土部
0畫
ト [慶]
一音ド
○つち、どろ、地。易、離彖傳「百穀草木麗乎─」くが(陸)○ところ(場所)○ゐどころ(居處)ふるさと。○くに(邦國·領地)○わざ(業)○はかる(度)○つちのかみ(地祇)○五行の一、位置にては中、人倫にては君、時にては夏、音にては宮、色にては黃、味にては甘に配す。○星の名(鎭星)○八音の一、─を燒きて作りたる樂器。○をる(居)○木のね。
あまがへる(雨蛙)色靑くして小く、木に上りて鳴く。=樹蛤。
くにのうち。史、始皇紀「賞及牛馬、恩肥──」
其の地方の人の發音、其の土地の人のこわね。
芋の一種。=何首烏芋 カシユウイモ 毛芋 ケイモ ·土卵。
○國をやすらかにす。史記「──息民」○ ドニヤスンズ 其の地に安んず。禮記「不能──、不能樂天」
つちと、あくたと。轉じて極めて卑しき物に喩ふ。孟、離婁「君之視臣如──、則臣視君如寇讎」
つちのきだはし。史記「堯堂高三尺、──三等」
○つちにんぎゃう。戰國策「夜半──與木梗鬬」=土偶。○にせもの、こしらへもの。莊、田子方「吾所學者直──耳」
其の土地にて勢力あるかねもち。
あなぐら。=土窟。
○その土地に宜しき農作物。左、文、六「無使失其──」○土產 ミヤゲ
土產物 ミヤゲモノ を人に贈るにいふ。
せともの、つちやきの器物、陶器。
黍稷を盛りて神に供ふる土器。韓非、十過「昔者堯有天下、飯於──、飮於土鉶」
土地のさかひ。曹植、漢武帝贊「威振百蠻、恢拓──」
つちにんぎゃう。史記「木偶人謂──人」=土梗。
つちあな。神仙傳「李意期於城都角中、作──居之」
農作する。周禮、地官「草人掌──之法」
烏瓜 カラスウリ の一名、夏白毛ある花を著け、季秋赤色の小瓜を結ぶ。
蝸牛 カタツムリ の異名。
つちくれ、つちのかたまり。
汁を盛る鍋の如き土器、兩耳三足の祭器。韓非、喩老「象箸必不加於──、必將犀玉之杯」
其の土地の言語。=方言。
○やきものし。曲禮、注「──、陶旋」=陶工。○どかた。○つちぶしん、築堤·道路開鑿などの工事。
土木の工事。書、益稷「惟荒度──、弼成五服」=土工。
つちあな。方輿記「秦人呼土窟、爲──」
土民の亂をなす者。土民の一揆。明紀全載「河南──」=土匪。
一里づか。周書「路側一里、置一──」
土と沙と。揚雄賦「匪惟幼稚嬉戲──」=土砂。
前條に同じ。
屍體を土中にはうむる。火葬·水葬の對。南史「──則瘞埋之」
國 つちぐら、火を防ぐため土をあつく塗りこめて建てしくら。
土木の工事。後漢書「造起九廟、窮極──」=土工。
○其の土地の產物。唐書、李德裕傳「物非──」○ 國 みやげもの。
○司空の官の異名。○ ハニシハシ 國 古、土器製造に從事せし家の氏。武內宿禰を祖とす。
○其の國土に生れし人民、土著の人。=土民。○土偶に同じ。
其の土地のかみ、うぢがみ、產土神 ウブスナガミ
どべい、ねりべい。齊書「無貴賤、皆爲板屋──」
つちくれ。史、李斯傳「太山不讓──、故能成其大」
いなごの一種、つちばった、くそばった。
恐れて土の如くあをざめたる顏色。
太陽系中の第六位にある遊星、直徑約三萬里、二十九年と百六十七日にて太陽を一周す。
國 土のつきしままのあし、又、履物 ハキモノ をはきしままの足。
其の土地のならはし。=土風·土習。
水松 ミル の一種、低く小さくして庭木とす。=伽羅木 キヤラボク
○土にて築き上げたる高きだい。○ 國 建物の基礎となる橫木、又、石。轉じて物事のもと、根本。
うど、わかき莖を食用とす。=獨活。
其の土地に永住するもの。史、大宛傳「其俗──耕田」
むかで。=蜈蚣。
どへう(土俵)魏志、蔣濟傳「豫作──、遏絕湖水」=土坉·土墩·土囊。
○どへう。容齋四筆「多備──壅諸城門、以杜水入」=土豚。○大いなる穴。宋玉、風賦「盛怒於──之口」
人の死をいふ、人死すれば魂は天に升り、魄は土に歸る。禮、祭義「衆生必死、死必──」
土著のゑびす。
土著の民の寇をなす者。=土賊·土寇。
つくし、問荊 スギナ の花の稱。早春地下莖より地上にぬき出で、形筆に似たり、煮て食ふ。
○鄕土のはやりうた。○其の土地の風俗。陸機詩「──淸且嘉」
國 ○土豚に同じ。○相撲をとる場所。土を入れし俵二十八個を以て環狀に圍みしもの。=土俵場。
土のくづるる如くくづれる。史、主父偃傳「天下之患、在于──、不在于瓦解」
あなばちの異名。爾雅、注「今江東大蠭在地中作房者、爲──、卽馬蜂」
○ふしん、家屋·堤防·道橋などの工事。晉語「知襄子爲室美、士茁曰、美則美矣、抑──勝、臣懼其不安人也」○身なりを飾らざる義。晉書、嵆康傳「──形骸、不自藻飾」
土地に生ずる穀菜草木。左、昭、七「食土之毛、誰非君臣」
土をまろく盛れる墓。范成大詩「縱有千年鐵門限、終須一箇───」=墳。
支那產の鴉片。支那人の稱。洋藥の對。
國 ○曆の節の名、土の氣の盛んなる時。一年に四期有りて一期を十八日閒とす。春は淸明より立夏まで。夏は小暑より立秋まで。秋は寒露より立冬まで。冬は小寒より立春まで。=土旺。○特に夏の──の稱。暑さの最もきびしく感ずる期閒。
土の中に造りし牢舍。通鑑綱目、宋理宗紀「丁大全改竄新州、──拘營」
○鼹鼠 ムグラモチ の異名。=田鼠。○土にて製せし龍、古、雨を祈るに用ふ。淮南子「──致雨」
鑛物の一、黑色の油狀又は塊狀をなす。油にて解かして塗料に用ふ。アスファルト。
國 つちを司る神。春は竈、夏は門秋は井、冬は庭に居るといふ。=土公神 ドクジン
○くもの一種、長き袋狀の巢を作りて半ば地中に置き、其の底に棲息す。○ 國 上古穴居の人種の名。
俚諺の「塵もつもれば山となる」といふに同じ。荀、勸學「積土成山、則風雨興焉」說苑、建本「────、則豫樟生焉」
1畫
テイ [梗]
○よし(善)○はゆ(生)
3畫
イ [支]
圮とは别
つちばし(土橋)漢書、張良傳「嘗閒從容遊下邳─上」
ウ ヲ [虞]
○くぼむ(窊)史、孔子世家「孔子生而─頂、故名丘」─頂は頭の上のくぼめるをいふ。○きし(岸)つつみ(堤)
ヲ ウ [虞]
○こて(鏝)=杇。○こてにて壁をぬる。
さかん、壁を塗る職人。左、襄三一、註「──塗者也」=圬者。
ケイ ケ [齊]
珪の古字
○たま、瑞玉、上圓く下方なるもの、古、諸侯を封ずるしるしに用ふ。故に重土に从ふ。○いさぎよし(潔)○量の名。黍を六十四あつめたるもの、升の十萬分の一。○かど(廉)「─角」○土─は日影を測る器。
かど。言語行爲などのかどありて他人と融和せざる義。朱熹、孟子序說「程子曰、孟子有些英氣、才有英氣、便有──」
日晷 ヒカゲ を測る木表、日時計をいふ。黃佐、乾淸宮賦「揆日晷騐星文、陳──絜廣輪」轉じて法度·標準などの義とす。
極めて少量の義。撮は三指にて撮 ツマ む程の量、圭の四倍。漢書「量多少者不失──」
宗廟に用ふる酒器。形勺の如し。皮日休文「王有虎臣、錫之──」
禮式の時に用ふる飾りの貴きたま。轉じて人品の高きに喩ふ。詩經「如圭如璋」
極めて小量の義、些少の意に用ふ。王禹偁詩「行年過半世功業無──」=圭撮。
圭は潔、其の收穫を以て祭に奉ずる田。孟、滕文公「卿以下必有──、──五十畝」
いぬくぐり、圭の形の門旁のくぐり。梁昭明太子文「篳門鳥宿、──狐潛」=圭窬。
人より寄せ來りたる手紙を再三くりかへして讀む義。論、公冶長「南容三復白圭」注「白圭之玷、尙可磨也、斯言之玷、不可爲也」とあるに本づく。
くぐり、門旁の小戶。其の形圭の如し。禮、儒行「篳門──、蓬戶甕牖」=圭竇。
ザイ [賄]
○あり(居·存·住)ゐます。○ながらへる、生存する。○あきらか(明)○みる(察)明かに察する。書、舜典「─璿璣玉衡」○確定の意を表はす助詞。大學「─止於至善」○ 國 在所 ザイシヨ 在鄕 ザイガウ の義より轉じて田舍 イナカ の義とす「東京─」
同訓異義
アリ 在·有·或の别は有(月部二畫)の條を見よ。
天子のくらゐにをる。書、堯典「朕──七十載」
國 ○ふるさとに居る。○ゐなか、ざいご。=在所。
鄕里に居る兵士、兵籍にありて現役ならざる軍人の稱。
學校に居る。=在校。
勤めにある、勤務に在る。=在職。
外國に在畱する。
官吏の職に在る。
○ 佛 在俗の人。出家の對。佛本行經「令三人出家、二人──」=俗人。○ 國 ゐなかのいへ。ざいがう。
ところどころ。揚萬里詩「新晴──野花香」=處處。
人は君·父·師の三者によりて生ずるものなれば、其の身の在る所にて死を致すべき義あるをいふ。晉語「欒共子曰、民生於三、事之如一、父生之、師敎之、君食之。非父不生、非食不長、非敎不知、生之族也、故一事之、唯其所在則致死焉、報生以死、報賜以力、人之道也」桓溫文「秉心矯跡、以敦在三之節」
外に出ずに家に居る。=在宅。
職務に從事してをる。晉書「──多所獻替」
生きてよにある、ながらへる、生存。
いにしへ、むかし。詩、商頌「自古──、先民有作」=往昔。
佛 出家せずに家に在る。
己の家に居る。
國 刀劍器物類に製作人の名の記してあるをいふ。
官に仕へざるもの。野は朝の對。孟、萬章「──曰草莽之臣」
ありきたり、これまでどほり。
一時一定の地に畱まり居る、又外國に畱り居る「──民」
チ ヂ [寘]
○つち、下土。○くが、をか(陸)○くに(邦國·領土)○ところ(場所)ゐどころ(居處)たちば(位置)孟、離婁「禹·稷·顏子易─則皆然」○した·しも(底·下位)○したぢ、豫備。○土を主る神(后土)○語尾に添へる無意味の詞「一頭─」「活潑潑─」 國 ○ぢ、布帛の厚み。○文章中の會話を除きたる文句、卽ち作者の語句。
ゐどころ。くらゐ、たちば。=地步。
地上の異變、地震·海嘯など。天變の對。=地變。
地の成立するつなぎ。史記「天柱折、──缺」
ちのさかひ、又さかひうち。周禮、大司徒「以天下土地之圖、周知九州之──廣輪之數」=疆域。
地上に起る不思議なる事がら。家語「天災──、不能加也」=地異·地怪。
人其の地位を換ふれば皆同じ行をなす。孟、離婁「禹·稷·顏子、易地則皆然」
文勢の雄大なるを評す。錦字箋「孫樵云、玉川月蝕詩、退之進學解、莫不拔地倚天、句句欲活」
ことごとく滅びて一物をも畱めず。漢書、魏豹傳、贊「秦滅六國、而上古遣烈、───矣」
地をはらふ。戴叔倫詩「風吹楊柳漸──」さっぱりと跡方もなき義。=掃地。
土地のあたひ。北夢瑣言「以此地奉之、殊不言──」
土地のはて、地のかぎり。=地角。
地上のあくたを拾ふ、事の甚だ易きに喩ふ。漢書、夏侯勝傳「經術苟明、其取靑紫、如俛拾地芥耳」
地上を行く仙人、人の長壽を祝する語。蘇軾詩「先生眞是───、住世因循五百年」
地のはて。徐陵文「天涯藐藐、──悠悠」
地皮に同じ。
地中にて繁殖する植物のくき。俗に誤りて根と稱す、蓮根の類。
くにつかみ、地神。周禮、大宗伯「建邦之天神人鬼──之禮」=后土。
地は永久かはることなし。老子「天長──」
國 俗に皇后陛下の御誕生日を祝ふ祝日の稱。前條老子の語に本づく。
太陽系中第三位に在る遊星。吾人の棲息する世界、稍扁平なる球形を爲すが故。
白茅 チガヤ の異名。
蔓生植物の一。つた(蔦)の異名、鬚根にて樹木又石垣等にはひつく。
地のおほづな、地を成立維持する自然の力。柳宗元、鐃歌「擧天綱頓──」=地維。
土地人事に關する政を掌る官、周代の六職の一。周禮「──司徒、曰敎官之屬」
○土地山川のありさま。史、秦本紀「問其──與其兵勢」○ ヂギヤウ 國 土木を起す爲めに其の土地をならし固める工事。
海に挾まれたる狹く長き地脈が兩大陸を連結する所。=地頸。
官府より下附する土地所有の證明書。宋史、包拯傳「持──自言」
鼬鼠 イタチ の異名。
佛 死者の生前の罪によりて苛責を受くる處。等活·黑繩·合會·叫喚·大叫喚·焦熱·大焦熱·阿鼻の八大地獄に分つ。法華經「受──畜生餓鬼之苦」
硝石 セウセキ の一名。
佛 六道能化の菩薩にて、慈悲を主として子供の靈魂を護るといふ。
ぢむし、すくもむし。本草「蠐螬一名──」
地理書。韓愈、毛穎傳「山經──、字書圖畫、九流百家、天人之書」=地誌·地記。
みさき、陸地の細く海中に突出せる所。=岬。
