足部
0畫
①ソク [沃]
②シュ·ス ショ·ソ [遇]
②通音スウの
①あし、動物の下肢「手─」「跣─」股より趾まで。=脚。○踝 クルブシ 以下の稱「─跡」○すべて足の形せるもの「鼎─」○あゆむ、はしる。漢書「高材疾─者先得之」○もと(下·本)「山─」○たる「厭─」「滿─」「知─」老子「知─不辱」禮、學記「學然後知不─」十分に全し、たす。論、顏淵「─食─兵」十分にする、充たす、缺 カケ なし(滿)
②なす(成)○すぐ(過)「─恭」
たび。說文「韈、──也」
あしおとのひびく貌。莊、徐無鬼「夫逃空谷者、聞人之────而喜矣、況乎昆弟親戚之謦欬其側乎」
○あしもと。老子「千里之行、始於──」○同輩に對する敬稱。古は人主にも用ふ。樂毅、報燕惠王書「恐低斧質之罪以傷先王之明、又害於──之義」
足のほね、跗骨·蹠骨·趾骨の總稱。
あし、趾は踝 クルブシ 以下。左思、吳都賦「耳目之所不該、──之所不蹈」
あしのやまひ。左傳「光僞──、入乎掘室」=脚疾。
足のうらの中心、つちふまず。後漢書、黃昌傳「左──有黑子」黑子はほくろ。
あしあと。=足迹·蹤跡。
費用を十分に足す。國語「恭所以給事也、儉所以──也」
あしのやうす。禮、玉藻「手容恭、──重」
あしのかふ。=足背。
國 足をはこぶ骨をり。
うやまひて度を過ごす。おもねりへつらふ。論、公冶長「巧言令色──、左丘明恥之」
鼎の足を折るときは、其の中實をくつがへす。小人を用ふる時は、其の任に堪へずして國家を覆すに喩ふ。易、鼎卦「鼎折足覆公餗」
甚だしく恐るる形容。漢書、汲黯傳「令天下重足而立、仄目而視」
前條に同じ。〔史、汲黯傳〕漢書には側を仄に作る。
かかとをつまだてて今か今かと待つ。史、商君傳「亡可翹足而待」
人の足の大小を知らずして、屨 クツ を製する。足の大小は略~同じ、故にその寸法を知らざるも、作り得らるるなり。孟、吿子「聖人與我同類者、故龍子曰、屨之相似、天下之足同也」裹足 アシヲツツムクワソク 足をつつみて進まざる義。史、范睢傳「杜口──、莫肯嚮秦耳」
氣だかく世外に超然たる形容。左思、詠史「振衣千仞岡、─────」
他人にさとられざるやうにそっと警め吿ぐる。史、淮陰侯傳「躡漢王足、因附耳語曰、云云」
履物の足に適するにいふ。莊、達生「──履之適也、忘要帶之適也」(要は腰)
兄弟の情の篤き形容。李華、弔古戰場文「誰無兄弟、────」
足ることを知りて分に安んず。老子「──不辱、知止不殆」
分を守るものは辱を受けず。前條參看。
足ることを知る者は心常に富む。老子「勝人者有力、自勝者强、────」
國 足衣に同じ。
3畫
ハク ハゥ·ヘゥ [覺]
○をどる(跳躍)○─突泉は山東省歷城縣の西卽ち濟南城內に在る名泉。曾鞏、齊二州堂記「歷城之西、有泉湧出、高或數尺、人名之曰─突之泉」
4畫
①キ [支]
②キ [紙]
③シ [支]
①はふ、蟲がはひあるく。=蚑。○ゆるくはしる。○むつゆび、指の數が普通より多し。莊、騈拇「故合者不爲騈、而枝者不爲─」
②くはだつ、つまだつ、踵 カカト を擧ぐ。詩、衞風「─予望之」=企。
③踶─ チシ は心力を用ふる貌。
かかとにてはひ行き、くちばしにて呼吸する、卽ち蟲鳥の類。史、匈奴傳「────、蠕動之類、莫不就安利而辟危殆」
蟲の行く貌。漢書「──脈脈、善緣壁、是非守宮、卽蜥蝪」
のぞみおもふ。宋史、韓琦傳「琦與范仲淹·富弼皆以海內人望、同時登用、中外──其勳業」
足をつまだてて望む。次條參看。
かかとをつまだてて遠きを望む。詩、衞風「誰謂宋遠、跂予望之」傳「跂足則可以望見之」
①ケツ [屑]
②ケイ [霽]
①はしる(奔)○馬の疾行する貌。
②ふむ(踶)
ゲツ ゴツ [月]
あしきる(斷足)=刖。
シ [紙]
○あし(足)踝 クルブシ 以下の稱「足─」「玉─」禮、內則「奉席請何─」○轉じて城のどだい。又、物事のあと(踪跡)の義とす「城─」「遺─」「基─」通じて止·阯に作る。
足骨の尖端の骨、左右各十四枚(拇趾に二枚、他は皆三枚より成る)
チン [寢]
踸に同じ
─踔 チンタク は片足にて行く貌。びっこをひく。又、行きて進まざる貌。莊、秋水「吾以一足、─踔而行」=踸踔。
フ [虞]
跗に同じ
○あし。轉じて物のあしだい。劉禹錫、奚陟碑「螭首龜─」○地を下視するまでに體を屈して敬する貌「─然」○あしをくみてすわる。
僧が足をくみて坐する、あぐら。圓滿安坐の義。?裟論「結跏──、是相是圓滿安坐義」
5畫
力 [麻]
あぐらをかく、兩足をくみ合せて坐する。婆娑論「結─趺坐」
兩足をくみてすわる。佛敎の坐法。柳宗元詩「一飯不願餘、──便終夕」=結跏趺坐。
キョ [語]
○けづめ、雞の足の後の爪「雞─」○さかはり(刀鋒倒刺)○へだつ。○さる(去)「相─三里」へだたり「─離」○いたる(至)書、禹貢「予決九川─四海」○いたす(致)○たがふ(違)書、禹貢「不─朕行」○あたる(抗)○大いなり(鉅)○ふせぐ、こばむ。拒に通ず。荀、法行「欲來者不─、欲去者不止」○とづ(閉)○鉤─ コウキヨ は祕密の事を探り出す。○─躍 キヨヤク は跳り越える。
同訓異義
イタル 距·至·到·臻·詣·造·格·抵·迄等の别は至(一五九一頁三段)の條を見よ。○サル距·去·違·行○距は年月或は里程の相へだたるなり「橫濱距二東京一七里」の如し。○去は來の反、その場を立ちのくなり。去來·往來と用ふ。○違はくひ違ひて離れ去るなり。中庸「忠恕違レ道不レ遠」○行は他所へたちのくなり。孟子「孔子去レ魯、不レ接レ淅而行」
城を攻むるの具、土を築き少しく高くして城に近づくもの、堙はつき山。孫子「三月而後──成」
ふせぎうつ。漢書、田儋傳「田榮發兵、──田都、田都走楚」
ふせぎたつ。後漢書、陳寵傳「謝遣門人、──知友、唯在公家而已」=拒絕。
ふせぎたたかふ。晉書、明帝紀「遣將姚岳、──于堂狼、大破之」=拒戰。
へだてふせぐ。漢書、項籍傳「參分關中、王秦降將以──漢道」
をどりあがる。易林「飮酒醉酗、──爭鬭」
雞のけづめをとりはなしたる如く、もはや抵抗力なし〔宋史〕
ふせぎやぶる。漢書、高帝紀「秦將章邯──之」
をどりて越える。左、僖二八「──三百、曲踊三百」=超越。
へだたり。
ク [虞]
○かがむ、天寒くして足が伸びず。○跿─ トク はをどる(跳躍)史、張儀傳「跿─科頭」又、片足を擧げる。
サン [寒]
通じて姍·珊に作る
蹣─ マンサン は行きて進まざる貌、しざる、よろめく、ひょろつく。びっこをひく(跛行)「醉步蹣─」=槃散·槃珊。
①シヨ·ソ [語]
②シヨ·ソ [魚]
①──は行きて進まざる貌。あとしざる。
②?─は趨りて進まざる貌(─はもと趄また且に作る)=趦趄。
セキ [陌]
