竹部
0畫
チク [屋]
○たけ、多年生植物の一、幹は圓くして直く、中空にして節あり、各種の器具を造るに用ふ、葉は細長く竝行葉脈ありて四時常に靑し、春月筍を生ず「茂─」「修─」「綠─」「翠─」「篁─」「叢─」「苦─」「淡─」「孟宗─」史、貨殖傳「渭川千畝─、其人與萬戶侯等」○ふえ、八音の一、笙管の類。○かきもの(簡冊)古、簡策に亦竹を用ふ「─帛」○孤─ コチク は古の國名、今の直隸省遷安縣の西。
庭に竹のある書院。白居易詩「──君閑銷永日、花亭我醉送殘春」
竹のかげ。白居易、池上詩「山僧對棊坐、局上──淸」
○たけのは。○酒の異名。古詩「──淸香好、何妨飮數杯」○冠の名〔隋書〕
○たけのその。地道志「梁孝王東苑方三百里、卽兔園也、多植竹、中有修──」○轉じて天子の子孫をいふ。竹のそのふ。
筍 タケノコ の異名〔筍譜〕=竹胎。
たけのふなざを。白居易詩「──撐釣艇」
竹のさを、たかざを。漢書、貨殖傳「──萬个」
たけのふだ。孔安國、尙書序「以──寫之、增多伏生、二十五篇」
竹夫人に同じ、たけのよりかかり。釋名「──竹夫人也」
たけのこ。王安石詩「濕濕嶺雲生──」
あぢ(鰺)海魚の一。
竹やぶの外に出でたる梅の一枝。蘇軾詩「江頭千樹春欲白、────斜更好」
刑書をいふ、古、竹簡に書せしが故。左傳「殺鄧析而用其──」
たけのかんざし。宛委餘編「女媧氏以竹爲筓」
うばしぎ。洞冥記「──似鷓鴣」
竹と松とが縱橫にまじり生ずる。經はたて絲、緯はよこ絲。
竹溪の洒友六人の稱。唐書、李白傳「客任城、與孔巢父·韓準·裴政·張叔明·陶?居徂徠山、日沈飮、號────」
たけのかけひ。陸游詩「──寒泉晨灌蔬」
たけのと。趙嘏詩「──半開鐘未絕、松枝靜霽鶴初還」=竹扉。
竹細工師。王禹稱、黃州竹樓記「吾聞──」
駕籠をかく竹の棒。楊基詩「──兜子一見斜」
竹やり。瀛厓勝覽「瓜哇國俗尙武勇、歲設──會」
國 たけのやりと、むしろのはたと。百姓一揆 イツキ のありさま。
たけに記せるふみ。五代史、楚世家「持節以──封之」=竹策·竹簡。
たけのやらひ。宋史、蠻夷傳「有樓屋戰棚、衞以──、卽其酋所居」
歌の一體、男女の情事、又は土地の風俗などを詠ずるもの、唐の劉夢得(禹錫)に始まる〔唐書、劉禹錫傳〕劉禹錫、竹枝序「──、巴歈也、巴兒聯歌、吹短笛擊鼓、以赴節、歌者揚袂睢舞、其音協黃鍾、羽末如吳聲、含思宛轉、有淇濮之豔焉」
國 ○薄き鳥の子紙。○雁皮紙、又は唐紙の一名。○竹幹內のあま皮。
害蟲の一、あぶら蟲。
竹と木と。梁書、處士傳「阮孝緒所居室、惟有一鹿牀、──環繞」
たけにしるせるふみ。晉書、束晳傳「晉太康二年、汲縣人發塚、得──數十車、皆簡編科斗文字」
陰曆五月十三日、此の日竹をううるによろしといふ。岳陽風土記「五月十三、謂之龍生日、種竹多茂、卽───也山家淸事「八月八日爲───、種竹易活」
竹の風を受けて屈するをいふ。說文「竹得風、其體大屈、謂之──」
おやだけ。杜牧詩「林繁輕──、樹暗惜桐孫」
書籍、竹は簡、素は絹〔晉書、王敦傳〕張協詩「游思──園」=竹帛。
たかやぶ。祖孫登詩「搖颺楚王宮、徘徊繞──」
筍 タケノコ の異名、皮日休詩「山蕨收時帶──」
○竹にて造れる刀、齊民要術「以──骨刀、四破之」○ 國 シナヒ 劍術を習ふに用ふる竹の刀。
たけのかは。茶經「茶有如──者、枝幹堅實」
竹の中より小兒の生れ出でたりといふ故事。華陽國志「有女子、浣于水濱、有三大竹、流入女足閒、聞竹中有兒聲、持歸破竹、得男、以竹爲姓、植所破竹于野、遂成林」
たけにて作りたる箸。白居易詩「白甌靑──」
まて、海に生ずる貝の一種。
たけやぶ。史記、註「──爲篁」
たけのよりかかり。王炎詩「──夏日涼、脚婆冬夜燠」=竹夫人。
たけにて造りたるたかつき。爾雅「木豆謂二之豆、──謂之籩」
竹のつつ。晉書、陸機傳「以──盛之」
竹のきりかぶと、木のくづと。晉書、陶侃傳「造船、木屑及竹頭、悉令擧掌之、咸不解所以、後正會、積雪始晴、廳事前餘雪猶濕、於是以屑布地、及桓溫伐蜀、又以所貯竹頭、作釘裝船」
たけうま、小兒の乘りて遊ぶもの。後漢書、郭伋傳「兒童騎──迎拜」
をさなき時のとも。晉書、殷浩傳「桓溫語人曰、少時吾與浩共騎行馬」博物志「小兒五歲、曰鳩車之戲、七歲曰竹馬之戲」
矢を防ぐために作れる竹束 夕ケタバ 閩書「──雲梯」
たけのこの異名。韓駒詩「豈知苦──、風味常獨擅」
新築家屋の下部の堅固なることは、叢生せる竹の如く、上部の緻密なることは、繁茂せる松の如し。新築落成の頌詞とす。詩、小雅、斯干「秩秩斯干、幽幽南山、如竹苞矣、如松茂矣」
書物、竹簡と、ゑぎぬと、古は紙なく──に書きしに起る。淮南、本經「著於──、鏤於金石、可以傳於人者、其粗也」章碣、焚書坑詩「──煙消帝業虛、關河空鎖祖龍居」
歷史に姓名を載する。淮南、本經「────、鏤於金石」
なぎ、松柏科の樹にして、高さ二三丈。本草、注「峨眉山中、一種竹葉柏身者、謂之──」
たけのかは。漢書、高祖紀「高祖爲亭長、乃以──爲冠」
竹のとびら。儲光羲詩「落葉滿山砌、蒼烟埋──」
だきがご、夏時涼しく寢られる爲めに抱きてねる竹製の籠。東坡志林「俗以竹凡爲───」=靑奴·竹夾膝。
たけのみ。皮日休詩「野客病時分──」=竹實。
○しっぺい、佛家にて人を打つに用ふる具。揮麈餘話「打──二十」○宮中の罰〔西湖詩餘〕
たけのさき。張籍詩「獨愛南園裏、山晴──風」=竹梢。
たけのかは。元史、天文志「用──均分天度」
竹製のもりものの具。儀禮、聘禮、疏「有──、以盛棗栗」
竹と木と。左、襄十八「焚申池之──」=竹樹。
たけのこし。漢書、嚴助傳、注「江表作──以行」=竹箯。
ふえ。貢師泰詩「──笙鳳鳴、藤雨淵珠滴」
たけかご。白居易詩「曉日提──、家僮買春蔬」
たけやぶのなか。李白詩「──無人聲、池中虛月白」
たけにて作りたるまがき。杜甫詩「茅舍──短」
晉の阮籍·嵆康·山濤·向秀·劉伶·王戎·阮咸の七人、常に竹林に遊びしが故にいふ。晉書、嵆康傳「康所與神交者、惟陳留阮籍·河內山濤、豫其流者河內向秀·沛國劉伶·籍兄子咸·瑯琊王戎、遂爲竹林之遊、世所謂────也」
竹のあぶら、藥用とす。本草「淡──氣味甘」
竹製の柱かくし。
竹のすだれ。西京雜記「漢諸陵寢、皆以竹爲簾、皆爲水紋及龍鳳之像」
竹を瓦に代へたるたかどの。宋の王禹偁、黃州に官して建つ、其の黃州──記は古文眞寶後集に載す。
竹をわる。
2畫
①チク [屋]
②トク [沃]
①たけ(竹)○天─は國名、今の印度。
②あつし(厚)楚辭「稷惟元子、帝何─之」=篤。
佛敎の學問。朱熹詩「迷心昧性哂──」
ほとけ。馬戴文「獨禮───、謂佛也」
ロク [職]
○竹の根。○ばらあるたけ(剌竹)
3畫
ウ [虞]
ふえの一種、笙の類、古は三十六簧あり、後世、十九簧となる、管の排列は參差として鳥の翼にかたどる。周禮、春官、笙師「掌敎吹─」
人の好む所にそはざる喩、竽は笙 シヤウ の類。韓愈、答陳商書「齊王好竽、有求仕於齊者、操瑟而往、立王之門三年、不得入(中略)客曰、王好竽、而子鼔瑟、瑟雖工、如王之不好何」この故事は韓非、內儲說に出づ。
ふえと、ことと。禮、樂記「鐘磬──以和之」
ふえ。禮、樂記「君子聽──簫管之聲」
ふえ。吳均、竹賦「調八風而順常、然後成──以備樂」
ふえ、籟は簫。高唐賦「纖條悲鳴聲似──」=竽簫。
①カン [寒]
②カン [旱]
③カン [翰]
①さを、たかざを(竹梃)「竹─」「釣─」「旗─」「帆─」史、貨殖傳「竹─萬个」○─牘は書札。莊、列禦冦「小夫之智、不離苞苴─牘」注「以竹簡相問訊也」=竹簡。
②やがら(箭幹)=笴。
③きものかけ(衣架)
さをのさき。傳燈錄「百丈──須進步」
書札をいふ。字解參看。
さをのさき。漢書、王莽傳「懸頭──」
4畫
ケイ [齊]
筓に同じ
○かぅがい、かんざし、男女共に束ねたる髮をとめる爲めに插す具。又、男子は冠をとめる爲めにも插す。○かぅがいを髮に加ふ。かぅがいを插す。禮、內則「十有五年而─」古、女子十五歲にして─す。男子の冠禮に比す。○ 國 かぅがい、おもに丸髷の根元に通して飾とするもの。○刀又は七首 アヒクチ のさやに插み置く串。
初めて成年となりし年頃。中論「君子修德、始乎──、終乎鮐背」
かんざしと、かんむりと、男女の成年に達したるにいふ。通典「──有成人之容」
かんざしをさすと、あざなをつけると、女子の婚期に至りし禮。儀禮、士昏禮「女子許嫁、笄而醴之、稱字」
かうがいをさし髮をつかぬ。禮、內則「子事父母、雞初鳴、咸盥漱、櫛縱──」
甫 ハシ めて笄を如へし年、女子の十五歲をいふ。宋史、理宗紀「福州陳氏、──守志、壽逾九秩、詔旌表其門」
ケフ キフ [葉]
おひ、おひばこ、ほんばこ(書篋)「負─」「書─」「藥─」史、蘇秦傳「負─從師、不遠千里」
他所に遊學する。字解參看。
コツ [月]
しゃく(手板)天子以下公卿士大夫の束帶の時に帶にさしはさみ持つもの、周尺にて長二尺六寸、幅二寸。釋名「─忽也、君有敎命、及所啓白、則書其上、備忽忘也」身分に應じて其の材料を異にす。禮、王藻「天子以球玉、諸侯以象、大夫以魚須文竹、士以竹本、象可也」
しゃくをなげすてる、官を辭する。章懋詩「──遠辭丹鳳闕」=挂冠。
サゥ [效]
○ざる、たけかご。○す、鳥の居る穴(樹に居るを巢といふ)
算(竹部八畫)に同じ。
セゥ [嘯]
咲に同じ
○わらふ、ゑむ。わらひ、よろこびて口を開いてわらふ「大─」「含─」「言─」「嬉─」論、憲問「樂然後─」○よろこぶ(欣·喜)たのしむ。○あなどる(侮)○あざけりわらふ(嗤)「嘲─」「侮─」「誹─」「冷─」孟、梁惠王「以五十步─百步」○花の咲くにいふ。
同訓異義
ワラフ 笑·嗤·哂·噱○笑は喜びて顏を解き齒を啓くなり。轉じて花の開くを花笑といふ、また冷笑はにがわらひなり。○嗤はあざけりわらふなり。文選「愚者愛二惜費、一但爲二後世嗤一」○晒は音シン微笑なり。論語「夫子哂レ之」矧に同じ。○噱は大笑なり、ふき出すなり。漢書「談笑大噱」
わらふ聲。范成大詩「頑質賈憎唾、傀狀發──」
ゑくぼ。梁昭明太子詩「眼語──近來情」古歌「──自然開」
○菊の花の異名。藥譜「菊花名───」○笑靨花はこごめざくら、灌木の一、狹披針狀の葉を有し、春時白色五瓣の花開く。
わらひて口をあく。梅堯臣詩「只取勝負相──」
ゑがほ。鮑照詩「道妾長憔悴、豈復歌──」=笑面。
大いに笑ふ。趙翼詩「鑷白供──」
わらひたはむる。後漢書、陰后紀「后恭儉少嗜玩、不喜──、性仁孝多矜慈」
わらひかたる。詩經「燕──兮、是何有譽處兮」=笑談。
甚だしくわらふ、殺は助字。南史、桓崇祝傳「自可拍手──」
白き齒を出してわらふ。孫覿詩「欣然一──、破此百夢結」
國 をかし、ばかばかし「──千萬」
あざけりわらふ。劉基詩「未能已怨怒、矧暇防──」
妄りにわらふやまひ。宋史、扈蒙傳「有──、雖上前不自禁」
わらふ。わらひ。李翺文「假令述──之狀、曰莞爾、則論語言之矣」
わらひごゑ。陳瓘詩「語聲雖異──同」
わらひてものがたる。孔武仲詩「方外──無畛域」
表面に溫和を裝ひ、內心陰險なるにいふ。唐書、姦臣傳「李義府、貌柔恭與人言、嬉怡微笑、而陰賊褊忌、著于心、凡忤意者、皆中傷之、時號義府───」
わらひあざける。黃庭堅詩「──愜爬痒」
國 自分の贈物を他人の受けんことを望む謙辭「御──被下度候」=笑畱。
わらひののしる。宋史、鄧綰傳「──從汝、好官須我爲之」
わらひぐさ。玉堂叢話「陳太常嘗誤入戶部、見入稅銀者、驚曰、賄賂公行、至此極矣、人以爲──」
喜びわらひて手をうつ。魏志、鍾繇傳、注「聞之驚喜、笑與抃俱」
わらひがほ。李百藥、少年行「千金笑裏面、一搦掌中腰」
わらひたのしむ。元好問詩「日與諸君期、相從一──」
國 わらひながらみる、己の物を他人のみることをいふ敬語。
