地「東方之美者、有醫無閭之珣玗─焉」
仙境に在りといふ美くしき花と草と。王轂、夢仙謠「前程漸覺風光好、琪花片片黏瑤草」
玉の如き美くしき樹。六朝事迹「寶林寺有──、在法堂前、卽本草之南天燭」=玉樹。
キン ゴン [侵]
○こと(樂器)瑟の類、伏羲の創作する所、桐にて作る、長三尺六寸、廣六寸、古は五絃、周に至り二絃を加へて七絃となす。說文「─、禁也」白虎通「─以禁制淫邪、正人心也」○胡─·月─·風─等は名を襲ひしのみにて製作は全く異り。
ことのね。後漢書、禮儀志、注「──調則四海合」
ことのね。劉褘之詩「管聲依折柳、──動流波」=琴音。
○鯉に乘りて天に昇りしといふ仙人。列仙傳「──趙人、以琴爲姓」明一統志「──山在寧國府涇縣東二十里、旁有臺、相傳──控鯉上昇之所」○轉じて鯉の異名。黃庭堅詩「春網薦──」
ことと、つると。宋史、趙抃傳「帝曰、聞卿匹馬入蜀、以一琴一鶴自隨、爲政簡易亦猶是乎」鄭谷詩「夫君淸且貧、──最相親」
ことと、ごと。法書要錄「博學工文、──書畫、皆得其妙」
ことと、すずりと。孟浩然詩「平石籍──、落泉灑衣巾」
こと。抱朴子「三墳爲金玉、五典爲──」
琴と詩と。白居易詩「──酒伴皆抛我、雪月花時最憶君」相共に琴を彈じ詩を賦し酒を酌みかはしたる舊友は、皆己をすて去りたれば、雪月花の好景に對する每に最も君をなつかしく思ふ。
ことうた。劉向別錄「君子因雅琴以致思、其道閉塞、悲愁而作者、名其曲曰操、言遇災害、不失其操也」=琴曲·琴歌。
ことと、おほごとと、瑟は十五絃·二十五絃·五十絃等あり、夫婦相和するを──和すといふ。詩、周南「窈窕淑女、──友之」
夫妻のよく和合するをいふ。詩、小雅「妻子好合、────」
心を琴の音に寓する。史、司馬相如傳「文君新寡好音、故相如繆與令相重、而以──挑之」
ことと、ふえと。後漢書、桓帝紀「桓帝好音樂、善──」
ことと、さけと。李嶠詩「雲霞仙路近、──俗塵疎」=琴樽。
ことと書物と。魏志、崔琰傳「以──自娛」=琴帙。
ことのこゑ。劉長卿、幽琴詩「月色滿軒白、──宜夜闌」=琴音。
ことと、さかだると。宋史、蘇舜欽傳「羅列圖史、──以自愉悅」=琴酒。
縣の長官、孔子の門人、宓子賤が單父を治めし時、琴を彈じ堂より下らずして治まりしといふ故事〔呂覽、察賢〕による。書言故事「稱縣治、曰──」
ことと、ちくと、筑は箏に似たる樂器、竹にて之を鼔す。張說詩「蟋蟀鳴戶庭、蠨蛸網──」
ことの中のおもむき。晉の陶淵明、素琴一張を蓄ふ、絃徽具せず、曰く「但得琴中趣、何勞絃上聲」
キヨ コ [魚]
おびだま、珩と璜との中に在る珮玉。詩、衞風「投我以木瓜、報之以瓊─」
おびだま。詩、衞風、傳「雜佩者、珩璜──、衝牙之類」
クヮン [旱]
玉にて作る、箎の如くにして六孔ある管 クダ の樂器。=管
コ [麌]
○─珀 コハク は松脂などが土中に入りて化したるもの。廣雅「─珀生地中、其上及旁不生草」=虎魄。○虎の皮の文をきざめる瑞玉、兵を發するに用ふ。左、昭三二「賜子家子雙─」
こはくはくさった芥 アクタ を吸取せず。廉潔の士は、不正の品を取らざるに喩ふ。琥一に虎に作る。吳志、虞翻傳「翻曰、虎珀不取腐芥、磁石不受曲鍼」
コン [元]
○玉に次ぐ美くしき玉。書、禹貢「瑤─篠簜」○─珸 コンゴ は山の名、善金を出す。=昆吾。
人品のけだかきに喩ふ。史、孔融傳論「懍懍焉、皜皜焉、其與────、比質可也」
美くしき玉。徐陵詩「鑑鏘叶舞踏、照爛等──」
サゥ シャウ [庚]
○玉又はすべて物の相觸れて發する聲。韓愈詩「泉聲玉琮─」○水又は琴などの淸き聲の形容。
○水の淸き聲。韓琦詩「──碧澗流」○琴の聲。孟郊詩「前溪忽調琴、隔林寒──」
佩玉 オビダマ の聲。殷文珪詩「泉聲東漱玉──」=琮琤。
サン セン [潸]
小さき玉のさかづき(玉爵)說文「夏曰─、殷曰斝、周曰爵」=盞·?。
