ノ部
0畫
ヘツ ヘチ [屑]
○右より左へ戾 モト る。○首を擧げて體を伸ぶる。
舟などのゆれ動く貌。
フツ 木チ [物]
左より右へ戾る。
1畫
①ガイ·ゲ [隊]
②ガイ [泰]
①かる(芟)、草をかる、通じて刈·芟に作る。○をさむ(治)をさまる。書、太禹謨「政乃─」○やすし(安)○しんとしてものさびし「肅─」○かしこし、賢才。書、皋陶謨「俊─在官」
②こらす(懲)「懲─」いましむ(戒)
をさまりて安らか。史、封禪書「方內──、民人靡疾」=安乂。
をさまりてきよし。鍾會文「今邊境──、方內無事」=晏淸。
をさまりてやすらか。後漢書、楊賜傳「五登袞職、弭難──」元史、刑法志「百年之閒、天下──」=安寧。
①ダイ·ナイ [賄]
②アイ·エ [賄]
迺に通ず
通音ダイナイ
①すなはち、そこで、上を承けて下を起す辭、於是 ココニオイテ 書、堯典「─命羲和」○語勢をととのへ緩くし、又、物を一っ一っあぐる時に用ふる語。書、大禹謨「─聖─神」○わづか(纔)呂覽、義賞「天下勝者衆矣、而霸者─五」○なんぢ(汝)○これ(是)史、聶政傳「嗟乎政─巿井之人」○かれ(彼)○その(其)○それがし、なにがし(某)○─者はさきに、むかし。戰國秦策「─者過柱山」=乃昔。○をさむ(治)
②欸─ アイダイ は、ふなうた(棹歌)柳宗元詩「欸─一聲山水綠」○ 國 ノ 迺と同じくのの音に假り用ふ。
同訓異義
スナハチ 乃·迺·則·卽·便·輒·載○乃はそこでと譯す「繼レ事之辭」と註す、一事を言ひ畢りて更に或事に言ひ及ぶ義。月令「仲春之月、雷乃發レ聲」とあり、雷は仲春に至りて、そこで漸く聲を發すとの義。○迺は乃と同字。○則の字の類は、皆句中にある字なり、句尾にあることなし、則は「れば」「らば」「るならば」「るなれば」「は」などと譯し「然後之辭」と註す、「これはかうそれはさう」といふ辭。論語「子弟入則孝、出則弟」とある如し、則の字、字を隔てて置くことあり。左傳「山有レ木、工則度レ之」とある如し、則の字木の字の下に置くべきを一字隔てて工の字の下に置けり、これ工の字を重く主としたるなり、毛詩「旣見二君子、一我心則喜」とあるも、此れと同じく子の字の下に、則の字を置くべきを、我心の二字を隔てて置きたるなり。○卽は、とりもなほさずと譯す、そのままの義、性卽理也の如し、則の字は緩にして、卽の字は急なり。史、項羽紀「徐行卽免レ死、疾行則及レ禍」とあり、ここにては徐行を主とするに由りて、徐行に卽を用ひ、疾行には則を用ひたるなり。○便は、そのまま、たやすくと譯し、卽也と註す、卽よりは稍~輕し。○輒は、たやすくと訓む、便に近し「每レ事卽然也」と註す、輙は俗字。○載は受け載する義にて上を受くる辭「たやすく、そのまま」の義、便に近し。
父の自稱、乃父に同じ。宋楊秀詩「大兒怒叫小兒啼、──對竹方哦詩」
○汝の君といふ義にて、君主が臣下に對し驕りていふ自稱。史、畱侯世家「豎儒幾敗──事」○父が子に對する自稱。漢書「陳萬年曰、──敎戒汝、反睡不聽何也」=迺公。
いま、このごろ、現今。莊、逍遙遊「而後──培風」
なんぢのせんぞ。乃父を見よ。
なんぢの父、父が子に對する自稱。書、君牙「惟乃祖──、世篤忠貞、服勞王家」
○乃は上を承けて下を起す辭、よりて何何より何何に至ると、中閒を略する語「二囘──六囘佛書に多く用ふ。戰國趙策「天下之卿相人臣、──布衣之士、莫不高賢大王之行義」○あるひは、もしくは。
さきに、前日。漢書、蕭何曹參傳、注「──猶言曩者」=日者·嚮者。
佛 旣往の義。无量壽經「──過去、久遠无量」