○わらひながら畱め置く。水滸傳、第一囘「不要推卻、望乞──」○ 國 己の贈品を受納せんことを乞ふ謙辭「御──可被下候」=笑納。
外は和易にして內の陰險なるに喩ふ。笑中刀を見よ。
わらひばなし、面白きはなし。
ゑがほする。李白詩「名花傾國兩相歡、長得君王──看」
大いにわらふ。蘇軾詩「撫掌───」
トン [阮]
ざる(竹器)米穀を受くる器。=囤。
①ハ [禡]
②ハ [麻]
①刺 バラ ある竹(棘竹)
②たけがき、竹を編みし籬 マガキ
まがき。劉禹錫詩「溪中士女出──」=籬笆。
筍(竹部六畫)に同じ。「竹─」
たけのかは。元稹詩「風吹──飄紅砌、雨打桐花蓋綠莎」
たけのかは。高適詩「──笠子荷葉衣」
筆(竹部六畫)に同じ。
5畫
カ [麻]
あしのはぶえ。胡人、蘆 アシ の葉を卷きて吹く笛、觱栗 ヒチリキ に似たるもの「胡─」「悲─」
胡人の吹く笛。南史、阮孝緒傳「外兄王晏貴顯、屢至其門、孝緒聞其──、穿籬逃匿、不與相見」=笳笛·胡笳。
あしぶえ、古、軍中にて用ふ。劉孝威詩「櫪馬悲──」=胡笳·悲笳。
胡人の吹く笛。李益詩「──漢思繁、旌旗邊色故」=笳管。
こまぶえ。吳子「凡戰之法、晝以旌旗旛麾、爲節、夜以金鼓──、爲節」
カ カン [哿]
やがら(箭幹)「矢─」
コ [麌]
たが、桶のかはをしめ堅める輪。=箍。
コウ ク [有]
うへ、やな、魚を捕ふる具。竹を曲げて作る。詩、衞風「毋發我─」
サゥ シャウ [庚]
○しゃうのふえ、竹製の樂器、十三簧、又、十九簧ありて、形竽に似たり。○たかむしろ(簟)「桃─」○ほそし(細)
笙のふえと、うたと。檀弓「孔子旣祥、五日彈琴而不成聲、十日而成──」
しゃうのふえの舌。庾信、春賦「更炙──、還移箏柱」
しゃうのふえ。齊書、高帝紀「──變聲、鐘石改調」
笙の笛と、つづみと。詩經「籥舞──」
ふえ。宋書、樂志「──旣列、犧象旣盈」
しゃうの笛と、大鐘と。書、益稷「──以閒」=笙庸。
①サク [陌]
②サク [藥]
①せまる(迫)せまし(窄)○おす(壓)○はさむ(夾)○えびら(矢箙)竹にて編みし矢服 エビラ
②竹のなは(竹索)○いれずみ(黥刑)「鑽─」
シ [寘]
はこ。飯又は衣服を入れる箱、圓を簞といひ、方 シカク を─といふ「衣─」「篋─」「簞─」「藥─」
シ [紙]
○ゆか(牀)○ゆかいた(牀板)○ゆかだな、いたじき(牀棧)○すのこ(牀簀)左、襄二七「牀─之言、不踰閾」
セン [鹽]
支那潁川地方にて小兒が字を寫すに用ふるふだ「─畢」(一に佔畢に作る)
チ [支]
○むちうつ(捶擊)「捶─」「鞭─」「掠─」むち、しもと、むちうつ杖。○刑罰の名、五刑の一、罪の輕重に隨ひてむちうつ數の制定あり〔唐書、刑法志〕
むちうちはづかしむ。唐書、安祿山傳「時時遭──」
五刑の一、むちうち懲 コラ す刑。唐書、刑法志「斷獄之刑有五、一曰笞、笞之爲言恥也、凡過之小者、捶撻以恥之、漢用竹、後世更以楚」
むちうつ。史、張蒼傳「發吏卒、捕奴婢、──問之」=笞撻。
むちうちはづかしむ。唐書、崔縱傳「雖縱顯官、而數──」
笞刑にあたるつみ。
むちうちてころす。漢書、高后紀「斬呂祿、──呂須」
むちうちはづかしむ。漢書、朱邑傳「未嘗──人」
つゑにてうつ。轉じて、征伐の義とす、棰一に捶に作る。荀子「──暴國」
むちうちせむ。五代史、梁家人傳「傭惰不作業、數加──」
むちうつ。書經、傳「──不是者、使記識其過」=楚撻。
○むち。○笞罪と杖罪と。
むちうちののしる。江少虞文「朝夕──、使不能自存」
せをむちうつ。漢書、賈誼傳「伏中行說、而笞其背」
むちぅつ。吳寬、病項詩「千鈞重負未容釋、更覺肩背遭──」
むちうちてひどくとりしらべる。史、酷吏傳「吿劾不服、以──定之」
筑(竹部六畫)の譌字。
チョ [語]
ひ、機の緯 ヨコイト を持する者。
テイ ダイ [霽]
○ついで(次序)「次─」左、哀十六「楚國─、我死、令尹司馬非勝而誰」(勝は人名)○いへ、やしき(邸宅)宅には甲乙次第あるが故「邸─」「別─」「甲─」○官吏登庸試驗「科─」轉じて廣く試驗の義とす「及─」「登─」「落─」「下─」○しなさだめをする。○ただ(但)史、淮陰侯傳「陛下─出游雲夢」○物事のついでを記すに用ふる「─一」「─二」
同訓異義
タダ 第·唯·惟·只·止·但·徒·啻·翅·直·徑の别は唯(口部八畫)の條を見よ。
邸宅を造營する。唐書、裴度傳「東都──於集賢里」
やしき、やかた。後漢書、宦者傳序「府署──棊列於都鄙」
邸宅と樓觀 モノミヤグラ と。後漢書、張讓傳「買田宅、起──」
やしき。後漢書、梁冀傳「大起──」=邸宅·第宅。
やしき。後漢書、朱穆傳「減省──園池之費」杜甫詩「王侯──皆新主」=邸宅·第舍。
やしきの內。=邸內。
私宅に歸る。官職を辭する義。後漢書、賈復傳「復以列侯──」
○蘭 フヂバカマ の異名〔淸異錄〕○牡丹の異名。皮日休の詩に見ゆ。
○最も大切なる意味。○ 佛 佛敎の最も深奧なる妙理。傳燈錄「問、何名───、───者、從何次第得入、師曰、───者、無有次第、亦無出入」
文法にて人代名詞の一、自己の名の代りに用ふるもの予·余·僕の類。自己の相手の名の代りに用ふるを第二人稱といふ、君·汝の類、其の以外の者の名の代りに用ふるを第三人稱といふ。彼の類。
第一等のなかま。世說「劉曰、極進、然故是第二流中人耳、桓曰、───復是誰、劉曰、正是我輩爾」劉は劉眞長、桓は桓溫。
當事國以外のくに。
法律の用語、當事者以外の人。
第一人稱を見よ。
第一人稱を見よ。
テキ [錫]
或は篴に作る
ふえ。一尺四寸の竹管に七っの孔をあけて吹き鳴らす樂器。又、すべて吹き鳴らす樂器の稱「玉─」「牧─」「短─」「鐵─」風俗通「武帝時丘仲作─、─滌也、蕩滌邪志納之雅正、長尺四寸、七孔」
ふえを吹くこゑ。李益詩「入夜思歸切、──淸更哀」
ふえふき、笛を吹く樂人。
ド [虞]
とりかご(鳥籠)屈原、懷沙賦「鳳凰在─兮、雞鶩翔舞」
範(竹部九畫)に同じ。
規模 カタ なり、土を以てするを型といひ、金を鎔といひ、竹を─といふ。
フ [虞]
○わりふ「─節」竹又木の上にしるしとすべき文字をかき、之を割りて彼我各半分を所持し、他日事あるとき、合せて證據とするもの「割─」「剖─」「將─」又銅にて虎の形をつくり之を兩分するものもあり「銅虎─」○しるし(證據)璽─ ジフ は天神の御印。○あふ(合)○めでたきしるし(瑞祥)甘露醴泉の類「祥─」「天─」「地─」「元─」○未來記「─讖」○神明の加護をしるしたるまもり札「神─」○きのはだ(木膚)○一種の竹。○孚に通ず。
しるし。符命が來り降りて人事と相應ずる義。史、封禪書「立祠上帝、以合──」
割符 ワリフ をさき、一半を諸侯に與へ、一半を留めて後日の信と爲す、大名に封ずる義。史、高祖紀「──封功臣」
○わりふをわかつ。漢書、高惠高后文功臣表「亦皆──世爵、受山河之誓」○ 國 ワリフ 古、木片に文を記し、二っに分ち、一片を止め、一片を授け、他日合せ見て證とす、=符節。
しるし。漢書、元后傳「以瑞應爲──」
わりふを合せたる如く正しくあふ。宋書、樂志「──如影響、先天天弗違」
わりふ。五代史、桑維翰傳「能使契丹空國興師、應如──」
しるし、朱慶餘詩「藥成休伏火、──不傳人」
○天子の御印。史、秦始皇紀「奉其──、以歸帝者」=璽符。○廣く印形の義とす。韓愈、原道「相欺也、爲之──斗斛權衡以信之」
未來の興敗などを記したるもの、未來記。宋書、符瑞志「太史令駱達、奏陳天文──」
めでたきしるし〔宋書、禮志〕=符瑞。
神の守り札と、神に供へたる水と。能改齋漫錄「制作──以療病」
めでたきしるし。史、封禪書「未有睹──、而不臻乎泰山者也」=符祥。
わりふ、竹にて作り、文字を其の上に書し、兩分して各其の一を取り之を合して信となすもの。次條參看。
兩者の全く相同じきに喩ふ。孟、離婁「地之相去也、千有餘里、世之相後也、千有餘載、得志行於中國、────」
しるしのがきつけ。唐書、李錡傳「不持──、口含詔命」
○天が祥瑞を降して人君に與へ、天命を受けし符 シルシ とする義。翰林志「帝王之興、必有──」○天子の勅命。文心雕龍「──炳燿」
未來記。傳信記「道士葉法善精于──之術」=符讖·讖書。
ヘン [元]
かご、葦竹などにて筥 ハコ の形に造り之に靑き繒を著せ棗栗の屬を盛る器。
ホン [阮]
あらし(麤率)そまつ「粗─」晉書、羊曼傳「豫章太守史疇、以肥大、時人目爲─伯」
粗造の車。宋書、顏延之傳「常乘羸牛──、逢竣鹵簿、卽屛往道側」竣は延之の子。
リフ [緝]
かさ、かぶりがさ、柄なきを─、柄あるを簦といふ「雨─」「圓─」「蓑─」
かさのひさし。陸龜蒙詩「──蓑袂有殘聲」
かさ、子は助字。李白詩「飯顆山頭逢杜甫、頭戴──日卓午」
湖名。揚州記「太湖一名──、一名洞庭」
レイ リャウ [靑]
○かご(籠)びく。○舟中に敷く牀 ユカ 「─牀」
魚を漁する具。陸龜蒙、漁具詩序「所載之舟曰舴艋、所貯之器曰──」びく(魚籃)
〔國字〕
ささ(篠)細小の竹の稱。
6畫
カゥ [肴]
○たけのなは(竹索)史、河渠書「搴長─兮沈美玉」=?纜。○ちひさき簫。
キン [文]
○すぢ。○ちから、肉の力(體力)「─力」
すぢと、ほねと。禮記「禮也者所以固人肌膚之會、──之束也」
すぢと、ほねぐみと。唐書、囘鶻傳「瀚海北產良馬、首似槖馳──壯大、日中馳數百里」
○すぢと、ほねと。轉じて筆法にいふ。法書要錄「初學之際、宜先──、──不立、肉何須附」○からだ。孟、吿子「勞其──、餓其體膚」
とんぼがへり、もんどりうつ。敎坊記「漢武帝時、于天津橋、設帳殿酺三日、敎坊一小兒、──絕倫、乃衣以綵繒、雜于內伎中、少頃緣長竽倒立、尋復去手久之、垂手翻身而下」=金斗·翻金斗。
すぢと、にくと。身體をいふ。
すぢと血脈と。素問「聖人陳陰陽、──和同、骨髓堅固、氣血皆從」
すぢと、せぼねと。文同詩「精金凝滑露──老玉磥砢開竅窟」
すぢのちから。=骨力·體力。
キャウ [陽]
もと匡に作る
○かご、かたみ、方なるを─といひ、圓なるを筥といふ「瑤─」「敝─」詩、周南「不盈傾─」○牀 トコ の方なるもの。
べんたぅと、さかだると。何景明詩「詰晨親友至、──攜所需」
方形のかごと、圓きかごと。物を盛るの竹器。左、隱三「──錡釜之器、潢汙行潦之水」
方 シカク なるゆか。莊、齊物「與王同──、食芻豢」=方牀。
はこのそこ、はこのなか。
かご。蘇軾詩「及其未花實、可以資──」
かご。劉勰新論「繭不繰則素絲蠧於──、人不學則才智腐於心胸」
キョウ [冬]
通じて邛に作る
○四川省に產するつゑとすべき一種の竹、節高くして中實ミつ。竹譜「竹之堪杖、莫尙於─」○轉じてつゑ(竹杖)
○一種の竹、字解參看。○竹のつゑ。僧善住詩「苧袍──自閑行」
クヮツ [曷]
括に通ず
○やはず(箭末)箭のさきの弦を受ける所。陸機詩「離合非有常、譬彼弦與─」○ 國 はず。當然かくあるべき意をあらはす。
笄(竹部四畫)の本字。熟語は笄を見よ。
サク [陌]
○古、紙なかりし時、文字を記せし竹札、ふだ(竹簡)「簡─」孟、盡心「吾於武成、取二三─而已」○かきつけ(文書)○特に官を授くる時の辭令書「─書」○くじ、かずとり(籤籌)○はかりごと(籌謀)「計─」「上─」「拙─」「奇─」「籌─」「畫─」○官吏登用試驗の問題「對─」「射─」○文體の一「制─」「治安─」○うらなひのめどぎ(數?)史、封禪書「黃帝得寶鼎神─、於是迎日推─」○のり(敎令)○むち、馬を鞭うつむち(馬箠)「箠─」禮、曲禮「君車將駕則僕執─立于馬前」○むらうつ。論、雍也「─其馬」○つゑ(杖)○──は落葉のこゑ。
同訓異義
ハカル 策·計·謀·圖·量·度·稱·權·測·料·忖·揣·商等の别は計(言部二畫)の條を見よ。
鞭を振り上げる、馬を驅りて走らせる。儲光羲詩「──還南山」