通じて蹠に作る
○あしのうら(足下·脚掌)淮南、說山「善學者、若齊王之食雞、必食其─」○古の大盜の名「盜─」
盜跖と莊蹻と、共に古の大盜。鹽鐵論「無其能而竊其位、無其功而有其祿、雖曰富貴、由──之養也」
其の仕ふる所の主に忠を盡すをいふ。戰國、齊策「─────、非貴跖而賤堯也、狗固吠非其主也」轉じて惡に黨し賢を嫉むに喩ふ。=桀之犬吠堯。
古の大盜の跖のなかま。孟、盡心「雞鳴而起、孳孳爲利者、───也」跖、一本蹠に作る。
タ [歌]
又?に作る
○たがふ(違)○つまづく。○蹉─ サタ は因循 グヅグヅスル して時機を失ふ。晉書、周處傳「欲自修而年已蹉─」
跎(前條)に同じ。
タイ [灰]
ふむ(蹋)漢書、天文志「竝興兵相─藉」
タク セキ [藥]
ゆるむ(弛)しまりなし、檢束せず。
檢束 シマワ なくして、ほしいまま。漢書、武帝紀「泛罵之馬、──之士、亦在御之而已」
前條に同じ。落はおほまか。漢書、註「跅者──無檢局」
テツ [屑]
○こゆ(越)○すぐ(過)「─過」○つまづく(蹷)たふる(仆)つまづきたふれる。漢書、鼂錯傳「─而不振」○あやまつ、たがふ(差失)齟齬 ソゴ する「差─」○はしる(疾行)○─蕩 テツタウ はほしいまま(恣)
つまづく。列子「趨走往還、無──也」=蹉跌。
檢束なくして、ほしいまま。蜀志、簡雍傳「性簡傲──」=跌蕩·豪宕·放佚不羈。
つまづきたふれる。
しまりなくして、ほしいまま。後漢書、孔融傳「──放言」唐書、魏元忠傳「爲大學生、──少檢」=佚蕩·跌宕。
まづきおつ。新論「登峭坂而不──者、愼于大也」
疾く走る。淮南、修務「墨子──而趁千里、以存楚宋」
テフ [葉]
○ふむ(履)あしぶみする。史、貨殖傳「鳴瑟─屣」○をどりてふむ。○── テフテフ は墮 ォ ちる貌。後漢書、馬援傳「仰視飛燕──墮水中」
①ハ [哿]
②ヒ [寘]
①あしなへ、びっこ(足偏廢)又、其の不具者 カタハモノ
②かたよる、片足にて立つ。曲禮「立毋─」
ちんば。莊、達生「聾盲──」=蹇跛。
ちんばのすっぼんも千里の遠きに行く、勉强して已まざれば魯鈍の人も成功するに喩ふ。荀、勸學「跬步不休、────」
跛は片足にてたつ、箕坐は兩足を展ばして、恰も箕舌の如くにすわる無禮の狀。曲禮「立毋跛、坐毋箕」
無能の者のなかま。葛洪自序「猶欲戢勁翮于鷦鷃之羣、藏逸跡于────」
八ゥ []
肴
○あがく、足の爪にて土をひき搔 カ く。○ける(蹴)○ 俗 疾走 トクハシル の義とす。
ハツ バチ [曷]
?は俗字通音バツ
○ふむ(躐)ふまへる。韓愈、進學解「─前疐後、動則得咎」○こゆ(越)あるく、草野を行く「─涉」○もとゐ(基)もと(本)物のにぎり(把處)○くびす(足後)轉じておくがき、書物の終に題する文「題─」「序─」「─文」
進退に窮する義。詩、豳風「狼跋其胡、載疐其尾」(胡は老狼の頷下 アゴノシタ の懸肉、老狼に胡あり、進めば則ち其の胡を躐み、退けば則ち其の尾に跲 ツマヅ く、よりて進退自由を得ざるに踰ふ)
强くしてわがまま。又、人臣が權を恣にして上ををかす。扈は魚を捕る水中の竹籬、大魚はそれを跳り越えて脫し去るが故にいふ。後漢書、梁冀傳「質帝少聰慧、知冀驕橫、嘗朝羣臣、目冀曰、此──將軍也、冀聞深惡之、遂鴆殺」
佛 袈裟の環。淸異錄「天福三年、賜憎法城───」
苦みて山川を步きまはる。詩、鄘風「大夫──、我心則憂」傳「草行曰跋、水行曰涉」
書物のおくがき、後序。
○魚のびちびちと跳ね躍る聲。李白詩「──銀盤欲飛去」=潑剌·蹳刺。○鳥の飛び起つ聲。岑參詩「──飛鵝鶬」
ふみあるく。左、成十三「──山川、踰越險阻」=經歷·跋涉。
跋(前條)の俗字。
フ [虞]
○あしのかふ(足背·足上)○だい、あし、物のだい。柎·趺に通ず。○草木の實の殼(子房)庾信詩「家童掃栗─」○兪─は黃帝の時の名醫の名〔史、扁鵲倉公傳〕
足のかふのほね。下腿骨と蹠骨との閒に在りて共に七枚。
戎服、脚跗に屬 ツ けて袴と連るもの。左、成十六「有韎韋之──、君子也」
6畫
カフ [洽]
つまづく(躓)けつまづきころぶ。中庸「言前定則不─」
キ [紙]
○ひざまづく、兩膝を地に著けて、腰と股とを伸して、姿勢が危 タカ くなるをいふ。禮、曲禮「授立不─」○膝を地につけて禮拜する「拜─」○あし(足)荀、勸學「蟹六─而二螯」
同訓異義
ヒザマヅク 跪·跽○跪は膝がしらを地に著け、爪だちして居るなり、腰と股とを伸べて勢の危きなり、禮法の一。史記「跪取レ履、進二于黃石公一」○跽は小跪也と註す、跪よりは輕し。戰國策「秦王跽曰、先生不三幸敎二寡人一乎」
ひざまづきてすわる。韓愈詩「振衣造雲闕、──陳淸猷」
ひざまづきてことわる。孔叢子「陳王──」
ひざまづきてさづける。庾信文「張良取履、──無辭」
ひざまづきてをがむ。王建詩「男兒──謝君王」
ひざまづきてふす。
ひざまづきてささげる。蘇軾詩「紫衣中使傳詔旨、──冉冉聞天香」
キ [紙]
かたあし(半步)一たび足を擧ぐるを─(三尺)といひ、兩足を擧ぐるを步(六尺)といふ=蹞。
かたあし、半步。禮、祭義「故君子──而不忘孝也」=蹞步。
キョウ [冬]
○あしおと(足音)○行く人の聲。
あしおと。跫然を見よ。
地を蹋む聲。蘇轍詩「──深逕馬蹄響」
足音の貌。莊、徐無鬼「聞人足音──而喜矣」一說に喜ぶ貌。
①クヮ [禡]
②コ [遇]
通音コ
①またぐ、のりこす。○また、またくら、兩股の閒。=胯。○わたる(渡)○こゆ(越)左、昭十三「康王─之」
②うづくまる(踞)○またがる、兩股を開きて乘る「─馬」○よる(據)「─據」○わたる(亙)兩方に連りわたる。○ほこる。誇と通ず。列子「而欲尊禮義以─人」
またがりて己の所有とする。
またがりこえる。放翁題跋「太宗皇帝、天縱聖學、──百王、萬機之餘、尤畱神翰墨」
またがりこえる。梁涉文「──古今、標格寰宇」
○鶴に乘る。雲笈七籤「──昇九霄、未易致也」○轉じて仙人となる義。又、俗に人の死を仙去といふにより──西歸といふ。
またがりて占め據 ョ る。蜀志、諸葛亮傳「今君、假借威力、──一州、初有其國、未垂惠撫」
子、父に勝るをいふ。竈の上に釜あり、釜と父と音近し、故に此の隱語あり〔書言故事〕一說に馬櫪を皁といふ、竈は皁の借字、馬生れて皁を越過するは凡馬に非ず、故に取りて喩ふ〔札樸〕
兩方にまたがりてとりしまる。晉書、陸機傳「謀無遺計、擧不失策、故遂割據山川、──荊吳」李斯の上書に「跨海內、制諸侯」とあるに本づく。
またがりふむ。晉書、石勒載記「──燕趙、幷呑韓魏」
二年ごし。晉書、郭璞傳「去秋以來、沈雨──」
ケン [先]
○皮が起る。○足にできるたこ(?)○足の指のあかがり。莊、天道「百舍重─而不敢息」(一に重繭に作る)