地皮の成立·組織·性質等を硏究する學問。
大地のゆれ動く義。なゐ。地熱の發作·地皮の收縮·地中の空所の陷落等に因りて起る。周語「陽伏而不能出、陰遁而不能烝、于是有──」
建築物又は竹木等を所有する爲めに他人の土地を使用する權利。
かがりび。周禮、注「燎、──也」=炬燭·篝火。
國 地のうは皮が低き方にすべり落つる現象。
土地に課する租稅。宋史、食貨志「城郭之賦、宅稅·──之類是也」
土地の狀態、山川險易の形勢。漢書「秦形勝之國也、──便利」=地形。
地面の廣さ、土地の面積。
みみず。聲が似たる故。=蚯蚓·歌女·地龍子。
土地に賦課する租稅。唐書、魏徵傳「修洛陽宮勞人也、收──厚斂也」=地稅。
地皮のかさなり。
國 他人所有の土地を借りて居る者が地主に拂ふかりちん。=借地料。
地の中心。庾信表「德動天關、威移──」=坤軸。
土木工事を起し基礎を築くに先だちて、其の建築物の安全を祈る爲め、土の神を祭るまつり。
一定の地に安著して、他に移らざるもの。漢書、食貨志「理民之道、──爲本」=土著。
海陸邦國·山川都邑の位置形狀等を畫きしゑづ。
地うごき。漢書、元帝紀「郡國被──災甚者、無出租賦」
古代の地震機。後漢書、張衡傳「造候風───、以精銅鑄成」
○地面なり。唐書、食貨志「大歷元年、有──錢、每畝二十」○ ヂトウ 國 諸國の莊園のつかさ。源賴朝始て之を置く。
○地につく。北史、魏昭成帝紀「身長八尺、隆準龍顏、立髮──」○地に棄てる。
人の初めて世に生れ出る義。陶潛詩「──爲兄弟、何必骨肉親」
消滅の義。論、子張「文武之道未墜於地在人」
詞句のすぐれたるにいふ。晉書、孫綽傳「嘗作天台山賦、辭致甚工、初成以示友人范榮期云、卿試擲地、當作金石聲」
地にぬりつく。轉じて敗滅する義。史、劉敬傳「肝腦──」
地球の內部の熱さ。=地心熱。
○其の土地。晉書·孝懷帝紀「蒲子──馬生人」○帝都以外の地·ゐなか。
各府縣にて取立てて其の地方の行政費等にあてる稅金。國稅の對。
よきいへがら。門地人望。北夢瑣言「郞君籍如是──、作如是行止」
○地のどだい。=地殼。○己の一身を立つる所。=立脚地。
地球のうはかは。=地殻。
地上に現はれるめでたきしるし。天瑞の對。王融、曲水詩序「天瑞降、──升」
○地のあや。新論「日月者天之文也、山川者地之文也、言語者人之文也」○藥草の一種、半夏 ハンゲ の異名。
地球の構造·天體との關係·氣界水界地熱の作用等を硏究する學問。天文學の對。
陸地と天と相接する水平の一直線、天と地との界目のすぢ。
地上の異變。地震·海嘯の類。漢書「天變見于上、──動于下」=地異。
地位に同じ。
地層のつづけるすぢみち。史、蒙恬傳「不能無絕──」=土脈。
○土地の表面。=地上。○とち、地所。
野生の草の名、われもかう。本草「其葉似楡而長、初生布地、故名」
地球。地は方にして萬物を載するに因りて車輿に喩ふ、淮南子「以天爲蓋、以地爲輿」=坤輿·輿地。
地上の音響。人籟·天籟の對。莊、齊物「子游曰、──、則衆竅是已」
あらかじめ地中に爆發物を埋め置き、敵が其の上を通過する時、爆裂せしめて死傷せしむるしかけ。
道家にて行ふ五月五日の祭の名。雲笈七籤「五月五日名──」
○地形の要害よき義。孟、公孫丑「天時不如──」○土地より產する利益。地の生產。孝經「因天之道、就地之利、謹身節用、以養父母」
○地の高低廣狹等の狀態。易、繫辭「仰以觀于天文、俯以察于──」○陸地の位置形狀·河海山嶽の所在·邦國都邑の形勢·人文の盛衰等のすベて地球に關する事がら。又之を硏究するを──學といふ。
藥草の一、葉の裏表に毛あり、夏、莖のさきに薄紫の花を著く。蘇軾詩「──飼老馬、可使光鑒人」=地髓。
ヒ [紙]
やぶる、こぼつ(毀)書、堯典「方命─族」くつがへす(覆)
くづれやぶる。王禹偁文「雉堞──、蓁莽荒穢」=頽毁·頽圮。
やぶれかける。蘇轍文「支其攲斜、補其──」
やぶれたえる。蔡邕文「微言──、來者曷聞」=斷絕。
4畫
カウ [庚]
阬に同じ
○あな(穴)地の陷りし穴。○たに(壑)莊、天運「在─滿─」○あなにす。いきうめにする。史、項羽紀「詐─秦降卒三十萬」おとしいる(陷)○ほり(塹)○ 俗 圊廁をいふ、廁にゆくを登─といふ。
地面がくぼみて出來し穴。唐書、百官志「──井穴皆有標」
鑛山の穴の口。
穴に陷れてころす。史記「武安君挾詐、而盡──之」=陷殺。
坑殺に同じ。趙岐文「──儒生」
カツ [黠]
○ちり、あくた。○あか(積垢)
①カン [感]
②カン [勘]
埳に通ず、别に轗に作る
①あな(穴)○つかあな(壙穴)○穴を穿ちて葬る、地を穿ちて祭る。○けはし、さがし(險)又、其の事、其の處。○おちいる、おとしいる(陷)○なやむ(艱)○はかる(詮)○鼓などを擊つ聲。詩、陳風「─其擊鼓、─其擊缶」又、力を用ふる聲。○ちひさきもたひ(小罍)○星の名、溝渠水泉を主るといふ。○方位の名、正北。○易の卦の名、─上─下。
②けはしき岸。
行きなやむ。不遇 フシアハセ にて志を得ざる貌〔揚雄、河東賦〕=轗軻·坎壈。
前條に同じ〔後漢書、注〕
○力を用ふる聲。詩、魏風「──伐檀兮」○鼓をうつ聲。詩、小雅「──鼓我」
樂器の名、漢武帝造る、其の聲坎坎として節に應ずるが故、後訛 アヤマ りて箜篌に作る〔樂府津逮〕
おとしあな。鹽鐵論「若陷──、食于懸門之下」=坎阱·陷穽·陷阱。
おちくぼみし井中に住める蛙、人の聞見の狹きに喩ふ。荀子「────、不可與語東海之樂」=井底之蛙。
志を得ざる貌。楚辭、九辨「──兮貧士、失職而志不平」=坎坷。
①キ [微]
②ギン [眞]
①王畿千里の地。=畿。○─父は司馬の官、王畿の兵甲を掌る。
②さかひ、かぎり。淮南、俶眞「四達無竟、通於無─」=垠。
キフ [緝]
あやふし(危)=岌。
①キン [眞]
②ヰン [問]
③エン [先]
鈞に通ず
①ひとし、ひとしくす(等)たひらか、平かにする、平等にする。中庸「天下國家可─也」○ととのふ(調)詩、小雅「六轡旣─」○あまねし(徧)○おなじ(同)○はかる(度)○ろくろ、瓦を造るに用ふる囘轉器。○樂器の名。○音樂上にて音律の變化。
②こゑ、ひびき、韻の古字「音─」
③そふ。史、夏本紀「─河海通淮泗」=沿。
同訓異義
ヒトシ 均·齊·侔等の别は齊(部首十四畫)の條を見よ。
ひとし、ひとしくす。平均一致。唐書、薛平傳「兵鎧完礪、徭賦──」
古の磁器名、宋、均州の窯 カマ 今の河南省禹縣に在り、硃砂紅·鸚哥綠·茄皮紫の三種あり、底に一二等の數目字號ありて記と爲す。
つりあひ。=平衡·平均。
官名、次條を見よ。史記「桑弘羊爲大農丞、管諸會計之事、稍稍置──以通貨物」
其の地に多く產する貨物を缺乏せる地へ運びて賣拂ひ、價の平均を得しむる法。其の官を均輸といひ、各郡國に置く。宋史、食貨志「均輸之法、所以通天下之貨、制爲輕重斂散之術、使輸者旣便而有無得以懋遷焉」
水を平等に配る。漢書「作──約束、以防分爭」
勢力が互に相平均する義。
同じやうに照りかがやく。駱賓王文「璧輪──、或流景于萊城」
あまねし。後漢書、和帝紀「詔曰、荊州比歲不節、今玆淫水爲害、餘雖頗登、而多不──」
同じやうに割りあてる。
平らかにならしととのへる。宋史、陳亮傳「運用人才──天下」
ひとしくうるほふ、生物がひとしく雨露の惠にうるほふ如く、各國各人同等の利益を得る義。
ひとし。北史「禮數──」=均一。
軍服、同じそろひの服の義。左、僖五「──振振」=戎衣·戎服。
ひとしく平かにす。徐寅詩「日月無情也有情、朝昇夕沒照──」=公平。
キン サン [寢]
あな(坎)
死骸を葬る穴。儀禮、旣夕「甸人築──」
ザ [箇]
○すわる。行の對。○すわるべき席 ムシロ 座に通ず。○古、ひざまつく(跪)義に用ふ。曲禮「先生琴瑟書策在前、─而遷之」○まもる(守)左、桓十二「楚人─其北門」○ゐながら、容易に、手足を勞せずして。孟、離婁「千歲之日至、可─而致也」○そぞろに、漫然として。杜牧詩「停車─愛楓林晚」○まきぞへ(連累)「連─」
何事も爲さず、言はざる義。易林「箕踞──名爲無用」
碁をうつ、ゐながら隱遁する義。世說、巧藝「王中郞、以圍棋爲──」=手談。
甲を著たるまま坐して敵を待つ。左傳「裹糧──」
佛 ざぶとんの類。法苑珠林「──之用、本是坐時之具」
まきぞへの罪にて獄屋につながる。宋史、岳飛傳「──兩月、無可證者」
すわってするしごと、手しごと。=坐職。
臀部の骨、骨盤中の下部、一體二枝の骨。=尻骨。
たちゐ。周禮、夏官「敎──進退、疾徐疏數之節」
席順。夢溪筆談「百官會集──」=席次。
ゐながらみる。袖手傍觀する。
ゐながら平氣にて成敗を觀望する。史、任安傳「見兵事起、欲坐觀成敗見勝者欲從合之」
堂の端に坐するは危險なれば、坐せず、危きに近よらざる義。司馬相如、諫獵疏「鄙諺云、家纍千金、────」
夜中より起坐して曉を待つ。書、太甲「伊尹乃言曰、先王昧爽、丕顯、────、傍求俊彥、啓迪後人、無越厥命以自覆」
店に坐してあきなひする。行商の對。=坐賈。
はたらかずにくらふ。ゐぐひ。吳志「後宮之中、──者萬有餘人」
坐業に同じ。
ゐねむりする。ゐねむり。
坐するときは、尸 カタシロ の如く正しくする。曲禮「───、立如齊」
暗礁に船を乘りあげる。
佛 趺坐して悟道を求める。無言靜坐して佛道の妙理を究める修業。魏書、釋老志「觀習經典、──於白渠北」
そば。後漢書「願置章──、以當瞽人夜誦之音」
勞せずしてゐながら物を致す。周書「六轡旣調、──千里」
雜念なくして我を忘れる。莊、大宗師「顏囘曰、囘──矣」
唐の玄宗、樂を二部に分ち、堂下は立奏す、之を立部伎といひ、堂上は坐奏す、之を───といふ。白居易、樂府「立部賤、坐部貴、坐部退爲立部伎」
シ [紙]
もとゐ(基)=阯。劉兼、長春節詩「太平基─千年永、混一車書萬古存」いしずゑ(礎)
トン [元]
○ふさぐ、ふさがる(塡塞)草土をもて水を塞ぐ。○うね(田隴)
ハイ [灰]
又、阫に作る
○をか(阜)○瓦のしたぢ、瓦の未だ燒かざるもの。○ふさぐ、とづ、土にて壁の隙 スキ を封ずる。禮、月令「孟冬使有司─城郭」○屋後の牆。揚雄、解嘲「或鑿─而遁」
ハウ バウ [陽]
○まち(町)ちまた。○へや(室房)いへ(家)春─は太子の宮。寶─は僧寺をいふ。○いがた(型)○ふせぐ(防)ささふ(障)○つつみ(堤)○ 國 ばう、僧形の人にいふ「師の─」「武藏─」又、男の小兒を親みていふ。
まち。=坊巿。
唐の制、妓女の居る所の名。周美成詞「愔愔──人家」
まち。杜陽雜編「──豪家」=坊閒·街巿。
僧の住みて居る所。=僧房。
國 ○坊舍の主の義。僧をいふ。○僧形の人。又頭の圓き物。○毛髮·草木等の無き形容。
巿場をいふ。文獻通考、征榷考「按──、墟巿也、商稅酒稅皆出焉」
みせ。陸游詩「近村──賣新醅」醅はもろみざけ。
巿中にて賣る書物。官本·家塾本などの對。
巿街の門。唐書「今暫逢霖雨、卽閉──」=巷門。
欲心をふせぐ。禮、坊記「刑以坊淫、命以──」
坊舍に同じ。
ハン [阮]
阪に同じ
○さか、傾斜せる山路。○どて、つつみ(堤)澤の障。
ヒ [寘]
○ならぶ(比)相連なる。吳都賦「商賈騈─」
フン ホン [願]
○ちり(塵)○けがる。○あつまる(聚)ならぶ(竝)
衆人が一時にあつまり合ふ。唐書、儒學傳「──京師」
坌は聚なり、盛んにわき出づる。後漢書、禰衡傳「飛詞騁辯、溢氣──」=坌湧。
フン [吻]
○ちり(塵)塵起る、坌に通ず。○大いなるつつみ(大防)○かく(拌)
5畫
アゥ エゥ [肴]
くぼみ(凹所)窊下の地。
堂の中のくぼみたる處。坳は凹に通ず。莊、逍遙遊「覆杯水于──之上、則芥爲之舟」=堂坳。
ふかくくぼむ。柳宗元文「凡──坻岸之狀、無廢其故」
アウ [養]
○ちり、ほこり(塵埃)○くらし(昧)○─圠 アウアツ は際限なき貌。
カ [哿]
一に軻に作る
○ゆきなやむ。轉じて不遇の義とす「坎─」○平かならざる貌。
カン [覃]
るつぼ(土器)
金銀を溶かすに用ふる土製のつぼ。
ケイ キャウ [靑]
冋は古字
林の外の地、郊野「郊─」「林─」
コン [元]