互にはかりごとを通じ合ふ「東西──」
馬策 ウマノムチ をつゑつく。魏徵詩「──謁天子、驅馬出關門」
勳功を冊に書す。左、桓二「凡公行、吿于宗廟、反行飮至、舍爵──焉、禮也」
國 戰爭の時、作戰計畫を立て命令を發する所、本營。
葉の落つるこゑ。韓愈詩「秋風一披拂、──鳴不已」
種種のたくらみを出す人。柳宗元文「曲逆起爲──、輔成帝圖」曲逆は漢の陳平、曲逆侯に封ぜらる。
官吏登用試驗に題を設けて試問する。後漢書、徐防傳「博士及甲乙──、宜從其家章句開五十難以試之、解釋多者爲上第」=策問。
官に任ずる辭令書。漢の制、皇帝が百官を任ずるに竹簡に書して之を與ふ〔漢書、注〕
つゑをつく。聞見前錄「路險──以行」
むちと、たづなと。譚子「忘──、然後知馭之道」
天子の書策を藏める所、唐には祕書省といふ。穆天子傳「天子西登崑崙見西王母、癸巳至羣玉之山、先王之所謂──」
はげましつとむ。梁簡文帝文「宜應共相──、弘遵舊業」=策勵。
はかりごと。荀悅、漢紀序「有常道、有權變、有──」
名を臣籍に書きしるす、臣となる義。左、僖二三「──委質、貳乃僻也」李陵答蘇武書「──淸時」
天子の臣下に下さるる文書、辭令書。周禮、內史「凡命諸侯及孤卿大夫、則──之」=策書。
國 君から臣下に附與する御沙汰書·命令書等を奉じて行く使者。
宮吏登用試驗に題を設けて試問する。又、其の文體。後漢書、和帝紀「帝親臨──」=策試。
はかりごと。後漢書、袁紹傳「參咨──」
はかりごと。劉歆文「攄趙奢之──、威謀完乎金城」
むちうちはげます。宋史、葉適傳「抱此志意而可以──期望一者誰乎」
①シュン [軫]
②シュン [震]
通音ジュン
①たけのこ。=笋。
②こし(竹輿)〔公羊傳、注〕
たけのこと、わらびと。鶴林玉露「山妻稚子作──、供麥飯」
一卷、宋の釋贊寧撰す、五類に分ちて筍を說くこと詳かなり。
竹のこし。范成大詩「──?舫相窮年」簡稱して筍ともいふ。字解參看。=竹輿·編輿。
セン [銑]
○ささら(小帚)○茶─は、薄茶をかきまはして泡を立てる具。宋の韓駒父に謝人寄茶─子詩あり。
セン [先]
うへ、ふせご、漁具の一、細き竹を編みたるもの。
○魚をとるやなと、兔をとるわなと。皆物を得るまでの具にて目的を達すれば不用となるもの、轉じててびき、案內などの義に用ふ。莊、外物「筌者所以在魚、得魚而忘筌、蹄者所以在兔、得兔而忘蹄、言者所以在意、得意而忘言」=蹄筌。○轉じて南朝士大夫の說法の時に執るもの麈尾 ホツス の類。南史、侯景傳「上索──、曰、我爲公講」
タフ [合]
○こたふ(應)返辭 ヘンジ をする「卽─」「奉─」「拜─」「手─」「報─」○むくゆ(報)「─禮」「─拜」孟、離婁「禮人不─、反其敬」○あたる(當)○あはす(合)○こたへ、いらへ、へんじ。○厚重なる貌「─布」
同訓異義
コタフ 答·對·應·譍○答は當也、報也、先方の問に答ふるなり。○對は人の問に、それは何何と、一一ことわけて答ふるなり、答よりは重し。○應はあどうつなり。孟子「沈同問、燕可レ伐與、吾應レ之曰、可」○譍は言にて應ずるなり、呼欲レ譍の類。
こたへの案文、こたへがき。
先方の敬禮に對して答禮する。金史、張行簡傳「擧手──、近于坐受也」=答拜。
こたへ。後漢書、五行志、注「熹平五年、天下大旱、禱請名山、求獲──」
はりあふ。南史、戚袞傳「辭辯縱橫、難以──、諸儒懾氣」
神佛に報祭する、お禮まゐり。南史、王晏傳「晏未敗前、於北山廟、──」
○こたふることば。○式場などにて目上の人の式辭に對して答へ述べる辭。
答禮のことばを述べる。
へんじのてがみ。=答簡。
竹の聲。茘校譜「破竹五七尺、搖之──然、以逐蝙蝠之屬」
先方の敬禮にむくいて拜禮する。禮記「君於士不──也、非其臣則──之」
他の問に應じて、いひひらきする。
こたへる。書、顧命「──文武之光訓」=對揚。
他人の敬禮にむくいて禮する、返禮する。
チク [屋]
箏に似たる樂器、竹を以て擊ちならす「琴─」「悲─」史、荆軻傳「高漸離擊─」
トウ [東]
○つつ、竹のくだ。○轉じてすべて圓柱狀にして中の空虛なる者の稱。○ ツツ 國 てつぱぅ、銃をいふ。
ちまき。風土記「端午進──、一名角黍、以菰葉裹」
トウ [迥]
○しな、たぐひ(比·類)○ともがら(輩)「吾─」「彼─」「儕─」○ととのふ(齊)○ひとし(均)おなじ(同)「同─」「平─」「均─」○はかる(量)はかりくらべる、比較する、稱量する。孟、公孫丑「─百世之王」○はしごだん(階級)論、鄕黨「出降一─」○わかち、しな(差別)○まつ(俟)范成大詩「父老年年─駕囘」○なに、何の俗語。應璩詩「用─稱才學」又、何─と連用す。後漢書、東平王傳「處家何─最樂」
同訓異義
ヒトシ 等·齊·侔·均の别は齊(部首十四畫)の條を見よ。
くらゐ。荀子「尙賢使能、而──不遺」
おなじなかま、夷は儕。史、留侯世家「諸將皆陛下故──」=同儕·同輩·等倫。
次第順序をこえて進むことを爲さず。禮、學記「幼者聽而弗問、學───也」
なほざり。意を用ひざる義。錢起詩「瀟湘何事──囘」=等閒。
なほざり、かりそめに。孟郊詩「官情惟──」=等閑·等頭。
しな、わかち。禮、月令「别貴賤──之度」
しな、差别。顏氏家訓「星與日月同耳、但以大小爲──」=差等·級差。
からだと同じ長さ。宋史、賈黃中傳「幼聰悟方五歲、父玭每旦令正立展書卷、謂之──書、課其誦讀」
金の多きにいふ。舊唐書「有生得郝玭者、賞之以───」
俗 いかんぞ、なにら。
ついで。孟子、疏「序、──也」
しな。周禮「掌四方賓客之牢禮餼獻、飮食之──與其政治」
なかま、同じともがら。後漢書、仲長統傳「或曾爲我之尊長矣、或曾與我爲──」=等輩·等倫·同儕。
なかま、同じともがら。後漢書、茅容傳「與──、避雨樹下」=等倫。
○ひとしく。漢書、張敞傳「諸公卿奏、惲黨友不宜處位、──皆免」○數學にて二っの比のひとしきをいふ。
○ひとしくわける。又、其の分量。○諸藥の斤兩、多少皆同じきをいふ〔名醫別錄〕
ともがら、同輩の義。杜甫詩「富貴當如此、尊榮邁──」漢書、甘延壽傳「投石超距、絕──」=同輩·等輩·等儕。
○おなじくらゐに居る。漢書、韓信傳「居常鞅鞅、羞與絳灌──」○くらゐ。左傳「三年而治兵、入而振旅、歸而飮至、以數軍實、昭文章、明貴賤、辨──」
ヒツ [質]
○ふで、文字圖畫などを書く具、不律·毛穎は─の異名「畫─」「禿─」「退─」「下─」「執─」「援─」○すべて筆の用を爲すもの「石─」「鉛─」「鐵─」○かく、しるす「自─」「絕─」「─削」○筆にてかきし文字圖畫「妙─」「拙─」
○ふでづかひ。書畫の運筆の意態。畫鑒「──位置、淸氣襲人」○行文の旨趣。
ふでかけ。開元天寶遺事「有一錦紋花石、鏤爲──」
賃錢を取りて文字を寫す、農夫の田を耕すに喩ふ。任昉文「旣──爲養、亦傭書成學」
ふでのけ。南史、鄭灼傳「──盡、每削用之」
ふでかけ。楊文公談苑「宋錢思公、有一珊瑚──、子弟竊之、公以十千購之」=筆架。
筆法に託していさめる。唐書、柳公權傳「帝(穆宗)問公權用筆法、對曰、心正則筆正、筆正乃可法矣、時帝荒縱、故公權及之、帝改容悟其以──也」
ふで。李白詩「蛟龍──生輝光」
文章をすらすらと滯りなく書く。晉書、陶侃傳「遠近書疏、莫不手答、────、未嘗壅滯」
○かきしるす。王僧孺文「辭賦極其精深、──尤盡典實」=筆寫。○かきやく。=書記。○ 國 海軍にて給與上の事務を掌る判任官。
詩文のあや、詞華文藻。
筆のぢく。西京雜記「天子──以錯寶爲跗、毛皆以秋兔之毫」
ふでと、すずりと、硏は硯。後漢書、班超傳「投筆歎曰(中略)立功異域以取封侯、安能久事──閒哉」
○ふでと、すずりと。後漢書、薛宣傳「安能久事──閒乎」=筆硏。○ 國 文筆に從事する人の起居をいふ書簡用語「──御淸適」
人の詩文を見て己の文才の遠く及はざるを歎く義。晉書、陸機傳「君苗見兄文、輒欲燒其筆硯」君苗は雲の小字、兄は陸機。
ふでを作る人。=筆匠·筆師。
文筆のはたらき。文心雕龍「庾以──逾親」
書くべきはかき、削るべきはけづる。史、孔子世家「至爲春秋、筆則筆、削則削、子夏之徒、不能贊一辭」
○筆と紙と。史、司馬相如傳「上許令尙書給──」○てがみ。=筆翰。
○書くと數へると。習字と算術と。○算用數字を用ひて許算する算術。珠算の對。=洋算。
筆匠なり。山谷題跋「今都下──如蝟毛」=筆工。
かきて、筆を下して書きし者。
ふでにてかきうつす。
ふでをつくる工人。嬾眞子「唐祕書省(中略)裝潢匠六人、──六人」=筆工。
ふでかけ。岑參詩「數枝門柳低衣桁、一片山花落──」
ふでづかひ。南史、蕭引傳「此字──翩翩、似鳥之欲飛」
ふでのあと。晉書、王獻之傳「覽其──、拘束若嚴家之餓隸」=筆迹。
寫字を業とするもの、寫字生。
筆の力。晉書、王羲之傳「論者稱其──、以爲飄若浮雲、矯若驚龍」=筆力。
筆を用ふることの精妙なる義。益州名畫品目「畫之於人、各有本性、──墨妙、不知所然」
ふでのあと、書跡。南史、王僧孺傳「辭制旣雅、──又麗」=筆跡·筆蹟。
前條に同じ。
筆と口舌と。法言、問道「吾見天常、爲帝王之──也」天常は五常。
ふでのほさき。王惲詩「細寫春悰入──」
ふであらひ〔考槃餘事〕
○筆がふるふ。張舜民詩「眼昏──誰能畫」○文筆上のあらそひ。
十分に書きしるさる。米黻詩「誰云存心乃──」
書きてこたへる。文士傳「有劇問、以──之」=筆對。
ふでさき。文賦「籠天地于形內、挫萬物于──」
言語に代へて筆にて意思を通ずる。
ふでつき、文字のかきぶり。
其の罪惡をかきたててせめる。
文詩の雄健なるを行陣に喩へていふ。杜甫、醉歌行「詞源倒流三峽水、──獨掃千人軍」
ふでづか。國史補「長沙僧懷素好草書、自言、得草聖三昧、棄筆堆積、埋于山下、號曰──」=筆塚。
ふでを入れるつつ、ふでたて。致虛雜俎「獻之有斑竹──」
○ふでの穗。雲仙雜記「李太白少夢──生花、後天才贍逸、名聞天下」○筆の如く尖りたるあたま。魏書、古弼傳「弼頭尖、世祖常名之、曰──」○ 國 連名中の首席の者、ふでがしら。
草の名、つくし、つくつくし。=土筆。
ふでばこ。吳萊詩「門垣成隱逸、──到畊樵」
○ふでの運びかた。唐書、韓滉傳「滉書得張旭──」○文の作りかた。
ふでさき。鮑照詩「兩說窮舌端、五車摧──」
○ふでと、すみと。○轉じて文章をいふ。晉書、溫嶠傳「陶侃上書曰、故大將軍嶠、忠誠著於聖世、勳義感於人神、非臣──所能稱陳」
ふでのいきほひ。圖畫見聞志「畢顯(中略)工畫馬、有韓幹之風、而──勁健」
文章の勢のつよきをいふ。韓愈、病中贈張十八詩「龍文百斛鼎、筆力可獨扛」
○ふでづかひ。續畫品「未窮生動之致──纖弱」○文章の筋道、文脈。玉海「爲文之法、有筆力、有──」
筆を下して書く。杜甫詩「閱書百紙盡、──四座驚」=下筆。
寒氣の爲めに凍れる筆に暖き息を吹きかけて書く。方干詩「──尺書遲」=呵凍。
書畫をかく。また文詩を作る。杜甫詩「將軍──開生面」
筆をなげすてる。後漢書、班超傳「家貧、爲官傭書、嘗輟業──歎曰、云云」=抛筆。
ふでをなめる、かりそめにかく。唐書、張志和傳「善圖山水、酒酣或擊鼓吹笛、──輒成」
自ら筆を携へる。曲禮「史──、士載言」
ことさらに事實をまげてかく。後漢書、臧洪傳「南史不──以求存」
巧みに己の意にまかせて書きまはす。晉書、赫連勃勃載記「汝輩──」=舞文。
詩文の特にすぐれたる形容。又書迹の絕妙なる形容。杜甫詩「讀書破萬卷、下筆如有神」
詩文の才に長じたるをいふ。天寶遺事「李白少時夢筆頭生花、自是才思贍逸」
ヘツ [月]
或はに作る通音バツ
いかだ、竹木を編みて水を渡る、大を─といひ、小を桴といふ「舟─」「津─」「縛─」
いかだぶれ。范成大詩「肯將──換柴扉」
7畫
ヰン [眞]
○たけ(竹)「松─」「翠─」○竹の靑皮。