コン [元]
○くびす、かかと(踵)足の後下部「脚─」○人の後に從ひ行く(隨行)
きびすと、かひなと。蘇軾詩「詰曲猶能辨──」
セキ シャク [陌]
迹に同じ
○あと、あしあと。○あとかた、蹟に通ず「痕─」「古─」「足─」「筆─」「鳥─」「馬─」○あとをつける、追っかける。
ぬすびとのあとをつける。宋史、王安中傳「開封邏卒夜──、盜脫去、民有驚出與卒遇、縛以爲盜、安中出民、抵吏罪」
あとをつけてとらへる。宋史、單煦傳「民以妖幻相敎授、煦──、戮三十餘人」
あしあとをなくする、踪跡を晦ます〔莊、山木〕=削迹。
①セン ソン [銑]
②セン [先]
①はだし、すあし。說文「足親地也」書、說命「若─弗視地、厥足用傷」
②蹁─ ヘンセン は旋 メグ り行く貌。又、舞ふ容 カタチ
はだしにて步する。轉非、說林「越人──」
すあしにてはしる。淮南子「申包胥求救於諸侯、乃贏糧──」
はだし。五代史、王彥章傳「能──履棘、行百步」=徒跣。
①セン シュン ソン [先]
②セン [删]
①かがむ(局·屈)○ける(蹴)○はらばふ(匍)○ひくし(卑)
②伏す貌。魯靈光殿賦「狡兔─伏」○打─は滿洲人が一膝を屈する禮法。
はらばふ(匍匐)王逸賦「免耳──」
チ ヂ [紙]
○とどまる(止)○─躇は行きて進まざる貌。=踟躇。○そなふ(具)「儲─」たくはへる「─糧」=歭。
チュ [虞]
○行く貌。○をどりゆく貌。
跳 ヲド り行く貌。左、昭二五「童謠曰、鸜鵒──」
①テゥ [蕭]
②タゥ [豪]
①をどる(躍)をどらす。○はねあがる(上)○とびあがる(蹶)
②のがる。史、高祖紀「漢王─」=逃。
同訓異義
ヲドル 跳·踊·踴·躍○跳ははねあがる義。莊子「東西跳梁」○踊は小をどりするなり、其の所を離れずして、をどりあがる義。○踴は踊の俗字。○躍は勢よく、すみやかに飛びあがるなり。六書故に「大爲レ躍、小爲レ踊、躍去二其所、一踊不レ離二其所一」とあり。
をどりあがりてほえる。修行道地經「又入樹閒、跳騰哮吼」
疾く馬を馳す。漢書、燕王澤傳「遂──至長安」=疾驅。
○百戲の一、たまを弄ぶ戲。魏略「──擊劍」○時の速なるに喩ふ。杜牧詩「──日月十經秋」
をどりはねて善くかける。元稹、望雲騅歌「頻頻齧掣轡難施、往往──騎不得」
すばやくをどり走る。詩經、疏「──之狹兔、遇犬則能獲得之」
からだをはねをどらす。漢書、高五王傳「失軍亡衆、──遯者數矣」
とびあがる貌〔王襃、洞簫賦〕
刀をはげしくふりまはす。晉書、王濬傳「左右人皆──大呼」
をどりふせぐ。唐書、百官志「矢石未交、陷堅突衆、敵因而敗者、曰──」渾瑊傳「年十一、立──功」
はねあがる。梅堯臣詩「操刀欲割鱗、──鬐鬣張」
をどりまふ。西洋のダンス。= 國 舞蹈。
つよくふきあがる。岑參、招北客文「渤澥硼砰、會於滄溟、──浩淼、上濺飛鳥」
水けむりををどらす。司馬相如、上林賦「馳波──」
はねをどる。張衡賦「超踰──」
○ほしいままにをどりあがりはねまはる。莊、逍遙遊「東西──、不避高下」=跳踉。○轉じて謀叛人などの跋扈するをいふ。漢書、蕭望之傳「今羌虜一隅小夷、──於山谷閒」
○前條に同じ。莊、秋水「──乎井幹之上」○足の亂れ動く貌。晉書、諸葛長民傳「眠中驚起──、如與人相打」
のがれはしる。唐書、王世充傳「密以數十騎──」=逃奔。
ロ ル [遇]
○みち(道)人や車馬の由りて行く所「山─」「行─」「熟─」「險─」「遠─」○みちす、往來する。○すぢ(條理)「筆─」「思─」物事のすぢみち。之に由りて行く者。孟、吿子「義人之正─也」○くらゐ(位)重要の地位「要─」孟、公孫丑「夫子當─於齊」○たびぢ(旅途)○道につかれる(羸)孟、滕文公「率天下而─也」○傾圮 カタムキヤブレル の貌。荀、富國「田疇穢、都邑─」(一說に路は露 アラハル 城郭墻垣なき義)○大いなり。─弓は大弓。主に君主に關することにいふ「─門」「─寢」○あらはる(暴露)=露。○つづみの一種。○弓の一種、弓の大いなるもの「─弓」○はしる(奔走)○くるま「大─」=輅。○宋代の行政上の區劃。唐の道。元の省の類。
みちすぢの分れるところ、おひわけ。王廙、笙賦「詠別鶴于──」
前條に通用す。
城郭內のちまた。公羊傳「楚莊王伐鄭、勝乎皇門、放乎──」
四面に皮を張りたるつづみ、宗廟を祭る用具。周禮、地官「以──鼓鬼享」
みちすぢ。晉書、哀帝紀「戎旅──、未得輕簡賦役」=途次。
○みちゆく人。許渾、經秦始皇墓詩「一種靑山秋草裏、──唯拜漢文陵」=行人。○轉じて自分と關係なき人。=他人。
天子諸侯の正寢、寢は堂室。公羊、莊三二「──者何、正寢也」
諸侯の乘るくるま。白虎通「諸侯──、大夫軒車」
行くみちのり。=行程·旅程。
天子諸侯の正殿。劉楨、魯都賦「──巋其隆崇」
路旁に同じ、頭はほとり。=路畔。
王者の馬車の馬、路は輅。曲禮「下公門、式──」
みちばた。韓偓詩「征馬蕭蕭立──」
ろぎん、旅行の費用。王禹偁詩「道糧無斗粟、──無百錢」=旅費。
路旁に同じ。
天子のもん。左、桓二、疏「君之所在、以大爲號、門曰──、寢曰路寢」
7畫
キ [紙]
○ひざまづく(長跪)莊、人閒世「擎─拳曲、人臣之禮也」○體を伸ばして尻をかかとから離す。史、項羽紀「項王按劍而─」
同訓異義
ヒザマヅク 跽·跪の别は跪(一八九五頁一段)の條を見よ。
キョク [沃]
○せぐくまる、かがむ(曲)背をかがめてあるく。○踡─ ケンキヨク は伸びざる貌。又、局に作る。
せぐくまりて伸びず。甚だ恐るる義。跼天蹐地を見よ。
かがみ伏す。范成大詩「百日籃輿困──」
行きて進まざる貌。たちもとほる。史、淮陰侯傳「騏驥之──、不若駑馬之安步」
天の高きにもせぐくまり、地の厚きにもぬきあしす、おそれて身のおきどころなき義。詩、小雅「謂天蓋高、不敢不局、謂地蓋厚、不敢不蹐」局は跼。
つまづく。晉書、劉曜載記「嘗乘赤馬、無故──、乃乘小馬
せぐくまりてあゆむ。杜甫詩「──凌垠堮、側身下烟靄」
①シュン [眞]
②ソン [元]
①しりぞく(退)とどまる(止)=竣。
②ふむ、蹴たふす。○うづくまる。=蹲。
日中にうづくまり居るといふ三足の烏。淮南、精神「日中有──」註「踆猶蹲」
芊 イモ の異名、形の似たるが故〔漢書〕史、貨殖傳には蹲鴟に作る。
ト [虞]
○すあし(跣足)○をどる(跳躍)○─跔 トク はをどる(跳躍)一說に片足を擧げる。史、張儀傳「虎賁之士、─跔科頭」
ヨウ [腫]
踴は俗字
○をどる、はねあがる(跳)「─躍」「飛─」○まふ(舞踏)○支那にて葬式の時、もだえかなしみてはねをどる。檀弓「辟─哀之至也」(辟は胸をうつ)○のぼる、あがる(上)○刑を受けて刖 アシキ られたる者のはく履。○ 國 をどり、樂曲に合せてをどるまひ「都─」