天子の德を譽める語、天地を經緯するを文といひ、禍亂を戡定するを武といふ。書、大禹謨「益曰、都、帝德廣運、乃聖乃神、────」=允文允武。
2畫
キウ ク [有]
○ひさし「長─」「恆─」暫の反對。中庸「不息則─」○ながし(永)とほし(遠)○久しくす、永き閒、時がたつ、行くこと遲し。史、天官書「─而至」○久しく待つ。左、昭二四「寡君以爲盟主之故、是以─子」○畱まる。孟、公孫丑「可以─則─」○ふさぐ(塞)
ひさしくやすらか。漢書、賈誼傳「建──之勢、成長治之業」
久しき閒である、矣は助字。史、齊世家「吾太公望子──、故號之曰太公望」=久也。
次條に同じ。揚雄、諫不受單于朝書「不壹勞者不──、不暫廢者不永寧」
久しく安んじたのしむ。後漢書、竇憲傳「玆可謂一勞而──、暫廢而永寧者也」
ひさしくあそぶ、久しく畱まる。楚辭「歸來歸來、不可──些」註「淫、遊也、淹也」
年久しき約束、要は要約。論、憲問「──不忘平生之言」=舊約。
久しく一所にとどまる、淹は淹畱。孟浩然詩「日暮田家遠、山中勿──」=久畱·久滯。
ながくひさし。孟子「舜禹益、相去──」
久しくまじはりてかはらず。宋史、邵雍傳「淸而不激、和而不流、人與交久、益尊信之」
長くつづきたるひでりに好き雨に逢ふ、人世喜ばしき事の一。容齋隨筆「─────他鄕遇故知、洞房華燭夜、金榜掛名時」
永き閒。道德指歸論「漣滴之流、──而成江海」
久しく敬ひ慕ふ義。韓愈、畱别張使君詩「──江總文才妙、自歎虞翻骨相屯」
久しき閒のおもひ。王令詩「──薄技待後乘」
○久しく空しくして行はず。漢書、禮樂志「──大儀、未有立禮成樂」○官位などを長くあけて置く。後漢書、光武帝紀「帝王不可以──、天命不可以謙拒」○月日を久しきにわたりて空しく費す、曠日彌久 クワウジツビキウ の約。
ひさしぶり、久しく無沙汰する、闊は疎闊。蜀志、許靖傳「──情慉、非夫筆墨所能寫陳」=久别。
人と交はること久しくして益敬ふ。論、公治長「晏平仲善與人交、久而敬之」
ひさしくくるしむ。漢書、賈捐之傳「民衆──、連年流離」
久しく坐する。杜甫詩「憑高送所親、──惜芳辰」
ゐすわり、長き閒同じ官にとどまりて昇進せず、次は止。漢書、孔光傳「以──補諸侯太傅」
ながいきして世に視息する。老子「長生──之道」
ながわづらひ。後漢書、馬皇后傳「后嘗──大夫人令筮之」=久病。
久しくならふ。後漢書、黃香傳「帝亦惜香幹用──舊事」
○久しくとどこほる。詩經「我取其陳」の疏「出官粟之蓄積──者」○長き閒、事がはかゆかず、ひさしく一所にとどまる、長逗畱 ナガドウリウ =久淹。
久しくながし。史、三皇紀「其祚胤繁昌──云」=長久·久遠。
久しくとどまりてすむ。蜀志、諸葛亮傳「分兵屯田、爲──之基」
ながわづらひ。考工記「牛有──、則角裏傷」
久しき閒、聞きてゐる。韓維詩「──高陽勝、近在汝州側」=久聆。
久しく别れる、又、久しきわかれ。劉得仁詩「──靑雲士、幽人分固然」
ひさしきあひだほねををる。史、魯世家「──于外」
ひさしくはなれてゐる。=久别。
久しくとどまる。李陵詩「行人難──、各言長想思」
國 上古の武士の一族の名、其の長官を久米直といふ。=來目部。
國 古、大嘗會 ダイジヤウヱ の時、行ひし舞樂の名、琴取二人、舞者八人、刀を執りて蜘蛛 クモ を斬る狀を爲す。
蘇舜欽詩「──黽勉强爲答、嫌春愛秋眞可怡」之は助字、之を久しくすと讀むは非。
久(前條)の俗字。
3畫
シ [支]