たけ。水經、注「七賢祠、左右──列植」
やだけ。劉峻文「心貞──、德潤珪璋」
たけのかは。范純仁詩「──乍開春後綠」
たけかご。陳泰詩「──日暮挑菜葵」
たけかご。杜甫詩「野人相贈滿──」=竹籃。
エン [先]
○たかむしろ(竹席)轉じて廣くしきものの義とす。○すわるむしろ、せき(座席)「講─」「經─」「玳─」「瓊─」「─席】
席にいっげいに滿ちる。晉書、劉輿傳「賓客──、文案盈几、遠近書記、日有數千、終日不倦」
キョ [語]
○物を盛るはこ、圓形の筐 ハコ 「飯─」「敝─」詩、召南「維筐及─」○いなたば、刈りたる稻の束 タバ
クヮン [旱]
管(竹部八畫)に同じ
○ふえ、くだ(管)「磬─」○かぎ(籥)「─鍵」○つかさどる(主)史、平準書「桑弘羊爲大司農、─諸會計事」
ふえと、ことの類と。漢書、董仲舒傳「鐘鼓──」=管絃。
ケン [銑]
かけひ、とひ、竹をかけわたして水を通ずるもの「竹─」「山─」「曲─」
かけひのみづ。陸游詩「──晨澆藥、燈窗夜覆棋」
サウ セゥ [肴]
○ふご、はこ。○めしびつ、一斗二升の飯米を容れる竹器。○轉じて僅少の分量の義。又、凡庸の人にいふ。論、子路「斗─之人、何足算也」○はしづつ(筯筩)○ささら(飯帚)
わづかの升目。器量の小さきにいふ。沈佺期詩「吾徒祿未厚、──愧相貽」=斗筲。
①サク [陌]
②ケフ [葉]
①めどぎ(筮)曲禮「龜爲卜、─爲筮」○ふだ(簡)かきもの。莊、騈拇「挾─讀書」=冊·策。○はかりごと(謀)史、張耳陳餘傳「怨陳王不用其─」=策。○やらい。=栅。
②はし(箸)○はさむ、はさみあぐ(夾擧)韓愈、曹成王碑「─漢陽」
サク [藥]
○たけなは(竹索)○國の名、卭─は支那の西南夷の地。
サン [翰]
○そろばん、計數の具。○俗に算(竹部八畫)と通用して數ふる義とす。
セイ [庚]
をさ、機 ハタ の經 タテイト を整へ理 ヲサ める具。
セイ ゼイ [霽]
○うらなふ。うらなひ、めどぎを以てする占術「卜─」「占─」「易─」うらかた。○めどぎ(蓍)占 ウラナヒ に用ふる五十本の細き竹、古蓍草の莖を用ひたりといふ「─竹」
うらなひに用ふる龜。爾雅「六曰──」=龜筮。
うらなひにあらはれたるしるし。晉書、郭璞傳「璞撰前後──六十餘事」
吉凶をうらなひて仕へる、初めて仕宦するにいふ。左、閔元「畢萬──于晉、遇屯之比、辛慶占之曰、吉」
うらなひに用ふるめどぎ。字解參看。
めどぎを以てうらなふと、龜の甲をやきてうらなふと。漢書、儒林傳「及秦禁學、易爲──之書、獨不禁、故傳受者不絕也」=ト筮·占ト。
セゥ [篠]
通音ゼゥ
しのだけ(小竹)=篠。
チョ [御]
はし「竹─」「匕─」=箸。
テイ [靑]
○ひくだ、機絲 ハタイト をまく管 クダ ○小さきたけざを。
①トウ [東]
②ヨウ [腫]
①たけづつ(竹筒)○缿─は小孔ありて、入るべくして出すべからざる器、今の郵便箱の類。漢書、趙廣漢傳「受民閒書爲缿─以投之」
②やづつ(箭室)
フ [虞]
○竹の中のうすきかは、竹中の衣。○よこいと(緯)をまきつけるくだ。
ヲゥ [陽]
○わかだけ(幼竹)「蒼─」
8畫
カ コ [箇]
又、个·介に作る個は俗字
○物を數へるに用ふる字、枚の義。荀、議兵「負矢五十─」○この、これ。此の俗語。○俗に物事を指し示すに用ふ。這─はこの、那─は、あの。
ひとつづっ。杜甫、螢詩「卻繞井欄添──」
國 こことめざすところ。
國 かど、くだり。=個條。
一人といふが如し。團體の對「──權」=個人。
國 物のかず。
此の中の人の義。蘇軾詩「平生自是───」
われ、自稱の詞。隋煬帝詩「──無賴是橫波」
キ [支]
○み、穀物にまじれる塵·糠などをさびて分け去る具(簸)○轉じて其の形の如く兩足をのべて坐する貌。曲禮「坐毋─」○ちりとり、塵芥を受ける器具。禮、曲禮「必加帚於─上」○み、二十八宿の一にて、風を好 コノ む星。春秋緯「月麗于─、風揚沙」○かぜのかみ(風師)張衡、思玄賦「屬─伯以函風兮」○國の名、子爵、今の山西省楡社縣の東南。─子は殷の紂王の臣、所謂三仁の一人。
高節を全くして隱遁するにいふ、堯の時、許由が堯の天下を讓らんとするを聞きて、箕山に隱れ潁水に耳を洗ひたる故事に本づく。謝靈運詩序「徐幹少無宦情、有──之心事」
弓師の子は、其の父が堅き幹角を矯 タ め、弓を爲 ツク るを觀て、軟かなる柳條を曲げて箕を作ることを學び、鍛冶の子は、其の父が堅き金鐵を鎔し、破れたる鍋釜を補繕するを觀て、軟かなる獸皮を補綴して、裘を作ることを學ぶ。よりて父祖の業をうけつぐを──を繼ぐといふ。禮、學記「良冶之子、必學爲裘、良弓之子、必學爲箕」
兩足をのべてすわる。史、刺客傳「倚柱而笑、──以罵」=箕坐。
兩足をなげ出して坐す、箕の形に似る故。論衡「趙陀椎髻──」=箕踞。
ちりとりと、ははきと。說苑、修文「草茅之產、得奉執──之事」(執──は人の妻となるといふ謙辭)
ちりとりと、ははきとを執る下女。轉じて人の妻となるといふ謙辭。史、高祖紀「呂公曰、臣少好相人、相人多矣、無如季相、願季自愛、臣有息女、願爲季───」(帚一に箒に作る、箒は俗字)
許由·巢父の二人が箕山(河南省登封縣嵩山の南に在り)に隱れたる故事により、退隱して節を守るにいふ。晉書、向秀傳「文帝問曰、聞有────、何以在此、秀曰、以爲巢許狷介之士、未達二堯心、豈足多慕、帝甚悅」漢書、鮑宣傳「小臣欲守箕山之節」
みの如くはる。韓愈文「牛奮其角、──其口」
尙書の洪範九疇をいふ、箕子の演述せしによる。
○かぜのかみ。字解參看。張衡、思玄賦「屬──以函風兮」=風伯。○算子をいふ。易林「朝鮮之地、──所保」
箕にて物をすくひとる如くむやみに租稅を貪りとる。史、張耳·陳餘傳「頭會──、以供二軍費」(頭會は民の頭數に應じて穀を出さしむ)
キン [翰]
○やだけ、しのだけ、矢がらを作るに適する一種の竹。○たけのこ(筍)
クヮン [旱]
又、筦に作る
○くだ、たけくだ。○ふでのぢく「筆─」「彤─」○ふえ、笛の類「簫─」「金─」「急─」「─絃」○かぬ(包)○かなめ(樞要)荀、儒效「聖人也者道之─也」○つかさどる、事を總理する、支配·する「─轄」「主─」「總─」史、李斯傳「─事二十餘年」○かぎ(鍵·籥)「─鍵」
管仲と晏嬰と、共に齊の賢相、史記に其の列傳あり。
管仲を見よ。
ふえのね。後漢書、注「──調、則律曆正」
見る所の甚だ小なるに喩ふ。莊、秋水「是直────、用錐指地也、不亦小乎」=管窺·管見·以蠡測海。
一家の取締人、又商店の番頭など。
管仲·樂毅のなかま、二人は春秋戰國時代の名臣。孟浩然詩「自顧躬耕者、才非───」蜀志、諸葛亮傳「亮寓居襄陽隆中、每自比管仲樂毅」
齊の管仲と、三國の蜀の諸葛亮と、二人は共に名相。南史、劉湛傳「常自比──」
管は門戶を開閉することを掌るかぎ、轄は車輪をすべるくさび。轉じてしはいする義。孫綽文「綱紀居──之任」=管理。
筆。晉書、曹毗對儒「固非──之所述、聊敬對以終篇」=筆翰。
管見に同じ。管中窺豹を見よ。=管闚。
ふえのね。陳後主詩「野鶯添──」
くだのあなから豹の一斑をみる。見識の狹きにいふ。何承天、答顏永嘉書「吾少信──、老而彌篤」=管窺。
ふえと、琴と。漢書、禮樂志「鐘石──」王羲之、蘭亭記「無絲竹──之盛」=筦絃·絲竹。
かぎ。周禮、司門「掌授──以啓閉國門」=管鑰。
身分卑きくらばん。檀弓「──之士、七十有餘家」
管叔と蔡叔と、共に周公旦の兄弟、後ち亂を起して滅さる。
地名、周の管叔の封地、隋の縣名、今の河南省鄭縣の治。
筆の異名。韓愈、毛穎傳「聚其族而加束縛焉、秦皇帝使恬賜之湯沐、而封諸管城、號曰───」
管仲と商鞅と、共に春秋戰國時代に於ける法家〔韓非、五蠧〕
とりしまりつかさどる。
掌りまもる。又其の人、番人。
ふえ。鄭玉詩「神前舞女舞妖嬈、社下游人弄──」
見識のせまき言說。魏書、劉芳傳「臣學謝全經、業乖通古、豈可輕薦瞽言、妄陳──」
國 遞信大臣の管轄に屬する一局、航路及其の標識·船舶·海員·水運、又其の保護會社の監督等を司る。
○とりしまりのかしら。管守の長。○一宗一派を管理するかしら。
春秋の齊の賢相、字は夷吾、桓公をたすけて天下に霸たらしむ。論、憲問「子曰、──相桓公、霸諸侯、一匡天下、民到于今受其賜、微──、吾其被髮左衽矣」
見る所の小なるに喩ふ。晉書、王獻之傳「────時見一斑」
つかさどりすべる。雲笈七籤「各有官僚、更相──」
うけもちのうち、管轄する範圍內。
管仲·鮑叔の二人の互に心を知り合ひて交りし故事〔史、管仲傳〕杜甫詩「君不見──貧時交、此道今人棄如土」
○ふえ、籥は三孔又は六孔ある笛。孟、梁惠王「百姓聞王鐘鼓之聲、──之音」○かぎ、籥は鑰に同じ。禮、月令「愼──」=鎖匙。
かぎ。鑰は鍵。前條の後の解參看。=管鍵。
つかさどりをさめる。=管轄。
○すべてをとりしまりをさめる。道德指歸論「──天地、無不包裹」○ 國 足利時代、將軍を輔佐せし重職。
くだと、ほらがひと、くだにて天をうかがひ、ほら貝にて大海の水を測る如く極めて見識のせまき喩。東方朔、客難「以管窺天、以蠡測海」=管見蠡測。
勾玉 マガタマ の一種にして、管狀をなす、瑪瑙などにて造る、絲に貫きて、頸·手·足などの裝飾に用ひしもの。
ケン [鹽]
鉗に通ず
○くびかせ(銷項)○くびかせをかける。○とざす(銷)おびやかして口をきかさず、木を口に食ませて聲を出さしめず。
くちをふさぎて言はしめず。偶語することを禁ずる。漢書、異姓諸侯王表「墮城銷刃、──燒書」
くちをつぐむ。又、口を閉ぢて言はしめず、言論の自由を束縛する。漢書、袁盎傳「君自閉箝天下之口、而日益愚」=鉗口·拑口·箝語·緘口。
束縛して自由をさせぬ。
コ [虞]
○たが、割竹をたがねて桶·樽などを束ねしめるもの。=笟。○たがをかける。語錄「宋大慈寺─桶者、精易、程顥兄弟就質所疑、酬應如響、問其姓不答」
コウ ク [東]
─篌 コウコウクゴ は、くだらごと、胴曲りて長く、二十三絃あり、抱へて兩手にてかき鳴らす。釋名「─篌、師延所作、靡靡之樂、空國之侯所存也」=空侯·坎侯。
サゥ シャウ [庚]
○こと、瑟の類、もと十二絃、今は十三絃、秦の蒙恬の創製なりといふ「秦─」「彈─」さぅのこと。○風─は簷端 ノヰバ にかけるふうりん(風鈴)李商隱詩「西樓一夜風─急」
サフ セフ [洽]
うちは(扇)世本「武王始作─」
箑(前條)に同じ。
①サン [旱]
②サン [翰]
俗に筭に通用す
①かず(數)○かぞふ物の數を計る。論、子路「噫斗筲之人何足─也」(數の中に入れてかぞへるに足らぬ)
②そろばん、數をはかるに用ふる器。又、其の術。○ちゑ(智略)○はかりごと(籌畫)○かずとり、投壺の勝敗の數をあらはす具(籌籤)儀禮、鄕射禮「一人執─以從之」
同訓異義
ハカル 算·計·謀·圖·量·度·稱·權·測·料·忖·籌·策等の别は計(言部二畫)の條を見よ。
國 ちりぢりにみだれる、潰亂する。
そろばん、數學に同じ。
國 ○普通のそろばんにて算出し難き場合卽ち開平以上の計數に使用する方柱形の木のこま。○易占に用ひて卦を示す具、長さ三寸許の方柱形の木にて六箇あり。
俗 賣ト者。
かぞへはかる。魏志「必欲──長短、辨諮是非」陸游詩「蜀估峽商工──」
そろばん、さんぎ、子は助辭。五代史、王章傳「此輩與一把──、未知顚倒、何益於國邪」
算數の術。漢書、藝文志「杜忠──十六卷」=算法·數學。
數學。北史、刁冲傳「圖緯──、天文風氣之書、莫不關綜」
數へることの出來ざるほど多くある「殺傷──」
はかりごとに手落ちなし。晉書、桓玄傳「經略指授、────」
かぞへいれる、かずに加へる。
○算術の博士。轉じて詩中に多く數字を用ふる者を嘲りていふ。全唐詩話「駱賓王好以數對、如秦地重關一百二、漢家離宮三十六、號爲───」○ 國 古、大學寮の數學敎師の稱。
