疋部
0畫
①シヨ·ソ [魚]
②ガ [馬]
③ヒツ·ヒチ [質]
①あし(足)
②ただし(正)雅の古字。
③兩の倍、四丈。○動物を數ふるにいふ「牛一─」=匹。 國 ○ ヒキ 德川時代に鳥目 テウモク 十文の稱、百─は一貫文。○布帛二端の稱。
一匹のねりぎぬ。後漢書、虞延傳「延初生、其上有物若──、遂上昇天、占之吉」=匹練。
7畫
①ショ·ソ [魚]
②ソ [御]
疎(次條)と通ず
①うとし、うとむ、うとくなる、とほざかる(遠)近·親の對。○まれ(稀少)「稀─」密の對。○とほす。とほる(通)塞がりしものを開き通ずる。孟、滕文公「禹─九河」○わかつ(分)淮南、原道「襄子─隊而擊之」○すかす。すく、まばら、ぬけ目がある。○あらし(麤)そまつ、おろそか「─食」○いやしむ(賤)○はだし(徒跣)○大いなり。○かざりゑがく(飾畫)○をさむ(治)○きざむ(刻)○すかしほる。○しく(布)つらぬ(陳)○──は衣服の盛んなる貌。○扶─は枝葉の盛んなる貌。○くしけづる(理)梳に通ず。○やさい、蔬に通ず。
②物事を一っ一っにかきわけてのべる(條陳)「奏─」かでぅがき(條錄)又、其の書狀「上─」「抗─」○ときあかし、書物の註釋「註─」
うとんじはばかる。唐書、宦者傳「士大夫、皆──之」
うとくまはりどほし。王冕詩「客計轉──」
まばらなるあめ。岑參詩「北山──點朝衣」=疎雨。
○ぶさたする。=疏闊。○うとんじとほざく。=疏斥·疏隔。○平生親み近かず。樂毅、答燕惠王書「不察──之行」
上疏(三八頁四段)を見よ。
うとんじすてる。神仙傳「嬰此惡疾、已見──」
そそっかしく氣ちがひじみたる義。白居易詩「──屬年少」=疎狂。
一一箇條を立てて書きあげる。漢書、賈誼傳「難徧以──」
あらまかにしておろか。韓愈文「忘其──之罪、而有此說焉」
うとんずる。諸葛亮文「背先帝、所──」=疏斥。
世事にうとき心。韋應物詩「高論動侯伯、──脫塵喧」
漢の東海蘭陵の人、少くして學を好み、春秋に明かなり、宣帝の時、仕へて太子太傅に至る、兄の子受、同時に太子少傅に至る、在位五年、廣、受に謂つて曰く、足るを知れば辱しめられず、止るを知れば殆からす、宦成り名立つ、此の如くにして去らずんば懼らくは後悔あらんと、乃ち上疏して骸骨を乞ふ、上之を許す、公卿大夫祖道を設けて東都門外に供張す、送る者車數百輛、道路觀る者皆曰く賢なるかな二大夫と。
うちひらけてひろし。杜甫詩「高樓憶──」
あらし、精密ならず。漢書、溝洫志「方略──、上切責之」
おろそかにしてかたくな。柳宗元詩「步登最高寺、蕭散任──」
まばらにとぶほたる。宋之問詩「鴛鴦機上──度、烏鵲橋邊一雁飛」
そそっかし、手ぬかり。
うときと、ちかきと。禮記「昏姻、──之交也」=疏密。
水の塞がりたるを開き通ずる。郭璞賦「巴東之峽夏侯──」
まばらなるえだ。朱熹詩「倒影的礫──橫」=疎枝。
粗末なる食。論、述而「飯──、飲水」=麤飯。
地をきり開きて水をかよはす。白居易詩「如祁寒之節、則──而俯火」
うとんじしりぞく。五代史、康延孝傳「忠臣勇士、皆見─」=疏外。
疏略なる小さき行。禮記「色容不盛、此孝子之──也」
まばらなるほほひげ。元史、李洞傳「骨格淸峻、神情開朗、秀眉──、目瑩如電」=疎髥。
あらくそまつ。後漢書、馬后傳「望見后袍衣──、反以爲綺縠」
箇條書にして申し上げる。後漢書、張奮傳「夙夜憂懼、章奏不能敍心、願對中常侍──」
とほきしんるゐ。蔡邕文「推恩中外、施浹──」=疏屬。
あらまかにして小事にかかはらず。南史、張移傳「性──、朗悟有才略」
心粗豪にして小節に拘らず。北史、薛澄傳「──不拘」
水を通じみちびく。後漢書、和帝紀「詔刺史二千石、其隨宜──」
あらくとほりてこせつかず。蘇軾文「性──不疑」
○ささはりなく通ずる。蘇軾詩「秀句益──」○明かに筋道を分つ。漢書、儒林傳「──證明之」
きままにしてしまりなし。杜甫詩「嗜洒益──」=疎放。
うとんずる。顏氏家訓「子姪不愛、則羣從──」
あらくしてかざりなし。董逌文「伹綴緝──、未爲密緻耳」
あらき目のあみ。法律のゆるやかなるに喩ふ。駱賓王詩「──尙恢恢」
うとし。疏一に疎に作る。後漢書、黨錮傳「恩義已輕、服屬──」