同訓異義
ヲドル 踊·跳·踴·躍の别は跳(前頁二段)の條を見よ。
○價が高くなる。晉書「翕然競服之、練遂──」=騰貴。○足をきられし罪人のはきものが高くなる、犯罪人の多きが故。左、昭三「履賤──」
高くあらはる。梁?文帝文「菩提妙塔、多寶──」
たかきたふ。獨孤及詩「雲扶──靑霄庳、松廕禪庭白日寒」
とびをどる。よろこびたのしみ(歡樂)て勇み立つ、坐作擊刺の勢よき形容。詩、邶風「擊鼓其鏜、──用兵」
リャウ ラゥ [陽]
○跳─ テウリヤウ はをどる(躍)又、はねまはる。莊、秋水「跳─乎井幹之上」○─蹌 ラウサウ はよろめく貌。○─蹡 ラシヤウ は行くこと正 タダ しからざる貌。韓愈詩「─蹡越門限」又徐行 ユルクユク の貌。潘岳賦「─蹡而徐來「
8畫
ヱン ヲン [阮]
かがむ、かがまる(屈)足がかがまる「攣─」
①キ [支]
②イ [寘]
③キ [紙]
①ちんば、あしなへ(蹇)○かたあし(一足)かたわれ、かたかた(隻·奇)漢書、段會宗傳「亦足以復雁門之─」○─嶇 キク はけはし、そばだつ。=崎嶇。
②よる。古、倚に通ず。韓非、亡徵「其强弱相─者也「
③ふる(觸)莊、養生主「膝之所─」○はぎ(脛)○長─は蠨蛸 アシタカグモ 〔爾雅〕
あしなへ(蹇)魯語「──畢行」
けはしき貌。左思、蜀都賦「山阜猥積而──」一解、傾側 カタムキソバダツ の貌。
かたはもの。=畸人。
門によりて立つ。公羊、成二「二大夫出、相與──而語」=倚閭。
キ [紙]
─踞 キキヨ はなげずわり(長踞)箕に通ず。
キク [屋]
○ふむ(蹋)○韋 ナメシガハ にて作りしけまり(毬)「蹋─」=鞠。
キョ コ [御]
○うづくまる(蹲)膝を立てて坐する「虎─」「蹲─」○其の上に坐 スソ る。○こしかける。漢書、高帝紀「沛公方─牀」○箕─は兩足を前になげだして坐す。漢書、陳餘傳「箕─罵詈甚慢之」
クヮ [馬]
○くびす(跟)○くるぶし、足くびの左右に高く凸起せる骨。
すあし、踝はくるぶし。後漢書、馮衍傳「飢者毛食、寒者──」
ケン [先]
かがまる、せぐくまる、體をまげる。
せぐくまる、縮りて伸びざる貌。淮南、精神「──而諦、通夕不寐」
曲がる貌。一解に特起の貌。魯靈光殿賦「連卷偃蹇、崘囷──、倚欹傾兮」=?嵼·蹇產。
セキ シャク [陌]
○さとし(敏)すばやし。詩、小雅「執爨──」○長き脛にて行く。○踧─ シユクセキ は恭敬 ウヤウヤシ の貌。論、鄕黨「踧─如也」○ふむ(躐)ふみこえる。曲禮「毋─席」
つつしむ貌。文同詩「一從入仕路、行步每──」=踧踖。
蹠(足部十一畫)の古字。
セン [霰]
○ふむ(履)足にてふむ。○其の位をふむ。─阼 センソ は天子の位に卽く。禮記「─阼臨祭祀」(阼一に祚に作る、祚は位)○ふみ行ふ(履行)「─約」「實─」「─言」○したがふ(循)論、先進「不─迹」○ゆく(往)呂覽、古樂「王命周公─伐之」○しく(藉)○つらなる(列)又、列なる貌。詩、豳風「籩豆有─」
同訓異義
フム 踐·履·蹈·躡·踏·蹂の别は履(五三五頁一段)の條を見よ。
言ひしことをふみ行ふ。=履行。
漢代の制、兵卒として徵發せられたる者が金錢を以て代人を雇ひて出すをいふ。
踐阼に同じ。鮑照、河淸頌序「聖上天飛──、迄玆二十四載」=登極。
はきものをふむ。曲禮「毋──」
いひたることを實行する。曲禮「修身──、謂之善行」
ふみをさむ。左傳「──舊好、要結外援」
ふみにじる。梅堯臣詩「競歡相扶持、芒屩資──」=蹂踐·蹂躪。
阼は主人の登る階。天子、宗廟の阼階に登り祭祀を主る。因りて卽位の義とす。曲禮「──臨祭祀」禮、文王世子「成王幼不能莅阼、周公相──而治」(阼一に祚に作る、祚は福、天子の位)
天子の卽位。庾亮表「陛下──、聖政維新」前條參看。
こけの上をあゆむ。李白詩「──朝霜滑、弄波夕月圓」
ふみにじる。南史、梁宗室韶傳「酒酣乃徑上韶牀、──肴饌」
位にのぼりて政をすべる。魏志、公孫度傳、註「──洪緒、克壯徽猷」
年を歷る。魏文帝文「漢歷世二十有四、──四百二十有六」=歷年。
冰をふむ。甚だ危きに喩ふ。南史、宋江夏王傳論「──之慮已除、大山之安可恃」=履冰。
約束をふみ行ふ。
○あゆむ。舊唐書、李綱傳「綱有脚疾、不堪──」○ふみつける。詩經「牛羊勿──」○ふみ行ふ。又おこなひ(品行)
禮儀をふみ行ふ。儀禮、士相見禮「夫子之賤私、不足以──」
多くの官をつとめ歷る。蘇頲文「早囘翔于近密、久──于中外」=閱歷·履歷。
蹤(足部十一畫)に同じ。
あしあと。轉じてゆくへ、ありか(所在)宋史、蹇序辰傳「──深祕、包藏禍心」
①ソツ [月]
②スヰ [寘]
①ふる(觸)○にはか「蒼─」=猝。
②あつまる(集)太玄經「鷺─於林」
タゥ タク [效]
○こゆ(踰·越)後漢書、蔡邕傳「─宇宙而遺俗兮」○はしる(走)○まさる(勝)「─絕」=卓。○はるか、とほし(遙)=卓。○踸─はちんばがくるしみ行く貌。一解に常なき貌。
はるかに遠し。史、貨殖傳「上谷至遼東──」
甚だしくすぐれる。漢書、孔光傳「非有──之能、不能踰越」=卓絕。
踔厲は卓絕してはげし。風發は風の如く勢よく議論が口を衝いて出る。韓愈、柳子厚墓誌銘「議論證據今古、出人經史百子、────、率常屈其座人」
タフ [合]
○ふむ(踐)「踐─」書經「心之憂危、若─虎尾涉于春冰」=蹋·蹹。○ふみつける、足が地に著く。○あしぶみする「舞─」「─歌」○あゆむ(步)
同訓異義
フム 踏·蹈·履·踐等の别は履(五三五頁一段)の條を見よ。
おちばをふむ。溫庭筠詩「寒階──行」
足にて地をふみ節奏をなして歌ふ。舊唐書、睿宗紀「上元夜(中略)出內人、連袂──」=蹈歌·蹋歌。
月下を步む。溫庭筠詩「折花兼──」
ふみくだく。陸游詩「靑鞋──白雲堆」
ふみころす。傳燈錄「出一馬駒、──天下人」
○春日郊外のあそび。黃庭堅詩「白白紅紅相閒開、三三五五──來」○上巳の曲水の宴。○正月八日士女相與に嬉遊するをいふ。蘇轍詩序「正月八日士女相與嬉遊、謂之──」○ 俗 淸明の日の出遊。
こけをふむ。韋莊詩「──靑黏屐、攀蘿綠映衫」=踏苔。
ふむ。劉孝威詩「──珮珠鳴」
ふみつける、破は助字。傳燈錄「──鐵鞋無覓處」
軍隊の名、さきぞなへ。宋史、吳挺傳「自北邊至武興、列五軍、曰、──·推鋒·選鋒·策選鋒·遊奕」
足ぶみしてまふ。陳師道詩「鋪筵──缺崔徽」
チ [支]
─躕 チチユ はたちもとほる、行きて進まざる貌。詩、邶風「搔首─躕」=躊躇·踟躇。
○ためらひて進まざる貌。字解參看。○物の相連る貌。王延壽、魯靈光殿賦「西廂──以閒宴」