○ゆく(往·適)論、公冶長「─一邦」いたる(至)詩、?風「─死矢靡他」○かはる(變)周易の筮法にて卦爻の變る義。○これ(是·諸)事を指す辭。論、公冶長「老者安─」この(此)詩、周南「─子于歸」○の、上下の系屬を示す辭、所有·所在などを示す辭「大學─道」「中庸─爲德」詩、周南「在河─洲」○姓と名との閒に置く無意味の助字。論、雍也「孟─反」○無意味の助字「久─」「頃─」○かな(哉)○にて、おいて(於)大學「─其所親愛而辟焉」○のこす(遺)○いづ(出)○えだ(枝)
同訓異義
コレ 之·此·是·維·惟·旃·斯·諸·伊·時·侯○之は、是也とも、此也とも註す、然れども是·此よりは意輕し「天命之謂レ性」「學而時習レ之」の如し、語勢によ、りて指すところの物を略することあり、孟子に「江漢以濯レ之、秋陽以曬レ之」とある如し、上に布の字を省きたるなり、之の字、名詞の上に置くときは、是と同じく「この」と訓む「─人」「─兒」の如し。○此は彼に對する辭。孟子に「彼一時也、此一時也」とあり。○是は非に對する辭なり、此は、此の時、或は此の處を切に指す、是は、汎にして虛用なり「夫子之居二於是邦一也、必聞二其政一」の是も、何れの邦と確かに指すにあらず、齊にても、衞にても、現に居たまふ邦を、汎く指すなり。○維·惟の二字は同音同義なり、上にばかり置く、是と略~同じけれども、非とは對せず、祭文歌頌等に多く用ふ。詩、召南「維鵲有レ巢、維鳩居レ之」○旃は音セン之焉の合音なり之と略~同じ、詩に「上愼レ旃哉」の如し。○斯は此と近し、然れども彼に對せず「予將下以二斯道一覺中斯民上也」の如しココニと訓むときは、卽の字の重き意なり。○諸は之と乎との兩義を合したる字なり「示二諸斯一」は「示二之乎斯一」の意なり、句末にあるときは、疑の辭となる、孟子に「寇至、盍レ去諸」の如し。○伊·時·侯の三字は、維と同じく、發語の辭にて、祭文等に用ふ、意輕し。○ユク之·往·如·逝·行·徂·征等の別は往(彳部五畫)の條を見よ。
浙江の別稱、其の形之の字の如きが故。
屈曲して上ること、之の字の形の如き阪路。方干詩「路尋之字見禪關」
俗に文字を識ること少き者を譏りて不識──といふ、白居易の故事に本づく。唐書、白居易傳「其始生七月、能展書、姆指──兩字、雖試百數不差」
山名、今の山東省登州府福山縣の東北に在り、海中に彎出する半島の名、秦始皇此の山に登り石を立つ、灣內は卽ち煙臺、通商港の一、貿易甚だ盛んなり、沿岸に砲臺あり、崆峒島の砲臺と對峙して渤海の咽喉を成す、今は港名をも之罘といひ、之を芝に作る。
この子、此子に同じ。詩、周南「──于歸、宜其室家」
孔子の德の高大無邊なるを贊したる語。論、子罕「顏囘喟然歎曰、────、鑽之彌堅」
物の未だ聞えざる先に聽く。列子「────、察之未形、而鑑其神智、識其才能、可謂知人」曲禮「聽於無聲、視於無形」と同義。
日夜思索して怠らざれば、一旦豁然として悟る所あるをいふ。管子「思之、思之、又重思之、思之不得鬼神將吿之」
高き棚の上に上げ置きて用ひず。晉書、庾翼傳「杜又·殷浩、竝才冠當世、翼弗之重、語人曰、此輩宜束之高閣」韓愈詩「春秋三傳束高閣、獨抱遺經窮終始」
藐は小なり、又、輕なり、尊貴の人に遊說するには、先づ先方を輕視して畏れず、以て十分に其の說を盡すべきをいふ。孟、盡心「說大人則──勿視其巍巍然」
前日の失敗せし事を後日に囘復するに喩ふ、桑楡は日西に傾きて桑楡の上に在る義。後漢書、馮異傳「失之東隅、────」
事の甚だ爲し易き喩。孟、公孫丑「以不忍人之心、行不忍人之政、治天下、可運之掌上」=運之掌。
口に餘るほどほめそやす。漢書、袁盎傳「刺客至關中、問盎、稱之皆不容口」