○つち(地)易、說卦「─爲地」乾の對。○くが(陸)○をか(岡)○ひつじさる、西南の方角。○したがふ、乾に順ふ義、すなほ、やはらか(柔順)乾の剛健に對して。○妻の道。臣の道。○易の卦の名、─上─下。○皇后又は女の事に用ふ。乾を天子又は男とするに對して「─極」「─德」
地の成立するおほづな。地の樞紐。姚合詩「賦成傳寫徧──」=地維。
皇后の垂れたまふ恩惠。後漢書「──天下」
坤輿に同じ。舊唐書」大矣──」
皇后のくらゐ。後漢書、皇后紀「宜配天祚正位──」
つち。地の德。易、坤卦「至哉──、萬物資生」
女の守るべきみち。=婦道。
地の中心。杜甫詩「殺氣南行動──」=地軸。
地の萬物を育つる德。易、坤卦「坤厚載物、徳合無疆」轉じて女、又、皇后の德にいふ。
地をいふ、輿は車の物を載せる所。故に地に比す。易經「坤爲大輿」=坤儀·地輿。
地の神。宋書「山嶽河瀆皆坤之靈」=地祇。
スヰ [支]
?は俗字
○たる、さがる、ぶらさがる。○しく(布)後漢書、鄧禹傳「─功名於竹帛」○ほとり。=陲。堂の盡くる處、階に近き邊。又、其の所に居る。史、司馬相如傳「坐不─堂」轉じて國のはて、邊境。○なんなんとす、將に及ばんとする義「─成」「─老」○ほとんど(殆)
おとがひを垂れさげる、食ひたく思ふ形容。歐陽修詩「流涎尙──」=朶頤。
かんむりのひもをたれる。陸雲表「──玉階、論道紫宮」
○衣を垂れ手をこまぬき何事をもせざる義。書、武成「惇信明義、崇德報功、──而天下治」○衣を垂れて手をこまぬく敬禮。禮、玉藻「凡侍於君──」
天下の太平をいふ、前條を見よ。晉書、劉實傳「昔虞任五臣、致────」
をしへをたる。=垂示。
めぐみをかける。曹植詩「君不──、豈云其誠」=垂顧。
垂祉に同じ。宋史、樂志「衆祥萃止、──無窮」
めぐみをかける。庾亮表「先帝龍興、垂異常之顧」=垂眷。
おもひやりをたれる。韓愈文「亦惟少──焉」
をしへをたれる。後漢書「述遵先世、──後世也」=垂敎。
しにかかる。元稹詩「──病中驚坐起」=垂沒·瀕死。
めぐみをたれる。韓愈文「察其辭、而──採納焉」
佛 天竺の佛が衆生濟度の爲めに諸國の神人に生れかはりて出現し、佛法の跡を遺す「本地──」=垂迹。
すみなはの端におもりを附けて下げ、物のゆがみを正すもの、さげずみ。=垂直器。
○將に及ばんとする貌。杜甫詩「江邊一樹──發」=漸漸。○たれさがる貌。薛能詩「滿風輕撼綠──」
食を欲してよだれをたれる。轉じて物を深く望み欲する義。賈誼新書「──相吿」張元幹詩「扁舟莫浪發、蛟鰐正──」
垂直線に同じ。
垂祉に同じ。宋史、樂志「發祥──、永世貽孫」
ふくろをたれる、空囊の義、から、てぶら。齊語「諸侯之使、──而入、稛載而歸」
さいはひをたれる。柳宗元文「宗社──、啓祐皇心」
おもりを絲にてつるしたる如く、地平面と九十度の角度を保てる直線。=垂線。
なみだをながす。史、司馬相如傳「爲之──」神女賦「惆悵──」
さげ髮、轉じて幼兒をいふ。魏志、毛玠傳「──執簡、累勤取官」=髫齔·髫髮。
垂髮の幼兒と白髮を戴ける老人と。後漢書、鄧禹傳「禹所止、輒停車住節以勞來之、父老童稚、────滿其車下、莫不感悅」(髫一に髮に作る)陸游詩「────各欣然」
そら一杯にたれさがる。莊、逍遙遊「翼若──之雲」
帝王の系統を繼ぎて後世に垂れる義。孟、梁惠王「君子創業──爲可繼也」
ほまれを後世にのこす。晉書「──竹帛」=流芳。
しらがおやぢ。=戴白翁。
てほんを後世にのこす。沈約文「方軌前秀、──後昆」
つらら。庾肩吾詩「──澑玉手、含刺冒春腰」=冰柱。
年老ゆるをいふ。張元幹詞「年華──猶離索」
しだれやなぎ。梁元帝詩「──拂砌塵」
七十に近き老人。宋史、王繼濤傳「──之年、殞身鋒鏑」
しだれやなぎ。梁元帝詩「巫山巫峽長、──復垂楊」
つりいとをたれ魚を釣る。世說「王弘之、性好釣魚、上虞江有一處、名三石頭、弘之常──於此」
あはれみをたれる。韓愈文「亦惟少──焉」
天子幼少の時、太后代りて政事を執るをいふ。聞見錄「呂文靖爲相、章獻太后垂簾聽政」
○たれしたたる露。○書法の語、縱に引く畫のをはりをはねずして筆を押へて止むる法。
國 たきの古語。=瀑布。
タク [陌]
拆に同じ
○さく(裂)○ひらく(開)
さけわれる、難產をいふ。史、楚世家「生子六人、──而產焉」
難產をいふ。詩、大雅「先生如達、不坼不副」達は小羊なり、これは姜嫄が后稷を生むの易かりしをいふ。
われさける、破裂する。後漢書、五行志「京師郡國地震、或地──湧水、敗壞城郭」
タン [旱]
○たひらか(平)○ゆるやか、ひろし(寬)論、述而「君子─蕩蕩」
坦平に同じ、夷は平。
ひろく平かなる心「虛心──」宋書、張永傳「勸與永──」
さっぱりとしてかざらず。坦易にして眞率なり。北史、李廣傳「──無私」
心ひろく平か。論、述而「君子坦蕩蕩」晉書「其外──、而內淳至」
ひろき貌。又、平かなる貌。易、履卦「履道──、幽人貞吉」
平かなるみち。韓愈詩「近來自說尋──」
ねころぶ、王羲之の故事に上りて女壻 ムスメノムコ の義とす。晉書、王羲之傳「郗鑒使門生求壻于王導、導令就東廂徧觀子弟、歸謂鑒曰、王氏諸少竝佳、然聞信至咸自矜持、惟一人、在東牀──食、獨若不聞、鑒曰、此正佳壻邪、訪之乃羲之也」俗語、壻を坦といひ、人の壻を令坦といふは此に本づく。
たひらか。劉兼詩「蜀路新修盡──」=坦夷。
坦途に同じ。
①チ [支]
②シ [紙]
③テイ [薺]
①しま、す、小洲。又、水中の高き地。左、昭十二「有酒如淮、有肉如─」○みぎは、なぎさ。爾雅、釋水「小渚曰沚、小沚曰─」
②とどまる(止)○つか、小高き地。○には(場)
③さか(阪)
テン [豔]
○兩柱の閒に設けたる、土にて作りしさかづきだい、獻酬の禮畢りて杯を其の上にふせる。論、八佾「邦君爲兩君之好、有反─」○堂の隅。
ハ ヒ [歌]
○さか(阪)○つつみ(堤)
どてのきし。宣和畫譜「──高下」
蘇東坡をいふ。陳益稷詩「黃州淡月照──」=坡老。
斜に傾きて平かならざる貌。爾雅、釋地「──不平」
つつみ、どて。=堤防·堤塘。
つつみのほとり。
坡仙に同じ。
①フ [虞]
②フ [遇]
①白石英、水晶の類。○いかだ(筏)
②ます(益)附に通ず。
ヘイ ヒヤウ [庚]
○たひらか(平)地の平かなる所。○ 國 つぼ、地面にて六尺四方の稱。=步。又、錦·壁等にて一尺平方。彫刻等にて一寸平方の稱。
6畫
ヱン ヲン [元]
○かき(牆)卑きを─、高きを墉といふ。○たすけ(援)庇護 オホヒマモル する者。詩、大雅「大師維─」○上中下ある星の名。
牆に生ずる苔 コケ の類〔廣雅〕
かき。書、費誓「踰──、竊馬牛」=堵牆。
まがき。元德明詩「晝永──雞犬閒」
①カイ [灰]
②カイ [佳]
通音ガイ
①くにのはて(極土)「九─」○さかひ(界)○數の名、十億を兆、十兆を京、十京を─といふ。○まもり(守)
②かさぬ(重)○かさねたるだん(階級)史、封禪書「大乙壇三─」○ 國 數の名、京の千倍。
安徽省鳳陽府靈壁縣の東南に在り、漢の高祖、楚の項羽を圍みし處〔史、項羽紀〕
キ [紙]
やぶる(毀)
やぶれたるかき。詩、衞風「乘彼──、以望復關」=壞牆。
ギン [眞]
○かぎる。かぎり。李華、弔古戰場文「浩浩乎平沙無─」はて(邊界)爾雅「九天之際、曰九─」○きし(崖)
さかひ。
はて、かぎり。晉書「欲茫茫而無──」=垠堮·涯際。
ケイ キヤウ [靑]
かた、いがた(鑄式)土を以て造りたるもの(竹又、金を以てするを範、木を以てするを模といふ)轉じて、のり、てほん、模範の義とす「典─」「儀─」
いがた。
いがた。=模型。
コウ ク [有]
○あか、ちり、ほこり(塵·滓)○あかつく、よごれる。○けがす、けがる、けがれ(汚)○はぢ(恥辱)左、宣十五「國君含─」
あかつきけがれる。隋書、揚伯醜傳「形體──、未嘗櫛沐」
人の瑕疵を刮り去りて、善行の光を發せしむる、人才を成就する義。韓愈、進學解「────、蓋有幸而獲選」
羞汚を受け忍ぶ。左、宣十五「晉伯宗曰、瑾瑜匿瑕、國君──」瑕は玉のきず。
垢膩に同じ。
あかと、かすと。轉じて汚穢の義とす。長笛賦「漑盥汚穢、澡雪──」
あかや汗あぶらにてよごれる。杜甫詩「入舟雖苦熱。──可漑灌」
けがれたる氣。元稹詩「夜閒心寂默、洞庭無──」=俗氣。
あかつきやぶれる。又、其の衣。唐書「常衣──、居一室」
あかつきたるかほ。漢書「亂首──、不解衣帶連月」
佛 垢が離るる、佛に願を立つる時、水を浴び身心を淸むるをいふ「──を取る」
タ ダ [麻]
ちひさきをか(小丘)
タ ダ [哿]
又、垜に作る
○あづち(射垜)○もんべや(門前の堂塾)
?(前條)に同じ。
テウ [篠]
○畤 マツリノニハ の界。○祭の名。○つかあな、墓地。兆に通ず。
テツ チツ [質]
○ありづか(蟻封)○つか、小高き地。丘阜。孟、公孫丑「太山之於丘─、河海之於行潦、類也」
フク ホク [屋]
○土ふさがる(土壅)○くづれる(崩)
7畫
アイ [灰]
○ほこり、すなけむり。○ちり(塵)ごみ。
すなけむり。ほこりがもやの如く見ゆるもの。轉じてけがれの義とす。晉書、郭璞傳「混光耀于──」=埃霧。
ちり、ほこり。班固、西都賦「軼──之混濁」=塵埃。
ほこり、ちり。晉書、儒林傳「嬴氏慘虐、棄德任刑、煬於墳籍於──」=塵埃。
ちりと、すすと。劉禹錫、驛路記「潰爲──、一篲可掃」
ちりほこりのいきり。宋史、王素傳「──翳空」
くろきほこり。家語「有──墮甑中」
ほこりが霧の如く起る。唐書、李密傳「旣兩軍接、──囂塞」
ほこりの如くにほろぶる。後漢書、張純曹襃鄭元傳論「自秦焚六經、聖文──」
①エン タン [先]
②セン [先]
①きはまり、地のはて(地際)八─は地の八際、八方のはて。○つか穴のみち(墓道)
②ねやす、こねる、水を加へて土を柔かにす。○やはらかなる土。
カク コク [覺]
○いしおほし、山に大石多し。○墝─はやせぢ、瘠薄の地。一說に地が平かならず、さか。史、三王世家「燕地墝─」
クヮン [寒]
○ぬる(髹)漆を灰に和して塗る。○量の名。
セイ ジヤウ [庚]
○しろ、內を─といひ、外を郭といふ。天子、又、國王の居所。○みやこ(都邑)くに(國土)○防禦の爲めに築きたるとりで。○きづく(築城)○佳─は墓地。
みやこ。都城と邑里と。史、淮陰侯傳「以天下──封功臣、何所不服」
城の門。魏書、崔光傳「近在──」
しろのどて。後漢書、西羌傳「築──、作大航」=城塢。
○しろのした。又、城の附近の地。左、宣十五「──之盟有以國斃、不能從也」○ 國 昔、大名の城のあるまち。=城巿·城邑。
居城の下まで、攻め入られて和議を講ずる。左、桓十二「楚伐絞、大敗之、爲────而還」
しろのまはりの堀。李白詩「──失往路馬首迷荒陂」=城池。
前條に同じ。江淹詩「飮馬出──」
城のすみ。李賀詩「──栽石橊」=城隅。
しろのまはりのからぼり。梁書、陸襄傳「修──爲備禦」
城の鎭守の神のやしろ。
城池をほり、其の土を積みて城となすを治に喩へ、其の城土のくづれて隍にかへるは、治極りて、亂生ずるに喩ふ。易、泰卦「────、其命亂也」
しろのくるわ。禮、禮運「──溝池以爲固」又、しろ、內に在るを城、外に在を郭といふ。
しろのものみ。張正見詩「揚鑾出──」=城闕·城闉。
しろの門。詩、鄭風「佻兮達兮、在──兮」=城觀。
城に棲む狐、以て君側に居る小人に喩ふ〔說苑、善說〕晉書、謝鯤傳「王敦謂鯤目、劉隗奸邪、將危社稷、吾欲除君側之奸、何如、對曰、隗誠始禍、然──社鼠也」社鼠は神社に棲む鼠。
しろのまはりの堀。史記「梁伯好土功、治──」=城池·城濠。
城壘に同じ。蜀檮杌「棄──遁還」=城堡。
とりで。陳書「立──以拒官軍」=城壘。
城邑巿坊なり。後漢書、廖扶傳「扶絕志世外、常居先人冢側、未曾入──」
しろのあと。
城下のまち。
しろのぬし。六韜「──逃北」
○城にたてこもりて守る。淮南子「大國出攻、小國──」○ 國 しろもち。德川時代、領地に城を有する大名。=城主。
○二の丸、羅城。宋史「小有堡障、大有──」○しろのまもり。