ソウ [冬]
○外は八角にして中は圓きわりふだま(瑞玉)○─琤 ソウサウ は玉石の相擊つ聲。
タク [覺]
○みがく、椎 ツチ や鑿 ノミ にて擊ちて玉を治める。詩、衞風「如─如磨」ゑる(雕)「雕─」うつ。○修め飭 トトナ ふ。
たまをみがく。詩經「他山之石、可以爲錯」傳「錯、石也、可以──」溫子昇墓誌「礪金成器、──爲寶」=攻玉。
字句をみがき修める。王安石詩「刻章──獻天子」=造句。
みがく。韓愈詩「──奉明誠」=磋切·磨切。
みがく、玉石をみがきする、磨は砂石にてこすりみがく。轉じて學德をみがき修める義。詩、衞風「如切如磋、如琢如磨」=磨琢。
チン シン [侵]
○自然に生ずる美くしく珍らしき寶。寶玉の類「天─」詩、魯頌「來獻其─」○國─ コクチン は一國の寶とすべき賢人。
テゥ [蕭]
○ゑがく(畫)○きざむ。=彫·雕。
ハ [麻]
○樂器の絃を下より順に鼔する。○琵─は一種の樂器。
ハイ [隊]
○貫く。○たまのを、珠をつらぬきたるひも。○ 國 珈─ コーヒー は樹の名。又飮料の一、珈(玉部五畫)を見よ。
ヒ ビ [支]
○─琶 ビハ は樂器、飯匙狀をなして四柱四絃を具へ、長さ三尺五寸あるもの。=批把·枇杷。○樂器の絃を上より順に鼔する。廣韻「推手爲─、引手爲琶」
あんかう。俗に鮟鱇と書く、東海に多く產す、形扁圓にして、盤の如く、肉厚く腹大に、尾細長くして全體琵琶に似たり。
ホウ [董]
刀の鞘の鯉口 コヒグチ に在るかざり。
リン [侵]
○一種の美玉。書、禹貢「厥貢惟球─琅玕」○玉の相擊つ聲。
○美くしき玉にて飾れる家。揭傒斯、題桃源圖詩「──氣融融」○寺院。袁易詩「淸心見──」=琳宮。
寺。殷堯藩詩「落日半樓明、──事事淸」
美くしき玉。歐陽修詩「篋櫝瓦礫遺──」
たまの鳴る音。轉じて淸き水の聲にいふ。趙秉文詩「流泉夾道鳴──」
うつくしき玉。陸倕詩「神藻茂──」
美玉にて飾れる宮城の門。漢武內傳「蘭房闢──」
○美くしき玉。柳宗元、答貢士沈起書「富我以──珪璧之寶」○玉の鳴る聲。楚辭「撫長劍兮玉珥、璆鏘鳴兮──」○詩文などの美くしきに喩ふ。文心雕龍「下筆──竝、體貌英逸、故俊才雲蒸」
ロク [屋]
○一種の玉。○──は玉の狀の形容。老子「──如玉」
9畫
ヰ [尾]
美くし、めづらし(珍奇)「瑰─」「奇─」
ウ [麌]
○石の玉に似たるもの。○おびだま、佩玉の中閒につける玉。
エイ ヤゥ [庚]
○玉のひかり。○玉─はすゐしゃう(水精)符瑞圖「玉─仁寶、不斲自成、光若白華」=玉英。
身におぶるたま。古豔歌「姮娥垂明璫、織女奉──」
ヱン [霰]
○中に大孔ありて、孔の徑 サシワタシ が肉卽ち外邊に倍する玉。○人の名、蘧─、字は伯玉。
カ [麻]
○きず、玉の玷 キズ 玉の病。ひび、われめ。○あやまち、とが(過失·缺點)○つみ(罪)○なんぞ(胡)=遐。○とほざく(遠)
國君の度量の大いにして、能く物を容れ恥を忍ぶことを美玉の瑕穢を藏するに喩へていふ。左、宣十五「瑾瑜匿瑕、國君含垢、天之道也」
國 きず、瑾は美玉なれども誤用して瑕疵 キズ の義とす。
○あやまち(過失)史、李斯傳「成大功者、在因──而遂忍之」○すきま(怨隙)の義。
きずあと。陸龜蒙詩「未能窮意義、豈敢求──」
きず、缺點、人の過失。韓愈、進學解「忘己量之所稱、指前人之──」
きず、かけ。後漢書「典籍無──矣」
きずありとして之を棄て絕つ。書經「不汝──」
瑕は玉のきず、瑜は玉のひかり、美德と過失と兩ながらかくさざるは心の忠實に喩ふ。禮、聘義「瑕不揜瑜、瑜不揜瑕、忠也」
瑕疵に同じ。劉禹錫詩「錙銖揚芬馨、尋尺招──」
コ ゴ [虞]
○珊─ サンゴ は海蟲の一、珊(玉部五畫)を見よ。○─璉 コンン は宗廟に黍稷を盛る器、夏には璉といひ、殷には─といひ、周には簠簋といふ。
