干部
0畫
力ン [寒]
○をかす(犯)さからふ。○もとむ(求)自ら進みてをかし求める「─祿」○たて(盾)矢をふせぐ具。○轉じていくさ道具の總稱「─戈」○ふせぐ(扞)○たに(澗)みぎは(水涯)ほとり「河─」がけ(厓)○てすり「欄─」「闌─」○みやこのそと(國郊)○あづかる(預·參)「─涉」「─預」○かわく(乾)○いし。=矸。○えびすのいぬ。=豻。○十─は木火土金水の五行を陰陽に分ちたる稱、えと、甲より癸に至る。=十幹。○そこばく、若─は、未定數を示すことぱ。=幾許。
同訓異義
ヲカス 干·侵·犯·冒は侵(人部七畫)の條を見よ。
夏の禹王の舞樂の名、干舞·羽舞。書、大禹謨「舞──于兩階、七旬有苗格」
いかりにふれる。楚辭「恐犯忌而──」
○たてと、ほこと。詩、大雅「──戚揚」○轉じて戰爭の義。文天祥詩「──落落四周星」
兵器ををさめて用ひず、戰のやみしをいふ。詩、周頌「明昭有周、式序在位、載───、載櫜弓矢」
戰をやむるをいふ、兵器を車に載するに、出征の時は刃を前に向け、凱旋の時は刃を後に向く、故に倒載といふ。禮、樂記「────、包之以虎皮」
武器をさかさまにしておく、世の太平無事となりし義。史、畱侯世家「────、覆以虎皮、以示天下不復用兵」=偃武。
えと、十干と十二支と。=幹枝。
たてと、しろと、共に外を扞ぎ內を衞るもの、國家を守る武夫に喩ふ。詩、周南、免罝「赳赳武夫、公侯──」
古代の二っの名劍、吳王闔閭、干將に劍を作らんことを請ふ、干將は吳人、其の妻を莫邪といふ、干將、五山の精、六金の英を采りて二劍を成す、陽を干將といひ、陰を莫邪といふ〔吳越春秋〕莫邪は一に鏌鋣とも書く。○轉じて廣く名劍の義。
たてと、まさかりと。轉じて兵器の總稱。詩·大雅「干戈戚揚、爰方啓行」
其の事にあづかる、關係する、さしでて世話をする。金史、撒离喝傳「固不敢──」
夜を警むる者。干は扞、掫は擊。左、襄二五「倍臣──有淫者」
ひきしほ。
をかす。呂溫文「──陳獻」
をかしさかふ。魏志、蘇則傳「明爲禁令、有──者輒戮」
しほのさしひき、干潮と滿潮と。=滿干。
あづかる、關係する。=干預·參與。
前條に同じ。
たて。禮、檀弓「儒有忠信以爲甲冑、禮義以爲──」
○天祐をもとめる。詩、大雅、旱麓「愷悌君子、──不囘」○仕へて俸祿を求める。論、爲政「子張學──」
2畫
①ヘイ·ヒャウ [庚]
②ヘン [先]
①の一音ビャウ
①たひらか、たひら(坦)「均─」「─坦」「砥─」高低凸凹なし、ひらたし「扁─」○ただし(正)○たひらぐ、たひらかにす、やはらぐ(和)をさまる(治)「升─」「康─」「泰─」「和─」○なかが直る、和睦が成り立つ。春秋、宣十五「宋人及楚人─」○なみなみ、尋常「──凡凡」○ひとし(齊等)○やすし(易)○みのる(歲稔)○おほいなる野。○漢字の發音上の四聲の一「─ ヒヤウ 上·去·入」○嘉─は陰曆十二月の異名。史、始皇紀「更名臘曰嘉─」
②── ヘンヘン はととのふ(均)辨治する。 國 ○ ヒラニ 切に「─に御免」○ ヒラ 「─椀」○ タヒラグ 盡す「飮み─ぐ」○─氏は四姓の一、桓武天皇の曾孫高望 タカモチ 王に始まる。
絕句の起句の第二字を平字にして作ろ。仄起の對。