國 昔、城の主に代りて城を守りし重臣、しろあづかり、城の畱守役。
每旦起きて城を築く役に服せしむる刑徒、四年の刑。史、李斯傳「黥爲──」
○しろのまはりの堀。黃滔詩「流水下──」=城濠·城溝。○しろと堀と。孟、公孫丑「城非不高也、池非不深也」
しろ。雉も城の義。北史、薛孝通傳「據華山以爲──」
土一升に金一升といふが如し。宋の僧淸順、十竹詩「───────、幽軒種竹僅十箇、春風愼勿長兒孫、穿我堦前綠苔破」
城のひめがき。宋史「軍無──、每伐巨木爲柵」=女牆。
みやこ。=都城·城邑。
城の中。後漢書、朱雋傳「以臨──」
しろ、とりで。元史、文宗紀「修──、布兵拒守」=城壘。
城巿と官衙と。後漢書、龐公傳「居峴山之南、未嘗入──」
城府は城と官衙と、人に接するにへだてを爲さず、肝膽を披く義。宋史、傅堯兪傳「堯兪厚重言寡、遇人────、人自不忍欺」
城のかべ。五代史、南唐世家「府庫充實、──修整」
城のうち、城中に同じ。鮑照詩「雞鳴洛──、禁門平旦開」張籍詩「洛陽──見秋風、欲作家書意萬重」
敵を防ぐとりで。齊書、高帝紀「治新亭──未畢、賊前已至」=城堡·城砦·城楊·城寨。
城上のたかどの、遠望すべき者。後漢書、鄧禹傳「光武舍──上、披輿地圖」
垂(土部五畫)の俗字。
①ハ [禡]
②ハイ [泰]
①平かなる川。
②ゐせき(水堰)
①ホウ·フ [尤]
②フ [虞]
①大いなり。○さかんなり(盛)
②くるわ(郭)=郛。○山上に水あるにいふ字。
マイ [佳]
○うづむ、をさむ(藏)かくす(隱)○うづもる。○ 國 うめる、足らざる所を補ふ「─め合せ」
死骸をうづめる。南史、扶南國傳「土葬則──之」
うづもれてあらはれず、うづもれて亡ぶ。孔武仲詩「正爲利欲相──」=埋沒。
美人の葬をいふ。李賀詩「柏陵飛燕骨──」
英才の死をいふ。晉書、庾亮傳「庾亮將葬、何充會之、歎曰、──樹於土中、使人情何能已」轉じて美人の死にもいふ。
ほねをうづめる。白居易詩「龍門原上土、──不埋名」
死者を地中にうめはうむる、はうむり。
うづめかくす。爾雅、注「旣祭──之也」
生れし子の胞衣 エナ を埋める。北魏書、太祖道武皇帝紀「明年有楡生於──之坎」
うづもれふす、ひそむ。
棺をうづめる。後漢書、趙咨傳「生者之情、不忍見形之毀、乃有掩骼──之制」
うづもれて見えず。南史、郭祖深傳「飾口利辭、競相推薦、訥直守信、坐見──」=埋湮。
國 爐·火鉢の類にうづめたる炭火。=宿火。
國 河海等をうめて陸地とせし場所。
ラウ [漾]
○つか(冢)○はるか(迥)○壙─は原野のはてしなき貌。
レツ レチ [屑]
○らち、短き垣、馬─は馬場の短き垣。○山上に停る泉。又、其の堤。○ひとし(等)晉語「叔向·子產·晏嬰之才相等─」○ 國 らち。馬場の周圍のかこひ、轉じて物ごとの捗 ハカド るを「─があく」といふ。
8畫
アク ヲ [藥]
○いろつち(色土)しらつち、しっくい「白─」○しらかべ(粉壁)○どろ(泥)○ぬる(塗)つぐ(次·亞)の義。先づ泥にて塗り之に次ぐに灰を以てぬり飾る。○ぬり飾りたる壁牆、單に牆壁の義にも用ふ。李泰伯、袁州學記「黝─丹漆」○しろく塗らざる室にもいふ。
白くぬらざるあらかべのいへ、喪に服する者の居る室。禮、雜記「三年之喪、廬──之中」
こてにて塗る。漫は墁に通ず。莊、徐無鬼「郢人──其鼻端」
エキ [陌]
場とは别
○あぜ、くろ(畔)田のさかひ、大いなる界を疆、小なる界を─といふ。○くにざかひ(邊境)左、成十三「鄭人怒君之疆─」
坎(土部四畫)に同じ。
ふしあはせ、不遇。馮衍賦「非惜身之──兮」=坎坷。
井の底のかはづ。識見の狹きに喩ふ〔莊、秋水〕=井底之蛙。
キ [支]
○もとゐ、建物のどだい。○よりどころ(依據)もと、根本。○わざ(事業)○物事のはじめ、おこり、もとゐす、はじむ(始)○鎡─はすき(田器)孟、公孫丑「雖有鎡─、不如待時」○きろ。Kiloのあて字。或數量に冠して其の千倍をあらはす「─米 キロメートル 」「─瓦 キログうム 」
○規模また度量の義。蜀志、先主傳評「機權幹略、不逮魏武、是以──亦狹」袁宏、三國名臣贊「堂堂孔明、──宏邈」○もとゐの義。北史、齊昭帝紀贊「齊之──、止在於斯」
基本金に同じ。
基緒に同じ。後漢書「──已定」
もとゐ。後漢書「川河領障之──」
もとゐ。=基礎。
もとゐとなる事業。書經「嗣王丕承──」=基業。
一より九までの九っのかず。順次形を變へ、十に至りてまた元の一にかへるが故。
建物のいしずゑ。轉じて總て物事のもとゐ。=基址。
もとゐ、はじめ。漢書、匡衡傳「室家之道、修則天下之理得、故禮本冠婚、正──而防未然也」
もとゐ、事物の基礎。漢書「明王愛養──」=根據。
事業のもとでとして用ふるかね。=基金。
全智全能の神卽ち天帝の子として猶太 ユダヤ に生れしヤソキりストを祖とする宗敎。=耶蘇敎 ヤソケウ
キ [支]
碕·崎に作る
さき、きしのくま(岸頭)
①キン [文]
②キン [震]
①ねばつち(黏土)=墐。
②ぬる(塗)○わづか、僅に通ず。
些少の貌。漢書、地理志「豫章出黃金然──物之所有」=僅僅。
クワ [箇]
ちり、塵の起る貌。
ゲイ [霽]
埤─は城の上のひめがき(女牆)=睥睨。
①ゲイ [霽]
②セイ·セ [霽]
①うう(種)=藝(艸部十五畫)○わざ(才技)
②勢(力部十一畫)に同じ。
ケン [先]
○かたし(固)つよし(勁)○みつ(實)○かたまる、かたむ(固)「─壘」○かたき所、かたきもの「中─」○てづよく、かならず。歐陽修、論范富狀「─不許辭」○よろひ。─甲の略。「被─」
かたきかこみ。袁淑文「振辨則──可解」
陣營をかたくす、又、かたき陣營。後漢書「强弩乘城、──固守」=堅陣。
かたき敵をおそれずして進む。舊唐書、李光顏傳「──而衝之」
かたき甲胄をかうむり、銳利なる兵器をとる。戰國策「吾────、赴强敵而死、此猶一卒也」
かたき敵陣を押し開きて進む。宋書、宗越傳「──陷陣、氣力兼人」
ぢゃうぶにして製作がたくみなり。甘澤謠「陶峴自製三舟、備極──」
かたくつよし。杜牧詩「指揮羣兒輩、意氣何──」
かたきかはにて造りしよろひ。史、禮書「──利兵不足以爲勝」=堅甲。
かたくたしか。李東陽、石鼓歌「其臣拜誦俱──」
かたきよろひと、するどきはもの。轉じて精兵の義。孟、梁惠王「可使制梃以撻秦楚之────矣」
かたし。書斷「唐歐陽通、詢之子、善書、紙必須──薄白滑者、乃書之」
かたくしてつよし。史、蔡澤傳「百體──手足便利、耳目聰明而心聖智」
かたくこる。立志の堅固なる義。荀子「惟──之難」
かたく全き義。鄭元祐、遊惠山寺詩「地無車馬塵、松筠政──」文徵明詩「文章足蕐煥、秉志亦──」
かたくつよし。素問「其氣急疾──」
かたくして破れず。韓非、解老「城──」=堅牢。
かたくして確實、たしかにして閒違なし。
ぢゃうぶなるはもの、轉じて强き兵力。史記「亞父之用兵、持威重執──」
かたきこころ。孟郊詩「──如鐵石」
堅固なるしろ。蜀志「──皆下」
ぢゃうぶなるたて。獨孤及文「鉤車雲梯、强弩──」=堅盾。
からだがぢゃうぶにてすぐれる、書簡文に用ふ。=壯健、强健。
かたくしてこまか。釋名「罄磬也、其聲磬磬然、──可愛」=堅致。
かたき陣立。晉書「前後屢陷──」
かたくただし。史記「石奢者楚昭王相也、──廉正、無所阿避」
德性が堅く定まりて動かず。論語集注「品節詳明、而德性──、故能立」
かたくして正し、堅固にして貞潔なり。白行簡賦「玉乃──」
堅固なる車に乘り、肥えたる馬に鞭つ。漢書、食貨志「────、履絲曳縞」
がまんづよし。漢書「其人──伉直」
是を非とし、非を是とし、同を異なりとする詭辯、卽ち目にて石を見れば白色を見れども堅を知らず、手にて石に觸るれば堅を知れども白を知らず、然るに堅白とは何ぞやといふの類、趙の公孫龍の學說。史、孟軻傳「趙有公孫龍、爲──────」
かたきこほり。易、坤卦「履霜──至」物事は微細の時に於て戒むべきをいふ。
かたき木。北魏書、甄琛傳「攻──者、必爲之擇良器」
堅き約束。漢書、蕭望之傳「烏孫持兩端亡──」
てがたし。=堅固。
○かたきとりで。杜牧文「名城──」=堅城。○とりでをかたくして守る。魏志「宣王──不應」
①コツ [月]
②クツ [物]
①あな。=窟。
②ほる、地をうがつ。○ 國 ほり穿ちたる川又池。
地下の室。左、昭二七「伏甲于──而享王」=窟室。
國 いしずゑを築かずして土中にいけて建てたる柱「──小屋」
國 深く地中の水脈に及ぶまで穴をほり貫きて、水を地上にわき出さしむる井戶。
國 陸地をきり開きて造りし運河。
サウ ソウ [皓]
掃に同じ
○はく、はらふ、穢を除く「─除」○すつ(棄)○つつみ(隄)きし(岸)竹木にて作り水害を捍ぐもの。
彗星 ハハキボシ の一名〔晉書、天文志〕
シフ シツ [緝]
○とる(取)手に取る。○たもつ(保)まもる(守)もつ(持)論、堯曰「允─其中」○ふさぐ(塞)左、僖二八「願以閒─讒慝之口」○はからふ(處)あつかふ「─政」○とらふ(捕)罪人を捕ふ。孟、盡心「─之而已」○かまへる(構)むすぶ(結)越語「又與大國─讎」○同志の友、父─ フシツ は父の友。○おそる。
同訓異義
トル 執·取·秉·把·操·採等の别は取(又部六畫】の條を見よ。
かたいぢ。名臣言行錄「光曰、人言安石奸邪、則毀之太過、但不曉事、又──耳」
己の意見をかたくまもる。魏書「──抗言」
○志をとること同じき親友。曲禮「──稱其仁也」○父の友。曲禮「見父之執」
一事のみ固く守りて變通を知らず。孟、盡心「執中無權、猶──也」
媒妁人。詩、豳風「伐柯如何、匪斧不克、取妻如何、匪媒不得」
○とりおこなふ、實行する。○法律の用語、當路者が職權を以て法律上定めたる事を實行する「强制──」「──猶豫」○ 國 シユギヤウ 寺院の事務を統ぶる職「吉野の──」
仕拂命令中に定めたる期閒內に債務者が異議を申立てざる時、債權者の請求により區裁判所より發する命令。
正道をとり守る。漢書、賈捐之傳「守道堅固、──不囘」
漢代に宮門を警衞することを掌る官、吾は禦。近衞の長官。後漢書、百官志「───一人、中二千石」後漢書、光武紀「仕宦當作───、娶妻當得陰麗華」
蟹 カニ の異名。事文類聚「蟹名──、以其螯赤」螯ははさみ。
師に從ひて業を受くる。漢書、于定國傳「定國乃迎師學春秋、身──、北面備弟子禮」=執業。
○政治の權力をにぎる。崔寔、政論「聖人──、遭時定制、不强人以二不能」=執柄。○ 國 北條氏の時、將軍を輔けて政を行ふ役、足利時代には管領といふ。
馬のくちとり。
しゃくをもつ。晉書「古昔貴賤皆──」
○貴人に侍して其の家政を掌る臣。又、人を貴びて直ちに名を指さず、其の侍者へまでといふ意より轉じて、貴人の代名詞に用ふ。左、僖二六「寡君使下臣犒──」○事をとり行ふ。論、子路「居處恭、──敬」
束脩の禮を執る義。禮記「──以將命」=執贄。
十二支の辰の異名〔爾雅〕
車中のとりてを手に持つ。綏は執りて車に上る索 ナハ 。論、鄕黨「升車必正立──」
政をとる。又、其の官。史記「唯二三──、猶吾股肱也」
臣民の意見上書などを取次ぎて天子に申し上げる。
法律によりて訴訟に關する書類を送達し、又裁判所の執行處分等を爲す區裁判所に屬する役員。= 俗 承發吏。
中庸の道をとり守る。論、堯曰「天之曆數在爾躬、允執其中」堯が舜に位を禪る時の詞。
ふでをとりて文を作り、又字を書く。=操觚 サウコ
葬を送る義、古、送葬する者必ず柩車の索 ナハ を引きて力を助く、紼は卽ち索。禮記「助葬必──」
○器具のえをとる。禮記「夫人──」○政權をとる。=執權。○ 國 關白の異稱。
むちをとる、御者をいふ。論、述而「子曰富而可求也、雖──之士、吾亦爲之」
事務をとり扱 アツカ ふ。
禮を執り守る。論、述而「子所雅言、詩書──、皆雅言也」
とらへる。書經「盡──以歸于周」=拿捕。
手にとりてもてあそぶ。宋書、張永傳「上每得永表啓、輒──咨嗟自歎」
深く心に思ひ込む、熱中する。又、其の心。陸機詩「──守時信、歲寒終不彫」彫は凋。=執著心。