宗廟に用ふる瑚璉といふ器の如き貴き器量、又其の人がら。論、公冶長「子貢問曰、賜也如何、子曰、女器也、曰何器也、曰瑚璉也」杜甫詩「鄭公───、華岳金天晶」
コン [元]
○美くしき玉。○─春は川の名、寧古塔の東南六百支那里に在り、西南流して圖們江に入る。又圖們江の北岸に在る地名、開きて商埠と爲す。
シツ シチ [質]
○おほごと(大琴)伏羲の創作する所、十五絃·十九絃·二十五絃·二十七絃等種種あり。○おほし、衆多なる貌。○あざやか、潔鮮なる貌。詩、大雅「─彼玉瓚」○おごそか、つつしむ、矜莊なる貌。○こまかし、縝密なる貌。○──はさびしく吹く風の聲。○蕭─ ヤウシツ は寒風の疾き貌。
おほごとのね。劉滄詩「休彈──傷離思」=琴韻。
おほごとと、ことと。夫婦和合するを瑟琴和すといふ。詩、小雅「妻子好合、如鼔──」=琴瑟。
ことのいと。武元衡詩「──簫管怨津樓」
風のさびしく吹くこゑ。白居易詩「楓葉荻花秋──」
寒くちぢかまる。呂覽「筋骨──不達、故作爲舞以宣導之」
シン カン [侵]
玉に次ぐ勁 カタ き石。
ズヰ [寘]
○しるしだま、玉を以て信とする、天子が諸侯を封ずる時に、しるしとして授ける玉、桓圭(公)信圭(侯)躬圭(伯)穀璧(子)蒲璧(男)の五─あり。○めでたきしるし、天が善政に感じて降す吉兆「吉─」「嘉─」「祥─」「─兆」○よろこび、めでたし「─烟」「─雨」○ 國 みづ、善美の義「─穗」
めでたきもや。王惲詩「東城──朝日鮮」
めでたく不思議なり。南方草木狀「獻橘十七實同一蔕、以爲──」=奇瑞。
めでたきあめ。南史、虞寄傳「上──頌」
めでたきくも。西京雜記「祥瑞之雲、曰慶雲、亦曰景雲亦曰卿雲」
めでたきけむり。杜審言詩「半嶺通佳氣、中峯繞──」=祥烟。
めでたきしるしの感應。杜預、左傳序、疏「龜龍白虎、竝爲──」=瑞感·符應。
めでたきもや。李商隱詩「──明麗滿晴天」=瑞靄。
ぢんちゃうげ(沈丁花)三餘贅筆「曾端伯以──爲殊友、張敏叔以──爲佳客」
めでたき感應。南史、柳惔傳「旣爾──神衷、臣謹服之無斁」
めでたき雲氣。晉書、天文志「──一曰慶雲、若煙非煙、若雲非雲」
めでたき鳥。宋史、燕懿王德昭傳「鑄黃金爲奇獸──賜之」=瑞鳥。
めでたきよきいね、種子を異にして穎 ノギ を同くする禾。宋史、高宗紀「撫州獻──」=嘉禾。
○めでたき花。許渾詩「──瓊樹合、仙草玉苗深」○ゆきの形容。駱賓王、詠雪詩「鶴雪──新」
めでたきしるし。皇甫汸文「建金華之邑、表──云」=瑞兆·瑞徵。
○めでたき人相〔王襃、京師突厥幸碑〕○めでたきしるし。=瑞兆·吉兆·休徵·瑞祥·瑞徵。
めでたきくさ。盧綸詩「玉欄豐──、金陛立神羊」
茶の異稱。杜牧、茶山詩「山實東吳秀、茶稱───」
めでたき靈芝 レイシ 蘇頲、賀封禪表「泥──、檢珍玉」
めでたきけもの。隋書、高祖紀「──異禽、遊園鳴閣」
めでたき日。朱熹、明道先生畫像贊「──祥雲、和風甘雨、龍德正中、厥德斯普」
瑞徵に同じ。
めでたきほし。晉書、天文志「──一曰景星」
めでたきゆき。雪は豐年の兆なるが故。張正見詩「同雲遙映嶺、──近浮空」
たまにて作れる符節。國語「古者先王旣有天下、爲車服旗章以旌之、爲摯幣──以鎭之」
めでたきしるし。司馬相如、封禪文「厥塗靡蹤天瑞之徵」=瑞兆·瑞相·瑞祥。
めでたきとり。禽經「鸞、──」
めでたき圖畫。王逸、九思「懿風后兮受──」
國 勳章の一、八等に分つ。
めでたきかぜ。袁?詩「玉輿明淑景、朱旗轉──」
めでたきさいはひ。王襃文「天人竝應、屢降──」
麒麟鳳凰等のめでたき物。李白、明堂賦「神休傍臻、──咸薦」
めでたきしるしの鳳凰。蘇瓌詩「──飛來隨帝輦、祥魚出戲躍王舟」
めでたきゆめ。隋煬帝文「仍感──、是知濟度、已降舟航」
めでたききり。集異記「閣凝──、樓橫祥霓」
めでたきはちす。皇甫湜文「──猗猗、合蔕公池」
めでたきつゆ。許敬宗賦「法──于雲掌」