四聲の一、上平·下平の二に分つ、上平は、東·冬·江·支·微·魚·虞·齊·隹·灰·眞·文·元·寒·删の十五韻、下平は、先·蕭·肴·豪·歌·麻·陽·庚·靑·蒸·尤·侵·覃·鹽·咸の十五韻、平聲に屬する字は皆平字にて、字の左の下の隅に圈點を付して別つ。
○平韻の字と仄韻の字と。平韻三十、仄韻七十六。仄韻は分ちて上·去·入の三聲とす。○ 國 つぢつま、順序「──が合はぬ」
ひとし、差別なし。涅槃經「悉皆──、無有差別」
佛 萬有の差別なき世界、眞如の世界。
○たひらかでやすらか、無事息災。岑參詩「馮君傳語報──」○ 國 京都の異稱。
國 延曆十三年、桓武天皇が平安卽ち京都に都を遷されてより鎌倉時代に至るまで凡四百餘年閒の稱。
○たひらぐ。七發「──西畔」○たひらか。
○たやすし、てがる。史、魯世家「──近人、人民必歸之」政を?易にして、人民に近づき親む。○わけもなし。=容易。
しづかに平かなるこころ。鬼谷子「虛心──」
公平にして、えこひいきがない、公平無私。次條參看。
公平誠實にして慘刻ならざる士。宋史、仁宗紀、贊「刑法似縱弛、而決獄多────」
たひらかにひろし。蘇軾詩「泉旁地──」=平廣。
○おだやか。徐照詩「江神應念我、──不生風」○無事にして安泰なり。
○たひらかにやすし。忠經「人臣和悅、邦國──」=平安。○唐の時の里の名。開天遺事「長安有──坊、妓女所居之地、每年新進士、游謁其中、時人謂爲風流藪澤」
○正しきはかり〔漢書、律歷志〕○衡は平なり、人を拜する時、手を拱きて心胸と平かにする義。荀、大略「──曰拜、下衡曰稽首、至地曰稽顙」
公平にして天道に至り通ずる、格はいたる。書、君奭「天壽──」天は公平無私の人に長壽を授ける。
○氣を平かにおちつける「虛心──」莊子「欲靜則──、欲神則順心」○ 國 何とも思はぬ、むとんぢゃく。
○たひらかに、ひとしくす、公平均一。詩、曹風、鳲鳩、傳「下上──如一」○ならし、不同なし。
ふだんに、いつも。水經、注「有神穴、──無水」=居常。
心がたひらかにして何物もなし。管子「或以──請論七主之過」=平意虛心·虛心平氣。
たひらかにしてひろし。=平衍。
たひらかにしてひろし。=平敞·平廣。
たひらかにゆるやか。朱熹詩「莫笑君家五畝園、要須胸次亦──」
國 ○平氏の一門。○平家琵琶の略語。○ ヒラヤ 二階以上の家の對「──建」=平房。
琵琶に合せて平家物語を謠ふもの。
たひらかにひろきはら。漢書、?錯傳「──廣野」
戰國の趙の武靈王の子、名は勝、平原は其の號、客を好み、其の門下の食客常に數千人に至る、史記に───列傳あり。
惡酒の異名。世說、術解「晉桓溫有主簿、善別酒、有酒輒令先嘗、好者、謂靑州從事、惡者、謂────、蓋靑州有齊郡、平原有革縣、從事謂到臍下、督郵言在膈上住」美酒は臍の下に下り、惡酒は膈 ムネ の上に滯る、齊は臍 ヘソ なり、革と膈と音通ず、靑州從事は美酒の異名。
まひる。錄異記「或平旦、或──」=正午。
平家物語の略。
たひらかなるすなはら。何遜詩「遠岸──合、連山遠霧浮」
つねのひ。後漢書、鄧皇后紀「──尙無惡言」=平生。
たひらかにしてうるほふ。周禮、疏「高平曰原、──曰隰」
國 からだを低く垂れて恐れ入る「──低頭」
無事なることをしらせるてがみ、平安の通信。