佛 心に深く思ひこむ。梁武帝詩「──性易驚」雲笈七籤「衆生──是故無明悟」
ショク [職]
ねばつち、はに(黏土)
ねばつち。=粘土。
國 上古、埴輪を製するを業とせし工人、はし。=土師。
國 はに土の地。又、其の土にて作りしもの。土にて作りし賤しき物の形容「──の小屋」賤民の陋屋の形容。
國 埴土にて造りし人·馬·甕等の類。古、墓の周圍に車輪の如く半ば埋めて立てしもの。垂仁帝の時、野見宿禰が之を創め、殉死の代りに用ひしもの。
タ [哿]
○かたきつち(堅土)○薩─は梵語、菩薩に同じ。
タイ [灰]
○うづだかし、高く積みあがる。○をか(阜)○さしおく(舍·措)
金玉を高く積む。富有をいふ。李賀詩「────誇豪毅」
堆朱を見よ。
うづだかくつむ。
うづだかくかさなる。=累積。
朱漆を厚く塗り上げ、これに模樣をほりたる漆器、盆·香合·印籠などに用ふ。=堆紅·罩紅。
タイ [隊]
又?に作る
ゐせき(堰)土を以て水を堰 セ き、往來する船舶に對し通行稅を徵する所。
タウ ダウ [陽]
○おもてざしき(正寢)土を高く盛りて其の上に南向に築きし座敷。○朝廷にて長官の執務する處「政事─」揚雄.解嘲「歷金門上玉─」○高く顯るる貌。○──はただし(正)さかんなり(盛)又威儀整然たる貌。○山の寬くして平かなる處。○住家·屋室·社寺。○俗に母の稱「令─」「家─」○中─は淸朝にて內閣大學士の稱。
堂と室の奧まりし所と、よりて學問の奧義に喩ふ、門に入りて堂に升り、堂よりして室に入る、奧は室の西北隅なるが故。
堂をいふ、宇はのき。齊書、劉祥傳「──畱光、蘭燈有時不照」
父方のいとこ、同堂兄弟の略。北史、公孫表傳「祖季眞云、二公孫同───耳、吉凶會集、便有士庶之異」=從父昆弟。
父の設計によりて子が基を起し屋を構ふる義にて、子が父の業を繼ぎ成せる樂。書、大誥「肯構肯堂」の語より出づ。李攀龍文「家庭之美、────、快何如也」
表ざしきと、奧ざしきと。後漢書、橋元傳「以幼年逮升──」
○父母をいふ。穀梁傳「禮、送女、父不下堂」北史「太夫人在堂」父母は──に在るが故。○官長をいふ、──にて事を治むるが故。○ 國 四位以上の昇殿を許されたる官人の稱。殿上人 デンジヤウビト
○容儀盛んなる貌。論、子張「──乎張也」○立派に整頓せる貌。孫子、軍爭「勿擊──之陣、勿邈正正之旗」正正は齊ふる貌。
極めて高大なる堂。孟、盡心「────、榱題數尺、我得志、弗爲也」
道にすすむ次第をいふ。論、先進「門人不敬子路、子曰、由也、升堂矣、未入於室也」
表ざしきと、ゐまと。儀禮、疏「──無事」
ざしき。廡は堂のまはりの廊、堂下の周屋。列子「──之上、不絕聲樂」
宰相の互に相呼ぶ稱。國史補「宰相相呼爲──」
デイ [齊]
どろ、ひぢりこ。=泥。
①ハイ [灰]
②ハイ·バイ [賄]
③ホウ [有]
①つちかふ、草木の根に土を被ひ養ふ。やしなふ(養)ます(益)
②かさなる(重)○そむく(陪)○つか(冢)
③つつみ(隄)ちひさきをか(小阜)
根本をつちかひやしなふ。趙孟頫詩「──利秋實、仰天望年豐」
○つちかひ植う。宋史「林木非──、根株弗成」○人才を養成する義。金史「專以──奬勵後進、爲己責任」
草木をつちかひやしなふ。轉じて事物を助けて發達せしめる。朱熹詩「新知──轉深沈」
つちかひまもる、培植壅護の義。宋史「以──有宋三百餘歲之基」
小さき阜 ヲカ 左、襄二四「──無松柏」今本、部婁に作る、通ず。
①ヒ·ビ [支]
②ヒ·ビ [紙]
③ヘイ·ハイ [霽]
①ます(增)つく(附)おぎなふ(補)あつくす(厚)○かき、低き牆。
②低くして濕氣ある地。晉語「松柏不生─」○百畝の田の稱。
③城上のひめがき(女牆)=陴·壀·俾。
多く增し加ふる。詩、邶風「政事一──我」
卑く下る。操行が高潔ならず。荀子「好其實、不恤其文、是以終身不免──傭俗」=卑汙。
二十卷、宋の陸佃撰す。爾雅の埤補たる義、釋魚·釋獸·釋鳥·釋蟲·釋馬·釋木·釋草·釋天の八篇に分ちて、字義を說明す。
低くしめりけのある地。司馬相如、子虛賦「其──則生藏莨蒹葭」=卑隰·下濕之地。
城のついぢ、ひめがき。集韻「──、女牆也」
ホ フ [遇]
はとば(波止場)商船の發著所、もと步に作る「商─」
はとば。通雅「──、水瀕也」
①ホウ [徑]
②ヒョウ ホウ [蒸]
①ほうむる(葬)土をかけてうづめる(埋)
②あづち(射埓)=垜。○ゐせき(堰)
ヨク ヰキ [職]
○さかひ、かぎり「區─」○かぎる、さかひする。孟、公孫丑「─民不以封疆之界」○くに(邦國)「異─」○ところ(場所)○きは、はて、極端。
宇內に同じ。駱賓王文「請看今日之──、竟是誰家之天下」
野(里部四畫)の古字。
9畫
アン [感]
つかあな(壙)の中の埋藏する處。
イン [眞]
陻と通ず
○ふさぐ、ふさがる(塞)うづもる。○つちやま、土にて築きたる山。公羊、宣十五「子反乘─而窺宋城」
氣むすぼれふさがる。韓愈文「爲之樂、以宣其──」
ふさがりとどこほる。=堙窒。
次第におとろふ。=堙陵。
ふさがりて通ぜず。宋史「河渠──」=堙塞。
うづもれてきえる。史、伯夷傳「若此類、名──不稱、悲夫」=湮滅。
次第におとろふ。唐書「大歷政刑、日以──」=堙替。
エン [霰]
又、隁に作る
ゐせき(埭)土を築きて水の流を塞ぐ所。
○ゐせき。船舶の通行稅をとる爲め河中の水をせきたる所。〔唐書、食貨志〕○田地の灌漑の爲めに設くるゐせき。宋史「坡塘──、可以取水灌漑」
界(田部四畫)に同じ。
階(阜部九畫)に同じ。
ガク [藥]
きし(岸)がけ(厓)
カン [覃]
○たふ、もちこたへる(任·勝)こらへる、しのぶ「─忍」○天をいふ「─輿」○山形の奇怪なる貌。○地中の穴。
同訓異義
タヘル 堪·耐·勝·任等の别は耐(而部三畫)の條を見よ。
○山が奇怪なる形してそばだつ貌。揚雄、蜀都賦「──隱倚」○ カンダウ 國 目上に逆ひて逐はる。
たへしのぶ、がまんする。魏書、李洪之傳「志性慷慨、多所──」
才能すぐれて事に巧なり。宋書、明帝紀「其文武──、隨才銓用」
天地の總名。范浚、心箴「茫茫──、俯仰無垠」
人を葬るべき地をうらなひ求むることを專門とする者。=風水家。
クヮ [歌]
るつぼ(坩堝)金屬を鎔かすに用ふる土壺。
クヮウ [陽]
○あひどの(合殿)○城下のほり、隍に通ず。
ゲヮ [蕭]
○たかくとほし(高遠)○人名、帝─陶唐氏は古の聖天子。
山などの至りて高き貌。=嶢嶢。
聖君の堯と暴君の桀と。漢書「──之分、在於義利而已」轉じて聖君と暴君と。又、善人と惡人と。
堯は朝廷に鼓を置きて君を諫めんとする者に之をうたしめ、舜は木を立ててこれに戒の語を書かしむ。堯舜二帝がよく人の善言を容れたることをほめし語。舊唐書、褚亮傳「堯鼓納諫、舜木求箴」
古の聖天子の唐堯と虞舜と、轉じて聖天子の義とす、每に暴君の桀·紂二人と對比していふ。
堯舜の道德を受けつぎて、之を述べ明かにす。中庸「仲尼────、憲章文武」
堯舜二帝の化、天下のよく治るをいふ。晉書「弘堯舜之化、開正直之路」
堯舜の人民は、聖天子の德に化して善良なるが故に、家每に諸侯に封じても可なりといふの義。新語「─────────、桀紂之民可比屋而誅」
堯舜のはしり步するが如く、德容の盛んなるをいふ。宋史、樂志「皇帝降席、流雲四開、────、下躡天階」=禹步舜趨〔荀子〕
人は其の仕ふる所の主に忠を盡すをいふ。史、淮陰侯傳「跖之狗──、堯非不仁、狗固吠非其主」
堯舜の二帝の仁德が天下に普く行きわたりしを、風雨の惠の至らざる隈なきに比していふ。又、太平の世、風雨の時に順ふ形容とす。
堯帝のよはひ、天子の長壽にいふ。晏殊詩「金爐煖龍香遠、共祝──萬萬」柳永詞「祝──、北極齊尊、南山共久」=聖壽。
コウ [宥]
○いちりづか、土を封じて壇をつくり里程を記す、古、五里每に設く。○ものみ(土堡)敵の樣子を探る爲めに設けたる土のとりで「斥─」「烽─」「─吏」
一里塚の代りに植ゑしゑんじゅ。北史、韋孝寬傳「當堠處植槐樹代之」
いちりづか、子は助字。范成大詩「乍脫泥中滑、還嗟──長」=里堠。
一里冢を築きたる上に植ゑし樹木。
旅行の路程 ミチノリ の義。王逢詩「老與──疎」
一里冢にたてし里程標の石。
葬(艸部九畫)の俗字。
ショウ [蒸]
畻·塍に同じ
うね(稻田畦)
ショク ソク [職]
○にくむ(疾)○もえさし(餘燼)管子、弟子職「左手秉燭、右手折─」
壖(土部十四畫)に同じ。
タ ダ [歌]
いんぢうち(飛磚戲)=打瓦。
ヂャウ [陽]
場とは别、俗に塲に作る
○ば、には、神を祭る爲めに掃ひ淨めたる地「祭─」「齋─」土を築きたるを壇といひ、地を除 ハラ ひたるを─といふ。○はたけ(圃)穀類を收むるには。○をりばしょ、ところ。○時期、ばあひ「一─の夢」
試驗場。通鑑、唐、武宗紀、注「唐人謂貢院爲──、至今猶然」
庭園のことを掌る役人。轉じて庭作り、うゑきや。孟、吿子「今有──、舍其梧檟養其樲棘、則爲賤──焉」=橐駝師 タクダシ
穀類を收むるには。詩、豳風「九月築──、十月納禾稼」
其のばしょの中「競爭──」=場中。
國 そのをり。其の時期。
國 ところ、其の土地。
冢(冖部八畫)の俗字。
テイ [齊]
つつみ、どて。=隄。
つつみと、ゐせきと。南史、張邵傳「修立──、創田數千頃」=塘堰。
つつみ。唐書「──百八十里」=堤防。
前條に同じ。後漢書「──溝渠、所以順助地理、通利壅塞」
テフ [葉]
城の上のひめがき(女牆)=埤堄 ヘイゲイ 又、ひめがきを設くる。左、襄二七「崔氏─其宮而守之」
ト [麌]
○かき(垣)宅のまはりの垣、轉じて居所 スマヒ の義。○尺度の名、一丈を版と爲し、五版を─と爲す。○鐘磬を懸くる物の名。○阿─は物を指していふ、俗語、この物、這箇。○防─ バウト は寇盜を防禦する義。
かき。禮、射義「孔子射於矍相之圃、蓋觀者如──」
家に居て事なくして安心する。蜀志、諸葛亮傳「百姓──」=按堵。
人の多く集る形容。人垣を築く。晉書、衞玠傳「京師人士聞其姿容、觀者──」堵牆を見よ。
道側又は式場等に整列して立つ。又其の列「──兵」
ハウ ホウ [號]
○むくい(返禮·果報)○むくゆ(酬)こたふ(答)かへす(復)○しかへし(復讎)史、范雎傳「睚眦之怨必─」○つぐ(吿)しらす(知)○あはす(合)○囚人の罪を論じて判決する。○めうへの人と密通する、下が上に婬する。左、宣三「鄭文公─鄭子之妃」鄭子は文公の叔父。
同訓異義
ムクユ 報·酬·酢○報は復也、答也、へんぱうする義、また吿と同じく用ふ、報知の類。○酬は盃を反カへすなり、獻酬と連用す、轉じて返答の義にも用ふ。○酢は再び反盃するなり、轉じて、酬酢を、應對の義に用ふ。
佛 施すことあれば必ず報あり、感ずることあれば必ず應あるをいふ、故に現在の禍福を以て皆──の致す所と爲す。
恩にむくゆる。說苑「唯賢者爲能──」=謝恩·報德。
恩に感じて力を盡す。南史「荷國重恩、無以──」杜甫詩「──神如在」=報効。
人より物を惠まれて之に報ゆる義。詩、鄭風「投我以木瓜、報之以瓊琚」
つげしらす。=報知·報道·通知。
喜び事を死者の靈に吿げる爲めにするまつり。
國恩にむくゆる。曹植文「思一效筋力、糜軀以──」
禮祭りする。禮記「──四方之神」
田事 タワザ 旣に畢りて後、神明のめぐみを謝して祭りする、御禮まゐり。周禮、小祝、疏「求福謂之禱、──謂之祠」=報祀·報祭。
禮祭りする。張九齡詩「燭龍煌煌、明宗──」=報祭。
善行に對して幸福をむくいほどこす。史、伯夷傳「天之──善人、其何如也」
むくいる、又、謝禮の金品。
かたきをうつ、かたきうち。戰國策「吾其報智氏之讎矣」=復讎·報仇。
來意に答へむくゆる。史記「趙禹爲人廉倨公卿相造請禹、禹終不──」=答謝。
○へんじ。杜甫詩「相憶無南雁、何時有──」=答書。○ 俗 新聞紙をいふ。
しかへしをする。漢書、匈奴傳「每漢兵入匈奴、匈奴輒──」=報復。
立春の節に鳴く鳥の名。述異記「顧渚山有───、春至則鳴、秋分亦鳴、似鴃之類也」
しらす。李涉詩「若逢城邑人相問、──花時也不閑」