國 米が良く出來てめでたき國の義、我國の美稱。
セン [先]
大いさ六寸ある璧。漢書、郊祀志「有司奉─玉」=宣。
ゼン ネン [先]
○玉に次ぐ石「─石」○玉の佩びもの。
タイ [隊]
玳は俗字
─瑁 タイマイ は南海に產する龜の一種、其の甲は黃褐色半透明にして黑き斑あり、我國にて鼈甲 べツカフ といひ、粧飾用器具に用ふ。
ダゥ ノウ [皓]
通音ナゥ
瑪─ メナウ は寶石の一。瑪(次畫)を見よ。=馬腦·碼碯。
①チャウ タウ [漾]
②タウ ヤゥ [養]
①宗廟の祭に用ふる圭。
②たまの名。○人の名。曹丕、典論「汝南應─德璉」
テン [霰]
璧を琢刻して文 モヤウ を爲る。漢書、董仲舒傳「良玉不─」
ゑりきざむ。党懷英詩「──方寸餘、遺像規汾壖」
①バウ·モウ バイ·マイ [號]
②バイ [隊]
通音マイ
①諸侯が天子に朝する時、天子が、諸侯の執る圭の上にかむらせる玉。
②瑇─ タイマイ は龜の一種、瑇(玉部八畫)を見よ。
ヒン ハン [眞]
通音へン
璘─ リンヘン は文采ある貌。
ビン ミン [眞]
玉に次ぐうつくしき石。=珉。
ユ [虞]
○一種の美くしき玉「瑾─」○玉の光采。禮、聘義「瑕不揜─」きずも光もかくさずしてあらはす。
美くしきと、きずと。美惡の義。鮑照詩「寧能與爾曹、──稍辨論」
佛 瑜伽宗にて、主觀·客觀の合一不二を實行するために身·語·意の三っにつき修する祕密の法。
佛 印度の世親の開きし宗派、瑜伽は梵語の音譯、相應の義。主觀·客觀の合一不二なる義。
10畫
①エイ [庚]
②エイ [徑]
①玉に似たる美くしき石。詩、衞風「充耳琇─」○あざやか、あきらか(明)揚雄、大玄經「一死一生性命─矣」○つや、ひかり(光采)
②てらす、かがやく(玉色光潔)「照─」
エゥ [蕭]
○美くしき玉。○美稱に用ふ「─札」「─草」「─質」
藍田山に出づる玉の至りて美なるもの。張協文「錯以──、鏤以金華」=玉英·瑤華。
○うつくしき手紙。司空圖詩「──眞跡在、妖魅敢揚威」○人の手紙を稱していふ。
前條に同じ。羅隱詩「不把──附鯉魚」
うつくしきかほ。劉義恭詩「──映長川、善服照通滸」
たまにて飾れること。宋之問詩「微臣一何幸、再得聽──」
美くしきたま。江淹、傷友賦「帶──而爭光、握隋珠而比麗」
北斗の第七星の名。
うるはしきたま。白居易、白牡丹詩「折來比玉色、一種如──」=瓊瑤。
美くしき草、仙境に生ずる草。路振、祭戰馬文「飲以玉池、秣之──」
他人のてがみの敬稱。宇文融詩「飛文──降、賜酒玉杯傳」
うるはしきうまれつき。梁簡文帝詩「玉豔光──、金鈿婉黛紅」
たまのかんざし。溫庭筠詩「──遺翡翠、霜仗駐驊騮」
うつくしきうてな。劉義恭詩「丹墀設金屛、──陳玉牀」=瑤臺。
たまにて飾れるしゃうのふえ。戴叔倫詩「更弄──罷、秋空鶴又鳴」
たま。韓詩外傳「璇玉──」
美くしき樹。陳子昻詩「崑崙有──、安得采其英」
たまのさかづき。張耒詩「玉顏醉──」=瑤杯·瑤觴。
うるはしきむしろ。魏徵、五郊樂章「──降神、朱弦饗帝」
玉の如き枝、菊の異名。陸龜蒙、白菊詩「還是延年一種材、卽將──冒霜開」
○たまのうてな。新序「桀作──、罷民力、殫民財」○仙人の居るうてな。李商隱詩「更在──十二層」
穆天子の西王母に會せし所、崑崙山に在り。穆天子傳「天子觴西王母於──之上」集仙傳「西王母所居宮闕、在龜山、崑崙之圃、閬風之苑、左帶──、右環翠水」
美くしきまくら。王翰、古蛾眉怨「帳裏承恩薦──」
玉の如く美くしきむしろ。張羽詩「玉露淸──、銀河繞畫樓」
たまの如く美くしきはやし。陸雲、九愍「懷──之珍秀、握蘭野之芳香」
人品のけだかきをいふ。晉書、王戎傳「王戎曰、王衍神姿高徹、如────自然是風塵表物」
たまにて飾れるてぐるま。江淹賦「金輿之所出入、──之所周通」
カク·コク コク [覺]