つねづね。後漢書、光武紀「飲食言笑如──」=平日·平生。
平かにしてひろし、敞は寬。後漢書、陳紀傳「三輔──、四面險固」=平闊。
○庶民をひとしくあきらかにをさめる。書、堯典「──百姓、百姓昭明」○公平に品評する。陸游詩「──春韮秋菘味」○夫婦を媒合する。太平廣記「吾外甥女、有姓鄭者、甚有容質、當爲兒──」
文章中に敬ふべき人の名などを書く時、行を改めて前の行と同じ高さの所より書き出す書式。
○物價の均一公平を保つ法、漢の武帝にはじまる。準は水もり、卽ち水平。史記に──書あり。○たひらか、平均。=水準。
平日に於ける河海の水かさ。增水·減水の對。
○ひごろ、かって、むかし。論、憲問「久要不忘──之言」=宿昔。○ふだん、つねづね。宋史、司馬光傳「自言吾無過人者、伹──所爲、未曾有不可對人言者耳」=平日。
政を公平にする。韓詩外傳「正法以齊官、──以齊下」
たひらかにととなふ。佛國記「師子國屋宇嚴麗、巷陌──」
たひらかにしづか。後漢書「宜須──更議其事」=寧靜。
平生のよしみ。史、張耳·陳餘傳「勞苦如───」
ふだん、つね。杜甫詩「書此豁──、囘首猶暮霞」=平生。
莊の名、河南洛陽縣の南に在り、周囘四十支那里、唐の李德裕の別墅。劇談錄「──莊、卉木臺榭、若造仙府」
○つね、ふだん。=平生。○過去。又、往事。陶潛詩「促席延故老、揮觴道──」
よあけ。孟、吿子「──之氣、其好惡與人相近也者、幾希」(平旦之氣とは夜のひきあけ頃の未だ物と接せざる時の淸明の氣分)=黎明·平明。
たひらか、地面に高低無し。
次條に同じ。阮籍、樂論「道德──、故五聲無味」
おだやかにしてあはし。晉書、郗鑒傳「遺韻──、體識冲粹」
○平かなる地面。左、隱九「──尺、爲大雪」○地を平かにならす。荀、勸學「──若一、水就濕也」
おだやかなる所に强ひてなみかぜを起させる。次條を見よ。
事を好みて、徒に紛爭を生ぜしむる義。劉禹錫、竹枝詞「長恨人心不如水、等閒平地起波瀾」
平かにをさめる。孟、離婁「堯舜之道、不以仁政、不能──天下」
まひる。阮籍詩「──整衣冠、思見客與賓」
たひらかなるはたけ。陶濳詩「──交遠風、良苗亦懷新」
たひらかにすむ。符載文「──無邊、天空境明」
たひらげさだめる、亂を平げて安んずる。漢書、高帝紀「──海內、功臣皆受地食邑」
價を平かにして米を賣出す。史、貨殖傳「──齊物、關市不乏、治國之道也」宋史、度宗紀「自是米價高、卽發廩──、以爲常」
たひらげほろぼす。隋書、音樂志「命將出征、──北荒、滅其國也」
ちゃうど。白居易詩「火銷燈盡天明後、便是──六十人」=等頭。
○日數のあたりまへのとし。閏年の對。○米のみいりの通常のとし。豐年·凶年の對。
○同じ數を掛け合せる。=自乘。○相乗積、又正方形の面積。
ひらや(平家)=平屋。
訴訟を繰りかへし、しらべて、前の裁判を改めて公平の宣吿を爲す。漢書、雋不疑傳「多有所──、母喜笑」
○たねまきの時、地ならしに用ふる農具。○平かなるいた。○轉じて詩文などの抑揚も變化もなく終始同じやぅなる口調なるに喩ふ。=千篇一律。
國 ふだんぎ、平常の服。禮服·制服などの對。
病が全くいえる。韓詩外傳「──如故」=平癒。
散文をいふ。墨客揮犀「往歲士人多尙對偶爲文、穆修·張景輩、始爲──、當時謂之古文」
