几部
0畫
キ [紙]
俗に机に作る
○おしまづき(踞─)ひぢかけ、おしまづき、つくゑ(案)○やすし。○──は安重の貌。詩、豳風「赤舄──」
つくゑ。齊書、劉善明傳「牀榻──、不加剗削」
○ひぢかけ(脇息)と座席 ムシロ と。荀子「牀笫──、所以養體」=几席。○古の祭の席〔周禮〕
つくゑをはらふ。儀禮「主人──授校、拜送賓」
つくゑと、たなと。章應物詩「──積羣書、時來北窗閱」
つくゑと、すずりと。楊萬里詩「──生筆光」
ひぢかけと、むしろと。史、禮書「疏房牀笫、──所二以養體也」
ひぢかけと、つゑと、皆老を養ふ所以の具。曲禮「大夫七十而致事、若不得謝、則必賜之──」
國 古、貴人の家に備へたる家具の一、臺に柱を立て橫木に帷 トバリ を垂れしもの、內外を遮るに用ふ。
1畫
ハン ボン [咸]
俗に凢·凡に作る
○みな(皆)おほむね(大槩)漢書、揚雄傳「請略擧─」○すべて(總)○おしなべて。中庸「─爲天下國家有九經」ことごとく(悉)○つね(常)なみ、尋常。魏志、董昭傳「昭受恩非─、不敢不陳」○なみのもの、尋常の人。○仙の對稱、俗人·俗界。○かず(數)○かぞふ、あつめはかる。
同訓異義
スべテ 凡·渾·總·都の別ば渾(水部九畫)の條を見よ。
もろもろ、多くのものをすべていふ。國語「──箴規、吾盡聞之」
卷首にかかげて書中の大旨と編纂の體例とをのべるはしがき。杜預、左傳序「其發凡以言例、皆經國之常制、周公之垂法、史書之舊章」
速にさとる意。宗鏡錄「還丹一粒、轉鐵爲金、至理一言、────」還丹は仙藥。
つねなみのしな、尋常の品格。=凡器。
見識の低き目。=俗眼。
つねなみの才能。晉書「此人非──也」=凡才·凡材。
おろか、凡庸にして淺薄。姚崇文「僕本──之材、素無經濟之具」
つまらぬ人。=凡庸。
つまらぬからだ、平凡なる人格。仙骨の對。蘇軾詩「欲換──無金丹」
つまらぬ人、凡庸の人。宋書「散木──、皆可入用」
つねなみの人。列仙傳「或謂──」=凡夫。
なみなみのてぎは、平凡なる技倆。=凡技。
つまらぬただの人人。=凡民。
佛 僧綱以下の役僧の總稱。
つねなみの人。品格いやしき者。梁武帝文「因彼──、喩此中玄」=凡庸。
つねなみにて才短し。晉書、陸玩傳「臣實──、風操不立」
凡庸の人物に喩ふ。世說、簡傲「嵆康與呂安善、每一相思、千里命駕、安後來、値康不在、喜出戶延之、不入、題門上作鳳字──也」喜は康の兄。
つねなみのこども。神童の對。南史「蔡興宗年十歲喪父、哀毁有異於──」
いやしき俗人。晉書「庾亮傳「臣──小人」
○なみなみの男。○ 佛 未だ佛道を悟らざる者。法華經「──淺識、深著五欲」
つねなみのたみ、凡庸の民。孟、盡心「待文王而後興者、──也」
つねなみ。史、周勃世家贊「才能不過──」
つねなみのもの。任昉、爲范尙書讓封侯表「臣素門──、輪翮無取」
3畫
處(虍部五畫)に同じ。
〔國字〕 たこ、いかのぼり(紙鳶)
4畫
〔國字〕 こがらし、秋末より冬初にゎたりて吹きすさむ風。
〔國字〕 なぐ、なぎ。風波しづまる。
6畫
ヒョウ ヘイ [蒸]
凴に同じ
○よる(倚)几に依る。○もたれる、よりかかる。史達祖、詠燕詞「日日畫欄獨─」
9畫
クワウ ワウ [陽]
ほうわうの雌(鳳は雄)想像上の靈鳥、雞頭蛇頸燕頷龜背魚尾五采あり、高さ六尺許、聲は五音に中り、梧桐にあらざれば棲まず、竹實にあらざれば食はず、醴泉にあらざれば飮まず、飛べば羣鳥これに從ふ、天下治平の嘉兆としてあらはるといふ。通じて皇に作る。書、益稷「鳳皇來儀」
10畫
ガイ [賄]
愷に同じ
○やわらぐ(和)○たのしむ(樂)○よし(善)善き人。史、五帝紀「高陽氏有才子八人謂之八─」○かち、戰勝。○かちどき、戰捷 カチイクサ の音樂。史、主父偃傳「天子大─」
戰勝の時にうたふ歌。凱旋の軍歌。蔡邕、禮志「黃帝使岐伯作軍樂──」=愷歌。
かちいくさの音樂。周禮、大司馬「──獻于社」=愷樂。
戰に捷ちて歸る。梁元帝文「班師──、休牛息馬」=凱旋。
戰捷ちて凱歌を唱へてかへる〔宋書、謝靈運傳〕=愷旋·凱歸。
凱旋の將士を迎へ入れる爲め、又は戰勝を記念する爲めに建てる大門。
戰に勝ちてぢんやに歸る。
やはらぎたのしむ、弟は悌。詩、小雅「──君子、民之父母」=愷悌·樂易。
○和らぎ吹く風。詩、衞風「──自南、吹彼棘心」○南風。爾雅、釋天「南風謂之──」
12畫
トウ [徑]
こしかけ(牀)の屬。
凭(几部六畫)に同じ。