○むくゆる、人の惠に報ゆる。曹唐詩「招擕每感雙魚遠、──空思一劍存」○こたへる、へんじ。周書、盧柔傳「隨機──、皆合事宜」
報恩に同じ。
かたきをうつ。徐彥伯詩「──一何迅」=復仇。
隣國の聘問を受けたる返禮。左傳「劉康公來──」
根本にかへり報ゆる義。禮、郊特牲「社供粢盛、所以報本反始也」
使者がかへりて返事を申し上げる。史記自序「南略邛笮昆明、還──」=復命。
ハウ ホウ [皓]
通じて保に作る
○とりで(砦·壘)土石を積みて築きしこじろ(小城)○つつみ、どて(隄·塘)
とりで。
とりで。元史「方舟數百、結爲──」
とりで。遼史、聖宗紀「請建──三、烽臺一」=堡壘。
衆をあつめて保守す。左傳「我敝邑用不敢──」
とりで。前秦錄「──悉降」=堡壘。
とりで。
ボウ [尤]
○─敦はをか(小隴)○かはらけ(瓦器)=牟。○すやきのつぼ。
野(里部四畫)に同じ。
10畫
エイ [庚]
はか(墓)つか(冢)
はかば。齊書「塗金鏤石、以窮──之麗」=墓地·兆域·墓穴。
墓地にうゑたる樹木。唐書「忍犯吾──耶」
墓地に同じ。淸通禮「──自塋心至四旁、一品九十步、二品以下遞減十步」
墓場、墓地。=塋域·塋地·墓田。
ヲ ウ [麌]
隖に同じ
○ちいさきどて(小障)○こじろ(庳城)○とりで(營居)後漢書「董卓築─於郿、號萬歲─」○むら(村落)杜甫詩「谿行盡日無村─」
土を築きたるとりで。後漢書「遣兵屯河內衝要、皆作──」
ヲウ [董]
─然は風の起る聲。又、塵の起る貌。宋玉、風賦「夫庶人之風、─然起于窮巷之閒」
カイ [賄]
たかだい、高燥の地。左、昭三「請更諸爽─者」
岡などの高き貌。何景明、憂旱賦「山──以頳顏兮、野蕭條而無色」
①カク [覺]
②カウ·コウ [肴]
①かたきつち(堅土)○土高し。
②いしぢ、石多き地。やせぢ(瘠地)=墝·磽。○ 國 はなは、小高き所。又、山の差し出たる所。
カク [陌]
つちかさなる、土附著してかさなる、沙磧をいふ。
クヮイ [隊]
○つちくれ、土のかたまり「土─」○大─は大地。又、造物の名。莊、大宗師「大─載我以形」○かたまり、凝結して形を成すもの「血─」「肉─」○壘─は胸中に鬱結せる思、不平の心。○ひとり(孑)獨處 ヒトリヲル の貌。○物の件數の稱。
植物の地下莖の一種、養分を蓄積して球塊狀をなせるもの、馬鈴薯 シヤガタライモ の類。
ひとり處る貌。漢書、陳湯傳「使湯──」
壎(土部十四畫)に同じ。
シ ジ [支]
とや、土の垣を鑿ちて作る雞のねぐら。詩、王風「雞棲于─」
堘(土部九畫)に同じ。
セキ [陌]
やせつち(薄土)
次條に同じ。後漢書「土地──」=墝埆。
やせつち。=瘠薄·塉埆。
ソ [遇]
通じて塑に作る
○土をこねて物に象りて作る。○でく(土偶)
ソ [遇]
塐(前條)に同じ、土にて造りし人がた。又、神佛の形。
土にてつくりたる物の像。史記に帝乙が偶人 デク をつくりて以て天神に像 カタド るとあるを──の始とす。瑯琊代醉篇「道家──亦如此」
でく、土人形。程子全書「明道終日端坐如泥──、及接人、渾是一團和氣」
①ソク [職]
②サイ [隊]
①ふさぐ、うづめる(塡)とざす。○みつ、みたす(充·滿)○へだてる(隔)絕つ。○道がふさがりて要害よし。史、蘇秦傳「秦四─之國」○運惡しきこと。○──は安んぜざる貌。
②さかひ(邊界)○ 國 ざかひに設けて敵を防ぐとりで(邊障)こじろ(小城·壘)○博─は戲具、すごろく。又、其のさい(骰子)○神佛に禮まゐりする。=賽。
同訓異義
フサグ 塞·杜·壅·梗·窒·鬱○塞は通の反、向うへ通れぬやうにする義。論語「邦君樹塞レ門」轉じてとりでの義とするときは音サイ邊塞·要塞と連用す。○杜は塞と同じ、とづるとも訓む、杜レ門不レ出の如し。○壅はつかへふさがる意。國語「川壅而潰、傷レ人必多」○梗はささはるものありて通ぜざる義、兵梗·路梗の如し。○窒は塞なり。易經「懲レ忿窒レ欲」○鬱は氣分のふさがる義、鬱陶と連用す。
人生禍福の定まりなきに喩へたる語。熙晦機詩「人閒萬事───、推枕軒中聽雨眠」人閒萬事───(九八頁二段)を見よ。
邊境にあるとりで、徼は邊塞。
誠實にして思慮深く著實なり、塞は實、淵は深。詩、邶風「仲氏任只、其心──」
ふさぎ止める。
タウ [陽]
通じて唐に作る
つつみ(隄防)土を築きて水を防ぐもの「池─」
ためいけ、つつみを築きめぐらして水を湛へしいけ。
タフ [合]
○ひくし(低)くだる(下)地が低下 ヒクシ なり。○おつ、おとす(墮)陳琳檄「垂頭─翼」
タフ トフ [合]
○そとば(卒都婆)土又は石を積み上げて五重·七重より十三重に至る、一に浮圖又、浮屠ともいふ。○てら(佛堂)○物の墮つる聲。
たふのかげ。楊萬里詩「人家隨岸遠、──落湖深」
塔の先のとがりし所。薩都剌詩「城郭微茫見──」
塔の先 サキ をいふ。百緣經「以摩尼寶珠、蓋其──」=塔尖。
佛 ○卒堵婆の略、方墳又は廟と譯す。元亨釋書「檀信造──、至落成日、雷電擊破」○略して細長き板を刻みて卒堵婆の形に象り、梵語などを書きて墓の周圍に樹てるもの。
①テン [先]
②テン [銑]
③チン [震]
④テン [阮]
⑤シ [寘]
⑥テン [霰]
①うづむ、ふさぐ、ふさがる(塞)博物志「炎帝女、溺死東海中、化爲鳥曰精衞、常取西山之木石、以─東海」みちふさがる、窴は古字。○したがふ(順)班固、東都賦「─流泉而爲沼」○鼓の聲。
②力盡く。○やむ(病)
③しづむ、しづまる=鎭。○さだむ、さだまる。
④重厚の貌。
⑤おく。漢書、貢禹傳「武帝時、多取好女、以─後宮」=寘。
⑥──は嚴正にして盛んなる貌。=正正。
同訓異義
ミツ 塡·滿·盈·充等の别は滿(水部十一畫)の條を見よ。
俗 借財を返還する。
うづめみたす。=補充·塡補。
とぢふさがる貌。
五星中の一、土星の别名。〔漢書、天文志〕
鼓の聲の盛んなる貌。孟、梁惠王「──鼔之、兵刃旣接」
ふさぐ、又、一ぱいに充ちふさがる。梁書、昭明太子傳「內外百司奏事者、──于前」
○厚重にして篤實の貌。莊、馬蹄「至德之世、其行──」○軍旗の嚴正にして盛んに立てる貌。淮南、兵略「不襲堂堂之寇、不擊──之旗」=正正。○雷の鳴りはためく聲。楚辭、九歌「雷──兮、雨冥冥」
うめ合せおぎなふ。元史「挨次──」=塡充。
客などが門に一ばいに滿つ。=闐門。
①ト·ヅ [虞]
②ト [麌]
①どろ(泥)「─炭」○みち、通行する道(途)○ぬる、なすりつける、まみる。○ふさぐ(杜塞)○けがす(汚)○厚く多き貌。○糊─ コツトツ ははっきりせざる貌。宋史、呂端傳「端小事糊─、大事不糊─」
②どろみち(泥路)○水びたりの地、濕地。
同訓異義
ヌル 塗·塓·墐·髹○塗は泥なり、轉じて壁などを、べつたりとぬるに用ふ。揚雄文「牆塗而不レ畫」○塓はうはぬりをする義。左傳「圬人以レ時、塓二館宮室一」○墐は下地の見えぬやうに塗る、すきまをぬる。詩、豳風「塞レ向墐レ戶」○髹は漆にてぬる、髤に同じ。史、貨殖傳「木器髹者千枚」
文字のつたなきをいふ。劉炳詩「病目──不作字、粉牋香墨惜烏絲」烏絲は罫紙 ケイシ
塗字と乙字と、文章を作りて字を消すと脫字ありし時、其の傍に鉤して補ひ入るると。一說に、乙は音シュ甲乙の乙に非ずと。
文字をぬりけして書き改める。李商隱、讀韓碑詩「點竄堯典舜典字、──淸廟生民詩」韓碑は韓愈の平淮西碑なり。
ぬりけして改める、文字を改めなほす。唐書、百官志「不便者──而奏還」=塗改·改竄。
聞く所あれば直ちに途上にて說く。善言を聞くも心に畱めて己の有とせざるをいふ。論、陽貨「道聽而──、德之棄也」
白粉などをぬりてつやをつける、化粧する。則天后傳「后雖春秋高、善自──、雖左右、不悟其衰」
○塗は泥、炭は火、水火のくるしみ。書、仲虺之誥「有夏昏德、民墜──」○どろと、すみと、きたなきものの喩。孟、公孫丑「如以朝衣朝冠坐於──」
厚く多き貌。楚辭、九歌「白露紛以──兮」
ぬりけす。瑯嬛記「信筆──自有天然之致」
大切なる詩書をぬりけす。轉じて幼兒の義とす。書言故事「言人兒幼、曰────、盧仝示添丁詩句、忽來案上翻墨汁、塗抹詩書如老鴉、父憐母惜摑不得、卻生癡笑令人嗟」
○ゑのぐ。=顏料。○工事用のぬりぐすり、ぺンキ·しぶの類。
國 うるし細工 ザイク をする職人。=漆工·漆匠。
國 周圍をぬりこめ妻戶より出入するやうに造りし室。古は寢室とす、後世の納戶にあたる。
國 うるし細工の器物。=漆器·髹漆。
べキ [錫]
ぬる(塗)左、襄三一「圬人以時─館宮室」
同訓異義
ヌル 塗(前條)を見よ。
ホウ [東]
塚とは别字
○ほこりがとぶ。○風吹きて塵起る。
11畫
カン [勘]
けはしききし(險岸)
キ [寘]
○ぬる、仰ぎ塗る。○とる(取)詩、召南「頃筐─之」○いこふ。(息)詩、邶風「民之攸─」
(前條)に同じ。
キン [眞]
○ぬる(塗)詩、衞風「塞向─戶」向はまど。○ふさぐ(塞)○うづむ(埋·瘞)詩、小雅「行有死人、尙或─之」○溝のほとりの道。
ケイ キャウ [梗]
通じて竟に作る
○さかひ(界·疆)かぎり。○物のさかひ目、事の分れ目。○ところ(處)場所「佳─」「勝─」○地位、分際、めぐりあはせ「─遇」「逆─」○學業の進み詣 イタ る處をいふ「進─」「聖─」
區域のうち。史、項羽紀「掃──」=域內。
○さかひ。=境界。○境內の地。宋書「──幽遐」
さかひ、又、くにざかひ。
○さかひ、かぎり。列、周穆王「不知──之所接」○場所。耶律楚材詩「我愛北天眞──」=境地。
○さかひ、かぎり。○身のおきどころ。=境遇。
身のおきどころ。=境涯。
國境に入れば其の國の禁制を問ふ。曲禮「入竟而問禁、入國而問俗」竟は境に通ず。
サウ [養]
地の高く明かなる處。
シン [寢]
○すなぢ(沙土)○にごる、混沌として淸澄ならざる貌。
ジュク [屋]
へや。門側の堂、弟子を聚めて學業を授くる部屋、學舍、又學生の寄宿舍。禮、學記「古之敎者、黨有庠、家有─」
塾舍の敎師。
學舍に在る生徒。
塾生のかしら。
①ショ [語]
②ヤ [馬]
①かりいほ、なや(田廬·圃廬)田畠の收穫物をとり入れる小屋。○しもやしき(別館·別莊)晉書、謝安傳「圍棊賭別─」
②はら(郊外)=野。
セン [豔]
一に壍に作る通音ザン
○ほり(濠)城を遶る水。史、高祖紀「深─而守」○あな(坑)○ほる(堀)史、秦紀「─山堙谷、千八百里」
城のほり。=塹濠·城池。
前條に同じ。
ほりと、とりでと。魏志「──未成、蜀兵大至」
①セン [先]
②タン [寒]
①かはら。=甎。○紡─はいとまき。
②まどか。=團。
かはら。晉書、吳逵傳「晝則傭賃、夜燒──」
チ [支]
には、石を敷ける庭、丹─は天子のには、赤く地を塗るが故。
ヂン [眞]
○ちり、ごみ、ほこり(埃)あくた。○けがる、けがす(汚)詩、小雅「祗自─兮」けがれ「─界」○うるさし「俗─」○道家にて世の義とす、一世を一─と爲す。○あと(跡)流風餘韻をいふ。宋史「追巢許之餘─」○ 佛 悟を開くに妨となる種種の欲、六─は、色·聲·香·味·觸·法。
○ちりほこり。莊、逍遙遊「野馬也──也、生物之以息相吹也」=埃塵。○世のけがれ。史、屈原傳「浮遊──之外、不獲世之滋垢」
ちりほこり。趙抃詩「潔淨去──」=塵埃。
ちりにてけがる。又、ちりけがれ。後漢書「盥洗──服飾鮮潔、沐浴以時、身不垢辱、是謂婦容」
うるさき世のほだし、人世の羈絆 キハン 白居易詩「未能脫──」=塵累。
けむりの如く立ちのぼるちり、すなけむり。=黃塵。
世の中のうるさきゆかり。范成大詩「暗綠千章新活計、軟紅三尺舊──」=塵累·俗緣。
けがれ。=塵垢。
ちりと、かさぶたと。沈遼詩「湖水洗面去──」
ちりあくた。
けがれたる世界。龍舒心經「色聲香味觸法爲六──」=塵世·塵海·塵寰。
けがれてやかまし、塵埃多くして喧囂なる地。唐明皇詩「跡與──隔」
ちりにてけがれたる顏。李白詩「且得洗──」=塵面。
うるさくけがらはしき心。襟は胸。韓愈詩「哀狖醒俗耳、淸泉潔──」
けがれたる世の中。陳光詩「定擬辭──、依師過晚年」=塵界。
