亅部

0畫

亅  

ケツ [月]

かぎ、鉤の形に象る。

1畫

了  

レウ [篠]

○さとる、理解する(曉解)○をはる(訖·畢)○さとし(慧)「聰─」後漢書、孔融傳「小而──、大未必奇」○さだまる、きめる(決)すむ(濟)○こころよし(快)○つひに(終)唐書、姚南仲傳「─復何益」○あきらか(明)「明─」○句末に用ひて決定若くは終結の意をあらはす。王守仁文「此已被私欲隔斷、不是知行的本體─ ○秦吉─は鸚鵡に似たる鳥の名、能く言笑す、九官鳥 キウクワンテウ 李白詩「安得秦吉─、爲人道寸心」

【了解】 レウカイ 

よく道理をさとる、がてんす、了了の後の解を見よ。

【了覺】 レウカク 

了得に同し。

【了悟】 レウゴ 

○あきらかにさとる。=了解·照了。○ 佛  明かなる心にて性を見る義。傳法正宗記偈「泡幻同無礙、如何不──」

【了債】 レウサイ 

負債をかへし終る。馬臻詩「欠詩──人多笑」

【了事】 レウジ 

○事理を明かにさとり知る。甘澤謠「陶峴富有田業、擇家人不欺而──者、悉付之」○事を畢ふ、始末をつける。

【了承】 レウシヨウ 

承知する。

【了然】 レウゼン 

あきらかなる貌、了了の後の解に同じ。

【了諾】 レウダク 

はっきりとうべなふ。

【了得】 レウトク 

さとる、合點がゆく。=了覺·了卻·曉了·解了。

【了戾】 レウレイ 

物が二股 フタマタ 或は一股結び糾 アツマ りてまっすぐに伸びざる貌。(酉陽雜俎)

【了了】 レウレウ 

○さかしき貌。字解を見よ。○明かなる貌。世說「鍾士季目王安豐、阿戎──解人意」=了然。

3畫

予  

①ヨ [語]

②ヨ [魚]

①たまふ(賜)あたふ、與に通ず。詩、小雅「君子來朝、何錫─之」

②われ(我)論、述而「天生德於─、桓魋其如─何」=余。

【予一人】 ヨイチジン 

天子の自稱。書、湯誥「嗟爾萬方有衆、明聽───誥」

【起予】 ヨヲオコスワレヲオコス 

己の心附かざりしことを人より注意せられて悟る。論、八佾「孔子曰、──者商也、始可與言詩已矣」商は子夏の名。陸游詩「稚子談經屢──」

【予吿】 ヨコク 

官吏が暇を賜ひて家に歸るを得ること。避暑錄話「吿者以暇吿於上、從之而或賜或予、故因謂之吿」

【予小子】 ヨセウシワレセウシ 

○天子の未だ喪を除かざる時の自稱。禮、曲禮「天子未除喪曰───」○喪中に限らず天子の自稱。詩經「維───夙夜敬止」

【予奪】 ヨダツ 

與ふるとうばふと。=與奪。

【予豈好辯哉】 ワレアニベンヲコノマンヤ 

吾は決していたづらに辯舌を弄するを好む者に非ず。孟、滕文公「公都子曰、外人皆稱夫子好辯、敢問何也、孟子曰、─────、予不得已也」

7畫

事  

シ ジ [寘]

叓は古字

○こと、ことがら。大學「物有本末、─有終始」○しわざ、しごと、つとめ(務)論、顏淵「先─後得」大を政といひ、小を─といふ。○かはりたること(變故)「四方無─」○むほん、叛逆。史、吳王濞傳「因以此發謀、欲擧─」○こととす、史、曹參世家「卿大夫以下吏及賓客見參不─事」○をさめる(治)なす(爲)いとなむ(營)○たつ(立)いさを(功)○つかふ(使)○つかまつる(奉仕)「─君」「─父」曲禮「年長以倍、則父─之」○もちふる(役)○さす、さしはさむ、物を以て地に插す。漢書、蒯通傳「所以不敢─刃於公之腹者、畏秦法也」=剚·倳。