一對の玉。左、僖三十「王爲之請納玉於王與晉侯、皆十─」註「雙玉曰─」=珏。
クヮイ [灰]
又瓌に作る
○たま、一說に、美くしき石。○めづらし(珍奇)すぐれて居る「─瑋」○玫─ マイキマイクワイ は赤色の玉。又、草の名、はまなす(濱茄)
めづらしくあやし。淮南子「聖人無屈奇之服、無──之行」=奇異。
めづらしくすぐれたるこころ。瑰琦を見よ。
すぐれて大いなり、偉一に瑋に作る。史、司馬相如傳「俶儻──」
すぐれてあづらし。司馬相如賦「俶儻──、異方殊類」=珍奇。
すぐれてたくまし。册府元龜「唐程千里、骨相──」=魁碩。
すぐれてゐる、琦は奇。宋玉、對楚王問「夫聖人瑰意琦行、超然獨處」=奇偉。
ふしぎにあやしく美くし。張種文「峯崖刻削、窮造化之──、絕澗杳冥、若鬼神之彷彿」
すぐれたるたま。詩句などのすぐれたるに喩ふ。王禹偁詩「臺閣有羣英、贈別瑰與瓊」高啓詩「上有秀句如──」
すぐれて立派。西京雜記「掘晉靈公家、甚──」=瑰偉。
すぐれたる容貌、瑰瑋なるすがた。傅毅賦「──譎起」
すぐれてめづらしきことば。張九齡文「倜儻大節、磊落──」
すぐれて博雅なる儒者。山海經序「譙周之徒、足爲通識──」
うつくしくすぐれる。唐書、李商隱傳「商隱爲文、──奇古」
サ [歌]
○みがけるたま。○玉の色の鮮かに白き貌。○みがく。=磋。○物の鮮かに盛んなる貌。○白齒をちらと見せて巧に笑ふ貌。詩、衞風「巧笑之─」
色のあざやかなる貌。詩、鄘風「──·──、其之展也」
○たまの白く鮮かなる貌。宋史、樂志「琱珉──、篆金煌煌」○齒の白き貌。梅堯臣詩「苑花光粲粲、女齒笑──」
サ [哿]
○くづ、こな、玉の屑 クヅ ○連結する「連─」又、くさり。=鎖。○ちひさし(小)こまかし(細)○ひくし、いやし(卑)○靑─はくさり形に鏤めたる天子の門。
瑣闥に同じ。王維詩「夕奉天書拜──」
こまかくして近し。杜預文「若使發語卑襍、則情趣──、立言高簡、則旨意遠大」
○細小にして卑賤なる貌。一解につかれたる貌。易、旅卦「旅──、斯其所取災」○くだくだしくわづらはし、煩碎猥屑の意。○玉の聲〔說文〕
わづか、細か。蘇軾詩「初移一寸根、──如插秧」
瑣屑に同じ。韓愈詩「竹影金──」
まどに花紋を鏤りたるもの。鮑照詩「玉鉤隔──」
こまかなる粉の如くにちる。周書、劉璠雪賦「縈廻兮──」
こまかなることがら。
くだくだしく細か。梅堯臣詩「殼物怪──、蠃蜆固無數」=煩細·瑣碎。
宮門をいふ、門の上に連瑣 クサリガタ の文 モヤウ を刻むが故。杜甫詩「曉漏追隨靑──」=瑣闈。
小さくしでおとろふ、尾は末、おちぶれる貌。詩、邶風「瑣兮尾兮、流離之子」一解にわかくうつくし(少好)き貌。
わづか。=瑣細。
くだくだしくおとる。元稹文「詞旨──、冒瀆尊嚴」
シャウ サゥ [陽]
玉又は樂器の鳴る聲。
玉又は樂器の聲。詩、小雅「八鸞──」
テン チン シン [霰]
○みみだま、みみふさぎ、玉を以て耳に充つ。詩、鄘風「玉之─也」=充耳。○一種の玉。=鎭圭。
みみふさぎの玉につけるひも。李商隱、祭姑文「冕紘──、山蕨澗蘋」
バ メ [馬]
─瑙 メナウ は寶石の一種、文理交錯して馬腦に似たり、印度に產す、紅色多き者を上品とす、筓·印材等に用ふ。=馬腦·碼碯。
琅(玉部七畫)の俗字。
璢(玉部十二畫)の俗字。
11畫
キウ [尤]
○玉の觸れて鳴る聲。○磬に作るうつくしきたま。又、玉磬。=球。
玉の觸れて鳴る聲。史、孔子世家「環珮玉聲──」
美くしき玉。爾雅「西北之美者、有崐崙虛之──琅玕焉」=球琳。
キン [吻]
○一種の美くしき玉「─瑜」○ 國 瑕─と連用して瑕疵 キズ の義とするは誤。
瑾瑜は共に美玉、之を懷き握るは美德を抱くに喩ふ。楚辭、九章「────兮、窮不得所示」
美くしきたま。左、宣十五「──匿瑕、國君含垢」
サイ [賄]