うき世のほか。=世外·塵表。
ちりのよ、人閒世界。蘇軾詩「不知門外有──」=人寰·塵界。
○ちりと水滴 シヅク と、極めて微小なるものに喩ふ。○己のする事を卑下していふ。宇文融詩「誓將同竭力、相與效──」=微力。
うるさくやかまし。張翥詩「烟霞咫尺少──」=塵囂。
○ちりあか。淮南子「崑山之玉瑱、而─丨不能汚也」○世の中のけがれ。莊子「彷徨乎──之外」
佛 物と時と。轉じて極めて久しき世閒の義。王巾、頭陀寺碑「功濟──」
世俗のうるさきことがら。陶潛詩「閑居三十載、遂與──冥」=世事·俗事。
けがれ。許彥周文「東坡詩不可指摘輕議、無一點──」
うるさき世のならひ、世閒の風俗習慣。
塵界に同じ。
ちりの世の中。任昉文「司徒袁粲有高世之度、脫落──」
ちりと、どろと。孟郊詩「應憐泣楚玉、棄置如──」
ちり、けがれ。李正封詩「九陌無──」
ちりとり、ごみとり。=塵箕。
もろもろの物。張文成文「爲──之醫王、作羣生之慈父」
ちり。梅堯臣詩「耳目飽──」
けがれたる氣。杜甫詩「此生隨萬物、何路出──」
世俗のほか。南史「挂冠人世、棲心──」=世外·世表·塵外。
けがれたる世閒。貢師泰詩「龍宮自與──隔」
けがれたる世の中。陶潛詩「誤落──中、一去三十年」
世の中のうるさきつとめ。世說「──經心」=世務·俗務。
ちりにけがれたるかほ。楊萬里詩「──我自知」
佛 煩惱の義、外物と內憂とすべて心を勞するもの。圓覺經疏鈔「塵是六塵、勞謂勞倦、由塵成勞、故名──」
世の中のわづらひ。耿湋詩「惆悵多──、無由訪釣翁」=塵緣。
場(土部九畫)の俗字。
①テイ·タイ [霽]
②テツ [屑]
①陰翳 カゲカザス の貌「─翳」○高き貌。
②たくはふ(貯)○とどむ(止)
テン [豔]
○おぼる(溺)水におぼれ苦しむ。書、益稷「下民昏─」○くだる(下)地が下り陷る。○うるほふ(濕)○をる(折)後漢書、郭太傳「太行遇雨、巾一角─、時人乃故折一角一以爲林宗巾」○けがる(穢)○ 俗 しとね(茵褥)
地が低く濕ひて狹し、よりてつかれくるしむ義とす、隘は窮迫。左、成六「民愁則──」=羸困。
おぼる。吳志「人馬──」
下りしづむ。柳宗元文「西海有水、散渙而無力、不能負芥、投之則委靡──、及底而後止」
①バン·マン [翰]
②バン·マン [寒]
?に同じ
①こて(塗具)=鏝。
②かべかざり、牆壁をぬり飾る。
墁(前條)に同じ。
ボ ム [遇]
はか(塋域)つか(塚)平かなるを─、土を封ずるを冢、土を高くするを墳といふ。
荒れたる墓に土を盛りて修繕する。書、武成「釋箕子囚、封比干墓」
形の圓なるはかじるしの石(方なるは碑)
國 はかまゐり、墓にまゐりて香華 カウゲ をたむける。=墓祭·展墓。
文體の名、死者の德行事業などを記して墓石に刻み、後世に傳へしむる文辭。銘は文の終に係ける韻語。
はかば、死者を葬る所。後漢書、馬援傳「會況卒、援行服期年、不離──」況は援の長兄。
はかみち。水經、注「刋石樹碑、列於──」=神道。
はかば、死人を葬る所。周禮「凡爭──者、聽其獄訟」=墓所。
形の方なるはかじるしの石(圓なるは碣)
はかば。晉書、嵆紹傳「進爵爲侯、賜──一頃」=墓所·墓地。
文體の名、死者の經歷などを記して立つるもの。東漢の安帝、元初元年、謁者景君──を立てしに始る。
拱は兩手にて合せ圍む程の大いさ、墓にうゑたる木の拱に至るは、死して久しきを經たる義。左、僖三二「爾何知、中壽爾墓之木拱矣」
ヨウ ユウ [冬]
唐に通ず
○とりで(小城)○しろのかき(城垣)○かべ(壘壁)かき(垣牆)禮、郊特牲「君南向于北─下」○みぞ(溝)○仙人の宮室。
ロウ ル [有]
通じて婁に作る
○ありづか(垤)○ちいさきをか(小阜)「培─」
12畫
①カウ·ケウ [肴]
②カウ·コウ [效]
磽に同じ
①石多きやせぢ(瘠土)やせだ(薄田)
②地平かならず。
やせぢ。淮南、原道「舜耕歷山、田者爭處──、以肥饒相讓」=磽确。
やせぢ。曾鞏詩「自駕疲牛理──」=墝埆。
やせたる地と、こえたる地と。荀子「相高下視──」
キヨ コ [魚]
○あと、ふるきあと(古跡)「殷─」「姚─」○大いなる丘 ヲカ ○大いなる壑 タニ ○いち、臨時の巿場、貨物輻湊の處。=集。
むらざとのまち。范成大詩「──稍來集」
草に埋もれて祭る者無きはか、無緣づか。禮記「──之閒、未施哀於民、而民哀」
あれたるむらざと。王維詩「斜陽照──、窮巷牛羊歸」=村落。
前條に同じ。晁補之詩「牛羊散──」
塊(土部十畫)に同じ。
セン ゼン [銑]
一に壇に作る
淸く掃除せしまつりのには(靈畤)禮、祭法「王立七廟、一壇一─」後には禪に作る。
ソウ [蒸]
曾に通ず通音ゾウ
○ます(益)數が多くなる、加はる、かさなる(重)○おほし(衆)○ますます。柳宗元文「喜極─悲」○層 カサナル に通ず。揚雄、甘泉賦「─宮參差」
同訓異義
マスマス 增·益·倍·滋·加の别は益(皿部五畫)の條を見よ。
ひかりをます。後漢書「增日月之耀」
ましくはふ。高唐賦「交加累積、重疉──」=增加。
ましひろめる。隋書、經籍志「九聖之──、以廣其意」
まし加はる。唐書、食貨志「廉使奏吏之能者、有四科、一曰戶口──、二曰田野墾闢。三曰稅錢長數、四曰、率辦先期」=增益。
ましてあらためる。禮記「禮樂之情同、故明王以相沿也」疏「沿謂因而──也」
國 金品のたかをまし加へる、又ましだか。
給料を增す。=增俸。
增すと、へらすと。唐書「百官俸錢、會昌後不復──」=損益·增損·加減。
資本を增加する。
ましすすむ、學力·體力等が增し加はる。
ふやす、ふえる。
降雨又は雪解等にて河湖などの水量がます、ましみづ。
おほき貌。詩、魯頌「烝徒──」
增減に同じ。史記「有能──一字者、予千金」
まして大きくなる。
建てましする。宋史、吳挺傳「──長隄、民賴以安」
俸給を增す。漢書、蕭咸傳「所居有跡、數──賜金」=增俸。
國 つけあがる、心術行爲などが次第に惡しき方に向ひ進む。
ましふえる。後漢書、郭太傳「或附益──、故多華辭」=增益。
書物の注解を增し加へて精しくする。又、其の注文。=增註·補注。
前條に同じ。
例年より多く米を買ひ入れる。宋史「三路歲豐、仍令──廣畜」
ましひろげる。金史、禮志「──太廟、爲十二室」
年を增し加へる。陸游詩「身老怯──」
まして一倍になる義。爾雅、疏「禱氣勢之──也」
ましおぎなふ。後漢書、胡廣傳「──十六篇」=補足。
○ 國 かがみの美稱、眞澄 マスミ の鏡のあて字。○書名。十卷、著者詳ならず、後鳥羽院より後醍醐天皇までの事を記す。水鏡·大鏡と幷せて三鏡と云ふ。
①タ·ダ [哿]
②キ [支]
隳は俗字
○おつ、おとす(落)○やぶる(壞)こぼつ(毀)損する。○くづす(頽)くづれる。○つぶす(潰)○おこたる(懈)惰に通ず。韓非、五蠹「侈而─者貧」
同訓異義
オツル 墮·落·墜等の別は落(艸部九畫)の條を見よ。
おちたるみみかざり。珥は耳璫 ミミダマ 史、淳于髠傳「前有──、後有遺簪、髠竊樂此、飮可八斗而醉二參」=墜珥。
はらみし子をおろす、人工にて流產させる。
子をおろす藥。南史、徐孝嗣傳「孝嗣在孕、母不願有子、以擣衣杵自舂其腰、幷服───、胎更堅」
○失敗する。荀、富國「毁壤──」○花などがしぼみて落ちる。詩、摽有梅、傳「盛極則──」○ 佛 道心を失ひて、惡道におちいる。法華經「或當──爲火所燒」
晉の羊祜嘗て襄陽に守として、甚だ民の心を得たり、卒するに及び哭聲相接す、襄陽の百姓、峴山の祜が平生遊憩せし所に碑を建て廟を立て、歲時饗祭す、其の碑を望む者、淚を落さざるなし、杜預名づけて───といふ〔晉書、羊祜傳〕=峴山碑。
墮(前條)に同じ。
ツヰ シュツ [寘]
○おつ(落·隕)○うしなふ(亡·失)衰へる。論、子張「文武之道、未─於地、在人」○おとす(落)
同訓異義
オツル 墜·落·墮の别は落(艸部九畫)の條を見よ。
おちば。張彥勝、露賦「聞──而歎息」=落葉。
おちる。=落下·墜落。
さがしききし。管子「──三仞、人之所大難也」=斷岸。
おちいる。易林「去安就危、──井池」=隕陷。
おとろへて將に絕えんとする事業。韓愈文「尋──之茫茫」
力學にて空中より地上に向ひて直下する物體をいふ。
地におつ。轉じて、衰へ亡びんとするにいふ語。字解を見よ。杜甫詩「家聲肯──」
すたれたる法度。舊唐書、刑法志「補千年之──、拯百王之餘弊」
墜下に同じ。
おつるつゆ。離騷「朝飮木蘭之──」
トウ [徑]
隥と通ず
○ちひさきさか(小阪)○たかきはし(閣道)○ちひさきあな(小坎)より分れ出るみなまた(水分派)左思、魏都賦「─流十二、同源異口」
トン [元]
○平地にある堆 ウヅダカ き處「謝公─」をか(丘)どて。○こしかけ。
墩(前條)に同じ。
ハク [覺]
つちくれ(塊)
ハン [元]
つか(冢)はか(墓)孟、離婁「卒之東郭─閒之祭者」
ブ ム [虞]
○はか(墓)○墓地を度 ハカ りて定める。
①フン [文]
②フン [吻]
③フン [阮]
①はか(墓)土を高く盛りたる墓「古─」「荒─」○をか(丘)「丘─」○大いなるつつみ(大防)○みづぎは(水涯)○大いなり。○わかつ(分)○伏羲·神農·黃帝の書。大道を記するが故。左、昭十三「讀三─五典八索九丘」轉じて古書「典─」「皇─」
②うごもてるこえつち(肥土)書、禹貢「厥土黑─」
③うごもつ、土が沸起する。左、僖四「公祭地地─」
はかば。潘岳、西征賦「思纏綿于──」=墳墓。
水涯 ミヅキハ と平地と。周禮「山川丘陵──」
古書と史書と。隋書「篤好──」
墓に生じたる木。杜牧詩「故人──五秋風」
三墳·五典の略、三皇·五帝の書の稱、墳は分なり、三才の分、天地人の始を論ずる義。又、大なり、大道を說くが故。轉じて古書の義とす。字解を見よ。南史、丘巨源傳「屋漏、恐濕──」
はか、おくつき。禮記「奈何去──也」
魯の季桓子の井を穿ちて、中より得たりといふばけもの。魯語「土之怪曰──」=羵羊。
土のうごもちて色黑く質剛き者。書、禹貢「下土──」=黑剛土。
ボク モク [職]
○すみ、書畫を書くに用ふる黑色の料。轉じて筆跡の義。又轉じて書畫を作る義「文人─客」○繩─はすみなは。轉じて法則·標準の義とす。○くろし、くろむ(黑)孟、滕文公「歠粥面深─」○くらし(闇昧)明かならず。○いれずみ、五刑の一。○五尺の長さ。周語「不過─丈尋常之閒」○けがれ(汚)むさぼる、官吏が賄賂などを取るにいふ「貪─」○おとろへたる貌。○へりくだる。○だまる、聲なし、默に通ず。○─翟の唱へたる學說。○國名、─西哥 メキシコ の略稱。
兼愛崇儉を主義とせる墨翟の學派。又、其の人。史記、自序「──儉而難遵、然其彊本節用不可廢也」=墨者。
硯の異名。文房四譜「黃帝得玉一鈕、治爲──、其上篆文曰帝鴻氏之硯」
墨子の行を爲すもの。韓愈、送浮屠文暢序「人固有儒名而──者、問其名則是、校其行則非、可與之游乎」
文筆書畫の巧なる人「騷人──」李白詩「──多新文」
書畫をいふ。畫鑒「近世牧溪僧法常作──、粗惡無古法」
竹を此君といふによりて墨繪の竹をいふ。蘇軾、──堂記「王獻之謂竹君、天下從而君之、今與可又能以墨象君之形容、作堂以居君、而屬余爲文、以頌君德」與可は文與可、善く竹を畫く。
しゃくやくの異名。廣雅「───、芍藥也」
墨のあと。圖繪寶鑑「姜濟寫山水無──、有雲烟出沒之奇」=墨跡。
いれずみ、五刑の一、額に刻みて之に湼す。周禮、秋官「──五百」
墨は墨跡、多く書物を藏する義。書言故事「宋朝劉幾死、妻聚書千餘卷、指示諸子曰、汝父謂此爲──、今貽汝輩、爲學殖之具」
人は習慣によりて善惡を殊にするをいふ。淮南、說林「墨子見練絲而泣之、爲其可以黃可以黑」
○すみのしる。林下偶談「唐王勃屬文初不精思、先磨──數升」=墨瀋。○インキ。○黑き汁。
墨汁に同じ。北齊書「書迹濫劣者、令飮──一升」
墨家に同じ。孟、滕文公「──夷之因徐辟、而求見孟子」
墨翟のよく城を守りし故事によりて固く自說を執りて變ぜざる義とす。後漢書、鄭康成傳「時任城何休好公羊學、遂著公羊──」墨翟之守を見よ。
墨跡に同じ。梅堯臣詩「年深粉剝見──」=墨痕。