たちもとほる、足を住 トド める。范成大詩「每逢絕勝卽──」=踟蹰。
①テキ [錫]
②シュク [屋]
①── テキテキ は道路の平易 タヒラカ なる貌。詩、小雅「──周道」=坦坦。
②─踖 シユクセキ は恭敬なる貌。論、鄕黨「君在──如也、與與如也」
①テキ·チャク [錫]
②シャク [藥]
①ける、足にて物を蹴る。
②驚く貌「矍─」急遽 アワタダシ なる貌。
ホク·ボク ハイ ホウ ホ·フ [職]
たふす。たふる(僵·仆)左、襄十一「與晉─之」つまづきたふる「傾─」「顚─」
9畫
ク [麌]
○親しむものなき貌。○ひとり行く貌。詩、唐風「獨行──」
獨り行く貌。又、親しむものなき貌。孟、盡心「行何爲────」
①ジウ [有]
②ジウ [尤]
①ふむ(履·踐)○ふみにじる、ふみあらす。
②禾をふみて穀を取る。詩、大雅「或簸或─」
同訓異義
フム 蹂·履·踐·蹈·踏の别は履(五三五頁一段)の條を見よ。
ふみにじる。史、項羽紀「餘騎相──」=踐蹂·蹂躪。
ふみつける。王源詩「幾經──道邊塵」=蹂若。
ふみにじる。後漢書「東攠鳥桓、──濊貊」=蹂躪。
ふみにじる。班固、西都賦「──其十二三」躙一に躪に作る。
前條に同じ。漢書「百姓奔走相──」=蹂踐。
シュン セン [軫]
○そむく(乖)たがふ=舛。○まじる、まだら(雜)○──は失意の貌。盧照鄰文「容色──」
たがひまじる。乖舛駮雜。左思、吳都賦「謀──於王義」孝經序「──尤甚」
①ショウ [腫]
②ショウ [宋]
①くびす、きびす、かかと(足後·跟)「接─」○いたる(至)「─門」○あつまる(聚)○おふ(追)「追─」○ふむ。○よる(因)漢書、刑法志「─秦而置材官於京師」○つぐ(繼)ひきつぐ。○つづく(接)「─接」○しきりに(頻)莊、德充符「─見仲尼」
②躘─は、行くこと能はざる貌。
同訓異義
イタル 踵·至·到·臻·詣·造格·戾·迄等の別は至(一五九一頁三段)の條を見よ。
あしをつまだてる。魏志、公孫瓚傳、注「東西鮮卑、──來附」
かかとをつづける。人が續きて往來する。轉じて物事の續きて起る義とす。戰國策「韓魏父子兄弟──而死於秦者世矣」
ひきつづきてとらはれる。唐書、元結傳「百姓轉徙、──不絕」
かかとがつづく、人がたえずつづき行く。宋史、李顯忠傳「入城宣布德意、不戮一人、中原歸附者──」=接踵。
ふみにじる。漢書、項籍傳「餘騎相──爭項王」=蹂踐。
きびすに徹する如く深く呼吸する、卽ち心を靜かにし生を養ふ術。莊子「至人之息以踵、衆人之息以喉」
あとをつぐ、武はあしあと。漢書、司馬相如傳「率邇者──、逖聽者風聲」
親しく其の門に至る。孟、滕文公「──而吿文公」
足をかさねいきをころす。甚だしく恐れる形容。
○時をうつさざる義、直ちに。史、吳起傳「其父───遂死於敵」○後へしりぞかざる義。漢書、鼂錯傳「前死───」
セン タン [銑]
○ふむ(蹀)○くびす(跟)○をどらす(躍)淮南、人閒「─足而怒」
タゥ [陽]
○つまづく(跌)○つかれふす(頓伏)
チン タン [寢]
趻(足部四畫)に同じ
─踔 チンタウ は跛者 ビツコ の行く貌。莊、秋水「吾以一足?踔而行」(?は踸に同じ)又、常なく定まらざる貌。陸機文賦「故──於短韻」又、暴 ニハ かに長ずる貌。楚辭、七諫「馬蘭─踔而日加」
①テイ·ダイ [霽]
②チ [紙]
①ふむ(蹋)「奔─」小 スコ しく踏む。莊、馬蹄「怒則分背相─」
②─跂 チシ は心力を用ふる貌。莊、馬蹄「蹩躠爲仁、─跂爲義」
ふみころされる。韓愈、與柳中丞書「祭──之士」
①テイ [齊]
②テイ [霽]
又、蹏に作る
①ひづめ、獸の足。又、其の爪「牛─」「豚─」「馬─」○わな、兔をとるわな(兔罝 トシヤ )
②ふむ(踶)ける。─ テイ する。
ひづめにてけると、くちにてかむと。名畫記「北齊楊子華畫馬壁閒、夜聞──長鳴」
牛馬のあしあとにたまりたる水。轉じて微少なる物に喩ふ。淮南、氾論「夫牛蹄之涔、不能生鱣鮪、而蜂房不容鵠卵、小形不足以包大體也」晉書、劉曜載記「──不容尺鯉」
免をとるわなと、魚を捕ふる竹器と。轉じて道を說きたる言文に喩ふ。言文は其の道を悟り得るまでの具なるが故。賈餗文「文字言說兮、罔非──」筌蹄(一四一六頁一段)參看。
馬のひづめにうつ鐵。かなぐつ。
ひづめのあとの、くぼみ。新論「──之內、不生蛟龍」(せまき地には大人物の出でざる喩)
テフ [葉]
○ふむ(履蹈)○踥─は行く貌。○躡─は小步 スコシクアユム の貌。張衡、南都賦「羅襪躡─而容與」
行く貌。范成大詩「──恐顚墜」
フク [屋]
─踧 フクシユク は聚まる貌。馬融、長笛賦「─踧攢仄、蜂聚蟻同」一說に迫蹙 セマル の貌。
ヘン [先]
○よろよろとあるく、ちどりあし、足正しからず。○─躚 ヘンセン はめぐりゆく(旋行)貌。又、まふ貌。
○めぐりゆく貌。張衡、東都賦「??──」○めぐり舞ふ貌。赤壁賦「羽衣──、過臨皋之下」
①ユ [虞]
②エゥ [蕭]
逾に通ず
①こえる。こす(越)「─牆」○わたる(度)左、隱元「士─月外姻至」○すぐ(過)をかす(犯)左傳「以禮防民、猶或─之」○のぼる(驀)○をどる(跳)とびこす。○いよいよ(愈)淮南子「亂乃─甚」
②はるか。=遙。
同訓異義
コユ 踰·超·越·躐の別は超(一八八九頁一段)の條を見よ。
○己の分限に過ぎる。史記、自序「明分職、不得相──」○のりこえる。左、襄三一「門不容車、而不可──」
かきをこえる。孟、滕文公「段于木──而辟之」=踰牆。
のりをこえる、禮法を守らず。論、子張「大德不──」
年をこす。王粲文「歷春秋以──、行復出于斯鄕」
なかまにこえまさる。高允文「越哉伯度、出類──」=超羣。
其の月をこす、翌月になる。左、隱元「士──外姻至」=度月。
はるかに相はなす。禮、投壺「毋──」
ほしいままにして法度にしたがはず。唐書、劉蕡傳「豪滑──」滑は猾。
分外のおごり。奢侈が度に過ぐ。漢書、食貨志「富者荒淫越制、──以相高」東都賦「遊俠──、犯義侵禮」
節度をこえる。曲禮「禮不──、不侵侮、不好狎」
身分不相應のおごり。蜀志、董和傳「防遏──」=僭越。
古の名醫。韓詩外傳「吾聞中古之爲醫者曰──」=兪跗。
國境をこえる。禮記「不──而弔」
すぎゆく。書、秦誓「日月──」踰一に逾に作る。
馬の名、周穆王八駿の一。
こえる、すぐ(經過)南史、王弘之傳「拂衣歸耕、──三紀」
踊(足部七畫)の俗字。
10畫
ケイ [齊]
○こみち(徑道)「山─」「幽─」「荒─」史、李將軍傳「桃李不言、下自成─」○すぐ(徑)こみちをまっすぐにわたる。左、宣十一「牽牛以─人之田」
山閒のこみち。莊子「山無──、澤無舟梁」
ケン [銑]