計算の法。北史、高允傳「允尤明──」
そろばん(十呂盤)十駕齋養新錄「古人布算、以籌、今用──」=算子。
俗 命運を推算する。算卦的に同じ。
國 かんぢゃう、數を計算する、計算。
算法と歷象と。南史、祖皓傳「皓少傳家業、善──」
シウ [有]
通音サウ帚に同じ
○ははき、はぅき、塵をはき去る具「竹─」「箕─」○拂雲─は廬山に生ずる竹の名、莖は指の大いさの如く梢に細き葉密に生じて箒の如し。儈贊寧、竹譜「拂雲─生廬山」
はぅきにてはく。皮日休詩「琥珀珠粘行處雪、椶櫚──臥來雲」
シャウ [陽]
しのだけ(細竹)「蕪─」
スヰ [紙]
○むち、馬をうつむち(馬策)「馬─」=捶。○罪人をむちうつ。又其のむち「杖─」「榜─」「鞭─」○むちうつ刑罰(笞刑)漢書、刑法志「景帝中六年定─令」
うまのむち。李尤、馬箠銘「御者──、示有威怒」
むちうつ、又其の刑。雲麓漫鈔「杜詩云、脫身簿尉中、始與──辭、韓昌黎詩云、判司卑官不堪說、未免──塵埃中」=杖刑。
馬のむちと、大いなるつゑと。漢書、吾丘壽王傳「秦兼天下、墮名城、殺豪傑、銷甲兵、折鋒刃、其後民以耰鉏──、相撻擊」注「箠、馬檛、梃、大杖」
むちうちののしる。朱彧可談「沈括存中、晚娶張氏悍虐、存中不能制、時被──」
むちと、たづなと。漢書、王吉傳「手苦於──、身勞乎車輿」
セン [先]
通じて牋に作る
○書物の意義を解き明かす文句を記して本書にはりつける小さき札紙「附─」轉じて註釋の義とす「毛詩鄭─」○かきもの(文書)○たてまつるふみ(上書)又、其の文體、奏記の類、太子·諸王に上 タテマ つるにもいふ。○詩文、又は手簡を書く小幅にして美くしき紙「詩─」「用─」「短─」
文書をしるすかみ。語林「謝安就乞──」
書物の註釋「荀子──」=注疏·註解·箋注·註釋。
次條に同じ。
本文の意を解釋する。韓愈文「古聖人言、其旨密微、──紛羅、顚倒是非」=箋注·箋釋·註解。
タフ サツ [洽]
○さす、鍼 ハリ にて刺す。○臣下が君主に事を奏する文の一體、表にあらず狀にあらざるもの「─子」札に通ず、公文書、上より下に行ふもの。○しるす(錄)─記 サツキ は書を讀みて得る所あれば隨時に輯錄する者をいふ「二十二史──」
ハク [藥]
○すだれ(簾)「珠─」「簾─」○養蠶に用ふる具(蠶簾)「蠶─」韓愈詩「春蠶看滿─」高啓詩「葦─夏分蠶」=薄。○金屬を薄くたたきのばしたるもの「金─」「銀─」
フク [屋]
えびら、矢を盛る器、獸皮又は竹木を用ひて作る。周禮、夏官「仲秋獻矢─」通じて服に作る。
篦(竹部十畫)に同じ。
ヨ 才 [魚]
箖─は葉の薄くして廣き竹の名。
リン [侵]
─箊は竹の名。前條參看。
9畫
イ [支]
さを(竿)竿を以てころもかけ(衣架)とするもの。=椸。
カ [麻]
○よしぶえ。=笳。○よし(葦)のわかきもの。
クヮウ [陽]
○竹の一種、質堅く節 フシ 促 セマ り、大なる者は船に作るに宜しく、小なる者は笛と爲す。○竹の通稱「修─」「翠─」「筠─」「疎─」柳宗元詩「簷下修─十二竿」○やぶ、たかむら(竹田·竹叢)「幽─」「叢─」
たけと、しのと。竹譜「──之屬、必生高燥」
むらがり生じたるたけ。柳宗元文「隔──、聞水聲」
ケフ [葉]
長方形の箱、主に書物などを入れるはこ「書─」「箱─」「敝─」「開─」禮、學記「入學鼓─、孫其業也」
はこ。韓愈詩「深藏──時一發」=篋簏。
はこ。搜神記「火從──中起、衣物盡燒」
コ [虞]
─簏 コロク はやなぐひ、えびら(箭室)の屬、矢を容れて負ふ具。=胡簏。
やなぐひ。=箶簏·胡籙。
コウ ク [尤]
箜─は樂器の名、箜(竹部八畫)を見よ。
コウ [送]
○たけのうつは。○やな、竹木を束ねて魚を取る具。=魚梁。
シン [侵]
○はり(針)衣を縫ふに用ふるはり。禮、內則「紉─請補綴」=鍼。○いしばり、古、石にて作り病を刺して治するもの。轉じていましめ(規戒)の義とす「規─」「良─」「世─」「明─」○いましめをしるす文體の名。文體明辯「按、說文云、─者、誡也、蓋醫者以─石刺病、故有所諷剌、而救其失者、謂之─、喩─石也」「酒─」「大寶─」
同訓異義
イマシム 箴·戒·誡·警·儆·敕の别は戒(戈部三畫)の條を見よ。
いましめ。いましむ。柳宗元文「用圖史──、以施其敎」=箴儆。
いましめいさむ。漢書、路溫舒傳「開天下之口、廣──之路」
○いましめ。○いましめただす。孟浩然詩「人生靜躁殊、莫厭相──」
いましめ、をしへ。庾信文「夫人高氏、──有儀、言容以德」
いましむ。又、いましめ、儆は警。國語「昔衞武公年九十有五、猶──于國」
いましめのことば〔書、盤庚〕
いしばり。漢書、藝文志「醫經──湯火所施」
それとなくいましめる。唐書、儒學傳「孔穎達爲皇太子令、撰孝經章句、因文以盡──」
病を療するいしばり、砭はいしばり。轉じて人の惡をいましめる義とす。=針砭。
いましめの文と銘と。謝靈運文「詩以言志、賦以敷陳、──誄頌各有倫」
シャウ サウ [陽]
○はこ、かたみ(筐·篋)「巾─」「瑤─」○にぐら、車內の物を容れる處。○こめぐら(米廩)詩、小雅「求萬斯─」○ひさし。=廂。
はこ。蘇軾詩「家藏古今帖、墨色照──」
はこ。名畫錄「好事得之爲──珍」
ジャク [藥]
或は篛に作る
○くまざさの類、葉を取りて笠に作る「─竹」○たけのかは(竹皮)
たけのこがさ〔瑯邪代醉編〕=篛笠。
簨(竹部十二畫)に同じ。
セイ シャウ [梗]
笭─ レイセイ は魚を漁する具、漁せし魚を入れるかご、びく。
①セウ [蕭]
②サク [覺]
①樂器の名、舞ふ者の執る所、簫(竹部十二畫)に同じ。○─韶 セウセウ は舜の樂の名。說文「虞舜樂曰─韶、尙書作簫韶」
②うつ(擊)竿にて人を擊つ。○舞曲の名。
セツ セチ [屑]
○ふし、竹のふし。廣く草木のふしこぶ。○物の結合してゐる部分「關─」○音樂のふし、てぅし。○みさを(志操)「─義」「─行」「名─」「氣─」左、成十五「聖達─、次守─、下失─」○こと、おこなひ(行事)○しるし「符─」わりふ、てがた(符信)使者の執りて信を示す所のもの。○ためし(經驗)○ときをり。○氣候のかはりめ「時─」古、立春·立夏·立秋·立冬·春分·秋分·冬至·夏至を以て八─と爲す、後世は一年を二十四─に分つ。○物事のさだめ、きまり(制斷)ほどあひ(適度)左、莊二三「制財用之─」○きまりをつける、かぎる、さだむ。○はぶく(減省)「裁─」「撙─」左、成十八「─器用」○のり(法度)○禮儀のきまり「禮─」○しな(等差)○かぎり、しきり(區畫)○文の一段を一─といふ。○山の高き貌。詩、小雅「─彼南山」○いはひび(壽日)「天長─」「千秋─」○樂器の名、うちて他の音樂のふしをととのへるもの、卽ち拊。○易の卦の名。兌下坎上。○ 國 のっと、英國の尺度の名、主に船舶の速度を計ふるにいふ、我が十六町五十八閒許。=海里·浬。
節句 セツク の日の朝廷の宴會。英雄記「公孫瓚、每至──、屠牛爲脯」
符節 ワリフ と、まさかり(鉞)と。孔叢子「天子當階南面、授之──」
○己の守るところの意見を屈して人に從ふ。戰國策「以秦之強一──而下與國、臣恐其害於東周」○ 國 ヲリフシ 丁度其の時、をりから。
○みさををかたく守る。○天子より賜はりし符節を持ちて使する。
みさををまもる。漢書、王章傳、贊「剛直──、不量輕重」=完節·秉節。
天子より符信として賜はる節旄を杖つく、命を受けて外に在る義〔隋書、高祖紀〕
○符節のもと。將軍のもとの義。南史「──有范增、不能用、空議何施」=麾下。○轉じて將帥の稱とす。
みさを、槩は槪に同じ。左思、吳都賦「俗有──之風」=氣節·志節氣槩。
婦女の少くして寡となり、嫁せざるものを節婦といひ、其の能く翁姑に事ふるに逮ぶものを節孝といひ、祠を立てて之を祀るを───といふ。
○節のをはり。又、時節。謝靈運賦「月孟──、歲亦吿曁」○ 國 年の末、歲暮。
みさをありて義にかなふ。黃石子「──之士、不可以刑威脅」
大將軍のはた。王安石文「兼兩鎭之──」=節旄·旌節。
人日(正月七日)上巳(三月三日)端午(五月五日)七夕(七月七日)重陽(九月九日)をいふ「五──」=節日·佳節。
菊の異名〔本草綱目〕
氣節ありて弱者を助け强者を挫く、をとこだて。史、刺客傳「爲行而使人疑之、非──也」
けんやく。史、晏嬰傳「以──力行、重于齊」
ほどよく、かぎりをつける。晉書、范寗傳「賦調役使、無復──」=節制·節約。
はぶきへらす。舊唐書、肅宗紀「自今以後、朕常膳及服御等物、竝從──」=節略·節省·削減·損減。
みさを。後漢書、趙熹傳「少有──」
みさをたかき人。韓詩外傳「──不以辱生」
たかきみさを。晉書、祖逖傳「逖輕財好俠、慷慨有──」
歧 エダ に又歧を生じて歸宿する所なき喩。朱子語錄「隨語生解、────·更讀萬卷書、亦無用處也」=節外生枝。
○人の惡節 アシキオコナヒ を棄てて善節のみを取る。左、僖三三「君取節焉可也」○文章の一節を切り取る。
さけをひかへてのむ。晉書、胡母輔之傳「──自厲、甚有能名」
時節のうつる次第。杜甫詩「看花隨──」
食物をひかへてくふ。魏志、高勾麗傳「其俗──、好治宮室」
○節度使の簡稱。唐書「河南──」○淸時代、總督·巡撫の異稱。
ほどよくとりしまる。荀議兵「桓文之──」
鳳凰の鳴く聲。宋書、符瑞志「鳳凰其鳴雄曰──、雌曰足足」
音樂のほどよきてぅし。禮記「文采──、聲之飾也」崔寔、政論「豈暇鳴和鸞淸──哉」
前條に同じ。漢書「調五聲使有──」
おさへて、ひかへめにする。管子「節飮食、撙衣服、則財用足」
國 王朝時代、賊徒征討の時、天子より大將軍へ賜はりし、しるしの刀。
ふしぶしをたつ。公羊傳、注「支解──之」
節度使のやくしょ。宋史、王彥超傳「自──來朝」
○きまり。左傳、疏「卽是制財用之──也」○ セツドセツタク さしづ、指揮。事物紀原「後漢公孫瓚討烏桓、詔令受劉虞──、唐室名使、蓋取此義」
一地方の軍政及び行政を總轄する官名。唐に始まる。唐書、百官志「───掌總軍旅、顓誅殺」=節帥。
節は柱の上のますがた、梲は梁上の短き柱、うたち、ますがたに山を刻み、ぅだちに藻をゑがく、天子の宗廟の飾。論、公冶長「子曰、臧文仲居蔡、────、何如其知」
みさをを守りていのちを捨てる。漢書、郅都傳「奉職──」
天子より使者に賜ふしるしのはた、旄牛 カラウシ の尾の毛を其の竿につける。漢書、蘇武傳「杖漢節、臥起操持、──盡落」
節士に同じ。任昉文「義士──、聞之有立」=烈夫。
みさを正しきつま。李覯、哀老婦詩「赦書救──、許與旌門閭」
時節に應じて生ずる品物。晉書、陸機傳「踟躕感──、我行已永久」
ほどよくきりもりして飾る、文は飾。史、叔孫通傳「禮者因時世人情、爲之──者也」=品節文章。
立春に氣節のうつりかはる時の稱。二月四日頃、俗に立春の前夜をいふ。
○こわけ、細目。禮、學記「先其易者、後其──」○規則のかてっ。韓愈文「持院中之故事──十餘事」
つづまやかにする。後漢書、宣秉傳「性──、常服布被蔬食瓦器」=節限·儉約。
費用を制限する。論、學而「──而愛人」
私慾を制限する。春秋繁露「──順行、則倫得」=制欲。
たのしみを制限する。史、樂書「凡作樂者、所以──」
ほどよく省きて記錄する。又、其の記錄。=抄錄。
セン ゼン [霰]
○や(矢)關よりして東は矢、關より西は─といふ「弓─」「勁─」「流─」「飛─」「毒─」○みづどけいのめもりを刻みたる矢「漏─」○すごろくのさい(博箸)○しのだけ、やだけ、幹直く堅くして矢を作るに適す。
やのはね。白居易、放二旅雁詩「拔汝翅翎爲──」
やをおぶ。陸游詩「我似傷禽──飛」
矢がら、次條に同じ。
やがら。簳は笴に同じ。晉書、王恭傳「以斜絹爲書、納──中、合鏑漆之」=矢笴。