兩方を公平にわける、眞半分にする。楚辭、九辯「皇天──四時兮、竊獨悲此凜秋」
○つねなみ、平凡なる貌。平淡にして他の奇なし。後漢書、班超傳「今所言──耳」○ ヘンヘン 均しく治まる貌。辨治する義。書、洪範「王道──」
平坦を重ねたる語、甚だ平かなる貌。又、何等の變化も無きさま。
甚だつまらぬさま、平凡を重ねたる語。
漢の高祖の功臣、陳平と周勃と。漢書、刑法志「以孝文之仁、──之知、猶有過刑謬論、如此甚也」
つねなみ。朱熹、齋居感興詩序「思致──、筆力萎弱」=平平凡凡。
○おしなべての民、庶人、平は善、農民をいふ。書、呂刑「蚩尤惟始作亂、延及于──」○ 國 族籍上の階級の稱、皇族·華族·士族を除きたる以外の人。
貴賤上下の階級に關せずして萬事てがるに行ふ主義。
つねの健康の人の脈搏、一分閒に凡七十四五うつ。史、倉公傳、注「其脈沈而滑、名──也」
よあけがた。史、畱侯世家「五日──良往」=平旦。
平かなるおもて。
たひらかなる野はら。杜甫詩「星垂──闊、月湧大江流」
病がいえること、病氣がなほる、本復 ホンプク する、愈は癒。=平復。
前條に同じ。
○高低なき平かなるくが。盧諶詩「──引長流」=平地。○齊の邑の名。孟子「孟子之──」
○公平にして善良。書經、傳「惟──可以斷獄」○陳平と張良と、共に漢の高祖の功臣にて智のすぐれたる人。隋煬帝詩「英名欺衞霍、智策蔑──」
たひらかにおだやか。晉書、天文志「七曜由乎天衢、則天下──」=平穩。
交戰國が互に平和に復することを目的として結びしやくそく。
○ひとしからず、公平ならず。詩、小雅「昊天──」○ フヘイ 心が平かならず、心が不滿である。
國 ひも或は金屬をひらたくうつ「──の紐」
國 襠 マチ をひくくさげて仕立てたる袴。まちだか袴の對。
國 海魚の一、扁平にして右側白く左側灰黑色、服は左側につく。比目魚、鮃とも書く。
國 底のあさきわん。略しで平 ヒラ 又お平 ヒラ ともいふ。
3畫
ネン [先]
○とし(歲)地球が太陽を一週する三百六十五日閒の稱。夏に歲といひ、殷に祀といひ、周に─といふ。─はもと、禾の熟する義、毎歲一熟、故に歲の義とす。○よはひ(齡)○みのる(穀熟)「有─」「豐─」五穀が皆よく出來る。左、宣十六「大有─」○同─は同時に進士に及第せし者が互に呼ぶ稱。又、其の人人の家人の交際を─誼といふ。
○としのはじめのよろこび、新年の祝賀。=新禧。○老人の長壽をいはふいはひ。
年に名づける稱號。漢の武帝、建元と號せしを始とす。我國にては、孝德天皇の大化を始めとす。宋書、陶潛傳「義熙以前則書晉氏──」
一年閒に於ける總ての計算高。宋史、食貨志「今以錢銀榖帛、貫石匹兩定──」
一年中の重要なる事件を集め記せしもの〔宋史、藝文志〕
○忌みきらふ年齡。靈樞經「凡七歲·十六歲·二十五歲·四十五歲·五十二歲·六十一歲·是謂──」○ 佛 年年の忌日の義、人の死後、其の月日に相當する年年の月日に佛事をいとなむ義。=年囘。
國 雇人の奉公する約束の年限「──奉公」
○よはひ。後漢書、光武紀「不計優劣、不論──」=年齡。○年數の義。晉書、倭人傳「但計秋收之時、以爲──」
功によりて終身又は一定の年限閒、毎年下賜せられる金。
國 香魚 アユ の異名。