あらきと、こまかなると。梁簡文帝文「──俱巧、眞草皆得」
あらあらしく無作法にしていやし。圖繪寶鑑「擧止──、襟韻曠達」=疎野。
ひらきそそぐ。莊子「──而心、澡雪而精神」=開滌。
すきとほりてほがらか。晉書、王敦傳「眉目──、性簡脫有鑒裁」
○はだがあらし、肌理が緻密ならず。漢書「其人──」○さっぱりと整へをさめる。疏通整理。舊唐書「命京城諸司、──繫囚」
まばらなるかき。戴復古詩「春風不到處、枯蔓挂──」=疎籬。
まばらにして省略する。精密の反對。漢書、夏侯勝傳「爲學──」
手おち、ぬかり。
疏(前條)に同じ。熟語は互に參看せよ。
まばらなるかげ。林逋詩「──橫斜水淸淺、暗香浮動月黃昏」=疏影。
おろそかにしておごる。北史、裴延儁傳「好飲酒、頗涉──、久不徙官、曾爲豁情賦」=疏傲。
前條に同じ。
仲がうとく隔る、交際がうとくなる。=疏遠。
狂放不羈の貌。=疏狂。
○おろそか、まはりどほし。黃庭堅詩「早年學屠龍、適用固──」○ぶさたする。=疎遠。
うとくしてゆるやか。北齊書、王晞傳「我性實──、不堪時務」
うとんじ、きらふ。後漢書、竇皇后紀「數閒于帝、漸至──」
うとんじはなれる。李白詩「賓友日──、玉尊亦已空」
ものうし。白居易詩「世名檢束爲朝士、心性──是野夫」=疏懶。
まばらにしてすくなし。孔平仲詩「人烟──白日靜、風物澄明新雨後」=稀疏·稀少。
遠きしんるゐ。史、田單傳「齊諸田──」=疏屬·疏族。
おろそかにしておこたる。宋書、孔顏傳「顗學不綜貫、性又──」
疏宕に同じ。
世事にうとくしてほしいまま。南史、顏延之傳「延之──不能取容當世」
あらきあみ。法律の寬大なるに喩ふ。許敬宗詩「──妖鯢漏」=疏網。
おろそかにしてあなどる。王昌齡詩「放之淸冷泉、因得省──」=疏懶。
疏野に同じ。
おろそかにしてものうし。北史、盧思道傳「性──」=疎慵·疎嬾。
あらきすだれ。武士衡詩「瑩影──外、鴻聲暗雨中」=疏簾。
9畫
①ギ [支]
②ギョウ [蒸]
③ギ [紙]
①うたがふ、あやしと思ふ、あやしむ(怪)○まどふ(惑)定まらず「丨惑」○きらふ(嫌)○はかる(度)○おそらくは(恐)うたがふらくは。推量の詞。李白詩「─是銀河落九天」○にる(似)「─似」○もとる(戾)○官の名「前─」○九─は山の名、蒼梧に在り、九峯あり、其の形相似たるが故。
②さだまる(安定)凝に通ず。
③なぞらふ。=擬。
うたがいきらふ。魏志、劉表傳「雖外儒雅、而心多──」=猜忌。
うたがはしき意義。後漢書、鄭玄傳「孔融聞玄善算、乃召見於樓上、因從質諸─丨」
うたがひおそる。易經、注「巽順之志、進退──」溫庭筠詩「激揚銜箭虎、──聽冰狐」
うたがひの心。孟郊詩「──無所憑」=疑心·疑念。
うたがひふかききつね。黃庭堅詩「羸馬踏冰翻、──觸林遁」
犯罪のうたがはしき裁判事件。賈誼、新書「梁嘗有──、半以爲當罪、半以爲不當」
によりてまぎらはし。魏志、杜恕傳、疏「衆怨難積、──難分」
互にうたがひて心を離す。晉書、殷浩傳「於是與桓溫有──」
疑ひながら事を行へば成功することなし。史、趙世家「────、疑功無名」
心に疑ふ所あれば種種の恐ろしき想を生ず。列、說符、口義「諺曰、─────」
假に設けて敵をまどはすしろ。三國志「吳徐盛植木衣葦、爲──假樓」
うたがひへだつ。潘岳文「腹心庭爭、爪牙──」白居易詩「闇生鬼魅蠧生蟲、何異讒生──中」
うたがひのかたまり、疑念の結聚。傳燈錄「──猶在也」
類似のつか、發掘せられんことを恐れて多くのまぎらはしき塚をきつく。輟耕錄「曹操──七十二、在漳河上」=疑冢。
うたがふこころ。曾鞏文「迨玆尺書至、──始冰析」=疑心。
人に信ぜられずしてそしりを受ける。南史「爲國大臣、又總戎重、萬里遠出、必至──」
敵を惑はしむべきいつはりの兵。史、淮陰侯傳「信乃益爲──」
うたがひとふ。又、うたがはしき事がら。魏書、房景先傳「景先作五經──百餘篇」
誰·何などの如く疑問の意味をあらはす代名詞。
うたがひまどふ。元稹文「內排──之詞、外輯異同之旅」
チ シ [寘]
つまづく、けつまづく(跲·頓)「前跋後─」たふれる(仆)
11畫
疐(前條)に同じ。