書を矢につなぎ、射て消息を通ずるもの。宋史「官軍圍城(中略)得──、張鍇悉焚之」
矢に作る細き竹。周禮、職方氏「揚州其利竹箭」注「──也」疏「箭一名篠、故禹貢云、篠簜是一物二名也」=箭竹。
やじり。後漢書、西域傳「生白草、有毒、國人煎以爲藥、傅──、所中卽死」
飛箭の如く疾くはせる。張九齡詩「──入窈窕」
やのかずとり。儀禮「──八十」
やにつくるたけ。晉書、伏滔傳「彼壽陽者、金石皮革之具萃焉、苞木──之族生焉」
堇菜 スミレ の異名〔救荒本草〕
矢のきずあと。蔡琰、胡笳十八拍「沙場白骨兮刀痕──」
過ぎ去ることの早き貌。江表傳「風猛往船──」=如矢。
①チョ [御]
②チャク [藥]
①いちじるし。=著(艸部九畫)○はし「匕─」「火─」「象─」=筯。
②きる(被服)=著。○ねばりつく(黏附)
テン [銑]
○古代の文字の一體、大小二種あり、大─は周の宣王の太史史籒の作る所。小─は秦の李斯の作「─字」「─書」「籒─」「秦─」○印章には多く─字を用ふるにより轉じて印章の義とす。○銘文に─字を用ふるによりて銘の字の義とす。○感─は感激して心に深くきざみつける。=感銘。○篆字の如くまがりくねる形容「─烟」
篆字の如くうねりて立つ香爐のけむり。宋濂詩「香飄金屋──淸」
篆字にてかきたる石碑の題字。舊唐書、李華傳「李華嘗爲魯山令元德秀墓碑、顏眞卿書、李陽冰──、後人爭模寫之」
篆書にて凹くきざみつける義。仇池筆記「元豐中、余自齊安、過古黃州、獲一鏡、其銘字如菽大、──甚精」
○篆字を印にほりつける。○轉じて形容の句のみ多く實益なき文章をいふ。法言「童子雕蟲──、俄而曰、壯夫不爲也」
篆體の文字。=篆文·篆書。
古代の文字の一體。漢書、藝文志「六體者、古文·奇字·──·隸書·繆篆·蟲書」
篆書にてしるしたる銘文。瘞鶴銘「立石旌事、──不朽」
篆書と隸書と。
ハン [豏]
○金を鑄るいかた(模型)○轉じて、かた、のり、てほん、常の模法(法·式·模)「模─」「軌─」「師─」「與─」「儀─」「洪─」○一定のくぎり「─圍」
一定のくぎり。又くぎりをつける。易、繫辭「──天地之化、而不過」
のり、きそく。張華文「行爲──、言成櫽括」=軌範。
のり、てほん。文心雕龍「皆後人──也」
○分類の義。書經の洪範九疇の類。○哲學の用語、外物を認識して之を槪念とする時、必ず執るべき形式。
たみを法則にあてはまらしむる。漢書、嚴安傳「養失而泰、樂失而淫、禮失而采、敎失而僞、僞采淫泰、非所以──之道也」
ヘン [先]
○かきもの、首尾全き詩歌又は文章「─什」「短─」「名─」「佳─」○しょもつ(書冊)○書物 シヨモツ のぶわけ「初─」「前─」「後─」「詩三百─」「論語二十─」「孟子七─」
詩歌をいふ、什は十、詩經の雅頌が十篇を以て一什としたる故。詩經、集傳「詩雅頌無諸國之别、故十篇爲一卷猶軍法十人爲什也」
○詩文の篇と章と。○文章。又、書籍。北史「東平公神擧、性愛──」
しょもつ。左思詩「四賢豈不偉、遺烈光──」
ふみづつみ。又、書物。=卷帙。
しょもつ。後漢書、荀悅傳「所見──、一覽多能誦記」=篇籍。
ベン [先]
たけのこし(竹輿)あんだ、竹木を編みてつくりしもの。
たけのこし。史、張耳陳餘傳「上使泄公持節問之──前」=竹箯。
ラク [藥]
○まがき「籬─」○杯又椀などをいれる籠。
10畫
①ウン [文]
②ヱン·ヲン [先]
─簹 ウンタウ は竹の名。竹の中にて最も大いなるもの、肌薄くして節長く、射筒 ヤヅツ と爲すによろし。柳宗元、柳州山水記「─簹湘湖閒皆有之」
陝西省洋縣の西北に在り、谷中竹多し、宋の文同、亭を其の中に築く、蘇軾に───詩あり。
カゥ コウ [豪]
○さを、ふなざを、船を進むる竿「竹─」「輕─」唐寅詩「插─葦渚繫漁艇」○老─はとしよりのせんどう。
せんどう。杜甫詩「──幸不溺」
せんどう。陸深、谿山餘話「──柁工」=篙人·篙手。
せんどう。唐書、杜亞傳「方春南民爲競渡戲、使──衣油綵衣、沒水不濡」=篙師·篙工·篙手。
せんどう。鼠璞「海壖呼──、爲長年」古今詩話「川陝以──爲三長老」皆推尊するの意。
ふなざをと櫓と。李存詩「波濤隨地有、切莫倦──」
コウ [尤]
○かがり。○かご、火を覆ひ盛る籠。又、物をいれて負ふ籠。史、滑稽傳「甌窶滿─」○ふせご(笿)籠を伏せて上に衣を被ひ、中に香爐を置き、香を薰 タ きしむるもの「香─」「衣─」=薰籠。
かがりび。歐陽修文「──餱糧」高啓詩「──樹閒照」
かごにて燈火を覆ふをいふ。宋史、陳彭年傳「幼好學、母惟一子、愛之禁其夜讀書、彭年──密室、不令母知」
サ [歌]
みの。=蓑(艸部十畫)一說に蓑の俗字。
サウ·セゥ サク [肴]
○めしいれ(飯器)五升を容れるもの。○ささら(飯帚)○うごく(動)=梢。
サン [諫]
篡は俗字
うばふ(奪取)無理に取る、强奪する。取るべからざるものを取る「─位」孟、萬章「是─也、非天與也」
同訓異義
ウバフ 篡·奪·禠の别は奪(大部十一畫)の條を見よ。
臣が君主の位を橫どりする。
むほん。
君をころして其の位を奪ふ。
君の位をうばふ。
臣が君の位を奪ひ、之に代りて立つ。
シ サイ [支]
○ふるふ、ふるひにてよりわける。漢書、賈山傳「─土築阿房之宮」○ふるひ、底に目のある竹むしろ、又は網などを張り、粗き物は留り、細き者は目より落つるやうに作りし器。○極めて大いなる竹の名、船につくる、一名太極。
同訓異義
フルフ 篩·奮·震·振·揮·戰·顫の别は奮(大部十三畫)の條を見よ。
シウ [尤]
さけこし。酒を漉 コ す具「酒─」蘇軾詩「公餘試新─」
ジャク [藥]
○たけのこ(筍)僧贊寧、筍譜「筍一名─竹、土內皮中謂之─也」○くまざさ。=箬。
たけのこがさ。王冕詩「何人方舟順流下、草衣──俱瀟灑」
セゥ [篠]
通音ゼゥ
ささ、しのだけ、しの(細竹)やだけ、幹細く葉大きく、山野に叢生す、幹を矢に用ふ「細─」「密─」「翠─」「叢─」
セン [霰]
○靑き竹。○竹の茂る貌。
チ [支]
箎とは别
橫笛の一種、長さ支那尺にて一尺四寸、周圍三寸八孔あり「壎─」詩、小雅「伯氏吹壎、仲氐吹─」
チク [屋]
○つく(擣)きづく、杵にて地をつき堅める「修─」「增─」「造─」「改─」詩、豳風「九月─場圃」又きづきたるもの、土木工事「建─」「新─」「小─」○きづくに用ふる杵。史、始皇紀「身自持─臿」○ひろふ(拾)
同訓異義
ツク 築·衝·突·搗·擣·撞·舂·搶の别は衝(行部九畫)の條を見よ。
軍營をきづく。梁簡文帝詩「貳師將軍新──」
みなとをきづく。
ものみをきづく。宋書、少帝紀「穿池──、朝成暮毀」
きづきかためる。詩、豳風、箋「物盡成熟、──以爲場」
きづきかまへる。唐書、徐賢妃傳「因山藉水、無──之苦」
きづきつくる。=造築。
きづきつくる。新語「黃帝乃伐木構材、──宮室」
土を積みて山を作る。つきやま。鮑照、學劉公幹體「──擬蓬壺、穿池類渤溟」
へやを新にたてる。宋史、蘇軾傳「──東坡、自號東坡居士」
しろをきづきつくる。──曲は樂府雜曲の歌辭。
やしきをいとなみきづく。史記「漢爲單于、──於長安」
前條に同じ。宋史、劉正夫傳「──於杭州萬松嶺」
ヂョ [魚]
○籧─ キヨヂヨ はたかむしろ、あんぺら(竹席)○はとむね、籧(竹部十七畫)を見よ。
トク [沃]
○あつし(厚)てあつし、人情があつい「敦─」「謹─」○ふかし(深)○かたし(固)○もっぱら(純)心が專一にして雜ならず「純─」「醇─」「─行」「─學」○やまひはなはだし(病甚)史、范雎傳「應侯遂稱病─」
同訓異義
アツシ 篤·厚·敦·淳醇·渥·腆の別は厚(厂部七畫)の條を見よ。
あつくあいする。晉書、溫嶠傳「僕才輕任重、實憑明公──」
○篤實なるおこなひ。○あつく躬に行ふ。
てあつくつくす孝行。
熱心に學問をはげむ。史、伯夷傳「顏淵雖──、附驥尾、而行益顯」
つつしみぶかし。史、五帝紀「日以──、匪有解」=謹篤·敦謹。
人情あつくうやうやし。中庸「君子──、而天下平」
てあつきをしへ。傳亮詩「敷衽銘──、引帶佩嘉謨」
篤實にしてつつしむ。論、衞靈公「言忠信、行──」
あつく藝術に志す。晉書、索靖傳「多才之英、──之彥、役心精微、耽此文憲」
疾があつくはげしくなる、病が危し。論衡「微病恒醫皆巧、──扁鵲乃良」
あつきめぐみ。陸雲文「──彌隆」
親切にしててあつし。漢書、嚴安傳「貴仁義、賤權利、上──、下佞巧、變風易俗、化于海內、卽世世必安矣」=醇厚·敦厚。
○しんせつなるこころざし。○熱心にこころざす〔論、子張〕
しんせつにしてまじめ。
○おもきやまひ、危篤の病。=篤病。○癲狂·癩·兩目盲·二枝折など〔明律、注〕
てあつくしてまごころあり。范鎭文「後裔蕃衍盛大、信厚──」=篤厚誠實。
かたく信ずる。論、泰伯「──好學、守死善道」
あつくつつしむ。孔融文「陛下──取士、必須效試」
人情あつく思ひやりがある。范式文「徽柔懿恭、明允──」
篤厚なるうまれつき。異苑「與母居、至孝──」
心あつくまことあり。左傳「齊聖廣淵、明允──」
德あつくして事にさとし。易林「君有八人信允──、爲堯所擧」
てあつくゆきとどく。漢書、谷永傳「齊桓晉文、用士──」=謹密。
はなはだ年をとる。漢書、疏廣傳「上疏乞骸骨、上以其──許之」
甚だゆきとどける議論。
ハゥ [庚]
○むちうつ(笞擊)=榜。○かご(籠)
ヒ [尾]
はこ、かご、かたみ。圓形の竹器 カゴ 「筐─」廣韻「方曰筐、圓曰─」
ヘイ [齊]
箆は俗字
○かんざし(釵)○けすぢたて(導)髮の毛をわけるに用ふるもの、又櫛の齒の細密なもの「竹─」○へら。竹製の小刀、柔かき物を切り、すぢをつけ、又物をねるに用ふ。
リツ リチ [質]
一音リキ
篳─ ヒチリツヒチリキ は樂器、笳に似て九孔ある笛。=觱篥。
ワク [藥]
又籰に作る
いとわく。絲を卷きつけるわく。=籰。
11畫
キ [紙]
神に供へる黍稷を盛る器、木又は瓦などにて作り、外が圓くして內の方 シカク なるもの「土─」「簠─」
黍稷をもる祭器。唐書、禮樂志「進饌者、實諸籩豆──」簠は外が方にして內の圓きもの。
ギョ [語]
とめば。=籞。
クヮイ クヮク [隊]
○婦人のかみかざり(首飾)=幗。○婦人の喪中の冠。
コ [麌]
水中に竹を立て連ねて魚を取るもの。
①サゥ·セゥ [肴]
②サク [覺]
①かぢ(舵尾)○うごく(動)馬融賦「其應淸風也纖末奮─」=梢。
②ささら(飯帚)
サク [陌]
○す、すのこ(簿)ゆか(牀第)ねだいの上に敷く敷物。禮、檀弓「華而睆、大夫之─歟」○ゆかいた(牀板)○つみあつめる(積聚)
士君子の死をいふ、易(日部四畫)の條の易簀(八五一頁一段)を見よ。
サン·セン セン [潸]
○のぶ(述)えらぶ。漢書、藝文志「書之所起遠矣、至孔子─焉」=撰。○十分に具はる食物(具食)=饌。
篩(竹部十一畫)に同じ。
シウ [宥]
○ひとし(齊)○めかけ(副室)○そへぐるま(副車)
①シン [侵]
②サン [覃]
①─? シンシ は竹の長き貌。又、長短相等しからざる貌。=參差。
②かんざし。=簪。
セイ スヰ [霽]
又、彗に作る
○ははき(箒)たかばうき(竹掃)史、高祖紀「太公擁─」○しのだけ(篠)帚に作るに宜しき細竹。竹譜「─、篠竹中掃箒」○ははきぼし(彗星)
セキ サク [陌]
○やす(捕魚具)水中の魚を刺して取る具。○やすにて魚を刺し取る。
①ソウ [宥]
②ゾク [覺]
①むらがる(叢)杜甫詩「桃花──開無主」あつまる(湊)蔟に通ず。○大─ タイソウ は正月の律の名。轉じて正月の異稱とす。=泰簇。
②やのね、やじり(矢金)=鏃。
むらがり生ずる。史、律書「正月律中泰簇、泰簇者言萬物──也」
むらがる貌。韋莊詩「天外晚峰靑──、檻前春樹碧團團」
ソク [屋]
○ふるひ(篩)○──は木の茂密なる貌、しげし。元稹詩「風動落花紅──」
