勹部

0畫

勹  

ハウ [肴]

つつむ(包·裹)

1畫

?  

シャク [藥]

○くむ、酌に通ず。○ひしゃく、酒、又水などを酌むに用ふる具、杓に通ず。○とる(取)○すくなし(少)ひしゃくに一ぱい程の量の轉義。中庸「今夫水、一─之多」○升目、一合の十分の一。○地積の單位、一坪の百分の一、一合の十分の一。○周公旦の創作せし音樂の名。漢書、禮樂志「十三舞─」

【勺藥】 シヤクヤク 

牡丹に似たる香草。詩、鄭風「贈之以──」=芍藥。

2畫

勻  

①イン [眞]

②キン [眞]

①ととのふ(齊·均)杜甫、麗人行「肌理細膩骨肉─」○すくなし(少)○あまねし(徧)

②ひとし。=均。○ 國  にほふ。又、匂に作る。

勾  

コウ ク [尤]

○まがる(曲)くぎり、又、くぎりをつける。=句(口部二畫)○ 國  ─を漢音コウに讀みて動詞として用ひ、句を吳音クに讀みて名詞として用ふ。

【勾檢】 コウケン 

一一とりしらべる。白居易詩「──簿書多鹵莽」=案驗。

【勾當】 コウタウ 

○任務を擔當する。歸田錄「──公事囘=句當。○ 國  官名、掌侍の首位にある──內侍の略、攝家にて勘定方、卽ち會計吏。眞言宗にて寺務を執る役僧。又、盲人の官名、檢校の下、座頭の上に在り。

【勾欄】 コウラン 

てすり。通雅「吐谷渾于河上作橋、長一百五十步、──甚嚴飾、──之名、始見此」=鈎欄·勾闌。

勿  

①ブツ·モチ [物]

②ボツ·モチ [月]

①なかれ、禁止の辭(毋·莫)論、學而「過則─憚改」なし(無)あらず(非)否定の辭。○いつくしむ(愛)○つとむ(勉)○にはか(猝)

②はらふ(拂)塵を去る。

【勿勿】 ブツブツ 

○にはか、急遽なる貌。陸雲文「──少暇」○つとめてやまざる貌。=勉勉。

【勿論】 モチロン 

 國  論ずるまでもなし、いふまでもなし、もとより、無論。

【勿怪】 モツケ 

 國  思ひがけなし、思ひ設けぬ「──の幸」

【勿體】 モツタイ 

 國  ものものしきやぅす、容態「──ぶる」

匂  

 〔國字〕  

○にほふ、かをる、香氣を發する。○うるはしく映ずる「朝日に─ふ」○にほひ、香氣、芳香。

?  

 〔國字〕  

もんめ(文目)重量の稱、一貫の千分の一。

3畫

匃  

カイ カツ·カチ [泰]

一に、丐又匄に作る

○こふ(乞)○もとむ(求)漢書、西域傳「乞─無所得」○あたふ(與)後漢書、竇武傳「─施貧民」

匄  

カイ []

匃(前條)に同じ。

匆  

俗に怱と同じく用ひ、──と連用して急遽の義とす、

一說、勿勿を誤用せしならんと。

包  

ハウ ヘウ [肴]

○つつむ。禮、樂記「倒載干戈、─之以虎皮」つつみ(裹)つつみしもの、つと(苞)○いる(容=○とる(取)○かぬ(兼)すべる(總)○ふくむ(含)○をさむ(藏)かくす(隱)李翺、幽懷賦「─深懷而吿」誰」○おひしげる(叢生)書、禹貢「草木漸─」苞に通ず。○はらごもり、はらごもる(孕)○くりや。易、姤卦「─有魚」=庖。○ひさご。=匏。