○びっこ、ちんば、あしなへ(跛)「─跛」○なやむ(難)くるしむ(困阨)「屯─」○まがる(屈)○にぶし(遲鈍)にぶきもの。○ぬく(拔)○かかぐ、衣をかかげる。=褰。○とどまる(停)○易の卦の名、艮下坎上。○──はなやむ貌。又、忠貞なる貌。=謇謇。○偃─はおごる、たかぶる(驕)左、哀六「彼皆偃─」又、高き貌。離騷「望瑤臺之偃─兮」又、衆く盛んなる貌。離騷「何瓊佩之偃─兮」
同訓異義
ナヤム 蹇·惱·懊·艱·難·阻·屯の别は惱(六八四頁一段)の條を見よ。
ちんばと、せむしと。唐書、楊國忠傳「士之醜野──者、呼其名、輒笑於堂上」
どもる。又、語が出で難し。蘇軾詩「改更句格各──」
○なやみ苦しむ貌。易、蹇卦「王臣──、匪躬之故」○忠貞なる貌。漢書、龔遂傳「引經義、陳禍福、至於涕泣、──無已」=謇謇。
屈折する貌。楚辭「思──而不釋」=?嵼。
忠直のさむらひ。唐書、元德秀傳「德秀、善文辭、作──賦以自況」
伏羲氏の臣にて媒妁 ナカウド に巧なりし人。離騷「吾令──以爲理」轉じて媒人 ナカウド をいふ。=蹇修。
蹇滯に同じ。白居易詩「晝行雖──」
なやみとどこほる。ふしあはせで苦む。王禹偁詩「胡爲──多窮愁」=蹇澁。
ちんばのうさぎ。戰國策「譬若驅韓盧而搏──也」韓盧は戰國の韓の俊犬の名。
ちんば、あしなへ。白居易詩「他時──縱行得、笑殺平原樓上人」
行路の難くして進まざる貌。くるしみなやむ。蔡邕賦「塗迍邅其──兮」易經の「往蹇來連」に本づく。
サ シ [歌]
○つまづく(跌)足を失ひたふる。○つまづき。○すぐ(過)張華、輕薄篇「賓客不得─」○時機を失ふ、くひちがふ。「爽─」
○つまづく。楚辭、九懷「驥垂兩耳兮、中阪──」=顚躓。○時機を失ふ。晉書、周處傳「俗自修而年已──」○ふしあはせにて志を得ず。張九齡詩「宿昔靑雲志、──白髮年」
○つまづく。○しくじる、失敗する。漢書、朱博傳「常戰栗不敢──」=失墜。
シャウ サゥ [陽]
○うごく(動)よろよろとうごく。○巧に趨 ハシ る貌。○──は舞ふ貌。又行く貌。又、士大夫の擧動の威儀ある貌。○─捍は馬の疾走する貌。傅毅賦「──淩越」
○うごく貌。爾雅「──、動也」○士大夫の威儀ある貌。詩、大雅「──濟濟」○舞ふ貌。書、益稷「鳥獸──」
よろめく。=踉蹌。
セキ [陌]
ぬきあし、さしあし(小步)足を累ねて行く「局─」詩、小雅「謂地蓋厚不敢不─」
タゥ [號]
○ふむ(踐)書、君牙「心之憂危、若─虎尾涉于春冰」(─虎尾は極めて危險なる喩)○足にてふみしく、ふみつける。○足びゃうしをして地をふむ「舞─」○喜びてこをどりする。禮、樂記「故不知手之舞之、足之─之」○ゆく(行)左、哀二一「使我高─」○うごく(動)○いたむ。=悼。○ふみおこなふ(履行)實行する。宋史「躬言之、躬─之」
同訓異義
フム 蹈·履·踐·躡等の別は履(五三五頁一段)の條を見よ。
○あしぶみしてうたふ。舊唐書、睿宗紀「上元夜、上皇御安福門觀燈、出内人連袂──、縱百寮觀之」=踏歌。○ 國 古、正月十五·十六日に男女の巧に歌舞する者を禁中に召して、年始の視詞を歌ひ舞はしめしもの。
海に投じて死する。高潔なる節操をいふ。史、魯仲連傳「秦卽肆然爲帝、過而爲政於天下、則連有蹈東海而死耳」後漢書、逸民傳「──之節、千乘莫移其情」
正しき義理をふみおこなふ。曹植文「遭變則以斷──」
前人の議論、又は詩文を盜みて、己のものとする。韓愈文「──前人言句」金史、李經傳「作詩極刻苦、不──前人」=勦襲。
ふみにじる。魏收、爲東魏檄梁文「劍騎之所──」
敵地にふみ入る。魏志、曹仁傳「今千里──、進不能克、退必喪威」
たたら、足にてふむふいご。
○足をふみならしてよろこびまふ。唐書「武后召審言、將用之、問曰、卿喜否、審言──謝」=踏舞。○あしぶみして舞ふ。=舞蹈。
タフ [合]
踏(足部八畫)に同じ
○ふむ(踐)○ける(蹴)
けまり、古、武術を練るためにする、後世は遊戲の一とす。史、蘇秦傳「六博──者」=蹴鞠俗踢球。
蹄(足部九畫)に同じ。
テン [先]
つまづく(跋·躓)「─仆」
つまづきたふれる。荀子「塼塗而塞江海、僬僥而戴太山、──碎折、不待頃矣」=顚跌。
テン [銑]
ふむ(蹈)莊、庚桑楚「─市人之足」
蹣(足部十一畫)に同じ。
11畫
キ []
跬(足部六畫)に同じ
かたあし、半步。荀、勸學「不積──、無以致千里」=跬步。
ザン [勘]
○しばらく、久しからず。列、楊朱「其法可─行於一國」=暫。○はやくはしる(疾走)貌。
シ [紙]
ざぅり、わらぐつ(草履)孟、盡心「舜視棄天下猶棄敝─也」=躧。
履を正しくはかず引きずり行く。長門賦「──起而徬徨」
シュク [屋]
○せまる(足迫)○こまたに步む。○ちぢむ。縮に通ず。
足を擧ぐることの狹數なる貌。こまたに步する。論、鄕黨「足──、如有循」
シャウ サゥ [漾]
行くこと正しからざる貌。よろめく。韓愈詩「踉─越門限」=蹌。
シュク [屋]
又、?に作る
○せまる(迫)狹 ヤマ くなる。○ちぢまる。ちぢめる(縮)詩、大雅「今也日─國百里」○ちかづく(近)○きびし、きはまる(急)くるしむ「窘─」「困─」「窮─」○おふ(追)○うながす(促)○しかむ、しわをよせ縮む。○ふむ、ける。禮、曲禮「─路馬芻有誅」=蹴。○しかむ。顣に通ず。○─然は愁ふる貌。
同訓異義
セマル 蹙·逼·迫·薄の别は逼(一九七四頁一段)の條を見よ。
頞は鼻莖 ハナバシラ それをちぢあ皴 シハ をよせて愁ふる。孟、梁惠王「擧疾首──而相吿」
まりをける。又、其の者、蹙は蹴。儒門事親「──張承應、年幾五十、腹如孕婦」=蹴鞠·蹋鞠。
金線を以て繡 ヌヒトリ して紋樣 モヤウ の縮みたるもの。杜甫詩「繡羅衣裳照暮春、──孔雀銀麒麟」
縮小する貌。詩、小雅「──靡所騁」
恐れて安んぜざる貌。漢書、揚雄傳「──讋悕」
こまたに、ぬきあしして步む。鮑照賦「逢險──、値夷舒步」
ちぢまる。ちぢむ。文心雕龍「──和氣」
蹙(前條)に同じ。
ショウ [冬]
○あと、足あと(足跡)「人─」○人の行のあとかた(事蹟)漢書、揚雄傳「躡三皇之高─」○物事のあと「遺─」「筆─」「事─」○ゆくへ。○從ふ、人の後に隨ひ行く(追隨)「追─」踵に通ず。○はなつ。古、縱に通ず。史、高祖紀「發─指示者人也」
○人の行のあと。ゆくへ。=踪跡。○人の跡をつける。春渚紀聞「往靑州──之、果有州民麻氏」=追躡。
前條に同じ、あとかた。李白詩「譬如雲中鳥、一去無──」
セキ [陌]
○をどる(跳躍)○ふむ(踐·蹈)史、蘇秦傳「─彊弩」○ゆく(適)○あしのうら「─骨」=跖。○盜─ タウセキ は古の大盜の名。=盜跖。
盜蹠と莊蹻と、皆古の大盜の名。淮南、主術「明分以示之、則──之姦止矣」=跖蹻。