師弟の問答は鐘の如し、之を叩くに大を以てすれば大鳴す、問の大小に應じて師の答に大小の異あるに喩ふ。禮、學記「叩之以小者則小鳴、────────」
一旦士卒を滅亡の地に陷らしめて、而る後、人人をして自ら奮ひて生を得しむ。孫子、九地「───────、陷之死地然後生」史、淮陰侯傳「信曰、兵法不曰、陷之死地而後生、置之亡地而後存」
呼べども來らず、人物の高尙にして抗直なるにいふ。史、莊助傳「汲黯────、麾之不去」
人を重く用ふれば虎の如き威勢あるも、用ひざれば鼠の如く隱れる喩。東方朔、客難「尊之則爲將、卑之則爲虜(中略)──────────」
口實 イヒグサ をつくる。論、季氏「君子疾夫舍曰欲之而必───」
4畫
コ ウ [麌]
虖は古字
○か、や、疑問の辭。論、八佾「禮後─」○疑問の反語。史、伯夷叔齊傳「可謂孝─」○かな、感歎をあらはす辭。論、雍也「中庸之爲德也其至矣─」○感歎の意をあらはす形容詞の語尾に添へる助字「郁郁─」「巍巍─」「蕩蕩─」○呼びかけに用ふる辭。論、里仁「參─、吾道一以貫之」○を(於·于)論、爲政「攻─異端斯害也已」○より(于·於)孟、萬章「孝子之至、莫大─尊親」○に(于·於)論、先進「浴─沂風─舞雩」○呼に同じ、於─ アア は感歎の意をあらはす助辭。詩、大雅「於─小乎」=於戲·於虖·嗚虖·嗚嘑
同訓異義
カ ○乎·邪·耶·歟·與は共に句尾に置く字なり、疑の辭に、咏歎の義を兼ぬ「禮後乎」「其眞無レ馬耶」「爲レ仁之本歟」の如し、邪は耶と同じく、歟は與と同じ、乎の字、于の字の如く句閒に用ふることあり「浴二乎沂、一風二乎舞雩一」の如し、又形容辭の下につきて「郁郁乎」「洋洋乎」などと用ふ、かかる場合にても、矢張り咏嘆の意を含めるなり、邪·耶·歟·與は、咏嘆の意、乎よりは輕くして、疑の意重し。○ニ乎·于·於の別は于(七九頁一段)を見よ。
○かな、感歎をあらはす助辭「宜──」○か、疑問をあらはす助辭。韓愈文「閤下且以爲仁人──」○や、反語の助辭。史記「何征而不服──」
サ [禡]
○しばらく(暫)淮南子「燈將滅而─明」○たちまち(忽)孟、公孫丑「今人─見孺子將入於井」○にはかに(猝)○はじめて(初)○ 國 ながら、つつ。
同訓異義
タチマチ 乍·忽·倏·歘の别は忽(心部四畫)を見よ。
たちまちあめふる。歐陽修詞「──乍晴花自落」
地名、浙江省平湖縣の東南三十支那里に在り、鴉片戰爭に英兵の爲めに陷れらる、今は海口の重地たり。
ハフ ボフ [洽]
通音バフ
○とぼし(匱)なし、暫く無し、むなし(空·虛)、まづし(貧)○官職のあき、空位。左、成二「不敏攝官承─」○すつ(廢)戰國燕策「不敢以─國事」○つかる(疲)五代史、周德威傳「因其勞─而乘之」○皮にて作れる矢防ぎ。周禮、春官、車僕「大射共三─」
とぼし。國語「無饑寒──之患」
まづしくして苦む。=貧窮·乏迫·貧乏·乏困。
四月の異名、冬穀旣に盡きて、夏の麥未だみのらざるが故。〔四時纂要〕
乏戹に同じ。
とぼし。北史「糧食──」
暫くの閒乏しく盡きる。禮、月令「賜貧窮振──」
とぼしくしてうう。漢書、魏相傳「振──」=乏餧。
まづしく苦しむ、又其の者、戹は厄。後漢書、質帝紀「方春戒節、賑濟──」=乏困·乏窮·乏迫。
官に任ずることを謙遜していふ、適當の人なきが故に、己が暫く其の空位を補充する義。字解參看。
7畫
クワイ [佳]
○そむく(背·睽)左、昭三十「楚執政衆而─」もとる(戾)和の對「─僻」「─張」たがふ、合はぬ、ことなる(異)さかふ(逆)○分れる、はなれる(離)漢書、敍傳「官失學微、六家分─」