 同訓異義 

カヌ 包·兼·該·攝の別は兼(八部八畫)の條を見よ。

【包圍】 ハウヰ 

とりかこむ。「──攻擊」

【包含】 ハウガン 

つつみふくむ。後漢書「──山澤、遠帶丘荒」=包容。

【包犧】 ハウギ 

伏羲に同じ〔易、繫辭〕=庖犧。

【包擧】 ハウキヨ 

囊にて物をつつむ如く、悉く取る。漢書、賈誼傳「席卷天下、──宇內」

【包裹】 ハウクワ 

つつむ。范成大詩「葉貴蠶飢危欲死、尙能──一絲窠」絲窼はまゆ。

【包懷】 ハウクワイ 

つつみいだく。すべて所有する。晉書、武帝紀「廓淸梨岷、──楊越」

【包荒】 ハウクワウ 

荒穢 ケガレ をつつみ容れる。宰相が人の言を聽きいれる器量ある義。易、泰卦「──用馮河」

【包括】 ハウクワツ 

まとめてひとくくりにす。西京雜記「賦家之心、──宇宙」=總括。

【包莖】 ハウキヤウ 

かはかぶり、皮が龜頭につきて離れざる男根。

【包裝】 ハウサウ 

にごしらへ、つつみよそほふ。

【包藏】 ハウザウ 

心につつみかくす。左、昭、元「──禍心」

【包子】 ハウシ 

○銀錢を包みて封じたるもの。宋武林遺事「大內賜──」○饅頭の餡 アン のあるもの〔鶴林玉露〕

【包纒】 ハウテン 

つつみまとふ。つかねくくる。韓愈詩「古道自愚惷、古言自──」

【包茅】 ハウバウ 

つかねたるちがや、祭に酒をそそぎて供へるもの。左、僖、四「爾貢──不入、王祭不共」

【包容】 ハウヨウ 

つつみいれること。人の說などを容れる廣き度量。

【包羅】 ハウラ 

ひきくるめる。孟子題辭「──天地」=網羅。

4畫

匈  

キョウ [冬]

○むね。=胸。○みだる(擾)さわぐ(騷)亂れ騷ぐ。○──はかまびすしき聲、又、亂れさわぐ貌。

【匈匈】 キヨウキヨウ 

○さわぎてみだるる貌。漢書、高帝紀「天下──」○かまびすしく議論する聲。荀、天論「君子不爲小人之──也而輟其行」

【匈中】 キヨウチユウ 

むねのうち。漢書、司馬相如傳「其於──、曾不蔕芥」=胸中。

【匈奴】 キヨウド 

支那の北方にて威をふるひしゑびす。土耳其 トルコ 種族に屬す。=山戎·熏粥·獫狁·玁狁。

6畫

匌  

カフ [合]

○めぐる(周)○ふさぐ、氣がふさがる(鬱)○匒─は石などの重疊 カサナル せる貌。

匊  

キク [屋]

或は掬に作る

○にぎる(握)物の手に在るなり。○むすぶ。○兩の手、又、一手、たなごころ(掌)詩、小雅「終朝采綠、不盈一─」

匋  

①タウ [豪]

②エウ [蕭]

①すゑもの(陶器)今は陶に作る。○陶器を作る。

②かはらがま。=窯。

7畫

匍  

ホ フ [虞]

○はらばふ。○ふす(伏)前に伏す。○つまづく(顚蹶)

【匍匐】 ホフク 

○はらばふ。小兒が手を地につけて行く。孟、滕文公「赤子──將入井」○はしりつまづきて急ぐ。詩、邶風「凡民有喪、──救之」

【匍匐莖】 ホフクケイ 

地にはひつつ隨處に根を生じてのびるくき。甘藷 サツマイモ の類。=匐枝。

9畫

匏  

ハウ [肴]

○ひさご、ふくべ、瓜の一種、外皮を乾して水漿を容れる器とし、又水を泳ぐに腰に著けてうきぶくろに代ふ。詩、邶風「─有苦葉」○しゃうのふえ、笙竽の屬、八音の一。

【匏瓜】 ハウクワ 

○ひさご。論、陽貨「吾豈──也哉、焉能繫而不食」=瓠。○星の名。宋史、天文志「──五星在離珠北」

匐  

ホク [職]

通音フク

はらばふ、ふす(伏)「匍─」

10畫

?  

アフ [合]

婦人のかみかざり、髻飾。杜甫、麗人行「頭上何所有、翠爲─葉垂鬢脣」

匑  

キュウ [東]

かがむ、──は謹み敬ふ貌。

匒  

タフ トフ [合]

かさなる(重疊)

【匒匌】 タフカフ 

石などのかさなる貌。木華、海賦「磊──而相豗」

14畫

匔  

キュウ [東]

匑に同じ

──は謹みうやまふ貌。史、魯世家「──如畏然」