セキ ジャク [陌]
○あと、あとかた「事─」「痕─」「筆─」=迹·跡。○したがふ(循)詩、小雅「念彼不─」(不─は道に循はざる義)
筆づかひのあとと意匠と。圖畫見聞錄「──兼美、名播蜀川」
テイ タイ [霽]
○たくはふ(貯)○滯(一一四一頁一段)に同じ「畱─」
①テキ·タク [陌]
②テキ [錫]
①足をとどむ(住足)たたずむ、たちもとほる。靜かならず。をどる、あしぶみす「─躅」
②ひづめ(蹄)詩、小雅「有豕白─」○なげる(投)投げすてる。莊、徐無鬼「齊人─子於宋者」=擿。
○足を以て地をうちて靜かならず。易、姤卦「羸豕孚──」○たちもとほる、行きて進まざる貌。禮、三年問「──焉、踟躕焉」=躑躅。
ハン マン [寒]
○よろめく「─跚」○こゆ、牆をこゆ。
よろめく貌。蘇軾詩「兩足幾──」=蹣連。
ヒツ [質]
もと?に作る
○さきばらひ、君王の出で行くに道路を警戒して行人をとどめる。古今注「秦制出警入─」○轉じて天子の行幸。又、其の御車「駐─」「扈─」○偏足 カタアシ にて立つ。列女傳「立不─」
○道を淸める。曹植詩「蚩尤──、風弭雨停」○轉じて天子の行幸の道筋。
12畫
①ケゥ [蕭]
②キャク [藥]
①あぐ、足を高く擧げる。漢書、高帝紀「可─足待也」足を擧げて行かんとするの閒、其の迅速をいふ。○── ケウケウ は武き貌。又、つよく盛んなる貌。=矯矯。
②はしる貌。○かんじき(屐)山行に乘るもの、錐の如き鐵を履下に施したるもの、○わらぐつ(草履)○── キヤクキヤク は小人の志を得ておごれる貌。
蹻は草履、簦は長柄のかさ、共に旅行の用具。史、虞卿傳「躡蹻擔簦、說趙孝成王」
○武くつよき貌。詩、周頌「──王之造」○彊く盛んなる貌。詩、魯頌「其馬──」○ キヤウキヤク 小人の志を得て驕れる貌。詩、大雅「小子──」=驕蹇。
はやく走る。=趫健。
莊蹻と盜跖と。竝に古の大盜。宋書、顧愷之傳「──橫行、曾原窘步」(曾原は、曾參と原憲と)=跖蹻〔漢書、賈誼傳〕
足早し、すばやし。=趫捷。
勢よく走る。韓愈詩「行行事結束、人馬何──」
力多くしてつよし。唐書「以──聞」五代史「弘肇爲人──、走及奔馬」
蹻(前條)に同じ。
①ケツ [月]
②ケイ [霽]
通音ケツ
①つまづく(失脚)けつまづきたほれる(僵)「顚─」孟、公孫丑「今夫─者趨者」○たふす、くつがへす。くじける、挫く。史、孫子傳「─上將」○をどる、はねる(跳)○ける(蹴)○竭─ ケツケツ はたほれる(顚倒)
②とびたつ、はね起きる「─起」「─然」おどろき起つ(驚起)うごく(動)○あわてる、あわただし(急遽)曲禮「足毋─」○──はさとし(敏捷)
はねおきる。
動きて事に敏 サト し。詩、唐風「好樂無荒、良士──」
急に驚き起つ貌。禮、孔子閒居「子夏──而起」
つまづく。五代史、馮道傳「過井陘之險、懼馬──、不敢怠於御轡、及至平地、謂無足慮、遽跌而傷」=跌失。
つまづく。
脚力强くして强き弩 イシユミ を蹋みおさへて張る。史、申屠嘉傳「以材官──、從高帝、擊項籍」
蹶(前條)に同じ。
シュク [屋]
○ける、ふみつける(躡·踢)○─然は愼 ツツシ む貌。又、安からざる貌。
けまりをける。唐代、古の蹴鞠戲を變じて──と爲す。白居易詩「──塵不起、潑火雨新晴」=蹴鞠。
けまり。又、其の遊戲。踘は鞠に通ず。篇海「踘亦作鞠、蹋鞠戲以韋爲之、實以柔物、今謂之毬」=蹴鞠·蹵鞠·蹴毬。
前條に同じ。後漢書、梁冀傳「六博──」
ふみくだく。戴表元詩「馬蹄──牆西草」
足にて物をけとばす。孟、吿子「──而與之」
心の安からざる貌。莊、天運「子貢──然立不安」=蹵蹵。
おそれて安んぜざる貌。孟、公孫丑「曾西──曰、吾先子之所畏也」=蹵然。
ふみつける。杜甫詩「霜蹄──長楸閒」郝經詩「──千年雪、驍騰萬里駒」
蹴(前條)に同じ。
躚(足部十六畫)に同じ。
ソウ [徑]
─蹬 ソウトウ は道につかれる貌。又、勢を失ふ貌。木華、海賦「或乃─蹬窮波」李白詩「─蹬遭讒毀」
①ソン [元]
②シュン [眞]
③ソン [阮]
①うづくまる(踞)しゃがむ。莊、外物「─於會稽」
②── シユンシユン は舞ふ貌。又、行くに節ある貌。行儀の正しきあるきかた。
③あつむ(聚)左、成十六「─甲而射之」
うづくまる。符子「陶朱公喪子、隣人往弔之、朱公方擁膝──、捧頭而笑」
うづくまる。張蠙詩「山寺取涼當夏夜、共僧──石階前」
芋の異名、芋頭の形の似たるが故。史、貨殖傳「汶山之下沃野、下有──」
あとしざりする貌。晁補之詩「不覺下馬拜、僮奴亦──」=逡巡。
○舞ふ貌。詩、小雅「──舞我」○行くに節ある貌。漢書、揚雄傳「穆穆肅肅、──如此」
タイ [灰]
○たふる(仆)○つまづく(疐·躓)
チョ [魚]
或は躇に作る
しざる、たちもとほる「踟─」
トウ [徑]
○蹭─ ソウトウ は勢を失ふ貌。又、道につかれる貌。木華、海賦「或乃蹭─窮波」○ふむ(履)
ハン フン [元]
○獸のてのはら、卽ち足のうら。=番。○獸の足のうらの肉。左、文元「食熊─」
ヘツ ベチ [屑]
又、?に作る
○ちんば、あしなへ(跛)○ふむ(踶)○─? ヘツサツ は心力を用ふる貌。莊、馬蹄「─?爲仁、踶跂爲義、而天下始疑矣」又、旋りゆく貌。張衡、東都賦「─?蹁蹁」
蹩?に同じ。字解を見よ。
蹩(前條)に同じ。
前條の蹩躠に同じ。
ボク [屋]
みづかき。水鳥などの脚指の閒に相連屬せる膜 マク 趾閒の膜。
蹋(足部十畫)に通ず。
けまり。劉向別錄「──兵勢也、因嬉戲、而講練之」=蹋鞠·蹴鞠。
躕(足部十五畫)の俗字。
13畫
サゥ ソウ [號]
○さわぐ(擾)さわがし。靜の反對「輕─」「浮─」「狂─」禮、月令「君子齋戒、處必掩身毋─」○みだる(亂)○うごく(動)○あわただし、性急。
同訓異義
サワグ 躁·騷·噪譟·擾の別は騷(馬部十畫)の條を見よ。
さわがしき氣質 タチ 孟郊詩「輸去雖有恨、──一何顚」
さわがしくいそぐ、性急。宋史、李復圭傳「輕率──、無威重」=躁擾。
さわぎくるふ。摯虞賦「哂倏忽之──兮」
心いらだちてあらあらし。南史、邵陵王綸傳「刺史何如、對者言其──」=躁暴。
かろがろしくしてつよし。北史、劉炫傳「性──頗好俳諧」
心せはしく人と權勢をきそひ爭ふ。北史、王遵業傳「議者惜其人才、而譏其──」
さわがしくしてほしいまま。易經、注「夫陰質而──者、羸豕特甚」
さわがしくおちつかぬ人。易、繫辭「──之辭多」
心せはしく、官位などの進まんことを求める。范質、曉從子杲詩「──徒爲耳」
さわぐと、しづかなると。潘岳賦「苟趣捨之殊途兮、庸詎識其──」淮南子「聖人貴靜、靜則能應躁」=譟靜·靜躁。