【事由】 ジイウ 

○ことがら、事のわけ、理由。方干詩「誰向穹蒼問──」○結果の直接原因となれる事實。

【事機】 ジキ 

をり、はづみ、機會。晉書、溫嶠傳「無後──」

【事局】 ジキヨク 

ことがらのなりゆき。

【事業】 ジゲフ 

しごと。易經「擧而措之天下之民、謂之──」

【事業年度】 ジゲフネンド 

事業を經營するに、便宜上特に定めたる期閒。

【事件】 ジケン 

○ことのくだり、事の次第。○ことがら、事故、一事を一件といふ。正字通「件、說文分也、又名件條件、俗號物數曰若干件」

【事故】 ジコ 

○できごと。周禮、秋官「小行人治其──及其萬民之利害、爲一書」○こと、わけ、しさい。=事件。

【事後】 ジゴ 

物事を實行せしのち。事前の對。

【事後承諾】 ジゴシヨウダク 

火急の場合に、先づ實行したる事を後日に至りて承諾を求むる義。

【事功】 ジコウ 

てがら、事業の功績。

【事項】 ジコウ 

ことがら、事の箇條、項は款項の義·事物の件數をいふ。

【事事】 ジジ 

すべてのこと、各事。陶潛詩「聖賢畱餘跡、──在中都」

【事事無成】 ジジナルコトナシ 

何事も成功せしことなし。白居易、醉吟詩「────身也老、醉鄕不去欲何歸」

【事事物物】 ジジブツブツ 

あらゆるものごと、萬事萬端。

【事實】 ジジツ 

實際のことがら、事の眞相。史、莊周傳「率皆虛語無──」

【事情】 ジジヤウ 

ことのありさま、事のおもむき。戰國策「請謁──」=事態。

【事守】 ジシユ 

しごと、つかさ。禮記「是天子之──也」=職守。

【事蹤】 ジシヨウ 

ことがらのあと。陵機、表「──筆跡、皆可推較」=事跡。

【事勢】 ジセイ 

ことといきほひと、又、事のなりゆき、事の趨勢。

【事跡】 ジセキ 

事のあとかた、歷史のあと。=事蹟 ジセキ 事蹤。

【事蹟】 ジセキ 

ことのあとかた。=事跡·事迹·事蹤。

【事前】 ジゼン 

事を實行せざる以前。

【事態】 ジタイ 

ことのありさま。=事情。

【事體】 ジタイ 

事の大體、體は體統。後漢書、胡廣傳「練達──、明解朝章」

【事大黨】 ジダイタウカ 

の强大なる方に事へるを得策とする主義の黨派。

【事端】 ジタン 

ことのいとぐち、爭のはじめ。

【事典】 ジテン 

百般の事を行ひ邦國を富ませる法則、司空の職に屬す。周禮、天官、太宰「六曰、──、以富邦國、以任百官、以生萬民」

【事物】 ジブツ 

すべてのものごと。

【事物紀原】 ジブツキゲン 

書名、十卷、宋の高丞撰す、天地·生植·正朔·歷數等の五十五部に分ちて事物の原始を說く。

【事文類聚】 ジブンルヰシユ 

書名、前集六十卷·後集五十卷·續集二十八卷·别集三十二卷·新集三十六卷·外集十五卷·遺集十五卷あり、羣書の要語·事實·詩文等を類聚す。

【事變】 ジヘン 

かはりたることがら、さわぎ。=變亂。

【事務】 ジム 

つとめ、職務。應璩書「適有──、須自經營」

【事理】 ジリ 

ことのわけ、事のすぢみち。

【事例】 ジレイ 

ことの實際ありしためし。=實例。

【事不師古】 コトイニシヘヲシトセズ 

事を爲すに古人の敎を手本と爲さず。書、說命「────以克永世、匪說攸聞」

【致事】 コトヲイタス 

官を罷める。禮、內則「七十──」注「致其事於君而吿老」=致仕。

【不事事】 コトヲコトトセズ 

事を事と思ひてつとめざる義。史、曹相國世家「卿大夫以下吏及賓客見參不事事」

【不了事】 コトヲサトラズ 

事理を明かに悟らず。南史、蔡撙傳「武帝曰、卿殊───、撙曰、臣未嘗有───之目」

【聯事】 コトヲツラヌ 

同僚として、互に助け合ひて事務を共にする、聯は連〔周禮、太宰〕

【襄事】 コトヲナス 

葬式を濟ます。左、定十五「葬定公、雨不克──、禮也」

【不經事少年】 コトヲヘザルセウネン 

世の經驗を積まざる年少者。晉書、桓沖傳「譏謝安曰、大敵已至、遺諸─────、衆又寡弱、天下事可知矣」

【先事慮事】 コトニサキダチテコトヲオモンパカル 

事の生ぜざる以前に、其の事の是非成敗などを考へる。荀、大略「────謂之捷、捷則事優成、先患慮患謂之豫、豫則禍不生」

【因事制宜】 コトニヨリテヨロシキヲセイス 

其の事に應じて相當の方法を施す、臨機の處置を爲す。漢書、韋玄成傳「明王之御世也、遭時爲法、────」

【事以密成】 コトハミツヲモツテナル 

凡そ事業は、愼密を以て成就す。韓非─說難「────、語以泄敗」