○たまのひかり、つや(光采)○珠の垂れさがれる貌。○光采の散亂する貌。
あざやかなるいろどり。曹植詩「丹華灼烈烈、──有光榮」
○光の散亂する貌。吳師道詩「瓦光浮──」○鮮明 アザヤカ なる貌。獨孤及詩「──花落架」
衆く盛んなる貌。魯靈光殿賦「下茀蔚以──」
珠の垂れる貌。又、玉の光る貌。孫綽、遊天台山賦「琪樹──而垂珠」
①サゥ [皓]
②サ [哿]
①玉に似たる一種の石。
②門などにくさり形にほりつけたるかざり。=瑣。○── ササ はちひさし(小)又、玉の聲。=瑣瑣。
シャウ [陽]
たま(半圭)圭を半分に割きしもの「圭─」
ショウ [冬]
佩玉の聲「─瑢」
玉石の相擊ちて發する聲。楓窗小牘「創珮──、交暎左右」
セン [先]
○玉に次げる美石。=琁(玉部七畫)璿(玉部十四畫)○星の名。北斗七星の第二。○人の名。
玉をちりばめたる美くしき宮殿。白居易詩「──夜靜當窗織」
玉にて飾りたるへや。淮南子「桀紂爲──瑤臺、象廊玉牀」
ボン·モン べン·マン [元]
あかだま、紅き色の玉。詩、王風「毳衣如─」
リ [支]
○瑠─ ルリ は寶玉の一。=琉璃。○玻─ ハリ は寶玉の一。又、硝子 ガラス
レン [銑]
夏の代、宗廟に供する黍稷を盛る器。瑚(玉部九畫)を見よ。
12畫
キ [微]
○圓からざる珠「珠─」○小さき珠。○璿─ センキ は天文を正す器。書、舜典「在璿─玉衡以齊七政」在は察。○北斗の第三星の名。
クヮウ [陽]
○おびだま(佩玉)の一、璧を半分にせし玉。佩玉には下に雙─あり、中に衝牙あり、相觸れて聲を爲す「─珮」○──はかがやく貌。
おびだま。鄭元祐詩「篆隸可寶如──」=珩璜。
①ケイ [庚]
②ケツ [屑]
①赤きたま。=瓊。
②おびだま(佩玉)=玦。
ハク ホク [覺]
通音ボク
○あらたま(素玉)未だ琢 ミガ かざる玉「─玉」老子「─散則爲器」○かざらざる眞實に喩ふ。戰國策「歸眞反─」
琢かざる玉と、あらがねと。人の性の質朴純美なるに喩ふ。晉書、山濤傳「王戎目濤、如────、人皆欽其寶、莫知名其器」
ヘン バン [元]
璵─ ヨバン は美くしき玉にて魯國の寶〔左、定五〕
リウ ル [尤]
琉(玉部七畫)に同じ、瑠は俗字
─璃 ルリ は一種の寶玉、古、大秦國より出づ、赤·白·黑·黃·靑·綠·縹·紺·紅·紫の十種あり。=琉璃·流離。
リン [眞]
○玉のひかり、玉の光彩。○─? リンヘン は文ある貌。=瞵?·班璘。
玉の光の雜る貌。張衡、西京賦「瓀珉──」
玉などの光る貌。歐陽修詩「磊落金盤爛──」
ロ ル [遇]
美くしき一種の玉。楚辭、九章「被明月兮佩寶─」
13畫
クヮン [删]
○たまき、肉 ヘリ が中の好 アナ の徑と同じき璧。○たまのわ、わ、くゎん「耳─」「指─」「臂─」○めぐる、まはる(旋囘)○まはす、めぐらす、かこむ(圍)「─視」「─繞」孟、公孫丑「─而攻之」○內外を巡察する官。
同訓異義
メグル 環·繞·遶·行·巡·周·旋·運·囘·廻·循·繚の別は繞(糸部十二畫)の條を見よ。
めぐりまとふ。王勣文「連峯雜起、複嶂──」
めぐれる日がさ。五代史、司天考「五代之際、日有冠珥──、纓紐負抱戴履」
○國の四方をめぐる海。江淹文「以紫天爲宇、──爲池、倮身大笑、被髮行歌」○轉じて四海·海內の義とす。韓愈、賀册尊號表「──之閒、含生之類」
○めぐりかこむ區域。元史「──作堡砦、選精甲、外扞而耕稼其中」○ 俗 人身周圍の事物。
かこみせむ。孟、公孫丑「三里之城、七里之郭、環而攻之而不勝」
たま。張衡賦「獻──與琛縭兮」注「環、珠也、琨、璧也」
衆くの人がくるまざにすわる。明史「於是──於地」
○まはりをとりかこむ。柳宗元、石渠記「菖蒲被之、靑蘚──」○くるくるとめぐる。張華詩「四氣鱗次、寒暑──」
めぐりみる。章承慶賦「彌性場而極覽、溥情囿而──」=環視。