心さわがしくみだれる。漢書、食貨志「莽性──、不能無爲」=躁急。
さわぎてかるがろし。韓非子「──反覆、謂之智」=輕佻·輕浮·輕躁。
さわがしくいかる。文同、鍾馗詩「其腹尙餒色──」
心いらだちていかる。五代史、唐六臣傳「太祖──」=躁怒。
さわぎいきどほる。歐陽修文「多──佯狂、失其常節」
①チョ [魚]
②チャク [藥]
①躊─ チウチヨ はためらふ、たちもとほる。漢書、李夫人傳「哀裵囘以躊─」=踟躇。
②こえる(超)あわててとびこえる(超遽)公羊、宣、六「─階而走」
①チョク [沃]
②タク [覺]
?に同じ
①あしずりする、あがく、行きなやむ、あしぶみする、たちもとほる「跼─」「蹢─」「躑─」○たたずむ。
②あと、あしあと(足跡)○古人の行ひしあと(事蹟)「芳─」「遺─」漢書、敍傳「伏周孔之軌─」
トン [阮]
俗 ○岸旁に艤したる大船に屬して客の來往、又は荷物の揚御 アゲオロシ に備ふる舟、はしけ(艀舟)○整數をいふ。─賣は零賣の對。
ヘキ [陌]
又躃に作る
ゐざり、兩足俱に廢する、あしなへ、足の障害。又、其の者「老─」禮、王制「瘖聾跛─」
あしなへ。史、平原君傳「民家有──、槃散行汲」
行きなやむ、行きて利 トシ ならざる貌。李賀詩「日車何──」
躄(前條)に同じ。
躐(足部十五畫)に同じ。
14畫
セイ サイ [齊]
又、隮に作る
のぼる。のぼす(升·登)「登─」詩、秦風「道阻且─」
同訓異義
ノボル 躋·上·升·昇·陞·登·騰·陟の別は上(三六頁二段)の條を見よ。
のぼる。宋史、禮志「竊惟壇圖舊制、悉有明據、天神定位、難以──」
のぼりよぢる。杜甫詩「一丘藏曲折、緩步有──」=攀躋。
高き所にのぼりてみる。吳均詩「──何所見」
チウ [尤]
─躇 チウチヨ はためらふ、たちもとほる。漢書、李夫人傳「哀裵囘以─躇」=踟躕·猶豫。
たちもとほりて進まず。鮑照詩「舟人不──」
①ヤク [藥]
②テキ [陌]
①をどる「踊─」「雀─」「奮─」「騰─」易、乾卦「或─在淵」をどらす(跳)をどり。○あがる(上)とびあがる、はねあがる、大を─、小を踊、又、跳といふ。○すすむ(進)○こゆ(越)○──は喜ぶ貌。又、心動く貌。
②──ははやく走る貌。
同訓異義
ヲドル 躍·跳·踊·踴の別は跳(一八九六頁二段)の條を見よ。
○をどりたつ、をどりあがる。○ 國 せきこむ、いらだつ。
をどりすすむ、勢よく進む。
をどり出る。晉書、王祥傳「冰忽自解、雙鯉──」
をどりたつ貌、勢よき貌。=躍然。
をどりのぼる。謝靈運、善哉行「暘谷──、虞淵引落、景曜東隅、晼晚西薄」
をどりたつ貌。=躍躍·躍如。
馬を走らす。賈島詩「──歸魯口、帶漏別秦星」
勢よく馬を走らす。左思、蜀都賦「公孫──而稱帝」
○心の動きて定まらざる貌。夏侯湛賦「振遊形之──」又喜ぶ貌。韓愈文「夫得利則──以喜」○ テキテキ をどりはねて疾かなる貌。詩、小雅「──毚兔」
15畫
チ シツ [寘]
○つまづく(跲)「困─」「顚─」左、宣十五「杜囘─而顚」=?。○ころぶ(顚)○ふむ(蹋)○くじける(挫折)故障が生じて事がやぶれる。
つまづきたふれる。易林「──踒足」=顚躓·躓跲。
チュ [虞]
通音チュウ蹰は俗字
踟─ チチユウ はためらふ。
テキ [陌]
─躅 テキチヨク はあしぶみする。荀、禮論、註「─躅以足擊地也」又、行きて進まず、たちもとほる貌。=蹢躅·踟躕。又、つつじ、灌木の一種、四五月頃美花を開く、花に毒あり、羊之を食はんとしてたちもとほふる、故に名づくといふ。=杜鵑花。
テン [先]
?は俗字
○ふむ(踐)ふみ行く。○脚の踐む處。日月星の循行する軌道。○日月星辰の次 ヤドリ (星次)
星のやどり、星の躔舍。韓愈詩「赫奕當──」
日月星辰の經行する所の度數、周天を分ちて三百六十度とする。
①レキ [錫]
②ヲク [藥]
①うごく。大戴禮「騏驥一─、不能十步」うごかす。=?。
②こゆ(超)こえすぐれる(超絕)「卓─」「逴─」
レフ ロフ [葉]
○ふむ(踐)前に行くものを踐む。○こえる(踰越)順序を經ずして飛び越える「超─」
同訓異義
コユ 躐·超·越·踰の別は超(一八八九頁一段)の條を見よ。
順序によらずしてとびこえる。禮、學記「幼者聽而弗問、學不──也」
16畫
ヱイ クヮイ [霽]
○あやまつ(過)○いつはり(僞)信ならず。
いつはりの言。又あやまちの言。左、哀二四「是──也」
セン [先]
又、蹮に作る
○よろめく。○舞ふ。
舞ふ貌。蜀都賦「紆長袖而屢舞、翩──以裔裔」=蹁躚。
リン [震]
又躪に作る
○ふみにじる、ふみあらす「蹂─」○きしる。=蹸。
17畫
サツ セツ [曷]
蹩─ ベツセツ は旋行 メグリユク の貌。又、心力を用ふる貌。
躠(前條)に同じ。
セフ [葉]
○蹀─ テフセフ は行く貌。=躞蹀。○軸の心 シン 米芾書史「隋唐藏書、皆金題玉─」
躔(前頁四段)の俗字。
18畫
シャ セキ [禡]
踖に通ず
ふむ(踐)史、司馬相如傳「人民之所蹈─」
タフ [合]
ける、ふむ「─鞠」=蹋·踏。
デフ [葉]
○ふむ(蹈)「踏─」「─足」○はく(履)うがつ「─履」「─蹻」○後からおっかける(追隨)「追─」曹植文「忽─景而輕騖」景卽ち日影を追ふは甚だ疾きをいふ。○のぼる(登)「登─」○いそぐ(急)
同訓異義
フム 躡·履·踐·蹈·踏·蹂の別は履(五三五頁一段)の條を見よ。
わらぐつをはく。史、范睢蔡澤傳「虞卿──擔簦、一見趙王」
おほぞらをふみゆく。孫綽、遊天台山賦「王喬控鶴以沖天、應眞飛錫以──」
はきものをはく。潯陽記「束帶──而詣焉」
あとを追ふ。尉繚子「莫敢當其前、無敢躡其後」
くつをふみてあるく。高道素賦「振袖蔽月、──揚埃」
あしをふむ。史、淮陰侯傳「張良·陳平躡漢王足」
てきのあとを追っかけて行く。握奇經「遊軍從後──」
小步 コマタニアルク の貌。張衡、南都賦「羅韈──而容與」
19畫
シ リ サイ [紙]
○あゆむ(步)○舞ふ時にはくくつ、舞履。漢書、地理志「彈弦跕─」○わらぐつ(草履)戰國策「猶釋敝─」=屣·蹝。○はきものをちょつとつまさきにひっかける。漢書、雋不疑傳「─履相迎」
躧は足履、之を脫ぎ棄つるも惜しからず。以て事の易きに喩ふ。史、封禪書「吾視去妻子、───耳」
舞の步のはこび。張衡賦「邯鄲──」
20畫
グヮク [藥]
○をどる(跳)淮南、精神訓「鳧浴蝯─」○とくゆく(疾步)○─如 クフクジヨ はたちもとほりて敬を爲す、進むこと能はず。論、鄕黨「足─如也」
疾 ト く行く。莊、山木「蹇裳──」
躙(前頁二段)に同じ。
にじる、きしる(轢)漢書、王商傳「奔走相蹂─」
21畫
チョク [沃]
あと、あしずり。=躅。