トウ [尤]
○竹のこし、かご(竹輿·箯)○俗山轎 ヤマカゴ を─子といふ。○馬に水を飮ます器、うまぶね。
ハイ [佳]
いかだ(筏·桴)
ヒツ ヒチ [屑]
○しば、いばら(竹荆)○まがき(籓落)荆竹を編みて結びしまがき。○しばのと(荆門)○─篥 ヒチリキ は樂器の名、竹を管とし蘆を首とし、上から吹く、九孔ありて强き音を發する。通典「─篥出於胡中」=觱篥。
樂器の名、字解を見よ。李頎詩「南山截竹爲──」
篳門はしばのをりど、圭窬は牆を穿ちて作りたる門旁の小戶、上は銳く下は方にして圭の狀の如し、貧家の門牆をいふ。禮、儒行「────、蓬戶甕牖」左傳には窬を竇に作る。
しばにて作りし粗末なる車と、ぼろぎもの(敝衣)と。路は輅、人の勤儉なるをいふ。左、宣十二「────、以啓山林」轉じて事を開創 ヒラキハジメル する義に用ふるは寒微より起り、艱辛に耐へて事を創造する意。
ベウ [蕭]
一種の細き竹の名、中實ちて孔無し、莖五六寸、弩矢に爲るべし。左思、吳都賦「─簩有叢」
ベツ [屑]
○籐 トウ の一種(桃枝竹)「─席」○竹の皮、わりだけの外皮を去りしもの、みがき。○小さき貌。
ホウ [東]
○とま(苫)竹·茅などを編みて舟を覆ふもの「船─」「搴─」○轉じて小舟の義「釣─」皮日休詩「一─衝雪返華陽」
ふねのとまのまど(船窗)蘇軾詩「──高枕雨如繩」陸游詩「熟醉臥──」
ロク [屋]
はこ(篋)竹にて編みし丈 タケ の高き箱(高篋)書物衣類などを容れる。晉書、劉柳傳「讀書而無所解、可謂書─矣」書─は本箱。
12畫
カン [澘]
○古、未だ紙のなかりし時、文字を書きし竹のふだ(竹牒)○ふみ、しょもつ(文書)「─策」「汗─」てがみ「手─」「折─」「書─」=柬。○けみす(閱)○かぞふ(數)○くらぶ(比)○汰 ヨナ ぐ、明かにする。○はぶく(略)てがるにする「─易」「─略」「─率」○つづまやか、やすし(易)○あなどる(慢)おろそかにする。孟、離婁「是─驩也」○つづめる(要)○ふらぶ(選)えりわける。孟、梁惠王「─在帝心」○轉じて君主の特命によりて官に任ぜられるを特─、又─授といふ。○わかつ(分)○志大いなり。論、公冶長「狂─斐然成章」○おほまか、事の大體をとりて細事に拘はらず。書、大禹謨「臨下以─」○おごる(傲)○いさむ(諫)左、成八「是用大─」○まこと(誠)○しゃく(手版)○──は鼓のこゑ。又、大いなる貌。
同訓異義
エフブ 簡·撰·譔·選·擇·揀の别は撰(手部十二畫)の條を見よ。
てがる、やさしい。史、萬石君傳「慶於諸子中、最爲──矣、然猶如此」
てみじかに其の學科を修め得る課程。本科又は高等科などの對。
てがるにしてかなめ、簡略にして要を得る。
えらぶ。歐陽修文「豈夫訓練之未至、將由──之不精」
陸海軍豫備役又後備役の下士卒を召集して人員しらべをする。
志が大きくしておごる。北史、崔贍傳「性──、以才地自矜、所與周旋、皆一時名望」
○鼓の聲の和ぎて大いなる貌。詩、商頌「奏鼓──」○大いなる貌。詩、周頌「降福──」
えらびもとめる。後漢書、皇后紀論「──忠賢」
おごりたかぶる。宋史、苻昭壽傳「以貴家子日事遊宴、──自恣」=簡傲。
てがるにて事をすくなくする。後漢書、光武帝紀「兵革旣息、天下少事、文書調役、務從──」
大いなる貌、兮は助字。詩、邶風「──·──、方將萬舞」=簡簡。
兵器をしらべ、士卒を計ること。周禮「以八式經邦治、二曰、聽師田以──」
つづまやかにしていさぎよし。南史、王思遠傳「立身──」
詩文などの、簡潔にして古雅なる義。東坡題跋「韋應物·柳宗元發纖穠于──、寄至味于澹泊、非餘子所及也」
簡札に同じ。
ふみ、書物。=簡册·書册·簡編。
ふみ、てがみ。=簡牘。
えらびとる。後漢書、仲長統傳「今──其書、有益政者、略載之云」
ものを書きとめるふだ、削版牘なり。癸辛雜識「──古無有也、陸務觀謂、始於王荊公、其後盛行、淳熙末、始用竹紙高數寸闊尺餘者、簡版幾廢」
選びたる兵卒。左、襄二五「──陳以待我」
ならふ。孫楚文「興造舟楫、──水戰」
えらびて取る。蜀志、王連傳「──良才、以爲官屬」
君主が特にえらびて官をさづける。傅休奕、樂章「柔遠能邇、──英賢」=選授·銓授。
えらび出す。=選出。
○戒命のかきつけ、兵事の命令。詩、小雅「豈不懷歸、畏此──」○かきもの、てがみ。
はぶく。後漢書、王景傳「雖──役費、猶以百億計」=簡約。
てがるにしてすばやし。
えらぶ。後漢書、賈琮傳「──良吏、試守諸縣」
○てがるでおごらぬ、簡略質素。晉書、高密王泰傳「──寡慾」○竹簡と縑素 キヌ と。古、字を書くに用ひしもの。水經、注「爲紙、用代──」
禮法などをてがるにする。晉書、高密王泰傳「任眞──」
えらびすぐる。宋書、謝方明傳「方明──精當、各愼所宜」
えらぶ。韓愈詩「相賀──期精專」
えらびぬきんづ。葉適文「──疎賤、卽爲守望之親」──簡拔。
てがる、てみじか。=簡短·單簡。
書物のそこなはれる義。耶律楚材詩「羲易頻繙───」
えらびさだめる。曹植、漢武帝贊「──律曆、辨修舊草」
文字をしるしたるふだ。漢書、薛宣傳、注「牒書謂書于──也」=簡札。
○文書を記する竹札と木札と。杜預、左傳序「大事書之於策、小事──而已」○轉じて、かきもの。又、てがみ。
才能ある者をえらび用ふ。後漢書、謝夷吾傳「尋功──、爲外臺之表」=選能。
えらびて派遣する。
軍馬を檢閱する、簡は閱。
えらびぬく。諸葛亮、前出師表「是以先帝──、以遺陛下」=簡擢·選拔。
字を書くふだ〔老學庵筆記〕=簡槧·簡牘。
たけのふだ。爾雅「簡謂之畢」=竹簡。
言葉少くしてまことあり。書經「五辭──、正於五刑」
軍隊の操練をする。左傳「子產乃──大蒐」
てがるでつがふ好し。
しょもつ。韓愈詩「燈火稍可親、──可卷舒」
てがるにしてかざりなし。後漢書、魏霸傳「以──寬恕、爲政」=簡樸。
前條に同じ。
おろそかにしてあなどる。北史、李栗傳「性──矜寵、不率禮度」=怠慢。
てがるにして明か。
つづまやか。後漢書、馬援傅「躬履節儉、事從──」=簡省。
あらまし、てがるにする。後漢書、宣乘傳「務擧大綱、──苛細」=簡率。
えらびねる。禮記「──桀俊」
キ クヮイ [未]
もっこ、あじか。土を運ぶに用ふる竹かご。書、旅獒「爲山九仞、功虧一─」
クヮウ ワゥ [陽]
○した、ふえの舌、吹きて之を鼔動して聲を生ずるもの「笙─」「銀─」○笙のふえ。詩、王風「君子陽陽、左執─」○かみかざり(步搖)「簪─」
笛の舌を鼔動して響を發せしむる如く、妄言して衆を惑はすをいふ。莊、騈拇「──天下之耳目」詩經「巧言如簧」に本づく。
シン サン [侵]
○かんざし、かぅがい(笄)冠をとめる爲めに髮に插すもの「瑤─」「脫─」○かんざしを插す。○とし、はやし(疾)○あつめる。あつまる(聚·攢)易、豫卦「朋盍─」○首髮をかざること。玉─ ギヨクシン は玉のかんざし。又花の名、ぎばぅしゅ、一根に數葉叢生し、夏秋の交、淡紫色の花開く。○ 國 かんざし、かざし(釵)女の髮に插す首飾。
かんざしと冠のひもと。轉じて高官の義とす。陳漣、皆山軒賦「家傳詩禮、世襲──」
かんざしをぬき去る、罪を請ふ時の作法。列女傳「周宣姜后者、齊侯之女也、賢而有德、宣王常夜臥晏起、后夫人不出房、姜后旣出、乃脫簪珥待罪於永巷」
冠をとめるかうがひと衣のすそと。衣冠といふに同じ。柳氏家訓「──徒在、廝養何殊」
冠をとめるかうがいと、しゃく(手版)と。轉じて禮服。又、禮服をつけたる官吏の義とす。梁簡文帝文「──成行、貂纓在席」江總詩「──奉周行」
かんざしと、耳玉と。史、外戚世家「夫人脫──叩頭」
ふでをかしらにさす。小吏となるにいふ。漢書、趙充國傳「持槖──、事孝文帝」
冠をとめるかうがひと、官印のひもと。轉じて官位の義とす。李羣玉詩「白衣謝──」
シュン [軫]
鐘又は磬を懸ける鳥居形の具、上の橫木を─、兩傍の柱を簴といふ。
字解を見よ。=簨虡、筍虛·栒虡。
セゥ [蕭]
○ふえ、竹管を列べ、編みて作る、大いなる者は二十四管、小なる者は十六管、底あり「玉─」「管─」「樓─」(底なきものを洞─といふ)○しのだけ。=篠。○ゆはず(弓末)
ふえ。禮、樂記「君子聽竽笙──之聲、則思畜聚之臣」
ふえと、つづみと。陸機文「──振響、和鸞流聲」
秦の穆公の時の人、道術を得、善く簫を吹き鳳皇の鳴聲をなす、穆公、女(弄玉と號す)を以て之に妻 メア はす〔列仙傳〕
舜の樂の名。書、益稷「──九成、鳳皇來儀」九成とは九たび奏する、成は樂曲の一終。
ふえ。韓維詩「朱絃孤影四座寂、繼以──相諧和」
ふえ。吳都賦「櫂謳唱、──鳴、洪流響、渚禽驚」
女夫 オツト の通稱。釋常談「──卽簫史也、後世女夫通稱也、唐詩云、嫁得──愛遠遊」
タゥ [養]
おほいなるたけ(大竹)書、禹貢「篠─旣敷」
タン [寒]
○はこ(笥)かたみ(小筐)竹にて編みし飯びつ。○竹の名、節の閒甚だ長し、其の嫩 ヤハラ かきものの纖維を紡ぎて布と爲す(竹疎布)國○─笥 タンス は衣服などを入れるひきだしつきの大いなる箱。○瓢─ ヘウタン はひさご。又、それにて作りし酒器。
○飯などを入れるはこ、圓きを簞、方なるを笥といふ。曲禮「苞苴──」○ 國 タンス 「用──」
飯を竹器にもり、漿 ノミモノ を壺に入れる、踊躍して義兵を犒 ネギラ ふ形容。孟、梁惠王「────、以迎王師」
すこしの飯と、あつものと、豆はたかつき、椀の類。孟、盡心「────形於色」
貧に居り約に處 ヲ るにいふ。次條を見よ。
飯をもる器と酒などをいれる器。論、述而「一簞食一瓢飮、在陋巷、人不堪其憂、囘也不改其樂」(孔子が顏囘の淸貧に甘んずるを賞したることば)
テキ [錫]
ふえ「─管」笛(竹部五畫)に通ず。
テン [琰]
○たかむしろ、竹又は葦を編みたる敷物(竹席)「枕─」「涼─」「夏─」「淸─」○大いなる一種の竹の名「─竹」
たけのすのこ。項斯詩「苔色侵經架、松陰到──」
たかむしろのしきもの。王隱晉書「賜牀帳──幷錢五十萬」
トウ [蒸]
からかさ、さしがさ、柄のある大形の笠、後世の傘 カラカサ に似たるもの。史、平原君傳「虞卿躡蹻擔─」
ハク [藥]
ばくち、すごろく(局戲)「六─」通じて博に作る。
ホ [麌]
神に供へる黍稷を盛る器。木又瓦にて造り、外が方にして內圓く一斗二升を入る。
神に供へる委稷をもる器。漢書、賈誼傳「古者大臣有坐不廉而廢者、不謂不廉、曰──不飾」飾は飭と通ず。
祭器がととのはず、大臣の收賄罪を犯したる者を貶黜する時に用ふる婉曲のことば、前條參看。
レゥ ラゥ [蕭]
宗廟の祭に肉をもる竹器。
13畫
エン []
檐(木部十三畫)に同じ
ひさし、のき(櫩)
のきばにしたたるあめ。杜甫詩「野雲低渡水、──細隨風」
屋根ののきのかどが牙の如く突き出る〔杜牧、阿房宮賦〕
のきのあまだれのひびき。簷滴の音。朱熹詩「──通夕鳴」
のきのかはら。庾信詩「武安──振、昆陽猛獸奔」
のきば。李頎詩「野鶴宿──、楚雲飛面前」
のきばを照す日。
のきば。陳漣、皆山軒賦「白雲棲於──」=簷際。
のきばのくも。樓鑰詩「──雨後理輕絲」
のきばのたるき。張師錫詩「晒艾曝──」
のきばのともしび。王建詩「──經夏紗籠黑」
ふうりん(風鈴)史肅詩「──丁東風外響、田車歷轆月中行」
のきのいた。蘇軾詩「飄蕭紙窗明、堆壓──墮」
のきのあまだれ。白居易詩「共聽──滴、心事兩悠然」
カン [旱]
○やがら(笴·箭幹)○しのだけ(小竹·篠)
キヨ [語]
かねかけ。=虡。簨(竹部十二畫)を見よ。
篝(竹部十畫)に同じ。
サイ [隊]
すごろくのさい。=塞。
セン [鹽]
○かご(籠)○ふだ、文字を書く札。○名をしるす(署名)「─名」「─押」「題─」○─書 センシヨ は文字。又官名。
