冂部
0畫
①ケイ·キャウ [靑]
②ケイ·キャウ [迥]
①國邑の遠き界。○まき。說文「邑外謂之郊、郊外謂之野、野外謂之林、林外謂之─」=冋·坰。
②とほし(遠)○むなし(空)
2畫
ゼン [琰]
冉に同じ
○すすむ(進)行く貌。○龜の甲の緣 へヲ
行く貌。楚辭、九章「老──其將至兮」=冉冉。
①バウ [號]
②ボウ [宥]
①こどものかぶりもの、小兒の頭衣。=帽。
②おほふ(覆)
3畫
冂(部首)に同じ、坰(土部五畫)の古字。
サク [陌]
策に通ず、通音冊は本字サツ
○爵位封祿を授くる時のみことのり(符命)○かきつけ(簡)ふみ(書籍)○書物を數ふる詞「一─」○はかりごと(謀略)
勅書を與へて官に任ずる。晉書「前代三公──、皆設小會」
皇后皇太子などの立つ時、みことのりを書して命ずる。事物紀原「漢儀四品、一曰、策書·策、簡也、今──卽是、蓋始於漢、書顧命曰、丁卯命作冊書、則漢緣周事也」=策命。
詔敕にて皇太子皇后等を定め立てる。
○とぢほん、帳面。○ほん、書物·草紙。
書名、一千卷、宋の王欽若等敕を奉じて撰す、太平御覽と竝びて、宋代類書の冠冕たり、三十一部一千一百四門に分ち歷代君臣の事迹を集錄す。
冊(前條)に同じ。
ゼン [琰]
冄(冂部二畫)に同じ
姓「─有「」─伯牛」
周代の魯の人、字は子有、孔門十哲の一人、孔子曰く、千室の邑、百乘の家、求や其の賦を治めしむ可しと。
行く貌。=冄冄。
周代の魯の人、名は耕、孔子の弟子、德行の科に列す。
周代の魯の人、字は仲弓、孔門十哲の一人、孔子曰く、雍や南面せしむ可しと。
4畫
クヮ [馬]
わかつ(別)人の肉を剔 ケヅ りて其の骨を置く義。
サイ [隊]
○ふたたび(二囘)ふたたびする。論、公冶長「─斯可矣」○かさぬ(重)○ふたつ(兩)
國 再婚に同じ。
一旦閉ぢたるものを二度重ねて開く。
考へなほす、ふたたび考へる。
傳染性熱病、一週閒又五六日を隔てて發熱するが故。=囘歸熱。
ふたたび事をあげる。
ふたたび出あふ、再度めぐりあふ「父子──」
ふたたびたてる「本堂──」
○再び現はるる。又、再び現はす。○心理學上一旦經驗したる表象の再び意識中に現はるるをいふ。
ふたたびかへりみる。漢書、外戚傳「一顧傾人城、──傾人國」
ふたたびおこる。唐書、高僧傳「慨前陵廢、欣今──」
國 たびたび、幾度も幾度も。
○ふたたびつくる、つくりなほす。唐書、郭子儀傳「國家──、卿力也」○いきかへる。魏書、高允傳「荷殿下──之慈」
をとつひ、一昨日。
兩三囘、たびたび。漢書、翟方進傳「──奏事」
ふたたび考へ思ふ。
刑事事件の判決確定の後、疑はしき點ある時、更に上級裁判所をして審理判決せしむるをいふ。
年上のまたいとこ。
またいとこ、祖父の兄弟の孫。我國にてはいとこの子、父母の兄弟姉妹の孫。
年下のまたいとこ。
ふたばんどまり。左、莊、三「一宿爲舍、──爲信、過信爲次」=信宿。
いきかへる、よみがへる。=再造。
再婚の義、二度よめいりする、醮は冠娶の時の飮酒の禮。家語、本命「旣嫁從夫、夫死從子、禮無──之端」
ふたたび當選する。又、再度選擧する。
ふたたび訂正する、二度改め正す。
ふたたび。=二囘·二度。
ふたたびくりかへしてよむ。宋史、張方平傳「方平少穎悟絕倫、凡書皆一閱不──」
ふたたび官に任ずる。
ふたたびおじぎする、丁寧に禮拜する。曲禮「──稽首」=三拜·九拜。
ふたたび罪ををかす。
國 同一の書物を再び版に刻む。=重刻。
再びおこる「病氣──」
ふたたびきたる。史、淮陰侯傳「時者難得而易失也、時乎時、不──」
5畫
ケイ キヤウ [靑]
あきらか(明)ひかる(光)
光りかがやく貌。韓愈詩「蟲鳴室幽幽、月吐牕──」
光り明かなる貌、木華、海賦「──鳥逝」
6畫
冒(冂部七畫)の俗字。
7畫
チウ [宥]
○かぶと(首鎧)○ 國 ヨロヒ 誤りて甲胄を轉倒して訓む。
①バウ·モウ [號]
②バイ·マイ [隊]
③ボク [職]
①おほふ、おほひ(蔽·覆)○をかす(侵·犯)むかう見ずに進む「─矢石」○むさぼる(貪)○わたる(涉)○ふれる(觸)○かぶりもの(頭巾)漢書、雋不疑傳「著黃─」=帽。○かうむる(被)○かりに名のる、假稱する。漢書、衞靑傳「─姓衞氏」○そねむ、媢に通ず。○いむ(忌)
②毒─はたいまい、鼈の屬。=玳瑁。
③むさぼる、犯して取る「貪─」○─頓 ボクトツ は、古、匈奴單于 ゼンウ の太子の名。
同訓異義
ヲカス 冒·侵·犯·干の別は侵(人部七畫)の條を見よ。
すすみおこなふ。
危險ををかす。
そねみにくむ。書、秦誓、「──以惡之」=媢疾。
他家のあとをうけつぐ。梁武帝、申飭選人表「──良家」
みだりにをかしすすむ。韓愈文「──之患生、曠官之刺興」
老人の頭にかぶる綿帽子。漢書、周勃傳「太后以──提文帝」
いつはりて稱すること、氏名などをいつはる。
他の姓を假稱す。漢書、衞靑傳「故──爲衞氏」
原籍をいつはり稱する。
他人の物ををかし取る。
言語文章等の前置 マへオキ 前口上。
をかしげがす、無禮をする。
他人の物を我物とみとめる。
事理を問はずしてむかう見ずに進む。
名をいつはる(僞名)
匈奴の單于の名。史、匈奴傳「及──立、攻破月氏」
8畫
ク [虞]
○おほふ(覆)○殷代の冕 カンムリ
コウ [宥]
○かまふ。=構。○宮中の構結深密 オクブカシ の處。詩、鄘風「中─之言、不可道也」
9畫
ベン [銑]
かんむり、大夫以上のかんむり。朝儀祭禮等に著用す、上に織物もて掩へる板を載せたるもの。說文「古黃帝初作─」
貴人の儀式に用ふるかんむりと服と。書、太甲「伊尹以──、奉嗣王、歸于亳」
貴人の冕 カンムリ の前後に垂れ下げる珠玉。天子の冕は十有二旒、諸侯は九、上大夫は七、下大夫は五旒。康熙字典「──以絲繩貫玉、垂冕前後也」