國 ○每年のみつぎ物。租稅。○小作人が地主に納める米錢。
としつき。華は光、光陰。皮日休詩「居玆老復老、不解歎──」=年光。
としつき、光陰。徐陵文「──遒盡、觸目崩心、扶力含毫、諸不申具」
二國以上の岀來事を年を逐ひ對照せし年表「和漢──」
定めたる年のかぎり。唐書、薛登傳「請寬──以容簡汰」
年來のほねをり「──加俸」は──によりて本俸の外に俸を加へ給するもの。
こくもつ、五穀。一年に一度熟する故。莊、逍遙遊「──熟」
次條に同じ。載は歲。齊書、褚伯玉傳「抗高木食有──矣」
とし。史、平津侯傳「閒者關東五縠不登、──未復」=年祀·年載。
としのはじめ。=年首·年頭·年初·年甫·歲首。
とし。祀も年。周書、宇文護傳「吾含悲戚、多歷──」=年載·年歲。
とし、よはひ。齒は齡。後漢書、順帝紀「不拘──」=年齡。
としのはじめ。史、封禪書「以冬十月爲──」
人のいのち。禮、文玉世子、疏「──之數、賦命自然、不可延之寸陰、不可減之晷刻」=年命。
年のをはり。白居易詩「更待──後、支持歸計看」
年數、所は助辭。書、君奭「多歷──」
としわかし、としした。戰國趙策「寡人──、奉祠祭之日淺」=年弱。
年數と時代と。禮記、疏「但──久遠、無知其得失」
としうへ。年少の對。曲禮「──以倍則父事之」
國 一年中のそれぞれの季節に行ふ可き定りたる儀式。
○十二箇月を一くぎりとせしもの、我國の現行の政府會計──は四月に始まりて翌年三月に終る。
穀の善く熟するをいふ。唐書、宋務光傳「天下人失業、不謂太平、邊兵未解、不謂無事、水旱爲災、不謂──、倉廩未實、不謂國富」
としのはじめ。林光朝詩「──月尾無一事」=年首·年始。
年と德と共に高し。後周書、寇儁傳「常親執其手曰、公────、所欽尙」=年德竝高。
ことしのうち。宋書、二凶傳「──何必還」
としどし、每年。劉廷芝詩「────花相似、歲歲年年人不同─
としごろ、輩はたぐひ「同──」叉、年齡と輩行と。淵源錄「楊學士──與先生亦相若」
一年の春の芳ばしきをいふ。喬知之、倡女行「願君駐金鞍、暫此共──」
一年閒の出來事の報吿。
一年每に交代して、番をする。
國 借りたる金品を每年にわりつけて支拂ふ。月賦の對。
人の一代の履歷を年月順に記錄せしもの。宋史、藝文志「洪興祖、韓愈──一部」
年玉 トシダマ 新年の始に、人に物を贈るをいふ。又、其の贈品。淸嘉錄「家戶爲宿歲之儲、新年以餉戚友謂之──、以元旦至五日不設市也」
歷史の事項を年月順に表にしたるもの。史記自序「作十二諸侯──第二」
としのすゑ。=年末·年尾·歲杪。
としのはじめ。甫は始。=年首·年頭·年始。
一箇年にて定めたる給料。月俸の對。
豐年に同じ。左、桓六「奉盛以吿曰、潔粢豐盛、謂其三時不害、而民和──也」=年登。
年のをはり、十二月二十日過の稱。=歲暮·年杪·歲末。
としごろ。數年このかた。語林「我──忍饑誦經」
雙子葉植物、及裸子植物の幹の横斷面に、毎年一っづつ增してあらはれる輪の形せるもくめ。
人の年と精力と。范曄詩「聞道雖已積、──之頽侵」
每年のきまり。孟浩然詩「園中有老梅、──犯寒開」
よはひ〔禮、文王世子〕庾信文「──俄頃、風電相摧」=年齒。
國 武家にて新年の儀式追儺 ツヰナ の豆打などを行はする役。