みどりの竹樹をめぐらす。洛陽名園記「望之超然、登之翛然者──亭也」
めぐらす、めぐる。南史、阮孝緒傳「所居以一鹿牀爲精舍、以樹──」=圍繞。
動物のからだが多くの同じ環狀のふしに分れてゐるもの。=環蟲類。
めぐる。柳毅傳「紅烟蔽其左、紫氣舒其右、香凝──、入于宮中」=旋環。
わの耳かざり。戰國策「撤其──、至老不嫁、以養父母」
狹き家の貧しくさびしき貌。晉書、陶潛傳「────、不蔽風日」次條參看。
方一丈を板とし、五板を堵とす。四方各一堵の小室。禮、儒行「儒有一畝之宮、────」
めぐりをがむ。周禮、春官「──以鐘鼓爲節」注「賓客環列而拜」
たまのおびひも。禮、經解「行步則有──之聲」=環佩。
唐の明后の妃、楊玉環は肥え、漢の成帝の后、趙飛燕は瘦せて、竝に美人たり、よりて美人の體態同じからずして各其の妙を極むる義とす。
めぐりてたすける。翊は輔翼。漢書、天文志「三公侍傍、藩位──」
さめの異名、魚に似たる海獸。=鮫·鯊。
めぐりまとふ。唐書、歸崇敬傳「壅水──、如璧然」
わの如くにならぶ。隋書、音樂志「丘陵肅事、克光天保、?關洞開、百靈──」
サン [翰]
○美くしき一種の玉。○たまの光る貌。○璀─ サイサン はたまの垂れる貌。孫綽賦「琪樹璀─而垂珠」
鮮かに白き貌。蘇軾、病中大雪詩「惟思近醇醲、未敢窺──」
玉の光る貌。吳筠詩「煌煌靑琳宮、──列玉華」
スヰ [寘]
佩ぶる端玉「佩─」
タゥ [陽]
○みみかざり、みみだま(充耳)「珥─」「耳─」古詩「耳著明月─」後世は宦官の裝飾品となる、故に宦官を稱して─といふ。○椽頭 タルキノハシ の飾。漢書、司馬相如傳「華榱璧─」○冠に著ける金玉。○丁─は佩玉の鳴る聲。=丁東。○琅─は鈴。
ヘキ [陌]
○たま、しるしだま、環狀をなせるたま、肉 ヘリ が好 アナ の徑に倍するたま、穀─·蒲─·瑑─等の種類あり。○拱─は大いなるたま。重寶の義とす。
たまのさかづき。楚語「遇之於鄭郊、饗之以──」
人の贈物をかへす。左、僖二「晉公子重耳及曹、僖負羈餽盤飱、寘璧焉、公子受飧──」
たまを口中にふくみ、棺を背に負ふ、古の降服の禮。左、昭四「賴子面縛銜璧、士袒輿櫬從之」
たま。新語「──珠璣不御于上、則玩好之物棄于下」
たまの如く圓く美くしき月。沈炯、太極殿銘「──宵懸、卿雲晝聚」
たまのはこ。鄭俠詩「文章有神力、──光彩錯」
たまの如く美くしき人。衞玠別傳「玠髫齔時、乘白羊車于巿上、咸日、誰家──」=玉人。
たまと、きぬと。進物とす。史、留侯世家「無愛金玉──、令太子爲書、卑辭安車因使辯士固請、宜來」
玉にて飾りし門。班固賦「設──之鳳闕」
玉にて飾れる柱聯。王僧孺、謝曆表「──珠燦、輪映階平」
14畫
シ [紙]
通音ジ玺は俗字
○しるし、おしで、印、天子諸侯の印「玉─」「傳國─」○秦以後特に帝王の印の專稱とす「御─」後漢書、輿服志「─皆玉螭虎紐、文曰皇帝行─·皇帝之─·皇帝信─·天子行─·天子之─·天子信─凡六」
○諸侯·大夫の印をおしたるかきつけ。左、襄二九「──追而與之」○秦漢以後、天子の印をおしたる文書。又、其の文體の名。文體明辯「天子之書、用璽以封、故曰──」
セン [先]
○美くしきたま。=琁·璇。○─璣は古、天文を觀測せし器。
古、天文を觀測する具。書、舜典「在────、以齊七政」=渾天儀。
玉にて飾りたる宮殿。王勃賦「金室麗妃、──佚女」=璇宮。
ゼン [先]
玉に似たる一種の石「─玟」
ヨ [魚]
─璠 ヨハン は玉の一種、璠(玉部十二畫)を見よ。
15畫
ケイ ギャウ [庚]
又、璚に作る
○赤きたま。○うつくしきたま。○采色美くし。○廣く美くしき物の形容に用ふ「─筵」「─姿」
おびだま。詩經、傳「佩玉──、所以納閒」
○玉に似たる美くしき石。詩經、傳「──、美石似玉者、人君之服也」○梅花の異名。宋璟、梅花賦「──綴雪、絳萼著霜、儼如傅粉、是謂何郞」