○すみをすりたる汁。林下偶談「飲──一升」=墨汁。○ 國 東京の隅田川の異稱。
すひとりがみ。=吸墨紙。
すみのあと、筆跡をいふ。宋史、職官志「古畫──藏其中」=墨迹。
前條に同じ。
○すみつぼ。李白、草書歌行「──飛出北溟魚」○筆硯を洗ふ池。曾鞏に──記あり。
○すみゑのたけ。圖繪寶鑑「徽宗作──」○竹の一種。茅亭客譜「有綠竹、葉細而靑、莖瘦而紫、亦謂之──」
僅かの長さ、墨は五尺。周語「不過──尋常之閒」
文墨のなかま。又、其の場所。宋之問詩「書乃──絕、文稱詞伯雄」=翰墨場。
すみゑのゐのしし、肉ぶとにして骨なき文字の形容。衞夫人筆陣圖「多肉微骨者、謂之──」謝邁詩「我書大俗如──」
楚の軍師公輸般、雲梯を作りて宋を攻む、墨翟固く宋の城を守りて九たび之を卻け、入ること能はざらしめし故事により籠城防戰の强固なるにいふ。史、魯仲連傳「今公又以敝聊之民距全齊之兵、是────也」
いれずみ。
石ずりの折本。=法帖。
すみつぼ、やたて。
墨翟が道を行はんとして天下を周游せし爲め、己の家の竈のけむりだしも黑くなる暇なかりき。班固、答賓戲「聖哲之法、棲棲遑遑、孔席不暖、墨突不黔」新論「仲尼栖栖、突不暇黔、墨翟遑遑、席不及煖」○韓愈、諍臣論「孔席不暇煖、而墨突不得黔」
すみゑの梅。畫鑒「楊補之──、甚淸絕、水仙亦奇、自稱逃禪老人」
すす。張祜詩「深棟──生」
書法の佳なる者の稱。
周代の五刑の一、額にいれずみするしおき。書、呂刑「──之屬千」=墨辟·墨刑。
いれずみの刑。書、呂刑「──疑赦、其罰百鍰」=墨罪。
○聲なき貌。史、商君傳「武王諤諤以興、殷紂──以亡」=默默。○くらやみ。管、四稱「政令不善、──若夜」
文辭の巧妙なる義。江淹賦「淵雲之──」淵は王襃(字は子淵)雲は揚雄(字は子雲)
○すみゑのらん。輟耕錄「鄭所南先生、工畫──、不妄與人」○蘭の一種、其の花深紫、墨の如き者、閩廣地方に產す。
書畫をいふ。宋史、王柏傳「著有天文考·地理考·──考」
渴筆にて畫き、墨を多く用ひざる義。古今名畫記「李成作畫、────」
レゥ [嘯]
○まはりのかき(周垣)○めぐらす(繞)
野(里部四畫)の古字。
13畫
①アウ·オウ [號]
②ヰク·ヲク [屋]
隩·?に同じ
○をか(陸)四方の土の居るベき處。○みづぎし(水厓)○國名、─斯太利 オウストリア の略稱。
コン [阮]
○ひらく(開)力を用ひて土を反す。○荒田をつとめをさめる(力治)○やぶる(傷)やぶれそこなひしもの。
地をひらきたがやす。
荒地をたがやし開く。
土地をひらき穀樹などを植ゑつける。唐書「闢美田數十畝、勸士──」
くさを刈りひらく。韓非子「今上急耕田──以厚民產」
地をひらく。列子「扣石──」
田地をひらきをさめる。〔國語〕
力を用ひて田地を耕しひらく。北史、蘇綽傳「皆令就田──、以時勿失其所」=開拓·開墾·墾闢。
前條に同じ。
牆(爿部十三畫)の俗字。
①タン·ダン [寒]
②タン·ダン [翰]
①土を高く盛り上げたるまつりのには(祭場)古は將相を任ずるにも亦─を設く。漢書、高帝紀「設─具禮、拜韓信爲大將」○盟誓又は國君の朝會にも亦─を設く。
②─曼は寬廣なる貌。又、平かにして博き義。
祭壇なり、單も亦壇。事物紀原「左氏注曰、除地爲單、築土爲壇」單は墠に通ず。
祭祀會盟等を行ふ爲めに設けたる高きだん。史記「擇良日、齋戒設──」=壇兆。
前條に同じ。兆は祭壇の界。後漢書「上東巡狩至泰山、修光武山南──」
埤(土部八畫)に同じ。
ヘキ [錫]
○かべ、かき(垣)○とりで(壘)○がけ(厓)馬岌、石壁銘「靑─千尋」○なまめ、二十八宿の一。晉書、天文志「東─二星、主文籍、天下圖書之府」
とりで。晉書「修──、樹藩障」=壁壘·保障。
蟲の名、しみ。杜甫詩「開門野鼠走、散帙──乾」=衣魚·蠧魚。
かべにゑがきたる畫。駱賓王詩「銘書非晉代、──是梁年」
苦學するにいふ。漢書、匡衡傳「衡勤學、家貧無燭、隣舍有燭而不逮、乃鑿壁引其光、而讀之」
蟲の名、やもり、形とかげに似て尾短く、全身灰黑色を帶び、壁閒に棲む。=守宮。
○かべに書きたる文字。 國 ○足利氏の末、武家の家憲を記せしもの。○公衆にふれ示すはりだし。=揭示。
壁に棲むひらぐも(平蜘蛛)
前漢の武帝の末、魯の恭王が孔子の家の壁中より發見せしといふ古文尙書·古文孝經の類をいふ〔漢書、藝文志〕=壁藏書。
とりでの門。史、絳侯世家「亞夫乃傳言開──」=軍門。
○かべの如くにつったつ。水經、注「其山唯石、──千仞」○四方のかベの立てるのみにて他の家財なし、貧家の形容。史、司馬相如傳「家居徒四──」北史、崔挺傳「家徒──、兄弟怡然」
とりご。漢書「深溝──、分卒守徼」=軍壘·城壘。
國 壁に向ひてうったへる、ひとりつぶやくをいふ。
何處にて何人の聞くことあるかも知れずとの義。詩、小雅「君子無易由言、耳屬于垣」に本づく。博聞錄「───、牆有縫」
ヨウ ユウ [冬]
○ふさぐ、ふさがる(塞)せく(堰)とづ(閉)○つちかふ(培)肥料又は土を以て植物の根をつちかひ養ふ。
同訓異義
フサグ 壅·塞·杜·梗等の別は塞(土部十畫)の條を見よ。
君民上下の情をへだつる、ふさぎおさへる。韓非子「世主所以──失其所有也」
ふさがりたゆ。東方朔文「道──而不通」
ふさがりとどまる、ふさがりへだたる。=壅隔。
ふさぐ。又、ふさがる。禮記「謹──、以備水潦」
ふさがりとどこほる、物事がはかどらず。晉書、陶侃傳「筆翰如流、未嘗──」=停滯。
ふさぎとづる。ふさがりて通ぜず。左傳「勿使有所──」=壅塞·壅滯。
ふさぎおほふ。君主の耳を蔽ひ防げる。唐書「問以時事、通──之路」
壅(前條)に同じ。
ラン [感]
─坎 ランカン は志を得ざる貌。=坎壈。
14畫
アイ カイ [泰]
?は俗字
○ちり、ごみ、ほこり(塵埃)「埃─」○塵合する。
①アフ·エフ [洽]
②エン [豔]
③デフ [葉]
通音アツ
或は、厭·饜に作る
①おし、おす、おさふ(抑)おさへつける、重力にて上より抑へる。權威にて屈服させる。○やぶる(壞)○しぼる(笮)「─搾」○あたる(當)○しづめる(鎭)○ふさぐ(塞補)○ふす(伏)
②あく、いとふ、にくむ、足る。=厭。
③おさふ、一っの指にて按 オサ ふ。
衆人の詩文中の最も秀でたるもの。他の諸卷(答案の文)を壓倒する義。
おさへしぼる「──機」
物におしつぶされて死ぬ。
むりにおしつけ制する。
むながはら。屋根の棟を葺くかまぼこ形の瓦。
他をおしたふす。唐摭言「我今日──元白」元は元稹、白は白居易、共に唐の詩人。
とりき、條は枝。花鏡「分栽──」
おしせまる。おしつまる。
もののをはり。楊萬里詩「──桐花也作塵」
次條に同じ。
おしつけしたがはしむ。壓抑屈服。=壓伏。
おすちから、物體が他の物體をおしつける力「──計」
カウ ゴウ [豪]
濠に通ず
ほり、城下の池。柳宗元詩「雁鳴寒雨下空─」
ガク [藥]
○たに(谷)○みぞ(溝)あな(坑)○大─は海をいふ。莊、天地「大─之爲物也、注焉而不滿、酌焉而不竭」
低下の地、地下室に喩ふ。左、襄三十「鄭伯爲窟室夜飮、朝者曰、公安在、其人曰、吾公在──」
カン [感]
かたきつち(堅土)
キ [寘]
○もりつち(累土)○もつこ。=簣。
ケン クン [元]
塤に同じ
つちぶえ、樂器、土を燒きて作り、上銳く、底平かに、形稱錘 フンドウ に似たり、中空にして六孔若くは八孔あり、八音中の土に屬す。
壎篪は共に樂器、兄弟の親しきこと、壎唱へて篪和するが如きに喩ふ。詩、小雅「伯氏吹壎、仲氏吹篪」
篪は笛の類、壎と篪との聲相和する如く、兄弟の睦まじきにいふ。前條を見よ。=如塤如篪。
塹(土部十一畫)に同じ。
セン ゼン [先]
堧に同じ
○きし、岸邊の地。○かき、牆の外の短き垣。
タウ トウ [皓]
嶹と通ず
○とりで(堡)一說に高き土。○つつみ(堤)
15畫
クヮウ [漾]
○あな、墓の穴。○ほらあな(空洞)ある地、又廣き野。孟、離婁「猶水之就下、獸之走─也」○──は野原のひろく開けたる貌。
原野の空廓なる貌。新書「天下──、一人有之」=茫茫·壙埌。
死者を葬るはかあな。=墓穴·夜臺。
廛(广部十二畫)の俗字。
①ルヰ [紙]
②ルヰ [支]
③ライ [賄]
①とりで、敵に備へる爲め土を累ねて作りし小城(軍壁)左傳「請深─固軍以待之」○天─は星の名。
②かさぬ、かさなる(重)かく、かかる。=累·纍。○──は家又は墓などの相次ぐ貌。
③壯んなる貌。漢書、鮑宣傳「魁─之士」=礌。
とりでの事を掌る役。後漢書、光武紀「時有長人巨無霸、長一丈、大十圍、以爲──」
かたまり、胸中にわだかまれる不平。世說、任誕「晉阮籍胸中──、故須酒以澆之」
ちひさきあな。莊子「不似──之在大澤乎」
とりご。=壘壁、壘堡。
とりでと、其の下の濠 ホリ と。宋書、柳元景傳「──未立、可得平地決戰」
軍壘と軍舍と。周禮、量人「營軍之──」
かさなり峙 ソバダ てる山。地理通釋「重巖──、隱天蔽日」
とりで。=壘壁。
とりご。史、白起傳「趙軍築──、而守之」
とりでの門。宋書、樂志「逋虜畏天誅、面縛造──」=壁門。
冢 ツカ などの連りつづく貌。張載、七哀「北邙何──」=累累·纍纍。
16畫
①クヮイ [卦]
②クヮイ [賄]
①やぶる(敗)くづる、こぼつ、こはす(毀)こはれる。詩、大雅「無俾城─」
②なやむ、やみつかれる。○はれもの、木のこぶ。
同訓異義
クヅル 壞·崩·頹·隤の別は崩(山部八畫)の條を見よ。○ヤブル壞·破·敗·傷等の別は破(石部五畫)の條を見よ。
やぶれそこなふ。=頽毁。
くづれる。馬融賦「厭於食兮、──垣牆」=潰決·壞崩。
久しく新鮮なる蔬菜を食はざるか、又は甚だからき鹽藏肉を食用とするなどより起る病、身體衰弱して齒齦ただれ皮膚土色となる。=黃疸。
ゐずまひをくづす、ろくにすわる。韓非、外儲說「平公腓痛足痺、而不敢──」=胡坐·箕踞。
くづれたるかき。溫庭筠詩「龍蛇滿──」=頹牆。
風俗をみだす。又、みだれたる風儀。=頽俗。
やぶれくづれる。=壞崩。
こはしすてる。揚雄文「在昔有憑應、而尙缺焉、──而能全」
そこなひやぶる。賈誼賦「時俗殊而不還兮、恐功久而──」=敗壞、壞毁·頹毁。
くづれる。=壞頹。
やぶりみだす、やぶれみだれる、風俗がみだりがはしくなる。
やぶれただれる。
やぶれさける。=頹裂。
タン ドン [覃]
○さかがめ、甒の屬、酒甁。陸龜蒙、謝山泉詩「石─封寄野人家」=墰。○ 國 びん、硝子 ガラス 製の德利 トクリ
リョウ ロウ [腫]
壠は本字隴に通ず
○つか(冢)○くろ、うね(畔)田の中の高き處。
つか。土を盛りて築きし墓。=隴塋。
はたけ。轉じてゐなかの義とす。史、項羽紀「乘勢起──之中、三年遂將五諸侯」
岡の高く聳えたる處、古、其の高所に登りて巿中を見まはし、安き物を買ひ占め高く賣りたる故事により、轉じてたくみに市の利を獨占する義とす。孟、公孫丑「有賤丈夫焉、必求龍斷而登之、以左右望、而罔巿利」龍は壟に通ず。
壟(前條)の本字。
ロ リョ·ロ [虞]
○あらきくろつち(黑剛土)○ゐろり「茶─」=爐。○土を累ねて作りし酒を賣る所(酒區)史、司馬相如傳「令文君當─」
17畫
①ジャウ [養]
②ジャウ [陽]
①つち、耕作すベき土地。○やはらかなるつち(柔土)○ゆたか(富足)穰に通ず。列、天瑞「一年而給、二年而足、三年大─」○こゆ(肥)○くに(國土)○とち(大地)「天─」○ところ(場所)○やぶる(傷)○──は入りみだれたる貌。○數の名、垓の十倍。○擊─は古、野老の戲、─は木製の具、形履に似たり、二─を作り、先づ一─を地に置き、三四步を隔てて手中の一─を擲ち、中 アタ るを以て上と爲す。
②こえつち(肥土)
紛錯 イリミダレル せる貌。史、貨殖傳「天下──、皆爲利往」=攘攘。
土地。又、國土。孟、滕文公「夫滕──褊小」
土地より產せし祭のそなへもの、野菜の類。書、康王之誥「敢執──、皆再拜稽首」
農作に適するつち。國語「惡金以鑄鉏夷斤欘、試諸──」
21畫
ハ [禡]
ゐせき(堰)水を障ササへる堰。