かきしるす。耶律楚材詩「──長安五陵子、馬似游龍、車如水」
俗 文書に親しく記名して證とする者。=簽名·署名。
タ [麻]
しもと、むち(箠·鞭)
籒(竹部十五畫)の俗字。
ハ [哿]
○あふる、ひる、箕ミにて米を揚げて糠 ヌカ や塵を去る。○あふり揚 アゲ る「掀─」「翻─」「飄─」杜甫詩「浪─船應坼」○よなぐ(汰)
穀をさびてぬかを去る。風俗通「敺爵──、田農之事也」
箕ミにてあふりあぐ。晉書、習鑿齒傳「簸之颺之、糠粃在前」
○あふりもてあそぶ。陳高詩「晶光浴秋日、──琉璃珠」○造言して是非を顚倒する義。
ハク [藥]
ばくち、すごろく。=博。
①ホ·ブ [麌]
②ハク [藥]
①ちゃうめん、曾計簿。すべて物事を書き込む冊子「帳─」「名─」「金蘭─」○しゃく(笏)蜀志、秦宓傳「以─擊頰」○鹵─ ロボ は車駕の次第。
②養蠶の具の一。=箔。○すだれ(簾)
○帳面に書きつける。唐書、百官志「──課業、供奉几案紙筆、皆預偫焉」=籍記。○帳面のつけかた「──法」
帳面、帳簿。
○官府の錢穀の出納を記するちゃうめん。○ひろく官文書をいふ。次條參看。
帳面に記入すると日限を定めて租稅を取り立てると、煩細なる公務をいふ。漢書、賈誼傳「大臣特以簿書不報期會之閒、以爲大故」
帳面を見せつけて問ひ責める。史、絳侯世家「吏──條侯」
帳にしるす。南史、孔廣傳「廣美容止、善談論、王儉常云、廣來使人廢──」
ちゃうめんにしるす。北史、慕容儼傳「死時唯著敝褌、而積絹至二萬疋──竝歸天府」
レン [鹽]
す、すだれ。竹、又は葦を編みて作りしとばり「珠─」「帷─」「湘─」「葦─」「垂─」
すだれと、とばりと。又、すだれのとばり、帷は幃に同じ。祖詠詩「秋天聞好鳥、驚起出──」=帷簾。
前條に同じ。林逋詩「薄薄──欺欲透」
すだれのかげ。雍陶詩「明月何高高、樓中──寒」
すだれををかし入る。陸游詩「荷氣──馥、桐陰覆井涼」薩都刺詩「門外好山靑入戶、階前芳草綠──」
次條に同じ。白居易詩「牀煖僧趺坐、樓晴妓──」
すだれをまきあげる。杜甫詩「──惟白水、隱几亦靑山」
すだれのそと。李嘉祐詩「斜照窺──」
すだれと、たれぎぬと。又、すだれのとばり。南史、范縝傳「有拂──、墜於茵席之上」
すだれかけ。杜甫詩「落日在──、溪邊春事幽」
○すだれのなか。=簾內。○ 國 昔時、公卿、諸侯の正妻の尊稱。
すだれ、箔は簿 スダレ 三輔黃圖「金玉珠璣爲──」
すだれまく。杜牧詩「深秋──千家雨」
すだれのかかれるれんじまど。元稹詩「微月透──、螢光度碧空」
ロ [遇]
やだけの一種、皮の色の黑きもの、矢に作る。=簬。
ロク [屋]
胡─ コロク はやなぐひ、やづつ(箭室)
14畫
①セキ·ジャク [陌]
②シャ [禡]
①ふみ、かきもの(文書)しょもつ「書─」「典─」「經─」「史─」「羣─」「載─」「篇─」○しく(布)○ふだ(簡牒)○にんべつちゃう「戶─」「─貫」「名─」「圖─」「屬─」○戶籍に登記する。○ふむ(蹈)「─田」禮、祭義「天子爲─千畝」○──は口語のかまびすしき貌。○─沒 セキボツ は罪をかうむりて財產を沒收せられる。
②藉(艸部十四畫)に通ず「溫─」
簿書に書きしるす。又、其の簿書。漢書、尹翁歸傳「東海郡中賢否、皆──之」=簿記。
名聲が甚だしくひろがる。漢書、陸賈傳「公卿閒、名聲──」=籍籍·嘖嘖。
○口語のかまびすしき貌。漢書、江都易王傳「國中口語──」=藉藉·諠聒。○縱橫にちらばる貌。漢書、燕刺王傳「骨──兮亡居」○みだれる貌。漢書、劉屈氂傳「事──如此、何可祕也」=紛紛。
天子の上帝祖廟に供へる爲め親ら作られる田地、籍は蹈藉 フム の義、天子が自ら蹈みて之を耕すをいふ。漢書、文帝紀「其開──、朕親率耕、以給宗廟粢盛」(一解に籍は借の音通、最初天子が農具をもつて一二度親ら耕し、其の餘は人民の力をかりて耕す義)
財產を官に沒收する、帳に記錄して之を取りあげる義。蘇軾詩「誰家美園囿、──不容贖」
ダイ [灰]
かぶりがさ(笠)雨をふせぐ具「─笠」
チウ [尤]
○かずとり、數をかぞへるに用ふるかずさし「牙─」「酒─」「觥─」の投壺の戲に用ふる矢。○はかりごと(策)「良─」「遠─」「運─」○はかる(謀)○くじ(籤)みくじ。
同訓異義
ハカル 籌·計·謀·圖·量·度·稱·權·測·料·忖·揣·商·略·策等の别は計(言部二畫)の條を見よ。
籌商に同じ。周書、蘇亮傳「有機辨、善談笑、太祖重之、有所──、率多會旨」=籌畫會議。
相談して是非曲直をさだめる。魏書、崔光傳「甚信重、每事──」
はかりごと。史、高祖紀「運──帷帳之中、決勝於千里之外吾不如子房」=籌略·計畫。
はかる、見積りする。又はかりごと〔唐書、李勣傳〕=籌策。
はかる、相談する。=籌議。
○はかる。盧亘詩「北門古深嚴、論思寄──」=商度·謀度。○ チウド はかりごと。
金錢の出納をはかりて事を處理する。
邊境の兵備を計畫する。──樓は四川省成都縣治の西に在り、唐の李德裕建つ。
はかりごと〔吳志、呂蒙傳〕=籌策·策略·謀略。
幕中にて戰略をさだめる。漢書、高帝紀「上曰、夫─────、決勝千里之外、吾不如子房」籌策參看。
テキ [錫]
── テキテキ は竹の細長くして、上のそげたる貌。詩、衞風「──竹竿、以釣于淇」
デフ [葉]
○くびわ(鉗·箝)○ふむ。漢書、禮樂志「─浮雲」=躡。
ラン ロン [覃]
○かご、手に提げ持つに便なるかご「竹─」「魚─」「藥─」「筐─」○大いなるかご、あじろかご「箯─」
あじろのこし。蘇軾詩「──置紙筆、得句輕千乘」=竹轎。
15畫
ス [麌]
藪とは别
十六斗の稱。
篹(竹部十一畫)に同じ。
チウ [宥]
籀は俗字
古代文字の一體、周の宣王の太史史─の作る所、卽ち大篆「─文」「─書」
大篆をいふ。江淹、謝賜石硯啓「敬閱──、側觀硯功」
大篆をいふ。學古編「李斯、旣作小篆、遂以──爲大篆」
トウ [蒸]
或は籘に作る
とう、と、竹に似たる蔓生の植物、熱地に生ず、彎曲自在なるが故に、種種の用に供せられる。
16畫
エイ [庚]
○はしばこ(箸筩)○かご(籠)
ギョ [語]
○とめば(禁苑)「禁─」竹を編みて人の往來を禁ずる處。○いけす、池水中に竹籬を編みて魚を養ふもの「池─」○をり、簀にてかこみて鳥を畜ふもの「籠─」○かこひを設ける、とどむ。
セン [先]
姓。神仙傳「彭祖姓─名鏗、帝顓頊之玄孫(中略)歷夏殷周年七百六十七歲而不衰」=老彭。
タク [藥]
たけのかは(竹皮)筍の皮、成長するに隨ひて脫落する「笋─」「新─」
たけのこの皮に生ずるこ。貢師泰詩「──已翻鱗甲紫、墨花還染羽毛蒼」
たけのこ。朱喬年詩「一雷驚起───」=籜龍苞。
ライ [泰]
○ふえ、三っの孔ある籥 フエ ○簫の一名。○すべて孔 アナ より發するひびき。莊、齊物「地─則衆竅是已、人─則比竹是已」「天─」「松─」「淸─」「爽─」「萬─」「澗─」○かなしき聲。
しゃうのふえ。嵆康文「口之激氣爲聲、何異──納氣而鳴耶」
ロ [虞]
○ますがた。=櫨。○かご、大いなる筐。○矛戟のえ、廬に通ず。
①ロウ [東]
②リョウ [冬]
①こ、かご、土を盛る器、ふせご。竹などを編みて作れるいれものの總稱「樊─」「熏─」「筠─」○とりのをり(鳥檻)○つつむ、こむ、かねあぐ(包擧)○えびら(箙)
②たけの名。○くさびおほひ、車軸の頭。○ 國 こもる。又こもり、室內に閉居して外出せず「─城」「病氣引─」又神佛の殿內に宿泊して祈願をかける「參─ サンロウ 」
かごのうぐひす。白居易詩「鮒魚思反泉、──悔出谷」
かごの中のつる。白居易、寄元九詩「誰識相念心、韝鷹與──」
たけにて造りたるをり。南史、范雲傳「今羽翮未備、不得不就──」
かごのとり。自由にならぬ身に喩ふ。何遜詩「──恨跼促」=籠鳥。
國 家にこもりてをる。
入れくくる、ひきくるめる。公羊傳、疏」項羽因胡亥之虐、而──天下」=囊括。
かごと、はこと。靑箱雜記「官職是國家的、非臥房──中物」
國 しろにたてこもる。
○魚を捕へるたけかご。李賀詩「韓鳥處繒繳、湘鯈在──」○籠の中に入れたる如く一とまとめにする。文心雕龍「觀其豔說、則──雅頌」
かごの中につなぐ。元稹詩「野鳥多──、鷦鷯本易厭」
かごのとり。中論「斯與──檻獸未有異也」
束縛を受くる身の自由を得んと望む心に喩ふ。鶡冠子「籠中之鳥、空窺不出」蘇軾詩「鳥囚不忘飛、馬繫常念馳」
とうろう。李中詩「──吐冷艷、巖樹起寒聲」
しばりて自由をさせぬ。北史、盧思道傳「雖──朝巿、且三十載、而獨往之心、未嘗去懷抱也」=羈絆。
まんぢゅう。倦游雜錄「唐人呼饅頭爲──」
○かごと、あみと。○轉じて、人を我手中にまるめこむ意。晉書、劉元海載記「恣度卓犖、有──宇宙之志」=包羅·籠絡。
他人を我が手の中にくるめこみて自由にする。宋史、胡安國傳「蔡京得政、士大夫無不受其──」
利をひきくるめて取る。宋史「爲時──、無足取者」=網利。
國 ○鎧の一部、兩腕を被ふもの。○弓籠手 ユゴテ の略、弓を射る時左のひぢを被ふもの。○擊劍の具、手にはめるもの。
ロク [沃]
○未來記、豫言を記せしもの、天神の策命「圖─」張衡、東京賦「高祖膺─受圖」○しょもつ(籍)○ほんばこ(簏)
17畫
キク [屋]
きはむ、罪人をしらべる。
キョ [魚]
─篨 キヨヂヨ はあんぺら、たかむしろ(竹席)又、はとむね、胸突き出でて俯すこと能はざる病。轉じて人の顏色をうかがひて媚びへつらふ者に喩ふ。
はとむねと、せむしと。轉じて、醜惡の人に喩ふ。國語「籧篨不可使俯、戚施不可使仰」
セン [鹽]
籖は俗字
○くじ。○みくじ、吉凶をうらなふに用ふる竹札。○くじ札に當りし者が或權利を得るやうに仕組みしもの「抽─」○しるし(驗·標識)ふだ「牙─」○かずとり、ふだ。=簽。
ヤク [藥]
○ふえ、三孔又は六·七孔ある笛「笙─」「竽─」詩、衞風「左手執─」○かぎ。禮、月令「孟冬愼管─」=鑰。
ヨ [魚]
輿の俗字
竹のこし(箯輿)
ラン [寒]
或は?に作る
えびら。弩矢 イシユミノヤ を盛りて背に負ふもの、其の形木桶の如し。漢書、韓延壽傳「抱弩負─」
レン [鹽]
かがみばこ。列女傳「置鏡─中」=匳。
18畫
ヘン [先]
たかつき(竹豆)
まつりの器の名。王績詩「豐骨輸廟堂、鮮腴藉──」
籩は竹にて造り、果物や乾肉の類を盛り、豆は木にて造り菹醢の類を盛る祭器。論、泰伯「──之事、則有司存」
19畫
シ サイ [支]
とうし、ふるひ。米と糠とをふるひ分つ器。=篩。
ラ [歌]
○み(箕)○かたみ(筐)いかき、米をよなぐに用ふる底方にして上圜きざる。
り [支]
まがき、ませがき、柴や竹を編みて作る垣「藩─」「竹─」「槿─」「疎─」「短─」
かきねに飛ぶ鷃 ミソサザイ 見識の狹きたとへ。宋玉、對楚王問「夫藩籬之鷃、豈足與料天地之高哉」歐陽修詩「何異──瞻雲鵬」=井蛙。
まがき。晉書、吳隱之傳「數畝小宅、──仄陋、內外茅屋六閒、不容妻子」
まがきのもとのきく。白居易詩「──黃金合、窗筠綠玉稠」
まがきのもと。高適詩「──長花草、井上生莓苔」=籬下。
まがき。盧綸詩「園林滿芝木、雞犬傍──」
籬落に同じ。=牆籬。
まがきのほとり。朱慶餘詩「故山──菊、今日爲誰黃」=籬邊。
まがき。僧道潛詩「通衢旅犀象、顚倒同──」=藩籬。
まがきのほとりにあるかへで。歐陽修詩「──葉如火」
まがきのほとり。杜甫詩「──野外多衆芳」
まがき。戴叔倫詩「──栽山果、池塘養海鱗」=籬牆·籬笆。
20畫
エイ [庚]
かたみ、三四斗入のかご。漢書、韋賢傳「遺子黃金滿─、不如一經」
ワク [藥]
いとわく、絲を絡 マト ふ具。=篗。
26畫
ユ ヤク [遇]
よぶ(呼)神を呼びていのりもとめる。=籲。
よびさけぶ。柳宗元「駁復譬議「上下蒙冒、──不聞」
天によばはる。書、泰誓「無辜──、穢德彰聞」