玉に似たる美石。詩經、傳「──石似玉、卿大夫之服也」
美玉、人の贈物を敬ひていふ。詩、衞風「投我以木桃報之以──」
玉の如き美くしきむしろ。李白、春夜宴桃李園序「開──以坐花、飛羽觴而醉月」
たまのさかづき。江淹、饗神歌「──旣飾、繡簋以陳」=玉斝。
玉のひかり。陸雲、榮啓期贊「景遯──、響和絕音」=瓊煇。
たま。王勃文「──有爛、藻繪多文」
美玉。善き贈物の義。詩、衞風「投我以木李、報之以──」
美玉、よき贈物の義。詩、衞風「投我以木瓜、報之以──」
美くしきたま。竹書紀年「周夷王二年、蜀人呂人來獻──」
たまの如くうつくしきこころ。陸雲、九愍「闌情馥以芬香、──皎其如玉」
玉の山。張協、七命「──層陵」
玉にて飾りたる戶。宋之問詩「畫堂──特相宜」=瓊扉。
うつくしき席。賀裳、臘梅詩「增綺窗之窈窕、助──之芬敷」
たまのつや。裴虔餘、殘雪詩「霽日彫──、幽庭減夜寒」
たまの如く美くしきすがた。高啓、梅詩「──只合在瑤臺」
皇室の子孫に喩ふ。蕭穎士文「瓊枝挺秀、玉葉資神」
才德の備はれる人に比す。藝林伐山故事「佛經云、瓊枝寸寸是玉、栴檀片片皆香」轉じて巧麗なる字句に喩ふ。
玉をちりばめたる美くしき家。揚雄賦「瑤臺──、華屋嵩高」
たまのかんざし。南齊書、崔祖思傳「──玉筋、碎以爲塵、珍裘繡服、焚之如草」
玉の如く美くしき樹。人品の高潔に喩ふ。晉書、王戎傳「王衍神姿高徹、如瑶林──」
うつくしきうてな。杜甫、金華山觀詩「上有蔚藍天、垂光抱──」
美くしきくりや。拾遺記「郭況、光武皇后之弟、富無匹、其內寵皆以玉器盛食、故謂東京郭氏之家爲──金穴」
たまをちりばめたるうつくしきとの。黃庚詩「影浸山河──冷」=瓊宮·瓊館。
玉の如くうるはしき花。劉禹錫、遊桃源詩「靑囊旣深味、──亦屢摘」=瓊蕊。
玉のさかづき。唐書「張說與徐堅、論近世文章、曰、王翰如──王斝、雖爛然可珍、而多玷缺」
たまのこな。韋應物詩「莫遣兒童觸──、留待幽人廻日看」
宋代、進士の及第者に賜ふ宴。宋史、選擧志「進士始分三日、自是錫宴就瓊林苑」
月中の宮殿の形容。拾遺記「俄見月規半天、────爛然」蘇軾詞「又恐────、高處不勝寒」
瓚(玉部十九畫)の俗字。
テキ [錫]
玉のきず(瑕)呂覽「寸之玉必有瑕─」
レイ [齊]
通音り、又、黎·璃に作る
玻─ ハリ は寶石の一。又、硝子 ガラス
レキ [錫]
○ひかり、てらす「玓─」○明かなる珠。
16畫
クヮイ [灰]
○美玉。○めづらし、瑰(玉部十畫)に同じ。
すぐれて大いなり。晉書、卻詵傳「博學多才、──倜儻」=瑰偉。
奇特なり。莊子「其書雖──而連犿無傷也」
あづらし。左思賦「搜──」=珍奇。
めづらしき器量。梁元帝文「僧旻法師、蓋天地之淳精、宇宙之──」
すぐれて珍らしき品物、珍奇なる品。張衡賦「──方至、鳥集鱗萃」
美くしくすぐれる。晉書「阮籍字嗣宗、容貌──、志氣宏放」
すぐれたる才。駱賓王詩「玉帳引──」=奇才。
すぐれたるすがた。曹植文「──豔逸、儀靜體閑」
すぐれてひいでる。唐書、呂元膺傳「姿儀──、有器識」
ロウ [東]
○玉の相觸れて發する聲。○あきらかなる貌「玲─」
金玉のこゑ。楊載詩「散珠分的皪、擊玉碎──」=玲瓏。
○玉などの觸れ合ふ聲。周伯琦詩「星鈴綵校聲──」○明かなる貌。韓愈詩「亹亹新葉大、──晚花乾」=玲瓏。
17畫
エイ·ヤゥ アウ·ヤゥ [庚]
○─珞 ヤウラク は玉をつなぎたるくびかざり。○─琅 エイラウ は玉に似たる石の名。
たま。晉書「馬韓俗、不重金銀錦罽、而貴──、用以綴衣」
玉に似たる一種の石。
たまをつなげる頸飾。後漢書、三韓傳「──以綴衣爲飾」
18畫
クヮン [翰]
○一種のたま(珪玉)左、昭十七「用─斝玉瓚」○人の名「陳─」
19畫
サン [翰]
○たま(圭)○宗廟の祭に酒を進める具、柄に圭を用ふる故に玉─又圭─といふ。