たがふ。史記「各──難施用」
そむきたがふ。陶潛詩「風水互──」=睽違。
度をこえてそむきたがふ。桓溫、檄胡文「六合殊風、九鼎──」
そむく。=乖叛·叛逆。
そむきたがふ。呂大鈞賦「──有甚於闚牆」
もとりさかふ。漢書、孝成許皇后傳「輕細微渺之漸、必生──之患」
もとりたがふ〔劉向新序〕
そむきて逃げ去る、離散する。後漢書、公孫瓚傳「故謀臣猛將稍有──」
そさきもとる。潘岳、西征賦「度量之──、何相越之遼迥」
弓が反對にそりかへる、くひちがふ、そむきもとる。韓愈詩「前計頻──」=背戾·乖角。
もとりそむく、背馳する。何承天文「──五經、故見棄於先聖」
そむきもとる。=乖戾。
そむく。漢書、谷永傳「制遠之道、微而無──之難也」=乖反。
ねぢけもとる、僻は邪僻。=乖邪。
あやまりたがふ、繆は違。晉書、殷仲堪傳「經理──、號令不一」
そむきたがふ。後漢書「其爲──、胡可勝言」
そむきはなる「人心──」=乖貳。
たがひもとる。易林「與意──、動擧失便」
そむきゆがむ。
8畫
乘(次條)の俗字。
9畫
①ジヨウ [蒸]
②ジヨウ [徑]
乗は俗字
①のる(騎·駕)「─馬」易、乾卦「時─六龍以御天」○またがる(跨)○のす。列、黃帝「風─我邪」○のぼる(上·登)列、黃帝「俱─高臺」○かつ(勝)○人をしのぐ(凌·加)周語「─人不義」○因る、つけ入る「─勢」○はかる(計)○かけざん(倍加)○記錄·歷史、事を記載する義。孟、離婁「晉之─」
②つゐ、そろひ(雙對)康熙字典「物雙曰─」法言「雙雁曰─」○馬·矢などの同じ物の四つの稱。康熙字典「物四數皆曰─、禮少儀─壺酒、孟子發─矢」○車の數をかぞふる稱。○車·馬などののりもの。○ 佛 衆生を舟に載せて彼岸に到らしめる方便、小─·大─·最上─の別あり。傳燈錄「此心卽佛曰最上─」○ 國 のる、だまされる。○はづむ、氣が─る、─り氣。
國 舟又、車に乘る人。
いくさ舟にのる、軍艦に乘る。
すきまにつけこむ。後漢書「光武籌、赤眉必破長安、欲──幷關中」
神馬をいふ。管子「地出──」
乘軒 ケンニノル を見よ。
いかだにのる、槎は查に同じ。北史、韋瓊傳「──下釣磯」
四本のや。孟、離婁「發──而後反」
勢につけこむ。孟、公孫丑「雖有智慧、不如──」
或數に或數をかけあはせて得たるかず(單に積ともいふ)
乘はかける、除は割る、かけて割ればもとの數に復す、故に功と罪と、又、譽と毁 ソシリ とさし引きして相つぐなふ義とす。韓愈詩「名聲相──し
春秋時代魯國にて家畜を飼養することを掌る官名。孟、萬章「孔子嘗爲──矣」
○うまにのる、のりうま。○四頭立の馬。詩、小雅「──在廏」=駟馬。
乘積を計 カゾ へ出す算法。=掛算 カケザン
肥えたる馬にのる。韓非子「──衣輕、怡然自得」
のりうま(乘馬)
○乘物の總稱。孟、梁惠王「今──已駕矣」○天子の車馬、轉じて行幸中の天子を指していふ。蔡邕、獨斷「天子至尊、不敢渫瀆言之、託之於──、乘、猶載也、輿、猶車也、天子以天下爲家、不以京師宮室爲常處、則當乘車輿以行天下、故羣臣託──以言之、或謂之車駕」
○龍に乘る。列仙傳「蕭史得道、好吹簫、秦穆公以女弄玉妻之、後弄玉乘鳳、蕭史──、共昇天去」○女壻 ムスメノムコ の貴く盛んなるをいふ。楚國先賢傳「黃憲·李膺、俱娶太尉桓焉女、時謂桓叔元兩女俱──、言得壻如龍也」杜甫詩「門闌多喜氣、女壻近──」
國 あひのり、同じ一っの舟又は車などに他の人人と共に乘る。=同乘·同船。
國 船にのり込みて航海の業に從ふ者。=船員。