國 年每につづきて生れる子の義。
國 ○老人。○相撲の顧問·監督などを務める者。○若──は武家にて老中の次に位する役人。
幷(干部五畫)の俗字。
5畫
力ゥ [梗]
○さいはひ、しあはせよし、さち(福祿)「─福」「天─」○こぼれざいはひ(德倖)中庸「小人行險以徼─」○さきはふ。○さいはひす、幸福を與へる。漢書、高帝紀「願大王以─天下」○かはゆがる(寵愛)又寵愛を受くる者「佞─」「嬖─」○よし(好)○こひねがふ(冀·覬)「希─」○みゆき、天子のいでまし。其の地方の民衆にさいはひがある義「行─」「臨─」「巡─」
同訓異義
サイハヒ 幸·福·祜·禧·倖等の別は福(示部九畫)の條を見よ。
よきしあはせ、幸福なる運命。=好運。
お氣に入りのをんな。史、孟嘗君傳「使人抵昭王──求解」=寵妾。
しあはせ、よろこび。
氣にいりのけらい〔韓非子〕=寵臣。
○しあはせ多し。史、淮陰侯傳「蕭何曰、──」○有り難し、手紙の結尾に用ふ。韓愈、再與鄂州柳中丞書「不惜時賜示──不宣」
君の寵を受くるわざをぎ。漢書、注「──、倡優之見幸遇者也」=幸娼。
○幸をもとめて苟も生きながらへる。國語「婾居──」○しあはせに生れ岀る。韓愈文「──天下無事時、承先人之遺業」
國 よきついで、よきたより。
しあはせ。
まぐれざいはひにのがれる。論、雍也「子曰、人之生也直、罔之生也、幸而免」
ヘイ [庚]
并は俗字倂に通ず
○あはす(合)「合─」かぬ(兼)「兼─」おなじ(同)○古の十二州の一、舜、冀州を分ちて幽州·─州と爲す、今の直隸省の眞定·保定、山西の太原·大同等の地方。
あはせたもつ。史記「──天下」
あはせて一っにす。史記「秦──諸侯」=兼幷。
唐の賈島が久しく住せし幷州を去りて後、幷州を望みて第二の故鄕の感をなしたる故事、其の詩に曰く「客舍幷州已十霜、歸心日夜憶咸陽、無端更渡桑乾水、卻望幷州是故鄕」
幷州より產する剪刀 ハサミ 極めて銳利なり、故に事の爽利なる者に喩ふ。杜甫詩「焉得幷州快剪刀」=幷刀。
幷州剪を見よ。
あはせのむ。賈誼、過秦論「──八荒」=兼幷。
10畫
①カン [翰]
②力ン [寒]
①みき、草木の莖「本─」「根─」○からだ「軀─」○もと(本體·主要)易、乾卦「貞者事之─也」○任に堪へて事をよくする(能事)易、蠱卦、注「─父之事」其の任に堪ふるはたらき(伎倆)「才─」「器─」「吏─」「武─」○せぼね(脊骨)わきばら(脅)○えと(干支)○しろ、器具の用材。○つよし(强)
②ゐげた、井上の木欄。莊、秋水「吾跳梁乎井─之上」=榦。○管と通ず。後漢書、竇憲傳「内─機密」
木のみきと、草のくきと。
幹は善、蠱は事、事を善くする、子が父の失敗せし事を取りかへす。易、蠱卦「初六幹父之蠱、有子考无咎」考は父。
はたらき。伎倆。=才幹。
幹は事、止は居、事とする所に安んじ、居る所に安んずる義。書、多士「爾乃尙寧──」
えと。十幹と十二枝と。=干支。
人の生れし年の干支によりて吉凶禍福をうらなふ術。
○幹は善、事を善くする。易、乾卦、文言「貞固足以──」○ 國 主として事務を執る人の職名。
主要の線路。支線の對。=本線·幹路。
事務をとりあつかふ本部。又、其の事務員。
物事に熟練する。蔡邕文「──機事」